事業再生系働き方・激務度

フロンティア・マネジメントは激務?有給取得率・制度・負荷の構造から読む働き方

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フロンティア・マネジメントは上場企業として、有給休暇取得率や育児休業取得率といった人的資本の指標を有価証券報告書で毎年開示しています。残業時間そのものは公表されていませんが、開示指標と事業構造を組み合わせると、働き方の輪郭はかなり具体的に描けます。2025年度の有給休暇取得率は34.5%、これに対する2026年度目標は70.0%。この差が示すものを含めて整理します。

この記事のポイント

  • ✓有給休暇取得率は2024年度36.1%、2025年度34.5%。2026年度目標の70.0%とは大きな開きがある
  • ✓残業時間は公式に開示されていない。大手口コミサイトの公開集計値でも、案件による振れ幅が大きいとされる
  • ✓勤務時間は9時〜18時のフレックスタイム制、在宅勤務は週2回まで(公式)
  • ✓男性育児休業取得率は2025年度70.6%と大きく改善(前年度36.4%)、女性は100.0%
  • ✓2025年の構造改革で人員が約11%減っており、1人あたりの負荷という観点では注視が必要

公式開示から見る働き方の実数

同社は有価証券報告書のサステナビリティ関連開示のなかで、人材に関する指標と目標を実績値つきで公開しています。コンサルティング業界では珍しく、働き方に関する数字を年度比較できる状態です。

指標2024年度実績2025年度実績2026年度目標
有給休暇取得率36.1%34.5%70.0%
男性の育児休業取得率36.4%70.6%40.0%
女性の育児休業取得率100.0%100.0%100.0%
幹部人材の平均勤続年数5.6年4.6年6.0年
ストレスチェック実施率90.2%97.3%100.0%
教育研修ツールの利用者割合56.3%73.5%60.0%

各期の有価証券報告書「人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する考え方」における指標及び目標の開示値。

有給取得率34.5%をどう読むか

最も目を引くのは有給休暇取得率です。2025年度実績は34.5%で、前年度の36.1%からわずかに低下しました。会社が掲げる2026年度目標は70.0%であり、実績とのギャップは倍近くあります。

厚生労働省「令和6年就労条件総合調査」による日本全体の年次有給休暇取得率は65.3%です。同社の水準はこれを大きく下回ります。目標値を70.0%に置いていること自体は改善意思の表明ですが、現状としては休暇を取りにくい環境であることを示す数字と読むのが率直です。

プロジェクト単位で動くファームでは、案件の山谷が休暇取得に直結します。数字の低さがそのまま長時間労働を意味するわけではありませんが、まとまった休みを計画的に取りづらい構造があることは想定しておくべきでしょう。

男性育休取得率は大きく改善

一方で明確に改善した指標もあります。男性の育児休業取得率は2024年度の36.4%から2025年度は70.6%へと大きく上昇し、会社目標の40.0%を上回りました。女性は2年連続で100.0%です。

休暇取得の全体水準は低いものの、制度としての育児休業は実際に機能していることを示す数字です。

幹部人材の平均勤続年数は低下

幹部人材の平均勤続年数は2024年度の5.6年から2025年度は4.6年へ低下しました。会社目標は6.0年です。同時期は構造改革による人員適正化の局面にあたるため、シニア層の入れ替わりが数字に反映された可能性があります。

決算説明資料でも「構造改革に伴うシニア層入替」への言及があり、組織が動いた年であったことは公式資料からも読み取れます。

残業時間の目安

同社は残業時間の統計を公表していません。大手口コミサイトの公開集計値では、コンサルティング業界の中では中程度から重めという評価が混在し、部門と案件によって振れ幅が大きいとされます。単一の平均値で語れる性質のものではありません。

会社自身がリスクとして認識している

参考になるのは、同社が有価証券報告書のリスク認識として「従業員に過労による労災(死亡、心身失調等)や長時間労働による業務効率の低下が発生し、当社が適切な対応を取らなかった場合」に信頼低下や業績への悪影響がありうると明記している点です。長時間労働が現実の管理課題として認識されていることの裏返しでもあります。

同時に、ストレスチェックの実施(2025年度実施率97.3%)、会社負担の人間ドック、産業医と毎週面談できるウェルネスセンターの設置といった健康支援策も公式に説明されています。

他ファームとの比較

働き方改革が進んだ大手総合系と比べると、同社は「制度は整っているが、案件次第で負荷が跳ねる」タイプの環境と考えるのが実態に近いでしょう。

ファーム働き方に関する目安備考
ベイカレント月20時間程度働き方改革後の水準として語られる
アクセンチュア月20〜30時間との評価総合系
フォーティエンスコンサルティング月約40.8時間NTTデータグループ
経営共創基盤(IGPI)月70時間前後とする集計あり案件による振れ幅が大きい
フロンティア・マネジメント公式開示なし。案件により変動有給取得率34.5%(2025年度・有報開示)

各社の数値は公表値または大手口コミサイト等の公開集計値であり、算出基準が異なるため厳密な横並び比較には適しません。フロンティア・マネジメントについては残業時間の公開値が存在しないため、有価証券報告書で開示されている有給休暇取得率を併記しています。

負荷の構造 — なぜ案件によって変わるのか

同社の働き方を理解するには、扱う案件の性質を押さえる必要があります。3つの事業はそれぞれ時間の使い方が異なります。

再生支援 — 時間的制約が最も厳しい

有価証券報告書によれば、再生支援事業では事業再生計画の策定から実行支援、金融機関との利害調整、経営改革のための経営参画、各種再生手続き上の支援までを担います。危機的状況にある企業が対象であり、資金繰りや金融機関との協議には期限があります。この領域では稼働の山が発生しやすい構造です。

同社は自社の特長として「コミットメントの強さ」を挙げ、その原点は祖業である事業再生業務で失敗が顧客企業の破綻に直結するためだと有価証券報告書で説明しています。この姿勢は働き方にも影響します。

M&Aアドバイザリー — ディールの波に左右される

M&Aアドバイザリー事業は、有価証券報告書で「業務の性質上、成功報酬の割合が高くなる傾向」があると説明されています。クロージングに向けた局面では業務が集中し、案件の谷では相対的に落ち着く、という波のある働き方になります。

経営執行支援・CxO派遣 — 常駐という働き方

同社は経営人材を顧客企業に取締役やCxOとして派遣し、常駐型で経営執行を支援する業務を拡大していると説明しています。2025年度の役員・CxO派遣者数は33名(2026年度目標50名)、海外・提携先企業への出向者数は15名でした。

常駐案件では勤務地が顧客先になり、働き方は派遣先の企業の実態に強く依存します。在宅勤務やフレックスの運用も、案件によって現実的な自由度が変わる点は理解しておく必要があります。

制度面 — 公式に公開されている働き方支援

同社は採用サイトで働き方支援の制度を具体的に公開しています。制度の整備状況は業界水準を満たしていると評価できます。

勤務・休暇に関する制度

  • •勤務時間は9時〜18時のフレックスタイム制(公式求人情報)
  • •在宅勤務制度:週2回まで在宅勤務が認められている
  • •シェアオフィス:全国150か所超の拠点を10分単位で利用可能
  • •育児休業制度:子が3歳に達するまで取得可能
  • •育児短時間勤務制度:子が小学校入学まで取得可能
  • •遠隔地勤務規程:配偶者の転勤や親族介護などで通勤困難な場合も就業を継続できる

健康・生活に関する支援

育児休業が子の3歳まで、短時間勤務が小学校入学までという設定は、法定を上回る水準です。制度上の手当ては手厚い部類といえます。

  • •ウェルネスセンターを設置し、産業医による健康相談を週1回実施(予約制)
  • •会社負担の人間ドック受診機会を年1回提供
  • •毎年1回のストレスチェック実施(2025年度実施率97.3%)
  • •外国籍従業員向けの生活サポート(ビザ取得・住宅探し・行政手続きなど)
  • •従業員持株会、選択制確定拠出年金、総合福祉団体定期保険、ベビーシッター割引クーポン
  • •社内交流会支援制度(部門を超えた交流の費用を会社が補助)

成長支援

非管理監督者を対象に1年間自由に視聴できるオンライン教育研修ツールが提供され、2025年度の利用者割合は73.5%(会社目標60.0%)でした。全従業員に対する資格取得や語学習得の金銭的支援も公式に説明されています。

また、従業員の希望による部署間異動(子会社への転籍を含む)の仕組みがあり、2025年度の部署間異動者数は6名(目標10名)でした。

多様性に関する数字

働きやすさを判断する材料として、同社が開示している多様性関連の指標も参考になります。

指標2024年度実績2025年度実績2026年度目標
従業員に占める女性の割合22.7%25.4%30.0%
管理職に占める女性の割合8.8%5.2%15.0%
男女の賃金差異(全従業員)58.7%54.9%70.0%
男女の賃金差異(正規従業員)61.4%57.1%70.0%

有価証券報告書の開示値。男女の賃金差異は男性の賃金に対する女性賃金の割合です。同社は「業務内容や職位と賃金水準がリンクしており、同一の業務内容と同一の職位においては男女間での賃金水準に差異はない」と注記しています。

女性比率は上昇、管理職比率は低下

従業員に占める女性の割合は22.7%から25.4%へ上昇した一方、管理職に占める女性の割合は8.8%から5.2%へ低下しました。会社目標の15.0%とは差があります。男女の賃金差異も54.9%と、目標の70.0%に届いていません。

同社はこの差異について、職位と賃金がリンクしており同一職位・同一業務では差がないと説明しています。つまり数値差は上位職位における女性比率の低さに起因する構造的なものと整理されています。改善の途上にある領域と捉えるのが妥当です。

構造改革後の働き方をどう見るか

2025年の構造改革は、働き方の観点でも無視できない変化をもたらしています。

人員は減り、生産性向上が掲げられている

決算説明資料によれば、2025年12月末のグループ人員数は前年同期比11%減の387名。同社は構造改革により固定費を圧縮し、生産性を改善させる方針を掲げています。資料では、コンサルティング系部門の2025年12月単月におけるフロント人員数ベースの生産性が年換算34百万円の水準まで伸長したと説明されています。

人員が減ったうえで生産性を上げるという方針は、1人あたりの担当範囲が広がる可能性を意味します。他方、同社は業務効率化として、ナレッジデータベースの高度化、生成AIの活用、業務BPOの活用を施策に挙げており、単純な負荷増だけではない方向も示されています。

2026年は増員計画

同社は2026年12月期にグループ人員を約24名増の411名とする計画を示しています。M&A部門のシニア増強にも言及があり、体制の再拡充が進めば1人あたりの負荷は緩和される可能性があります。2026年8月時点では、その途上と捉えるのが実態に近い見方です。

向く人・向かない人

制度は整っている一方、実際の使いやすさは案件と部門に左右されます。選考の過程で、配属予定部門の直近の稼働状況や休暇の取り方について具体的に確認しておくことをおすすめします。

向いている人

  • •案件によって稼働の山谷があることを前提に、自分で調整しながら働ける人
  • •危機局面や期限のある案件で力を発揮できる人
  • •常駐型の経営執行支援やCxO派遣といった、現場に入り込む働き方に関心がある人
  • •制度を自分から使いこなせる人(在宅・フレックス・シェアオフィスなど選択肢は用意されている)

向いていない人

  • •年間の休暇計画を確実に立てて働きたい人(有給取得率は34.5%にとどまる)
  • •稼働時間が安定していることを最優先したい人
  • •勤務地や働く相手が案件ごとに変わることを負担に感じる人
  • •会社が整えた枠組みのなかで管理された働きやすさを求める人

よくある質問

Q. フロンティア・マネジメントは激務ですか?
A. 残業時間は公式に開示されていないため断定はできませんが、有価証券報告書で開示されている有給休暇取得率は2025年度で34.5%と、日本全体の平均(65.3%)を大きく下回ります。会社自身も長時間労働をリスクとして認識していると明記しています。案件の性質による振れ幅が大きい環境と考えるのが実態に近いでしょう。
Q. 有給休暇は取れますか?
A. 取得率は2024年度36.1%、2025年度34.5%で、会社が掲げる2026年度目標の70.0%とは大きな開きがあります。制度としての休暇は整備されていますが、プロジェクトの山谷に左右されやすく、計画的にまとまった休みを取ることは容易ではないと想定しておくべきです。
Q. リモートワークはできますか?
A. 公式には在宅勤務制度が用意されており、週2回まで在宅での勤務が認められています。加えて全国150か所超のシェアオフィスを10分単位で利用できます。ただし常駐型の経営執行支援案件では勤務地が顧客先となるため、実際の運用は案件により異なります。
Q. 育児と両立できる環境ですか?
A. 制度面は法定を上回る水準です。育児休業は子が3歳に達するまで、育児短時間勤務は子が小学校入学まで取得できます。2025年度の育児休業取得率は男性70.6%(前年度36.4%から大きく改善)、女性100.0%でした。ベビーシッター割引クーポンや遠隔地勤務規程も用意されています。
Q. 勤務時間はどうなっていますか?
A. 公式の求人情報では9時〜18時のフレックスタイム制と記載されています。コアタイムの有無など詳細な運用は募集要項および選考過程でご確認ください。
Q. 構造改革の後、働き方は変わりましたか?
A. 2025年の人員適正化によりグループ人員は前年同期比11%減の387名となり、同社は生産性向上を方針として掲げています。1人あたりの担当範囲が広がる可能性がある一方、生成AIや業務BPOによる効率化も施策に挙げられています。2026年12月期は約24名の増員計画が示されており、体制は再拡充の方向にあります。

SUPERVISED BY — 監修者

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辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

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