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コンサル年収ランキング59社比較|有価証券報告書ベースで見る実際の水準

最終更新:

「コンサル年収ランキング」として流通している表の多くは、有価証券報告書で開示された確定値と、口コミサイトの集計値を同じ列に並べています。母集団も算出基準も違う数字なので、その順位には本来あまり意味がありません。本ページでは本ガイドの調査対象59社の年収データを出所別に4つに分け、有報開示の13社は平均年齢と決算期まで併記したうえでランキング化し、それ以外は参考一覧として明確に区別して掲載します。

この記事のポイント

  • ✓本ガイドの調査対象59社のうち、有価証券報告書で平均年間給与を確認できるのは13社。企業公式求人の平均値が1社、公開集計値ベースが25社、公式非開示が20社という内訳です
  • ✓有報開示ベースの最上位はグロービング約1,521万円(2025年5月期・平均年齢34.7歳)、次いでベイカレント約1,349万円、野村総合研究所1,332万円(2026年3月期・平均年齢39.7歳)
  • ✓有報の開示値と口コミサイトの集計値は母集団も算出基準も異なるため、同じ列に並べて順位をつけることには無理があります
  • ✓平均年齢を併記すると景色が変わります。シグマクシス1,208万円は平均年齢45.4歳、ライズ約1,108万円は33.2歳。同じ「1,100万〜1,200万円台」でも意味が違います
  • ✓国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」の平均給与545万円と比べると、当サイトで数値を確認できたファームの多くはこれを上回ります。ただし医療・ヘルスケア系など、同等の帯にとどまる領域もあります

ULSの年収情報を更新:有報と企業求人の公表値を区別

2026年9月13日、ULSコンサルティングの公式求人を確認し、従来の持株会社ベース約748万円という記載を有報比較表から除外しました。企業公式求人の平均年収1,005万円(2026年3月時点)は、有報開示値とは別枠で扱います。

本ガイドは従来の59社を比較対象としています。新たに掲載したJDSC、Alphakt、Pragmateches、プテロン、アクティヴァーチの年収は、各社の年収記事で職種・給与の種類を明示しています。

企業企業公式求人に掲載された平均年収時点・出所
ULSコンサルティング1,005万円2026年3月時点/企業公式求人

持株会社の有価証券報告書とは対象・出所が異なります。個人への提示保証ではありません。

「コンサル年収ランキング」の数字は4種類に分かれる

コンサルティングファームの年収を比較しようとすると、すぐにひとつの壁に突き当たります。会社によって、そもそも数字の出所がまったく違うのです。上場企業には有価証券報告書で平均年間給与を開示する義務がありますが、外資系ファームの日本法人やBIG4系のように非上場・合同会社形態をとる企業には、その義務がありません。

当サイトでは、59社の年収データを次の4つに分類しています。ランキング表や一覧表には必ず「出所」を明示し、性質の違う数字が混ざらないようにしています。

本ページでは、有報開示の13社と公開集計値ベースの25社を、意図的に別々の表に分けて掲載しています。同じ表に並べた瞬間、順位は意味を失うためです。

分類内容確度該当社数
企業公式求人の平均値企業が公式採用ページで公表する平均年収。有報とは区別する企業公表。集計対象や時点の確認が必要1社
有報開示上場企業(または上場準備企業)が有価証券報告書等で開示した平均年間給与。提出会社ベースの確定値で、平均年齢・従業員数も併記される高い。第三者が同じ数字を再現できる13社
公開集計値大手口コミサイト等に投稿された回答の公開集計値、および企業が採用情報等で公表している目安値参考値。回答者の属性・母数に左右される25社
公式非開示平均年収・年収レンジのいずれも公式には確認できない企業。新卒初任給や求人票の想定レンジのみが手がかり数値なし20社

2026年8月調査・ULSは2026年9月更新。当サイトが各社の公開情報をもとに分類したものです。分類は開示状況の変化により変わります。

有報開示値と口コミ集計値を同じ列に並べてはいけない理由

一般に流通しているコンサル年収ランキングの多くは、この2種類の数字を区別せずに並べています。しかし両者は、次の3点で決定的に異なります。順位を読む前に、この違いを理解しておく必要があります。

出所・母集団・平均年齢の3点をそろえないかぎり、年収の「順位」は成立しません。ランキングは序列ではなく、各社の報酬構造を読むための入口として使ってください。

① 母集団が違う

有価証券報告書の平均年間給与は、提出会社に在籍する全従業員が対象です。コンサルタント職だけでなく、コーポレート部門も、エンジニア職も、新卒1年目も全員含まれます。野村総合研究所の1,332万円がわかりやすい例で、これはコンサルティング部門だけの数字ではなく、社員の大半を占めるITソリューション部門を含んだ単体全社の平均です。

一方、口コミサイトの集計値は「回答した人」の平均にすぎません。回答者はコンサルタント職に偏りやすく、また転職を検討している層に偏りやすい傾向があります。リブ・コンサルティングでは、有価証券報告書(Ⅰの部)の提出会社平均が812.6万円であるのに対し、同社の決算説明資料が開示する「国内コンサルティングに従事する社員」の平均年収は約980万円とされています。同じ会社でも、母集団の切り方で170万円近く動きます。

② 算出基準が違う

有報の平均年間給与は、賞与および基準外賃金(残業代等)を含む、その事業年度の実際の支給額から算出されます。対して口コミサイトの集計値は、回答者の自己申告であり、基本給のみを回答する人と賞与込みで回答する人が混在します。固定残業代(みなし残業)を含めるかどうかも回答者次第です。

フロンティア・マネジメントは、この差がはっきり出ている例です。2025年12月期の有価証券報告書ベースでは約1,171万円ですが、口コミサイトの集計値として広く引用される数字は約971万円です。200万円の差は業績変動ではなく、集計基準の違いによるものと考えられます。

③ 平均年齢が違えば、同じ金額の意味が違う

これが最も見落とされやすい点です。シグマクシスの1,208万円は平均年齢45.4歳(2025年3月期)、ライズ・コンサルティング・グループの約1,108万円は平均年齢33.2歳(2026年2月期)の数字です。金額差は100万円ですが、12歳の年齢差を考えれば、同年代での比較はむしろ逆転します。

ULSコンサルティングは、公式求人の平均年収欄に1,005万円(2026年3月時点)と掲載しています。これは持株会社の有報の数値ではありません。従来掲載していた時点不明の平均給与・平均年齢は比較対象から除きました。

そのため本ページの有報開示ランキングでは、平均年収と平均年齢を必ずセットで掲載しています。平均年齢を隠したランキングは、比較表としては不完全です。

有価証券報告書ベースの年収ランキング(13社)

ここからが、当サイトで唯一「ランキング」として提示できるデータです。有価証券報告書等で平均年間給与が開示されている13社を、金額順に並べました。いずれも提出会社ベースの数値で、コンサルタント職に限定した数字ではありません。

ファーム平均年収平均年齢決算期・基準
グロービング約1,521万円34.7歳2025年5月期・提出会社
ベイカレント約1,349万円―東証プライム・有報開示
野村総合研究所1,332万円39.7歳2026年3月期・単体
ドリームインキュベータ約1,221万円34.6歳2026年3月期・提出会社
シグマクシス1,208万円45.4歳2025年3月期・持株会社
フロンティア・マネジメント約1,171万円37.2歳2025年12月期・提出会社
ライズ・コンサルティング・グループ約1,108万円33.2歳2026年2月期・従業員397名
三菱総合研究所1,082万円40.4歳2025年9月期・単体
山田コンサルティンググループ975万円38.1歳2026年3月期・提出会社
リブ・コンサルティング812.6万円33歳6か月2025年10月31日現在・Ⅰの部
フューチャー約795万円36.5歳2025年12月期・フューチャーアーキテクト
船井総合研究所739万円40.1歳2024年12月期・船井総研HD提出会社
マネジメントソリューションズ(MSOL)702万円37.4歳2025年12月期・提出会社

各社の有価証券報告書等の開示値をもとに当サイトが整理(2026年8月時点)。ベイカレントの平均年齢は当サイトでは確認していないため「―」としています。ベイカレントについては日本経済新聞の掲載値では1,331万円、過去5期分の平均は1,196万円とされています。持株会社ベース・中核事業会社ベースの数値を含むため、行によって集計範囲が異なる点にご注意ください。

上位3社をどう読むか

首位のグロービングは2024年11月に東証グロース市場へ上場した新しいファームで、2025年5月期の提出会社ベースで約1,521万円(平均年齢34.7歳・平均勤続年数1.3年・従業員230名)です。同社は採用ページでコンサルタント職に限定した平均年収を2,004万円(2026年5月末時点)と公表しており、全社平均とは集計範囲が異なります。平均勤続年数が1.3年と短く、組織が急拡大するフェーズの数値である点は割り引いて読む必要があります。

2位のベイカレントは約1,349万円。東証プライム上場で、過去5期分の平均が1,196万円であるのに対し直近が1,349万円という推移は、水準が継続的に上昇していることを示しています。年功序列ではない完全成果主義のため、同じ年齢でも役職・評価によって年収に大きな差が生じる構造です。

3位の野村総合研究所1,332万円は、平均年齢39.7歳・過去6期は1,225万円から一貫して上昇という安定した推移が特徴です。ただし前述のとおり、これはITソリューション部門を含む単体全社の平均であり、コンサルティング部門だけの数字ではありません。

下位に見える企業ほど注意が必要

表の下位に並ぶ企業は、年収が低いというより「平均に含まれる母集団が広い」ことが理由になっているケースが目立ちます。船井総研ホールディングスの739万円は持株会社(提出会社)の数値であり、事業会社である船井総合研究所のコンサルタントの水準は公開集計値では660〜670万円程度とされています。クライアント層が中堅・中小企業であり、案件単価の構造そのものが大手企業向けファームと異なります。

MSOLの702万円も同様で、事務局型・管理定着型を含む5階層のロール構成と、平均勤続年数2.7年という若手中心の人員構成が平均を押し下げています。同社の公式求人票のロール別下限はPJC約480万円から、PMC約960万円からと開きがあります。

公開集計値ベースの参考一覧(25社)

ここからは順位ではなく参考一覧です。以下の25社は有価証券報告書による平均年間給与の開示がなく、掲載している数値は大手口コミサイトの公開集計値、または企業が採用情報等で公表している目安値です。回答者の属性・母数に左右されるため、上の有報開示ランキングと同じ精度では扱えません。金額の大小そのものよりも「どのレンジの帯にいるファームか」を掴むための表として使ってください。

ファーム年収の目安カテゴリ
マッキンゼー・アンド・カンパニー約1,639万円戦略系
アリックスパートナーズ約1,500万〜1,800万円事業再生系
ガートナージャパン約1,466万円(集計により1,357万〜1,511万円の幅)IT・デジタル系
ボストン コンサルティング グループ約1,399万円戦略系
ベイン・アンド・カンパニー約1,338万円戦略系
カーニー概ね1,300万〜1,400万円台戦略系
ローランド・ベルガー約1,303万円戦略系
アーサー・ディ・リトル約1,265万円戦略系
経営共創基盤約1,000万〜1,200万円事業再生系
フォーティエンスコンサルティング約1,000万〜1,200万円総合系
マーサージャパン約1,001万円組織・人事系
PwCコンサルティング約1,000万円総合系(BIG4)
デロイト トーマツ(コンサルティング)約950万円総合系(BIG4)
ドルビックスコンサルティング約945万円独立系・新興
Strategy&(PwCネットワーク)おおむね900万〜1,100万円台戦略系
リッジラインズ約900万〜1,050万円総合系
アクセンチュア約866万円総合系
三菱UFJリサーチ&コンサルティングおおむね800万〜900万円台シンクタンク系
キャップジェミニ約801万円IT・デジタル系
日立コンサルティング約780万〜850万円総合系
アビームコンサルティング約750万〜819万円総合系
Dirbato(ディルバート)約700万〜900万円IT・デジタル系
日本総合研究所700万〜820万円程度シンクタンク系
ノースサンド約689万円IT・デジタル系
メディヴァおおむね500万〜600万円台医療・ヘルスケア系

いずれも公式開示値ではありません。大手口コミサイトの公開集計値、または各社が公表している目安値をもとに当サイトが整理したものです(2026年8月時点)。ノースサンドの約689万円は同社に関して公開されている平均年間給与(2026年1月末時点。2025年9月末時点では約685万円)で、有価証券報告書による開示ではありません。回答母数・回答者の職種構成・平均年齢がファームごとに大きく異なるため、この表の並び順は序列を意味しません。

この表を読むときの3つの注意

  • •母数が小さいファームほど数値が振れます。アリックスパートナーズは日本の在籍者数が少なく集計母数が小さいため、数値の信頼性は上場企業の開示値より大きく劣ります。アーサー・ディ・リトルの約1,265万円も回答者28人規模とされる参考値です。
  • •レンジ表記の幅は「等級ごとの相場」ではなく「回答のばらつき」です。リッジラインズの集計値は約630万〜1,050万円と幅が大きく、母数の大きい集計では900万〜1,050万円程度が示されます。当サイトでは後者を採用しています。
  • •同じ会社でも職種で倍近く違うことがあります。日本総合研究所は全社平均こそ700万〜820万円程度ですが、職種別ではコンサルタント職が1,100万円超、エンジニア・SE職は600万円台とされます。全社平均が低く出るのは、従業員の大部分を占めるITソリューション部門を含んだ数字だからです。

カテゴリ別の相場観サマリー

個社の順位よりも実務的に役立つのが、カテゴリ単位の相場観です。本ガイドの調査対象59社を10カテゴリに分け、それぞれの数値確認状況と相場の目安を整理しました。

カテゴリ掲載社数有報/集計/非開示相場観の目安
戦略系9社1/7/1MBB・独立系戦略ファームは公開集計値で1,265万〜1,639万円。日系上場のドリームインキュベータは有報で約1,221万円
総合系11社2/7/2アクセンチュア約866万円、BIG4系は約950万〜1,000万円の集計値。日系上場のベイカレント約1,349万円・シグマクシス1,208万円が突出
IT・デジタル系6社2/4/0約689万円から約1,466万円まで、カテゴリ内の分散が最も大きい。リサーチ&アドバイザリー型と実装型で構造が異なる
シンクタンク系5社2/2/1有報開示はNRI 1,332万円・三菱総研1,082万円の2社のみ。非開示のMURC・日本総研は集計値で700万〜900万円台
独立系・新興8社5/1/2有報開示5社が約739万〜約1,521万円。上場企業が多く、当サイト全カテゴリの中で最も数値の確度が高い
FAS・財務アドバイザリー系3社0/0/33社とも平均年収は非開示。公式に確認できるのは新卒年俸(550万円/600万円〜/学士6,842,310円)のみ
組織・人事系4社0/1/3数値を確認できるのはマーサージャパン約1,001万円のみ。外資系グローバル基準の職務給で、職位が水準を規定する
事業再生・ターンアラウンド系4社1/2/1フロンティア・マネジメントが有報で約1,171万円。IGPI約1,000万〜1,200万円、アリックスパートナーズ約1,500万〜1,800万円
医療・ヘルスケア系4社0/1/3メディヴァの集計値がおおむね500万〜600万円台。戦略系・総合系とは水準の設計そのものが異なる
業務・業界特化系5社1/0/4MSOLの有報702万円のみ。他4社は非上場・小規模で公式数値なし

「有報/集計/非開示」は当サイトが確認できた出所の内訳です。カテゴリ分けは当サイトの分類によるもので、各社の自称・一般的な区分と一致しない場合があります。

参照点としての国税庁調査

国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」による日本の給与所得者の平均給与は545万円です。上の表で数値を確認できたファームの多くはこれを上回ります。ただし医療・ヘルスケア系のように、公開求人のレンジが年俸360万〜700万円台(メディヴァ)、400万〜1,000万円(GHC)といった帯にとどまる領域もあり、業界内の分散は大きくなっています。コンサルティング業界が全体として相対的な高年収業界であることは成り立ちますが、「どのファームでも国内平均を大きく上回る」わけではありません。

ただし、この545万円は全年齢・全業種の平均です。コンサルティングファームは平均年齢が30代前半〜40代前半に集中し、大卒以上・都市部勤務という条件も揃っています。同条件の他業種と比べたときの差は、545万円との比較ほど大きくはありません。

公式非開示の20社と、そこから読めること

本ガイドの調査対象59社のうち20社は、平均年収・職位別レンジのいずれも公式には確認できません。当サイトではこうした企業について推定値で表を埋めることはせず、「非開示」と明記しています。ただし非開示であっても、新卒初任給や求人票の想定レンジといった公式の手がかりが残っている場合があります。

ファームカテゴリ公式に確認できる手がかり
EYストラテジー・アンド・コンサルティング総合系(BIG4)非上場。BIG4各社が水準を揃えるという業界構造のみ
KPMGコンサルティング総合系(BIG4)新卒1年目 学部卒570万円/院卒590万円
デロイト トーマツ(ファイナンシャルアドバイザリー)FAS新卒の初年度基本年俸550万円(月33時間のみなし残業を含む)
PwCアドバイザリーFAS新卒の標準年収額 学士6,842,310円/修士・博士7,070,460円
KPMG FASFAS新卒の基本年俸600万円〜(固定残業50時間相当分を含む)
コーポレイトディレクション戦略系「年俸制」「交通費全額支給」「各種社会保険完備」の3点のみ
NTTデータ経営研究所シンクタンク系社員約500名という規模と評価制度の考え方まで
リヴァンプ事業再生系職位体系と各種手当。親会社フューチャーの有報開示値が約795万円
ストラテジーテック・コンサルティング独立系・新興職種別レンジ400万〜2,000万円(海外拠点は800万〜5,000万円)
LASINVA(ラシンバ)独立系・新興公開求人票は「応相談」「前職給同等以上を想定」
コーン・フェリー組織・人事系グローバル共通4クラスの職位体系。親会社はNYSE上場
WTW(ウイリス・タワーズワトソン)組織・人事系アソシエイト〜ディレクターの職位体系
エーオンソリューションズ ジャパン組織・人事系日本法人の数値は一切なし。親会社Aon plcの部門業績のみ
IQVIA医療・ヘルスケア系日本は2法人体制。コンサル部門とCRO/CSO職で体系が異なる
グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン医療・ヘルスケア系公式採用ページの職種別レンジ(アナリスト400万〜750万円等)
KPMGヘルスケアジャパン医療・ヘルスケア系「経験、能力等を考慮のうえ応相談」「年1回昇給」まで
ZSアソシエイツ業務・業界特化系日本の人員規模も非開示。職位体系のみ確認可能
フィールドマネージメント業務・業界特化系約50名の少数精鋭。単体の報酬水準を追う手段がほぼない
電通コンサルティング業務・業界特化系「年俸制」「業績賞与あり」という制度の枠組みまで
博報堂コンサルティング業務・業界特化系「経験に応じた年俸制」「裁量労働制(残業手当なし)」

2026年8月調査・ULSは2026年9月更新。いずれも当サイトが公開情報を確認した範囲で平均年収を特定できなかった企業です。口コミサイト上に数値が存在するケースもありますが、母数が数十件規模にとどまるものについて当サイトでは具体的な金額として扱っていません。

非開示は「低い」を意味しない

非開示のファームには、BIG4系FAS3社のように業界上位の水準にあると考えられる企業も、少数精鋭のブティックも含まれます。開示の有無を決めているのは報酬水準ではなく、上場しているかどうかという資本構造です。非上場・完全子会社・合同会社という形態をとる企業には、そもそも平均年間給与を開示する法的な義務がありません。

むしろ実務的に重要なのは、非開示のファームでは「平均値を見て判断する」というアプローチ自体が成立しないという点です。この場合、判断材料は公式に開示された新卒初任給と、オファー面談で提示される個別条件に絞られます。

年収の高い順に選ぶことの落とし穴

ここまで見てきたとおり、ランキングの順位は出所と母集団に強く依存します。それに加えて、仮に数値の精度が揃っていたとしても、平均年収の高い順にファームを選ぶことには構造的な問題があります。主なものは4つです。

平均年収は、ファームの報酬構造を示す指標のひとつであって、あなたに提示される金額の予測値ではありません。順位ではなく「その数字がどう作られているか」を読むことをおすすめします。

① 平均年齢の違い — 同じ金額でも意味が変わる

有報開示13社の平均年齢は、リブ・コンサルティングの33歳6か月からシグマクシスの45.4歳まで12歳の幅があります。平均年齢が高い組織はシニア層の比率が高く、その分だけ平均が押し上げられます。シグマクシスの1,208万円について、当サイトでは「平均年齢45.4歳とシニア層の比率が高い組織構成であるため、若手の水準はこれより低くなる」と注記しています。

逆に平均年齢が若い組織の数値は、同年代比較では高く評価すべきです。ライズ・コンサルティング・グループの直近の平均年収低下(2025年2月期1,183万円→2026年2月期1,108万円)は、採用拡大による若手比率の上昇が主因と考えられ、平均年齢も33.5歳から33.2歳へ低下しています。年収が下がったのではなく、組織が若返ったという読み方が妥当です。

② 職位構成の違い — 平均は誰の年収でもない

コンサルティングファームの報酬は職位で決まります。戦略系では若手とパートナークラスの報酬差が数倍に達するため、平均値は実在するどの職位の水準とも一致しません。マッキンゼーの職位別レンジはアナリスト600万〜800万円、マネージャー2,000万〜3,000万円、パートナー5,000万円〜1億円超とされ、平均の約1,639万円はこの分布の重心にすぎません。

同じことは全社平均と部門平均の間にも起こります。リブ・コンサルティングでは提出会社平均812.6万円に対し、国内コンサルティングに従事する社員の平均は約980万円、マネージャーの平均は1,322万円とされています。「自分が入る職位・部門でいくらか」が本当の論点です。

③ 稼働時間の違い — 時間あたりで見ると順位が動く

額面が同じでも、労働時間が違えば時間あたりの報酬はまったく変わります。当サイトのボストン コンサルティング グループのページでは、残業時間がマッキンゼーより短く(月62.8時間)、時間あたり報酬では有利という整理をしています。

また、コンサルティング業界では固定残業代(みなし残業)や裁量労働制が広く使われており、提示年収に一定の労働時間分が組み込まれている設計が一般的です。ライズは職級に応じて45時間分の固定残業手当、ドルビックスの新卒理論年収589万円は月45時間分の固定時間外勤務手当を含む、MSOLの求人票レンジは固定残業30時間分を含む、といった具合です。博報堂コンサルティングのように裁量労働制で残業手当がない設計もあります。額面の比較だけでは、実質的な水準は測れません。

④ 単価構造の違い — 報酬原資はクライアントが決める

報酬の原資は、最終的にはクライアントが支払うフィーです。したがって、どの層のクライアントにどの単価で入るかという事業構造が、報酬水準の上限をおおむね規定します。

船井総合研究所のコンサルタント水準(公開集計値で660〜670万円程度)が大手企業向けファームより低く出るのは、中堅・中小企業向けの月次支援モデルであり、案件単価の設計が異なるためです。MSOLの会社側KPIではPMOコンサルタント1人あたり平均月額単価176万円、主力ロールは単価200万円超とされています。単価構造を見ずに年収だけを比べても、なぜその水準なのかは説明できません。

つまり「年収が高いファーム」を選ぶことは、暗黙のうちに「その単価が成立する市場で働く」ことを選ぶことでもあります。医療・ヘルスケア系のように、年収の絶対額ではなく専門性の蓄積で評価すべき領域も存在します。

実務的な使い方|数字を自分の条件に翻訳する

最後に、このランキングを実際の意思決定に落とし込むための手順を整理します。平均値は出発点にすぎず、そこから自分の条件へ翻訳する作業が必要です。

11. まず出所を確認する

検討中のファームが有報開示か、公開集計値か、非開示かを確認します。有報開示なら、平均年齢と従業員数、そして直近数期の推移までセットで見ます。単年の数値は業績連動賞与で大きく振れることがあり、ドリームインキュベータは2023年3月期に1,700万円台という突出した年があります。

22. 自分の想定職位に置き換える

平均値ではなく、応募する職位のレンジを見ます。各社の個別ページに職位別レンジを掲載しているファームについては、そちらを起点にしてください。多くのファームで年収1,000万円の分岐点はマネージャー昇進です。

33. 平均年齢との差を補正する

平均給与は年齢だけでなく、職種・職位・勤続年数の構成にも影響されます。年齢が低いという理由だけで個人の提示額を予測せず、応募職種の条件を確認してください。

44. 固定残業・裁量労働の扱いを確認する

提示額に何時間分の固定残業代が含まれるか、超過分が別途支給されるかを必ず確認します。同じ額面でも、みなし残業30時間分と45時間分では実質的な水準が変わります。

55. オファー面談で構成要素を分解して聞く

基本給・賞与の算定根拠・評価サイクル・昇給の考え方を分けて確認します。特に非開示のファームでは、公開情報から水準を推定する手段がないため、オファー面談が実質的に唯一の情報源になります。

評価サイクルの違いも年収に効く

見落とされがちですが、昇給の頻度と幅も長期の年収に大きく影響します。リブ・コンサルティングは評価・給与改定が年2回、平均昇給率12.4%とされています。三菱総合研究所は2025年10月に人事制度を改定し、年功的要素を完全撤廃して6段階の役割等級に基づく処遇へ統一しました。入口の提示額が同じでも、3年後の水準は制度設計で変わります。

よくある質問

Q. コンサル業界で最も年収が高いファームはどこですか?
A. 出所によって答えが変わります。有価証券報告書で確認できる範囲では、グロービングの約1,521万円(2025年5月期・平均年齢34.7歳)が本ガイドの調査対象59社の中で最も高い水準です。一方、公開集計値まで含めるとマッキンゼー・アンド・カンパニーの約1,639万円が最も高くなりますが、これは公式開示値ではありません。有報の確定値と口コミサイトの集計値は母集団も算出基準も異なるため、当サイトでは同じ順位表には並べていません。
Q. なぜ外資系戦略ファームの年収は「約○○万円」という表記なのですか?
A. マッキンゼー、BCG、ベイン、カーニー、ローランド・ベルガー、アーサー・ディ・リトルなどの外資系戦略ファームは日本法人が非上場であり、有価証券報告書による平均年間給与の開示義務がありません。そのため公開されている数値はいずれも大手口コミサイトの公開集計値であり、回答者の職種構成や母数に左右される参考値です。当サイトでは推定値で表を埋めることはせず、出所を明示したうえで参考一覧として掲載しています。
Q. BIG4(デロイト・PwC・EY・KPMG)の年収に差はありますか?
A. BIG4各社はいずれも非上場のため平均年収の公式開示がなく、公開集計値ではPwCコンサルティング約1,000万円、デロイト トーマツ約950万円という目安が示されています。EYストラテジー・アンド・コンサルティングとKPMGコンサルティングは平均年収の数値を確認できません。ただしBIG4各社は年収水準を揃える傾向があり、いずれもマネージャー手前のシニアコンサルタントクラスで評価が良ければ1,000万円を超える設計とされています。実務上、4社間の差は個人の職位・評価による差より小さいと考えられます。
Q. 平均年収が同じくらいのファームは、どう見分ければよいですか?
A. 平均年齢を必ず併せて見てください。たとえばシグマクシスの1,208万円は平均年齢45.4歳、ライズ・コンサルティング・グループの約1,108万円は33.2歳の数値です。金額差は100万円ですが12歳の年齢差があり、同年代での比較では逆転する可能性があります。加えて、固定残業代が何時間分含まれるか、職位構成がどうなっているかも確認すると、額面が近いファーム同士の実質的な差が見えてきます。
Q. コンサル業界の年収は、日本全体の平均と比べてどのくらい高いのですか?
A. 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」による日本の給与所得者の平均給与は545万円です。当サイトで数値を確認できたファームの多くはこれを上回りますが、医療・ヘルスケア系など同等の帯にとどまる領域もあります。また545万円は全年齢・全業種の平均であり、コンサルティングファームは平均年齢が30代前半〜40代前半に集中し、大卒以上・都市部勤務という条件も揃っています。同条件の他業種と比べた場合の差は、545万円との単純比較ほど大きくはありません。
Q. 年収非開示のファームは避けたほうがよいですか?
A. 開示の有無を決めているのは報酬水準ではなく、上場しているかどうかという資本構造です。非上場・完全子会社・合同会社という形態の企業には平均年間給与を開示する法的義務がなく、非開示20社にはBIG4系FASのように業界上位の水準にあると考えられる企業も含まれます。ただし非開示のファームでは公開情報から水準を推定する手段がないため、新卒初任給などの公式値を起点にしつつ、オファー面談で基本給・賞与の算定根拠・評価サイクルを明示的に確認することが実質的に唯一の情報源になります。

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辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

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