KPMGヘルスケアジャパンへの転職|選考フロー・応募要件とKPMG内の応募先の選び方
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「ヘルスケア領域のコンサルタントになりたい」と考えたとき、KPMGグループには応募先が複数あります。KPMGヘルスケアジャパン、KPMGコンサルティングのライフサイエンス・ヘルスケアセクター、KPMG FASのヘルスケア・ライフサイエンスグループ。この3つの違いを理解しないまま応募すると、志望動機が噛み合いません。本ページでは役割分担の整理から選考対策までを扱います(2026年8月時点)。
この記事のポイント
- ✓選考フローはエントリー → 書類選考 → 複数回面接 → 内定と公式に明示されている
- ✓応募書類は履歴書・職務経歴書に加えて志望動機書が必要(新卒は自己PR書)
- ✓ヘルスケア業務の経験は不問。戦略立案・事業/財務分析・ファイナンス・事業再生・データ分析のいずれかの経験や適性が問われる
- ✓KPMGコンサルティングは製薬・医療機器などの企業向け、KPMGヘルスケアジャパンは医療機関・介護を含む産業全体の戦略+トランザクションが軸
- ✓少人数の専門組織のため、募集ポジションと専門性の合致が最大の変数になる
KPMGグループ内での役割分担 — どこに応募すべきか
KPMGジャパンのヘルスケア領域は、複数の法人が分担しています。公式サイトでは、あずさ監査法人が監査、KPMG税理士法人が税務、KPMGコンサルティングがライフサイエンス・ヘルスケアセクター、KPMGヘルスケアジャパンがセクター統括という位置づけで整理されています。応募先を選ぶ前に、この構造を押さえておくことが出発点です。
| 応募先 | 主なクライアント | 扱うテーマ | こんな人に向く |
|---|---|---|---|
| KPMGヘルスケアジャパン | 医療機関、介護事業者、製薬、調剤薬局、医療機器、自治体、投資家・金融機関 | 戦略立案・ビジネスモデル構築/M&A・ファイナンス・事業再生 | ヘルスケア産業そのものに張り付き、戦略から資金・ディールまで扱いたい人 |
| KPMGコンサルティング(ライフサイエンス・ヘルスケア) | 製薬・医療機器企業、ヘルスケア参入を目指す異業種企業、医療機関、薬局 | 業務改革、R&D・製造・サプライチェーン、MR/マーケティング高度化、IT・デジタル | 企業のオペレーションやデジタル変革を大規模プロジェクトで推進したい人 |
| KPMG FAS(ヘルスケア・ライフサイエンス) | ヘルスケア・ライフサイエンス業界の事業会社・投資家 | M&Aアドバイザリー、事業再生、バリュエーション、ディール戦略 | 業種横断のFASの中でヘルスケアを担当領域として持ちたい人 |
各社の公開情報をもとにした整理です。組織構成やサービスラインは変更される可能性があります。
医療機関・介護を扱いたいならヘルスケアジャパン
病院や介護事業者そのものをクライアントとして支援したい場合、第一候補はKPMGヘルスケアジャパンです。同社は医療機関・高齢者住宅/介護・製薬(新薬・ジェネリック)・調剤薬局・治験・ヘルスケアDX・医療機器という領域での実績を公表しており、自治体や投資家・金融機関も支援対象に含めています。
診療報酬・介護報酬といった公定価格の制度に規定される事業体を扱うため、業界特有の論点への理解が前提になります。
製薬・医療機器の業務変革ならKPMGコンサルティング
製薬企業や医療機器企業の業務プロセス改革、治験の効率化、規制対応の高度化、MR業務やオムニチャネルの再設計といったテーマは、KPMGコンサルティングのライフサイエンス・ヘルスケアセクターが担っています。同セクターはスマートヘルス・PHR・フェムテック領域への異業種参入支援も手がけています。
システム構想・導入やデータ分析基盤といったIT寄りのスキルを活かしたい場合は、こちらのほうが接続しやすい構成です。
業種横断のディール経験を積みたいならKPMG FAS
KPMG FASは自動車、消費財・小売、金融、製造など10の業種別グループを持ち、その1つがヘルスケア・ライフサイエンスです。ヘルスケアを担当しつつ、FASとしてのM&A・事業再生の方法論を身につけたい場合はこちらが選択肢になります。
ヘルスケア専業ではないため、将来的に他業種へ広げる可能性を残したい人にも合います。
選考フロー
KPMGヘルスケアジャパンの選考プロセスは、公式採用ページに明示されています。基本的に通年で募集が行われています。
1エントリー・応募書類の提出
履歴書、職務経歴書、志望動機書を提出します。新卒の場合は職務経歴書に代えて自己PR書を提出します。志望動機書が必須である点は、他のBIG4系ファームの一般的な選考と比べて特徴的です。
2書類選考
職務経歴書と志望動機書をもとに、募集領域との合致が精査されます。少人数の組織であるため、汎用的な経験の羅列よりも、募集ポジションに接続する経験を明確に示すことが重要です。
3複数回の面接
公式には「複数回面接」と記載されています。経験の深掘りとヘルスケア産業への関心の確認が中心になると考えられます。
4内定
職位と条件のすり合わせを行います。募集要項では給与は「経験、能力等を考慮のうえ応相談」とされているため、提示職位の確認が実務上の要点になります。
志望動機書の重みを軽視しない
応募書類として志望動機書が明示的に求められる点は、同社の選考を考えるうえで重要な示唆です。ヘルスケア産業に完全特化した組織であり、全メンバーがヘルスケア案件にフルタイムで従事する体制であるため、「なぜヘルスケアなのか」への答えが入口で問われる設計になっていると読めます。
汎用的なコンサルティング志望動機をそのまま流用すると、書類段階で通りにくいと考えておくべきです。
応募要件 — 何が求められているか
公式募集要項では、求める人材像と必要なスキルが具体的に示されています。ヘルスケア業務の経験は不問とされている点が、この職種を検討するうえで重要なポイントです。
| 区分 | 公式募集要項に記載されている内容 |
|---|---|
| 求める人材像 | ヘルスケア産業の変革に関与したい方/医療機関・自治体の戦略・財務・オペレーション分野で貢献したい方/ヘルスケア産業のファイナンス・投資領域に携わりたい方 |
| 共通して求められる資質 | 高い思考力とコミュニケーション力 |
| いずれかの経験・適性 | 戦略立案/事業・財務分析/ファイナンス・投資実務/事業再生実務/ヘルスケア業務経験/データ分析経験 |
| 業界経験 | ヘルスケア業務の経験は不問。新卒者は経験不問 |
同社公式採用ページの記載に基づく整理です(2026年8月時点)。
2つの入口がある
同社の組織は、ビジネス系(ヘルスケアを専門とするMBA、戦略系コンサルティングファーム、事業会社の出身者)と財務系(金融機関・投資会社の出身者、公認会計士など)という2つのバックグラウンドで構成されていることが公式に説明されています。
応募にあたっては、自身がどちらの入口から入るのかを整理しておくことが有効です。戦略立案とデータ分析を強みにするのか、ファイナンス・投資実務や事業再生の経験を前面に出すのか。この設定が、志望動機書と面接の一貫性を左右します。
評価されやすい経験の例
- •事業会社での事業投資・経営企画・財務企画の経験(投資判断に関与した実績)
- •金融機関・投資会社でのファイナンス、ストラクチャードファイナンス、事業再生の実務
- •戦略系コンサルティングファームでの戦略立案・事業性評価
- •医療機関の経営企画、製薬・医療機器メーカーでの事業企画
- •データ分析(診療データ・レセプトデータなど医療データの分析経験があれば強い)
「なぜKPMGヘルスケアジャパンか」の答え方
ヘルスケア領域のコンサルティングには、病院経営に特化したファーム、製薬向けの外資系専門ファーム、総合系ファームの業界部隊と、複数の選択肢があります。その中で同社を選ぶ理由を、固有の特徴から語る必要があります。
説得力を持ちやすい3つの軸
1戦略とファイナンスを同じ法人内で扱える構造
同社は、戦略立案・ビジネスモデル構築というビジネスアドバイザリーと、M&A・ファイナンス・事業再生というフィナンシャルアドバイザリーの2本柱を持ちます。公式サイトでも、戦略立案・ファイナンス・各種分析ツールを個別にではなく統合的に提供する点が強みとして説明されています。「構想だけで終わらせず資金と実行まで見届けたい」という動機は、この構造に直結します。
2産業全体を横断して見られる立ち位置
医療機関、介護、製薬、調剤薬局、治験、ヘルスケアDX、医療機器に加え、自治体や投資家・金融機関まで支援対象に含みます。特定のプレイヤーの立場だけでなく、産業構造そのものを俯瞰したいという志向と合致します。
3BIG4ネットワークと業界特化の両立
あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGコンサルティング、KPMG FASと必要に応じて共同体制を組む一方、同社のメンバーは全員がヘルスケア案件にフルタイムで従事します。「専門特化したいが、大手の方法論と信用力も欲しい」という要望に応える形です。
避けたい志望動機
- •「BIG4のブランドで働きたい」——同社を選ぶ理由になっていない
- •「幅広い業界を見たい」——ヘルスケア特化という組織の性格と逆行する
- •「医療に貢献したい」だけで止まる——なぜコンサルティング/アドバイザリーなのかが欠ける
- •「戦略コンサルとして成長したい」——フィナンシャルアドバイザリーの比重を無視している
面接対策
公式には「複数回面接」とのみ記載されており、ケース面接の実施有無は公開されていません。ただしBIG4系のアドバイザリー職では思考力を問う設問が一般的であり、備えておくのが安全です。
業界固有の論点に踏み込めるか
同社の面接で差がつきやすいのは、汎用的なケース処理よりも、ヘルスケア産業特有の構造を踏まえて話せるかどうかだと考えられます。診療報酬・介護報酬という公定価格に収益が規定されること、人口動態と地域ごとの需給、人材確保の難しさ、制度改定のサイクルといった論点は、この産業を語るうえで避けて通れません。
面接前に、志望する領域(医療機関か、介護か、製薬か、ヘルスケアDXか)を絞り、その領域の直近の制度動向を自分の言葉で説明できる状態にしておくことをおすすめします。
ビジネス系・財務系それぞれの想定質問
| 入口 | 想定される問い |
|---|---|
| ビジネス系 | 担当した戦略立案で、どの意思決定にどう影響したか/ヘルスケア産業のどの構造変化に関心があるか |
| 財務系 | 関与したディールでの自身の役割と判断/事業再生案件でのステークホルダー調整の経験 |
| 業界出身 | 現場で見た課題を、外部アドバイザーとしてどう解けると考えるか |
| 共通 | なぜヘルスケアに絞るのか/なぜ事業会社ではなくアドバイザリーなのか |
公開情報をもとに編集部が想定した設問例です。実際の面接内容を示すものではありません。
転職難易度をどう見るか
同社は従業員数を公表していませんが、ヘルスケア産業に完全特化した専門組織であり、大量採用を行う体制ではないと考えられます。難易度は「一般的な選考通過率」より「募集ポジションとの合致」に強く規定されます。
合致すれば強い、合致しなければ通らない
少人数の専門組織では、採用も領域ごとの必要性に応じて行われます。総合ファームのように「ポテンシャルがあれば入社後に配属を決める」という運用にはなりにくく、募集背景に自身の経験が噛み合うかが分かれ目になります。
裏を返せば、ヘルスケア産業への関心と、戦略またはファイナンスいずれかの実務経験が明確に示せる場合、母集団が限られるぶん評価されやすいとも言えます。
併願戦略の考え方
ヘルスケア領域を軸にする場合、KPMGコンサルティングのライフサイエンス・ヘルスケアセクターやKPMG FASのヘルスケア・ライフサイエンスグループ、さらに病院経営特化のファームや製薬向けの専門ファームを併願する形が現実的です。
ただし各社で求められる経験の性質が異なるため、志望動機書と職務経歴書は使い回さず、応募先ごとに軸を組み替える必要があります。特にKPMGグループ内での併願では、なぜその法人なのかを説明できないと一貫性を欠きます。
よくある質問
- Q. KPMGヘルスケアジャパンの選考フローを教えてください。
- A. 公式採用ページによれば、エントリー、書類選考、複数回の面接、内定という流れです。応募書類は履歴書、職務経歴書、志望動機書(新卒は履歴書、自己PR書、志望動機書)で、基本的に通年で募集が行われています。
- Q. ヘルスケア業界の経験は必須ですか?
- A. 公式募集要項ではヘルスケア業務の経験は不問とされています。求められるのは高い思考力とコミュニケーション力に加え、戦略立案、事業・財務分析、ファイナンス・投資実務、事業再生実務、ヘルスケア業務経験、データ分析経験のいずれかです。ただしヘルスケア産業への強い関心は前提になります。
- Q. KPMGコンサルティングとKPMGヘルスケアジャパンのどちらに応募すべきですか?
- A. 医療機関や介護事業者そのものを支援したい、あるいは戦略とM&A・ファイナンスを一貫して扱いたい場合はKPMGヘルスケアジャパンです。製薬・医療機器企業の業務改革やデジタル変革、異業種のヘルスケア参入支援に関心があるならKPMGコンサルティングのライフサイエンス・ヘルスケアセクターが接続しやすい構成です。
- Q. KPMG FASとの違いは何ですか?
- A. KPMG FASは自動車、消費財・小売、金融など10の業種別グループを持ち、その1つがヘルスケア・ライフサイエンスです。業種横断のFASの中でヘルスケアを担当する形になります。一方KPMGヘルスケアジャパンはメンバー全員がヘルスケア案件にフルタイムで従事し、戦略立案からトランザクションまでを扱います。
- Q. ケース面接はありますか?
- A. 公式には「複数回面接」とのみ記載されており、ケース面接の実施有無は公開されていません。ただしBIG4系のアドバイザリー職では思考力を問う設問が一般的であるため、備えておくことをおすすめします。加えて、診療報酬・介護報酬など業界固有の構造を踏まえて議論できる準備のほうが差がつきやすいと考えられます。
- Q. 転職難易度は高いですか?
- A. ヘルスケア産業に特化した少人数の専門組織であり、採用は領域ごとの必要性に応じて行われると考えられます。難易度は募集ポジションと自身の専門性の合致に強く規定されます。合致すれば母集団が限られるぶん評価されやすい一方、汎用的な経験のアピールだけでは通りにくい構造です。
SUPERVISED BY — 監修者
監修者一覧 ›
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS
米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。
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