コーン・フェリーの年収は?職位別レンジと二部門の報酬構造を解説
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コーン・フェリーの年収を調べると、数字がばらつくことに気づくはずです。理由は明快で、同社には報酬構造がまったく異なる2つの事業(組織人事コンサルティングとエグゼクティブサーチ)が同居しており、どちらの社員を見るかで水準も変動幅も変わるためです。本ページでは、公式に確認できる事実と推定値を明確に切り分けたうえで、職位別の目安と報酬決定の仕組みを整理します。
この記事のポイント
- ✓日本法人の平均年収は公式開示なし。組織・人事系ファームの相場観としてはマーサージャパンの約1,001万円が一つの参照点
- ✓コンサルティング部門とエグゼクティブサーチ部門で報酬構造が異なる。前者は職務給中心、後者は変動給の比率が高いのが業界一般の構造
- ✓職位はアナリストからクライアント・パートナーまでグローバル共通の4クラス。昇格は年齢・在籍年次ではなくプロジェクトでの評価で決まる
- ✓親会社はNYSE上場(ティッカーKFY)。2026年4月期のフィー収入は約29.1億ドル、前年比7%増
- ✓自社が職務評価・報酬制度設計を本業とするため、社内の等級・報酬制度も職務給の考え方で運用されている
コーン・フェリーの年収はどこまで分かるのか
はじめに、数字の性質を整理しておきます。コーン・フェリーの日本法人は非上場のため、日本の有価証券報告書のような形での平均年間給与の開示はありません。一方で親会社のKorn Ferry(コーン・フェリー)は米国NYSEに上場しており(ティッカー:KFY)、全社の業績はSEC提出書類で確認できます。ただしこれは国別・部門別の給与水準を示すものではありません。
したがって「コーン・フェリー・ジャパンの平均年収は○○万円」と言い切れる公式データは存在しません。本ページで職位別レンジとして示す数字は、公開求人票の記載傾向や組織・人事系ファーム全体の相場から当サイトが整理した推定値であり、その旨を都度明記します。
日本法人の平均年収は公式開示なし。部門・職位を特定して見るのが実務的です。
公式に確認できる事実
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設立 | 1969年(米国) |
| 日本進出 | 1973年 |
| 日本拠点 | 東京都千代田区丸の内(丸の内トラストタワー) |
| 上場市場 | NYSE(ティッカー:KFY)/決算期は4月末 |
| 2026年4月期フィー収入 | 約29.1億ドル(前年比7%増) |
| 専門職人員数 | 8,965名(2026年4月30日時点・全世界) |
| 拠点 | 51カ国・98オフィス(同時点) |
同社の公開情報および親会社のSEC提出書類(Form 10-K、2026年4月期)に基づきます。人員数・拠点数は全世界の数値です。
なぜ数字がばらつくのか
大手口コミサイトの公開集計値を見ると、コーン・フェリーの年収は媒体によって幅があります。これは投稿者の属性の偏りという一般的な要因に加えて、同社固有の事情が重なるためです。
同社にはコンサルティング部門とエグゼクティブサーチ部門という報酬構造の異なる2つの事業があり、さらに後者は成約実績に連動する変動給の比率が高いのが業界一般の構造です。両部門の回答が混在した平均値は、どちらの実態も正確には表しません。
年収を検討する際は「どの部門の、どの職位の話か」を特定することが、平均値を追いかけるより実用的です。
二部門で異なる報酬構造
コーン・フェリーの年収を理解するうえで最重要なのが、事業の二重構造です。同社は組織人事コンサルティングとエグゼクティブサーチ(経営幹部の人材紹介)の双方を手がけており、これは組織・人事系ファームの中では珍しい構成です。
グローバル全社の事業構成
全社ではサーチ系(エグゼクティブサーチ+プロフェッショナルサーチ&インテリム)が収益の過半を占め、コンサルティングは約24%です。人事系ファームというイメージだけで捉えると実態を見誤る構成といえます。
| セグメント | 2026年4月期フィー収入 |
|---|---|
| エグゼクティブサーチ | 約9.24億ドル |
| コンサルティング | 約6.92億ドル |
| プロフェッショナルサーチ&インテリム | 約5.61億ドル |
| RPO(採用代行) | 約3.67億ドル |
| デジタル | 約3.64億ドル |
| 合計 | 約29.08億ドル |
親会社Korn FerryのForm 10-K(2026年4月期)に基づく全世界の数値です。日本法人の内訳ではありません。
コンサルティング部門の報酬構造
コンサルティング部門は、外資系ファームに一般的な職務給(職位ごとに報酬レンジが設定される仕組み)で運用されています。基本給の比重が大きく、これに個人評価と会社業績に連動する賞与が加わる構成が標準的です。
同社は職務評価と報酬制度設計そのものを本業としており、自社の等級・報酬制度も職務の大きさに基づいて設計されています。制度の透明性という点では、同業他社と比べても説明が整理されている環境と考えられます。
エグゼクティブサーチ部門の報酬構造
一方、エグゼクティブサーチ部門は、エグゼクティブサーチ業界に一般的な構造として、成約実績に連動する変動給の比率がコンサルティング職より高くなります。同社が個別の比率を公開しているわけではありませんが、業界共通の特徴として押さえておくべき点です。
この構造は、実績が伸びた年の上振れが大きい反面、市況が悪化した局面では下振れも大きいことを意味します。安定性を重視するか、成果連動の振れ幅を取りにいくかで、選ぶべき部門は変わります。
職位別の年収レンジ(推定)
同社にはグローバルで統一されたキャリアパスがあり、コンサルティング部門はアナリストからクライアント・パートナーまで大きく4つのクラスで構成されています。ここでは各クラスの役割と、当サイトが公開求人票の記載傾向および組織・人事系ファームの相場から整理した推定レンジを示します。
| 職位(クラス) | 主な役割 | 年収の目安(推定) |
|---|---|---|
| アナリスト | 調査・分析、データ集計、資料作成。プロジェクトの実務基盤を担う | 500万〜750万円 |
| コンサルタント | 担当モジュールのオーナーとして制度設計や分析を主導 | 750万〜1,100万円 |
| プリンシパル | プロジェクト全体の設計・統括とクライアント折衝 | 1,300万〜1,900万円 |
| クライアント・パートナー | クライアントリレーションの責任者。案件創出と事業運営 | 2,000万円〜 |
職位区分は同社の公開情報に基づきますが、金額は公式開示値ではなく当サイトの推定です。実際の提示額は経験・専門領域・部門により大きく変動します。クラス内にも複数のグレードが存在するのが一般的です。
サーチ部門の職位体系は別建て
エグゼクティブサーチ/プロフェッショナルサーチを担うサーチ部門は、コンサルティング部門とは別の職位体系を採ります。同社の採用情報では、アシスタント、アソシエイト、プリンシパル、パートナーという区分が示されています。
アソシエイトは市場調査・候補者サーチ・適性確認・データベース管理などを担い、プリンシパルは案件の開拓からサーチ実行までを担当、パートナーは各領域の責任者として新規案件獲得とサーチプロセスの監督を行う構成です。
同じ「プリンシパル」でもコンサルティング部門とサーチ部門では職務内容が異なるため、職位名だけで年収を比較しても意味がありません。
| サーチ部門の職位 | 主な役割 |
|---|---|
| アシスタント | スケジュール管理、問い合わせ対応、資料作成などの支援業務 |
| アソシエイト | 市場調査、候補者サーチ、適性確認、連絡業務、資料作成、データベース管理 |
| プリンシパル | 案件の開拓からサーチ実行までを担当 |
| パートナー | 各領域の責任者。新規案件獲得からサーチ実行プロセスの監督まで |
同社の採用情報(サーチ部門・経験者採用)の記載に基づく整理です。金額は公開されていません。
昇格が年収を決める
同社の公開情報によれば、上位クラスへの昇格は年齢や在籍年次とは関係なく、プロジェクトの中での厳正な評価をもとに決定されます。職務給である以上、年収を大きく動かすのは昇格であり、同一クラス内の定期昇給ではありません。
評価制度については、客観的で偏りのないものであるべきという理念を掲げている旨が示されています。人事評価の設計を本業とする企業であることを踏まえれば、自社の評価運用にも一定の説明責任が働く構造といえます。
組織・人事系ファームとの年収比較
コーン・フェリーの水準を捉えるには、同じ組織・人事領域を主戦場とするファームと並べるのが最も実用的です。総合系・戦略系とは職種構成も平均年齢も異なるため、単純比較には適しません。
| ファーム | 平均年収の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| マーサージャパン | 約1,001万円 | 口コミサイト等の集計値。日本法人は少数精鋭 |
| コーン・フェリー | 公式開示なし | 外資系グローバル基準の職務給。部門により構造が異なる |
| WTW | 公式開示なし | 外資系グローバル基準の職務給 |
| エーオン | 公式開示なし | 外資系グローバル基準の職務給 |
いずれも公式開示値ではありません。マーサージャパンの数値は大手口コミサイトの公開集計値です。平均年齢や職種構成が各社で異なるため、単純比較には適しません。
相場観としての1,000万円前後
組織・人事系の外資系ファームは、いずれもグローバル基準の職務給体系を採用しており、水準感は近いと考えられます。マーサージャパンの約1,001万円という集計値が、この領域の一つの参照点になります。
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」による日本の給与所得者の平均年収は545万円ですので、この水準はおよそ2倍にあたります。ただし、これはあくまで全社平均の性質を持つ数字であり、アナリスト職の初任水準とパートナー職の水準では数倍の開きがあります。
総合系コンサルとの違い
総合系コンサルティングファームと比べると、コーン・フェリーは組織規模が小さく、案件も人事・組織領域に集中しています。同じ年収水準でも、担当する仕事の幅と深さの性格が異なります。
総合系では業務改革やITまで含む広い領域を扱えるのに対し、同社では職務評価・報酬制度・サクセッション・リーダーシップ開発といった専門テーマを深く掘る働き方になります。年収だけを比較軸にすると、この差が見えなくなります。
旧ヘイグループの方法論と報酬水準の関係
同社の報酬・等級コンサルティングを支えるのが、2015年12月に統合した旧ヘイグループの方法論とデータベースです。この資産は、社員の年収を直接決めるものではありませんが、事業の収益性とコンサルタントの市場価値の両方に影響しています。
統合の経緯
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 統合完了 | 2015年12月1日 |
| 取得価額 | 約4.52億ドル(現金約2.52億ドル+自社株式約2億ドル) |
| 目的 | 知的財産の強化、地理的プレゼンスの拡大、アセスメント・育成領域の補完 |
親会社Korn FerryのSEC提出書類および公式プレスリリースに基づきます。
ヘイ・ガイドチャート法という資産
旧ヘイグループが開発したガイドチャート法(Guide Chart-Profile Method)は、職務の大きさを測定して等級を決める職務評価の手法です。同社の公開情報によれば、この手法は1950年代の米国で、均等処遇の思想を背景に開発されたものとされています。
同一労働同一賃金やジョブ型人事制度への移行が議論される日本市場において、この方法論の需要は継続しています。職務評価に基づく等級制度は多くの日本の大手企業で参照されてきました。
報酬データベースの規模
同社の公開情報では、110カ国超・2万5,000以上の組織・2,000万人を超える報酬データベースを保有しているとされています。制度設計の際に市場水準との比較(ベンチマーク)ができることが、コンサルティングの説得力を支えています。
コンサルタントにとっては、この方法論とデータを扱えること自体が専門性になります。報酬・等級領域の希少な専門人材として市場で評価されやすく、それが結果的に転職時の年収レンジにも反映されやすい構造です。
オファー時に確認すべきこと
外資系の職務給体系では、入社時に決まる職位(クラス)とグレードが、その後の年収の起点になります。オファーを受け取る段階で確認しておくべき論点を整理します。
- •配属部門(コンサルティング部門かサーチ部門か)と、その部門の報酬構造
- •オファー職位が4クラスのどこにあたるか、クラス内のグレードはどこか
- •基本給と賞与の比率、賞与の算定根拠(個人評価・部門業績・全社業績のいずれに連動するか)
- •コンサルティング部門であれば、担当プラクティス(組織・人事戦略/人事制度・報酬戦略/サクセッション&アセスメント/リーダーシップ開発)
- •昇格の判断時期と評価プロセス、次のクラスに上がった場合の報酬レンジ
前職年収からの上げ幅より、クラスを見る
職務給の会社では、前職年収に一定率を上乗せするという発想は本来なじみません。決まるのは「どのクラスのどのグレードに位置づけられるか」であり、金額はその結果です。
したがって、提示額が期待に届かない場合、交渉すべきは金額そのものよりも職位の妥当性です。自分の経験がどのクラスの職務定義に対応するのかを整理して臨むほうが、建設的な議論になります。
よくある質問
- Q. コーン・フェリーの平均年収はいくらですか?
- A. 日本法人は非上場で、平均年収を公式に開示していません。親会社はNYSE上場(ティッカーKFY)ですが、開示されるのは全社業績であり国別の給与水準ではありません。組織・人事系ファームの相場観としては、同業のマーサージャパンの約1,001万円(大手口コミサイトの公開集計値)が一つの参照点になります。
- Q. なぜコーン・フェリーの年収情報はばらつくのですか?
- A. 報酬構造の異なる2つの事業が同居しているためです。コンサルティング部門は職務給中心、エグゼクティブサーチ部門は業界一般の構造として成約実績に連動する変動給の比率が高くなります。両部門の回答が混在した平均値は、どちらの実態も正確には表しません。部門と職位を特定して見ることが実用的です。
- Q. 職位はどのように分かれていますか?
- A. コンサルティング部門はグローバル共通で、アナリスト、コンサルタント、プリンシパル、クライアント・パートナーの4クラスです。サーチ部門は別体系で、アシスタント、アソシエイト、プリンシパル、パートナーという区分が採用情報で示されています。同じ職位名でも部門が違えば職務内容は異なります。
- Q. 昇格すれば年収は上がりますか?
- A. 職務給体系のため、年収を大きく動かすのは昇格です。同社の公開情報によれば、上位クラスへの昇格は年齢や在籍年次とは関係なく、プロジェクトの中での厳正な評価をもとに決定されるとされています。同一クラス内の定期昇給で大きく変わる仕組みではありません。
- Q. マーサーやWTWと比べて年収は高いですか?
- A. いずれも公式開示がないため断定はできません。組織・人事系の外資系ファームはグローバル基準の職務給体系という点で共通しており、水準感は近いと考えられます。差が出るとすれば、専門領域の需給と個人の職位・グレードによる部分が大きくなります。
- Q. 本ページの職位別レンジはどこまで信頼できますか?
- A. 公式開示値ではなく、公開求人票の記載傾向と組織・人事系ファームの相場から当サイトが整理した推定値です。実際の提示額は経験・専門領域・配属部門により大きく変動します。目安として扱い、確定情報はオファー面談で確認してください(2026年8月時点の情報に基づきます)。
SUPERVISED BY — 監修者
監修者一覧 ›
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS
米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。
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