未経験からのコンサル転職|59社の採用データで見る「どの未経験が、どのファームに入っているのか」
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「コンサルは未経験でも転職できるか」という問いは、そのままでは答えが出ません。コンサルティング業界には、コンサル未経験者が入社者の7割を占めることを自ら公表しているファームがある一方で、応募要件に「該当分野の実務経験3年程度以上」と書いているファームもあります。同じ「未経験可」でも、事業会社の業務経験を前提に置いているのか、業界知識ごと不問なのかで意味はまるで違います。本ページでは当サイト掲載59社の公式採用情報・募集要項・IR資料から確認できた事実だけを使い、どの領域の未経験者が、どのファームに、どういう根拠で入っているのかを構造として整理します。
この記事のポイント
- ✓入社者のバックグラウンド構成比まで公式に公表しているのは59社中2社。シグマクシスはITサービス33%・コンサル32%・事業会社20%・ベンチャー11%、リヴァンプは事業会社29%・SIer27%・コンサル22%と、いずれもコンサル出身が3割前後にとどまります
- ✓「未経験」には、コンサル未経験(業界の実務経験はある)と、業界も職種も未経験の2種類があります。公開されている採用情報の大半は前者を前提にしており、両者は難易度がまったく異なります
- ✓未経験が採用される背景は励ましではなく事業構造です。アビームは連結従業員が2025年4月の8,816名から2026年4月に約9,600名へ拡大しており、インダストリー知見を持つ人材を外部から採り続ける必要があります
- ✓前職タイプによって入口は明確に分かれます。SIer・IT部門出身はアビーム・Dirbato・MSOLなど、製造業出身はローランド・ベルガーやアーサー・ディ・リトル、人事実務経験者はマーサー・WTWといった具合に、評価される経験が公式要件レベルで違います
- ✓逆に未経験には厳しい領域も明確です。FAS3社は財務・会計の素養が前提、GHCの病院コンサルティング部門は医療機関または医療関連企業での業務経験が必須要件、少数精鋭ブティックは要件そのものが非開示というケースもあります
「未経験」には2種類ある — まずここを切り分ける
コンサル転職の情報でいちばん混乱を招いているのが、「未経験」という言葉が2つの意味で使われている点です。当サイトが59社の募集要項を読んだ範囲では、両者は明確に別のものとして扱われています。
以降の記述は、断りのない限り①(コンサル未経験だが業界・職務の実務経験はある)を前提にしています。②に該当する場合は、後半の「難易度を左右する4つの変数」を先に読むことをおすすめします。
| 区分 | 内容 | 採用市場での扱い |
|---|---|---|
| ① コンサル未経験(業界・職務の実務経験はある) | SIerでシステム開発をしてきた、事業会社で経営企画をしてきた、製薬企業でマーケティングをしてきた、といった状態。コンサルティングファームでの勤務経験だけがない | 多数派。多くのファームがこの層を主要な採用ターゲットとして明示しており、募集要項の「未経験可」はほぼこの意味 |
| ② 業界も職務も未経験 | 応募先ファームが扱う産業・機能のいずれにも実務接点がない状態。第二新卒や、まったく異なる職種からの転身が該当 | 少数派。第二新卒枠・ポテンシャル枠を明示しているファームに限られ、年齢要件が実質的に効く |
当サイトが59社の公開募集要項・採用FAQを読み解いて整理した区分です(2026年8月時点)。
①の代表例 — リブ・コンサルティングの有価証券報告書の記述
この切り分けを、企業側の言葉で最も明確に示しているのがリブ・コンサルティングです。同社は有価証券報告書のなかで、「未経験者(コンサルティング未経験だが、業界経験は持つ人材)でも早期にコンサルタントとして一人前になれるように社内教育・研修プログラムを充実させております」と記載しています。カッコ書きの定義がそのまま、コンサル業界で言う「未経験」の実態です。
同社の公式求人には「経営コンサルタント(未経験可)」と「経営コンサルタント(第2新卒限定)」の枠が常設されていますが、募集の主軸は顧客規模別(ベンチャー/中堅中小/大手企業)、業界特化(住宅・不動産・建設/自動車販売店・流通/Mobility&Energy/損害保険)、テーマ別(AI/組織・人事/ブランド&マーケティング/M&A/地方創生)の3軸で構成されており、前職の業界経験が明確な人ほど強みを活かせる設計になっています。
②が通用する枠は限られる
業界も職務も未経験という状態から入る場合、対象は第二新卒枠やポテンシャル枠を明示しているファームに絞られます。ドルビックスコンサルティングは「【未経験者・第二新卒】経営戦略コンサルタント」「【未経験者歓迎】DX・AXコンサルタント(ジュニアコンサルタント)」といった求人を公開しており、同社はキャリア採用について年齢・性別・国籍・転職回数による制限を設けていないと公表しています。リブ・コンサルティングの第2新卒限定枠も同様です。
一方、アビームコンサルティングについて当サイトでは、コンサル未経験かつ非IT領域からの応募は難易度がやや高く、ポテンシャルを評価されやすい20代〜30代前半が中心になると整理しています。②の入口は存在しますが、年齢という変数が実質的に効いてくる点は正直に見ておく必要があります。
入社者構成比を公表している企業の実データ
「未経験でも入れる」という主張の裏づけとして最も強いのは、実際に誰が入社しているかという構成比です。ただし、これを公式に公表しているファームは多くありません。当サイトが59社の公式採用ページ・IR資料を確認した範囲で、入社者のバックグラウンド構成比を数値で公開しているのは2社でした。数が少ないぶん、この2社のデータは業界の実態を読むうえで貴重です。
各社の採用実績・選考フロー・応募要件は、当サイトのファーム個別ページ内「転職・選考対策」(/firms/[slug]/careers)にそれぞれ掲載しています。上の表のファーム名から各社ページへ移動できます。
| ファーム | 公表されている入社者構成 | 対象・時点 | 出所 |
|---|---|---|---|
| シグマクシス | ITサービス33%/コンサルティング32%/事業会社20%/ベンチャー11%/その他4% | 経験者採用の入社者・2025年3月末時点 | 同社の経験者採用ページ |
| リヴァンプ | 事業会社29%/SIer27%/コンサルティングファーム22%/IT事業会社・広告代理店8%/金融7%/その他7% | キャリア入社社員(コーポレート・新卒を除く)・2024年時点 | 同社採用サイト「数字で分かるリヴァンプ」 |
いずれも各社が公式に公表している構成比です。集計対象・時点が異なるため、2社間の単純比較はできません。
共通しているのは「コンサル出身が3割前後」という事実
シグマクシスのコンサルティング出身は32%、リヴァンプは22%です。集計時点も対象も違う2社ですが、いずれもコンサルティングファーム出身者が入社者の過半を占めていません。シグマクシスは入社者の約7割が異業界出身であり、リヴァンプは事業会社29%とSIer27%を合わせるだけで過半を超えます。
重要なのは、この2社がどちらも「未経験歓迎」を売り文句にしている会社ではないという点です。シグマクシスは従業員約695名の少数精鋭組織で、有価証券報告書ベースの平均年収は1,208万円。リヴァンプは経営実務そのものを受託し、クライアント先への常駐を伴う働き方が前提です。処遇も要求水準も高い組織で、なおコンサル出身が3割前後という構成になっている。ここに、未経験採用の本質があります。
つまり、これらのファームがコンサル未経験者を採っているのは門戸を下げているからではなく、事業に必要な経験がコンサルティングファームの外にあるからです。シグマクシスがITサービス出身を33%採っているのはDX・事業創出案件のためであり、リヴァンプがSIerを27%採っているのはDXコンサルタント職があるためです。
構成比を出していない企業でも、採用規模は追える
バックグラウンド構成比までは出していなくても、採用人数や中途採用比率を公表している企業はあります。これらは「門の広さ」を測る材料になります。次の表は、当サイトが各社の公式採用サイト・有価証券報告書・決算説明資料・ESGデータブック等から確認できた数値です。
| ファーム | 公表されている採用・人員の数値 | 出所の性質 |
|---|---|---|
| マネジメントソリューションズ(MSOL) | 2025年12月期にPMOコンサルタントを353名採用(中途240名・新卒113名)。2026年12月期も中途220〜240名を計画 | 会社開示 |
| 三菱総合研究所 | 中途採用比率は2023年度57%→2024年度46%→2025年度39%。単体のキャリア採用入社数は73名→60名→41名 | 公式採用サイトの公表値・グループESGデータブック |
| アビームコンサルティング | 連結従業員数は2025年4月の8,816名から2026年4月に約9,600名 | 会社公表 |
| リブ・コンサルティング | 単体の期末コンサルタント数は2024年162名から2025年188名へ。採用費も前期比15.2%増 | 有価証券報告書・決算説明資料 |
| 船井総合研究所 | コンサルタント数は年7.9%増、2025年12月期に1,098人 | 会社開示 |
| リヴァンプ | 在籍328名(2024年4月末)から社員382名(2025年12月末)へ | 採用サイト・会社概要 |
| フロンティア・マネジメント | 2026年12月期はグループ人員を約24名増の411名とする計画 | 会社開示 |
| 日本総合研究所 | 新卒はITソリューション400名程度に対し、コンサルティング/インキュベーションは30名程度 | 公式採用情報 |
| EYストラテジー・アンド・コンサルティング | 従業員数4,310名(2025年7月1日時点)。中途採用比率約84%・年間採用1,000人規模という推計もある | 従業員数は会社公表、比率・採用規模は推計値 |
数値の性質が異なる点にご注意ください。会社が公表している確定値と、公開情報に基づく推計値を同じ根拠として扱うことはできません。EYストラテジー・アンド・コンサルティングの中途採用比率・年間採用規模は推計値です。
採用の門は、全社一律に開いているわけではない
この表で最も示唆的なのは三菱総合研究所です。同社は労働施策総合推進法に基づく中途採用比率を公表しており、2023年度57%から2025年度39%へ、キャリア採用入社数も73名から41名へと減少しています。「コンサル業界は人材不足で採用拡大中」という一般論は、少なくともこのファームには当てはまりません。
日本総合研究所の新卒募集人数(ITソリューション400名程度/コンサルティング・インキュベーション30名程度)も同様です。同じ社名でも、部門によって採用規模が10倍以上違います。未経験からシンクタンクのコンサルティング部門を目指す場合、この差は決定的です。
一方でMSOLのように、2025年12月期に中途だけで240名を採用し、2026年12月期も220〜240名の中途採用を計画しているファームもあります。母数の大きさは、そのまま未経験者が入り込める余地の大きさに直結します。
未経験が評価される構造的な理由 — ファーム側の事情から読む
未経験採用は、候補者へのやさしさから行われているわけではありません。ファーム側の事業構造が、外部からの人材を必要としているというだけのことです。理由は大きく3つに整理できます。
① 人員拡大のペースに、業界内の転職市場が追いついていない
コンサルティングファームの売上は、基本的に稼働できる人数に規定されます。したがって成長局面のファームは、人員を増やさないかぎり成長できません。アビームコンサルティングの連結従業員数は2025年4月の8,816名から2026年4月に約9,600名へ、1年で約800名増えています。EYストラテジー・アンド・コンサルティングは2020年の発足から2025年7月時点で4,310名に達しています。
この規模の増員を、コンサルティングファーム経験者だけで賄うことは構造的に不可能です。業界全体が同時に拡大している以上、経験者の奪い合いは成立しません。結果として、外部の労働市場から採るしかなくなります。リブ・コンサルティングが有価証券報告書で「優秀なコンサルタントの継続的な増員が不可欠」と明記し、確保できない場合を事業リスクとして挙げているのは、この構造を企業側から述べたものです。
② インダストリー知見は、外から買うしかない
近年のコンサルティングは、特定産業・特定機能への深い理解を前提とする案件が増えています。この知見はファームの内部では育ちにくく、その産業で働いてきた人を採るのが最も速い方法です。
船井総合研究所が典型例です。同社は住宅・不動産、医療・介護、士業、教育など業種別のコンサルティングを軸としており、住宅会社の営業出身者が住宅・不動産コンサルへ、医療機器や介護業界の出身者が医療・介護コンサルへ、という形で前職の業界知識がそのまま武器になります。コンサル未経験でも業界経験が深い候補者が有力になるのは、この事業構造の帰結です。
アビームコンサルティングでSAP・ERPの導入経験者が相対的に有利とされるのも同じ理屈です。ERP導入というサービスを売る以上、その経験を持つ人材が事業の中核になります。GHCの病院コンサルティング部門が医療機関または医療関連企業での業務経験を必須要件に置いているのも、医療データを扱う事業構造から逆算された要件です。
③ 提言型から実行型へ、仕事の性質が変わってきている
コンサルティングの提供価値が「提言」から「実行」に寄るほど、現場で物を動かした経験の価値が上がります。リヴァンプは経営実務そのものを受託し、クライアント先への常駐を伴う働き方が想定されており、採用FAQでは重視する能力として「自走力」が明言されています。同社でSIer出身が27%、事業会社出身が29%を占めるのは、この業務の性質と整合しています。
MSOLはさらに明確で、選考でケース面接は課されず、評価軸はプロジェクト推進・課題管理・ファシリテーションの実務経験とされています。必須要件はITプロジェクトへの参画経験や課題管理・進捗管理の経験であり、コンサルティングファーム経験は前提とされていません。プロジェクトを回した経験そのものが商品になっている構造です。
つまり未経験採用が広がっているのは、コンサルタントに求められる能力が「論理的思考力」一本ではなくなり、実務を動かした経験が直接的な評価対象になったためです。この変化は、事業会社・SIer出身者にとって追い風になります。
前職タイプ別|どの経験が、どのファームで評価されるのか
ここからが本ページの中心です。当サイト掲載59社の公式募集要項・採用FAQ・プロフィール情報から、前職タイプごとに「その経験が評価対象として明示されているファーム」を整理しました。まず全体像を示します。
| 前職タイプ | 相性が良い領域 | 評価される理由 |
|---|---|---|
| 事業会社の経営企画・事業企画 | 戦略系、日系独立系、シンクタンク系、ハンズオン系 | 経営課題を当事者として扱った経験。多くのファームで歓迎要件に明記される |
| SIer・IT・情報システム部門 | IT・デジタル系、総合系、PMO特化系 | 要件定義・PM・システム導入の経験。DX案件の需要と直結する |
| 金融(銀行・証券・投資銀行) | FAS、事業再生系、日系独立系 | 財務・企業会計の素養。M&Aや再生の局面で即戦力になりやすい |
| 製薬・医療機器・医療機関 | 医療・ヘルスケア系、業界特化系 | 業界構造・規制の理解が前提となる領域。必須要件になっている例もある |
| 製造業(技術・生産・研究開発) | 戦略系(製造業に強いファーム)、総合系、IT系 | サプライチェーン・技術戦略・ERP導入など、具体的な案件テーマと接続する |
| 官公庁・自治体・研究機関 | シンクタンク系 | 政策研究・官公庁向け調査という事業の柱がある |
| 広告・マーケティング | 業務・業界特化系(マーケティング特化)、総合系 | ブランド・コミュニケーション領域の実務。事業会社のマーケ部門出身も同様 |
| 会計士・税理士などの士業 | FAS、事業再生系、日系独立系 | 会計・税務の専門資格が要件または歓迎資格として明記される |
当サイトが59社の公開情報から整理した対応関係です。個別ファームの要件は募集ポジションごとに異なります。
① 事業会社の経営企画・事業企画出身
コンサル未経験のなかで最も入口が広いのがこの層です。戦略系ファームでもコンサル経験を必須としていない企業が複数あり、日系独立系やハンズオン系では主要な採用ターゲットになっています。
| ファーム | 公式情報から確認できる位置づけ |
|---|---|
| カーニー | 公式採用FAQで「コンサルタントとしての経験は不問」と明記。応募資格は四年制大学卒業以上・実務経験1年以上 |
| ドリームインキュベータ | 応募資格は「四年制大学/大学院を卒業後、企業/官公庁等での実務経験」。経営企画経験・戦略コンサル経験・起業経験・MBAは歓迎要件 |
| コーポレイトディレクション | 応募資格は主要大学・大学院卒かつ企業・官公庁での勤務経験。企画業務経験者・事業法人での財務経験者が優遇対象として明記 |
| リヴァンプ | キャリア入社者の29%が事業会社出身。経営コンサルタント職では経営企画・営業・マーケティングの実務経験が土台 |
| リブ・コンサルティング | 事業会社の営業・企画部門出身者が主要ターゲット。未経験可枠・第2新卒限定枠を常設 |
| ライズ・コンサルティング・グループ | 歓迎条件に「事業会社での営業・マーケティング・企画経験」がコンサル経験と並列で記載。必須は大卒以上・社会人経験3年以上 |
| グロービング | 公式FAQで未経験について「強い関心と成長意欲があれば歓迎」と回答。選考では事業経験・専門性も評価軸 |
各社の公式採用ページ・募集要項の記載に基づきます(2026年8月時点)。
② SIer・IT・情報システム部門出身
実データで見るかぎり、コンサル未経験からの転職で最も層が厚いのがこの領域です。シグマクシスの入社者構成ではITサービス出身が33%と最大、リヴァンプではSIerが27%を占めます。IT・デジタル系ファームでは、そもそもこの経歴が中心的な採用対象です。
| ファーム | 公式情報から確認できる位置づけ |
|---|---|
| シグマクシス | 経験者採用の入社者構成でITサービス出身が33%と最大(2025年3月末時点) |
| アビームコンサルティング | SIer・事業会社のIT部門・製造業出身者が中心。SAP・ERP導入経験者は相対的に有利と整理 |
| Dirbato(ディルバート) | SIer・ITベンダー・情報システム部門出身が中心で、コンサル未経験からの入社事例が豊富。ケース面接は実施されない |
| マネジメントソリューションズ(MSOL) | 必須要件はITプロジェクトへの参画経験や課題管理・進捗管理の経験。コンサル経験は前提とされていない |
| ノースサンド | SIer・ITベンダー・事業会社IT部門出身が中心。PMOや大規模プロジェクトの推進経験が評価されやすい |
| 日立コンサルティング | SIer・ITベンダーのエンジニア/PM経験者、事業会社のDX推進・情報システム部門経験者が主対象。公式の給与レンジは年収500万円から |
| リッジラインズ | SIer・ITベンダーのエンジニア/アーキテクト、事業会社のDX推進経験者、デザイナーなど中途中心の構成。年齢・転職回数等の制約はないと公式に明記 |
| ストラテジーテック・コンサルティング | ITコンサルタント職の必須要件にSIerでのシステム開発・構築経験、情報システム部門での業界経験が含まれる |
| LASINVA(ラシンバ) | コンサルタント職の必須要件は、IT企業でのPM・システム開発経験/コンサルティング経験/事業会社でのBtoB顧客折衝経験のいずれか |
| ULSコンサルティング | SIer・ITベンダー出身のエンジニアが入社者の中心。ただしIT未経験からの転身は想定されにくい構造 |
| フューチャー | SIer・Web系企業出身のエンジニア、事業会社のIT部門出身者が中心。技術力に加えて地頭力を問う課題への備えが必要 |
各社の公式採用ページ・募集要項および当サイトの各社ページの整理に基づきます。
③ 金融(銀行・証券・投資銀行)出身
金融出身者は、FAS・事業再生系・日系独立系で明確に評価されます。ただし後述するとおり、これらの領域は「未経験に開かれている」のではなく「金融の実務経験が要件である」という順序であることに注意が必要です。
| ファーム | 公式情報から確認できる位置づけ |
|---|---|
| フロンティア・マネジメント | 応募資格に監査法人・ファンド・投資銀行での経験が明記。必要スキルとして「財務・企業会計の知識」も明示 |
| 山田コンサルティンググループ | 金融機関・会計事務所・事業会社の経営企画出身が中心。公認会計士31名・税理士40名・中小企業診断士37名が在籍(2026年4月1日現在) |
| 経営共創基盤 | コンサル・金融機関・事業会社の経営企画出身が中心。事業再生や投資の実務経験が評価される |
| PwCアドバイザリー | 登録資格に投資銀行・銀行のM&A部門、総合商社・金融機関での事業投資経験が挙げられている |
| KPMG FAS | Corporate Finance部門ではM&Aアドバイザリー・企業価値評価・金融機関業務などの経験3年程度以上が要件 |
| アリックスパートナーズ | 金融機関(特に事業再生・M&A部門)出身者が中心。職位ごとに必要実務年数が定められている |
| ベイン・アンド・カンパニー | 金融・PEファンド出身者が中心的な採用層のひとつ。M&A・PE関連案件が多くファイナンスの素養が評価されやすい |
各社の公式募集要項および当サイトの各社ページの整理に基づきます。
④ 製薬・医療機器・医療機関出身
医療・ヘルスケア領域は、業界経験が最大の資産になる一方、業界外からの参入障壁が最も高い領域でもあります。この領域では「コンサル未経験」より「医療未経験」のほうが重い制約になります。
| ファーム | 公式情報から確認できる位置づけ |
|---|---|
| グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン | 病院コンサルティング部門アナリストは「医療機関または医療関連企業での業務経験」が必須要件。コンサル経験は必須要件ではない |
| IQVIA | マネジメントコンサルティングは製薬企業のマーケティング・営業企画経験者が主対象。業界未経験を歓迎するポジションも公開求人に確認できる |
| ZSアソシエイツ | 製薬企業のコマーシャル・マーケティング部門出身者、データサイエンス人材が中心。業界知見と定量分析力の両方が評価軸 |
| メディヴァ | コンサルタント職の必須要件は大卒以上・社会人経験3年以上(原則)・基本的なPCスキル。医療資格は必須要件ではない |
| KPMGヘルスケアジャパン | 公式募集要項では「ヘルスケア業務の経験は不問」。戦略立案・事業/財務分析・ファイナンス・事業再生・データ分析のいずれかの経験が求められる |
各社の公式採用ページ・募集要項の記載に基づきます(2026年8月時点)。
⑤ 製造業(技術・生産・研究開発)出身
製造業出身者は、その産業を主戦場とするファームで強く評価されます。理工系の学位や研究開発経験が加点要件として明記されているファームもあり、文系・ビジネス系の職歴だけが評価されるわけではありません。
| ファーム | 公式情報から確認できる位置づけ |
|---|---|
| ローランド・ベルガー | コンサルティング未経験でも応募可能。自動車・機械・電機などの製造業経験は同社の主戦場と直結する |
| アーサー・ディ・リトル | 求人票の加点要件に研究・開発系職種の経験が明記され、上級学位としてMBAに加えPh.D.・MDが並記される |
| カーニー | メーカー・商社・小売など事業会社出身者が中心層。サプライチェーン・調達の実務経験や製造業の現場理解が評価されやすい |
| アビームコンサルティング | 製造業での業務改革・基幹システム刷新の経験者が多い出身バックグラウンドとして挙げられている |
| フォーティエンスコンサルティング | 製造業をはじめとする事業会社出身者が多く、業界知見を活かしたキャリア転換の受け皿になっている |
| フロンティア・マネジメント | 応募資格に製造業などの事業会社における経営企画・経理財務・商品開発・営業・購買・生産管理の実務経験が明記 |
各社の公式募集要項および当サイトの各社ページの整理に基づきます。
⑥ 官公庁・自治体・研究機関出身
官公庁向けの調査研究・政策提言を事業の柱に持つシンクタンク系では、行政経験そのものが専門性として扱われます。ただし後述のとおり、シンクタンクのコンサルティング部門は採用枠自体が小さい点に注意が必要です。
| ファーム | 公式情報から確認できる位置づけ |
|---|---|
| 三菱総合研究所 | 大学院修了者や官公庁・研究機関出身者が中心。エネルギー、防災、医療・介護、安全保障、AI・DXなど領域別採用が基本 |
| 三菱UFJリサーチ&コンサルティング | 官公庁・自治体出身者を含む多様な背景を採用。コンサルティング事業本部と政策研究事業本部で求める専門性が異なる |
| NTTデータ経営研究所 | 事業会社の企画・DX部門、官公庁、SIer・通信業界出身者に門戸がある。経験者採用には入社後半年間の育成リーダーがつく |
| ドリームインキュベータ | 応募資格に「企業/官公庁等での実務経験」が明記。在籍者には政策の専門家も含まれると公式FAQに記載 |
| 野村総合研究所 | 経営コンサルティング部門は他ファーム出身者、事業会社の経営企画・DX推進経験者、官公庁出身者が主な採用対象 |
各社の公式採用ページ・募集要項および当サイトの各社ページの整理に基づきます。
⑦ 広告・マーケティング出身
広告会社系のコンサルティングファームと、マーケティング領域を持つファームが受け皿になります。ただし組織規模が小さく、募集の有無そのものが変動する点は前提として押さえておく必要があります。
| ファーム | 公式情報から確認できる位置づけ |
|---|---|
| 電通コンサルティング | 戦略コンサルタント(アナリスト〜シニア)の必須要件はコンサルファーム出身、または事業会社の企画・マーケティング部門での実績 |
| 博報堂コンサルティング | 事業会社のマーケティング・ブランド部門出身者、広告業界で戦略プランニングを担った人材が対象。従業員84名で採用枠は限定的 |
| リヴァンプ | キャリア入社者の8%がIT事業会社・広告代理店出身。マーケティング戦略・クリエイティブ実行支援を事業に持つ |
| リブ・コンサルティング | テーマ別募集に「ブランド&マーケティング」枠がある |
各社の公式採用ページ・募集要項および当サイトの各社ページの整理に基づきます。
⑧ 会計士・税理士などの士業/人事実務経験者
資格や職能そのものが要件になっている領域です。この層は「未経験」という言葉では捉えにくく、むしろ専門性を持った経験者として扱われます。人事系ファームは、コンサル未経験でも人事実務経験があれば評価対象になる典型例です。
| ファーム | 公式情報から確認できる位置づけ |
|---|---|
| デロイト トーマツ(ファイナンシャルアドバイザリー部門) | 公認会計士(監査法人での監査経験を含む)が中心的な採用ターゲットのひとつ。TSは監査法人・会計士の経験が直結しやすい |
| KPMG FAS | Corporate Financeでは公認会計士・税理士・証券アナリスト・MBA保有者が歓迎資格として明記 |
| 山田コンサルティンググループ | 公認会計士31名・税理士40名・中小企業診断士37名が在籍(2026年4月1日現在)。財務の素養が評価されやすい |
| マーサージャパン | 人事部門の実務経験者、年金数理・報酬制度の専門家が中心。公式が挙げる選考基準は論理的に考える力と成長する意欲 |
| WTW(ウイリス・タワーズワトソン) | コンサルティング未経験でも、人事実務・年金数理・保険業界の経験があれば評価の対象になる |
| コーン・フェリー | 人事部門の実務経験者、他の人事系ファーム出身者、人材業界出身者など入口となる経歴は複数ある |
| エーオンソリューションズ ジャパン | 事業会社の人事実務経験、金融・保険・年金領域の専門性が評価されやすい。日本の組織は300名弱でピンポイント採用が基本 |
各社の公式採用ページ・募集要項および当サイトの各社ページの整理に基づきます。
「未経験可」と公式に読み取れる企業一覧
ここでは、公式の採用FAQ・募集要項・IR資料からコンサル未経験者の応募が想定されていると読み取れる企業を、根拠とともに一覧にします。重要なのは、根拠の強さが企業によって異なることです。「公式FAQで明言している」ものと、「募集要項の必須要件を読むかぎりコンサル経験は必須になっていない」ものと、「当サイトが公開情報から整理した」ものを、同じ確度で扱うことはできません。そのため出所の区分を併記しています。
| ファーム | 根拠となる記載・事実 | 出所の区分 |
|---|---|---|
| カーニー | 公式採用FAQで「コンサルタントとしての経験は不問」と明記。MBAも必須ではないと説明 | 公式に明言 |
| グロービング | 公式FAQに「未経験でも応募できますか?」の設問があり、強い関心と成長意欲があれば歓迎という趣旨の回答 | 公式に明言 |
| ドリームインキュベータ | 公式FAQでコンサルティングファームでの経験もMBAも入社に必須ではないと明記 | 公式に明言 |
| リブ・コンサルティング | 「経営コンサルタント(未経験可)」「第2新卒限定」枠を常設。有価証券報告書にも未経験者向け研修プログラムの記載 | 公式に明言(求人・有報) |
| ドルビックスコンサルティング | 「IT/サイバーセキュリティ領域(コンサル未経験者歓迎)」「【未経験者・第二新卒】経営戦略コンサルタント」など未経験明示求人が複数 | 公式に明言(求人) |
| KPMGヘルスケアジャパン | 公式募集要項で「ヘルスケア業務の経験は不問」と記載 | 公式に明言 |
| PwCアドバイザリー | 一部職種の求める人物像に「入社時点での業界知見・ビジネス経験は問いません」と記載。ただし全職種ではない | 公式に明言(一部職種) |
| ローランド・ベルガー | 中途採用要件は事業会社・官公庁等でのプロフェッショナル職1年以上であり、コンサル経験は必須とされていない | 公式要件から読み取り |
| アーサー・ディ・リトル | ビジネスアナリスト/コンサルタント職の必須要件は学士/修士以上の学位と実務経験における優れた成果。コンサル系職種経験は加点要件 | 公式要件から読み取り |
| コーポレイトディレクション | 応募資格は主要大学・大学院卒かつ企業・官公庁での勤務経験。ただし未経験の第二新卒層を広く受け入れる書き方ではない | 公式要件から読み取り |
| マネジメントソリューションズ(MSOL) | 必須要件はITプロジェクト参画経験・課題管理/進捗管理の経験。入社後は10日間のキャリア入社研修 | 公式要件から読み取り |
| ライズ・コンサルティング・グループ | 歓迎条件に事業会社の営業・マーケ・企画経験、SIerでの開発経験がコンサル経験と並列で記載。未経験者向け研修も用意 | 公式要件から読み取り |
| ストラテジーテック・コンサルティング | 国内3職種の必須要件は四年制大学・大学院卒以上+関連実務1年以上。事業会社の経営企画やSIerの開発経験が対象に含まれる | 公式要件から読み取り |
| LASINVA(ラシンバ) | コンサルタント職の必須要件は、IT企業のPM・システム開発経験/コンサル経験/事業会社のBtoB顧客折衝経験のいずれか | 公式要件から読み取り |
| メディヴァ | コンサルタント職の必須要件は大卒以上・社会人経験3年以上(原則)・基本的なPCスキル。医療資格は必須ではない | 公式要件から読み取り |
| グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン | 病院コンサルティング部門アナリストの必須要件は医療機関等での業務経験であり、コンサルティング経験は必須要件に含まれない | 公式要件から読み取り |
| IQVIA | 公開求人に業界未経験者を歓迎するコンサルティングポジションが確認できる。ただしポジションごとに要件は異なる | 公式求人から読み取り |
| WTW(ウイリス・タワーズワトソン) | コンサルティング未経験でも、人事実務・年金数理・保険業界の経験があれば評価対象 | 公式求人から読み取り |
| マーサージャパン | 公式が挙げる選考基準は論理的に考える力と成長する意欲。語学力は入社時点で必須ではないと公式FAQに明記 | 公式要件から読み取り |
| リッジラインズ | 「性別や国籍、年齢や転職回数等に制約はない」と公式に明記。事業会社・SIer出身者の在籍が確認できる | 公式明記+当サイトの整理 |
| 日立コンサルティング | 公式の給与レンジが年収500万円から始まり、SIer・事業会社の実務経験と接続しやすい事業構造 | 当サイトの整理 |
| シグマクシス | 経験者採用の入社者の約7割が異業界出身(2025年3月末時点の公表構成比) | 公式データ |
| リヴァンプ | キャリア入社者のコンサル出身は22%。事業会社29%とSIer27%で過半を超える | 公式データ |
| アクセンチュア | SIer・事業会社・金融機関など出身業界が多様で、ポテンシャル採用の枠が比較的広いとされる | 当サイトの整理 |
| ベイカレント | ワンプール制のため特定領域の経験より地頭とポテンシャルが重視される。ただしケース面接の通過率は20〜30% | 当サイトの整理 |
| アビームコンサルティング | 経験者採用はコンサルティング未経験者を含めて継続的に実施。未経験の場合は20代〜30代前半が中心 | 当サイトの整理 |
| KPMGコンサルティング | 近年は採用人数を増やしており、未経験からの門戸も広がっているとされる | 当サイトの整理 |
| Dirbato(ディルバート) | SIer・情報システム部門出身のコンサル未経験からの入社事例が豊富。ケース面接は実施されない | 当サイトの整理 |
| ノースサンド | コンサルティング未経験者にも広く門戸が開かれ、カルチャーフィットとポテンシャルが中心的な評価軸 | 当サイトの整理 |
| フォーティエンスコンサルティング | 業界知見を活かしたキャリア転換の受け皿として機能し、コンサル未経験からの入社も一般的 | 当サイトの整理 |
| 船井総合研究所 | コンサル未経験者も採用対象。業種特化組織のため前職の業界知識がそのまま評価される | 公式採用情報+当サイトの整理 |
| 山田コンサルティンググループ | コンサルティングファーム経験者に限定されていない。ただし財務諸表を読み解く素養が前提 | 当サイトの整理 |
「公式に明言」は各社の採用FAQ・募集要項に未経験可の趣旨が直接書かれているもの、「公式要件から読み取り」は必須要件にコンサルティング経験が含まれていないことから判断したもの、「当サイトの整理」は公開されている採用情報全体から編集部が判断したものです。募集内容は時期により変わるため、応募時には各社の最新の募集要項をご確認ください。
「未経験可」と「入りやすい」は別の話
この一覧に載っていることは、選考が易しいことを意味しません。カーニーは公式FAQで「コンサルタントとしての経験は不問」と明言していますが、選考ではケース面接が課され、公式のケース面接ガイドは「トップダウン」「仮説を立てる」「フレームワークに頼りすぎない」を明示しています。要件が開いていることと、通過が容易であることはまったく別の問題です。
シグマクシスも同様です。入社者の約7割が異業界出身でありながら、当サイトでは同社の難易度について、従業員約695名の少数精鋭組織であり、有価証券報告書ベースの平均年収1,208万円という処遇に見合う即戦力性・自律性が求められる、と整理しています。門戸の広さと選考基準の高さは両立します。
ベイカレントもワンプール制で地頭とポテンシャルを重視する一方、ケース面接は1次面接で必須実施され、通過率は20〜30%とされています。「未経験可」という情報だけを見て応募先を決めると、この差を見誤ります。
逆に、未経験には厳しい領域
ここまで未経験が入りやすい構造を見てきましたが、同じ「コンサルティングファーム」という括りのなかに、未経験からの参入が構造的に難しい領域が明確に存在します。ここを曖昧にしたまま応募先を広げると、書類段階で落ち続けることになります。正直に整理します。
未経験からの応募で最も避けたいのは、要件が明確に閉じている領域に、要件を読まずに応募し続けることです。厳しい領域があること自体は問題ではなく、自分の経験が接続する領域を正しく選べるかどうかが結果を分けます。
① FAS・財務アドバイザリー — 財務・会計の素養が前提要件
FAS3社(デロイト トーマツのファイナンシャルアドバイザリー部門、PwCアドバイザリー、KPMG FAS)は、会計・財務という明確なスキルセットの上に専門性を積み上げる構造です。KPMG FASの公開求人票を横断して見ると、多くの部門で「志望分野における3年程度以上の実務経験」「4年制大学卒以上」「ビジネス遂行が可能な英語力(Strategy部門・Financial Services GroupではTOEIC800点程度が目安)」が共通要件として現れます。
デロイト トーマツのファイナンシャルアドバイザリー部門では、TS(トランザクションサービス)は監査法人・公認会計士の経験が直結しやすく、V&M(バリュエーション&モデリング)は財務モデル構築の実務経験、CFAは証券会社の投資銀行部門や銀行のM&A部門出身者と親和性が高い、という具合に部門ごとに求められる経験が具体的に定まっています。フロンティア・マネジメントも必要スキルに「財務・企業会計の知識」を明示しており、これは戦略系ファームの募集要項では必ずしも前面に出ない要件です。
ただし、FAS全体が閉じているわけではありません。KPMG FASのStrategy部門はIntegration & Separationとして統合・分離の支援を行い、その中には人事、IT、サプライチェーン、経理財務といった機能別のチームがあります。PwCアドバイザリーも一部職種の求める人物像に「入社時点での業界知見・ビジネス経験は問いません」と記載しています。財務プロパーでなくても、PMIという文脈なら接続できる余地はあります。
② 医療・ヘルスケア系 — 業界知識が要件そのもの
医療・ヘルスケア領域では、業界知識が「あると有利」ではなく「必須要件」として書かれているケースがあります。GHCの病院コンサルティング部門アナリストは、必須要件が四年制大学卒以上・医療機関または医療関連企業での業務経験・高い分析能力・Office実務スキルであり、想定年齢層は20代後半〜30代前半とされています。同部門のEBM戦略部はさらに厳しく、SQL・Python・Rのいずれか1つ以上の実務経験と、企業・研究機関での疫学または統計学の経験が必須です。
ZSアソシエイツは製薬企業のコマーシャル部門・マーケティング部門出身者、他ファームのヘルスケアプラクティス経験者、データサイエンス人材が中心で、業界知見と定量分析力の両方が評価軸になります。IQVIAも職種別・ポジション別の採用で、募集要項ごとに求められる経験とグレードが定義されています。
この領域で「未経験」から入る場合、コンサル未経験であることより、医療業界未経験であることのほうがはるかに重い制約になります。逆に言えば、医療業界の実務経験があればコンサル未経験でも土俵に乗る設計になっており、制約の向きが他領域と逆転している点が特徴です。
③ 少数精鋭ブティック — 採用枠そのものが小さい
組織規模が小さいファームでは、そもそも育成余力を前提とした未経験採用が成立しにくくなります。フィールドマネージメントは組織規模が約50名とされ、選考フロー・応募要件・採用人数はいずれも公式に開示されていません。エーオンソリューションズ ジャパンは日本の組織が300名弱で、職種・領域を特定したピンポイント採用が基本と考えられます。博報堂コンサルティングは従業員84名、ガートナージャパンは従業員376名規模で、いずれも採用枠が限られます。
アリックスパートナーズは職位ごとに必要実務経験が明示されており、コンサルタント3年以上、バイスプレジデント5年以上、シニアバイスプレジデント/ディレクター10年以上とされています。加えて東京オフィス案件の半数以上に海外のプロフェッショナルが参画するため、ビジネスレベルの英語力は形式要件ではなく実務要件です。
経営共創基盤も少数精鋭ゆえ採用人数が限られ、転職難易度は業界でも高い部類だと当サイトでは整理しています。コーポレイトディレクションは応募資格が「国内外の主要大学・大学院を卒業し、企業・官公庁における勤務経験を有する方」で、未経験の第二新卒層を広く受け入れる書き方にはなっていません。
④ シンクタンクのコンサルティング部門 — 部門による門の狭さ
シンクタンク系は、同じ社名のなかで部門ごとに門の広さがまったく違います。日本総合研究所の新卒募集はITソリューション400名程度に対しコンサルティング/インキュベーションは30名程度で、この比率は中途採用の規模感を推し量る材料にもなります。公開されている経営戦略コンサルティングの求人票では、必須要件として上場企業での経営企画・経営管理・ファイナンス/資本政策の業務経験などが具体的に挙げられています。
三菱総合研究所は前述のとおり中途採用比率が2023年度57%から2025年度39%へ低下しており、単体のキャリア採用入社数も73名から41名へ減少しています。野村総合研究所についても当サイトでは、コンサルティング部門は少数精鋭のため採用枠が限られ、ポテンシャル採用の比重が大きい総合系ファームと比べて即戦力性がより重視される傾向がある、と整理しています。
⑤ 上位職位での応募 — 未経験可の要件は下位職位に限られる
見落とされやすいのが、同じファームでも職位によって要件が変わる点です。アーサー・ディ・リトルの求人票は、職位が上がるにつれて下位職位では加点要件だった項目が必須要件に格上げされる構造になっています。ビジネスアナリスト/コンサルタント職ではコンサルティング系職種の経験は加点要件にとどまりますが、マネージャー職では企画・分析系や研究・開発系などの職種経験が必須となり、プリンシパル職では戦略コンサルティング業界における豊富な実務経験が求められます。
ローランド・ベルガーも、コンサルタント/シニアコンサルタント枠は実務経験1年以上で応募できる一方、シニアコンサルタント/プロジェクトマネージャー枠では戦略コンサルティング経験6年程度または関連業界7〜8年程度を目安とする募集があります。ライズ・コンサルティング・グループは2026年時点でマネージャー・パートナー層の採用を強化し、若手メンバー層は厳選採用へ切り替えているとされています。
つまり「このファームは未経験可」という情報は、多くの場合、下位職位についての話です。年収を維持したまま上位職位で入ろうとすると、要件は一気に厳しくなります。
⑥ IT領域では、IT未経験が制約になる
ULSコンサルティングについて当サイトでは、コンサルティング未経験からの転職は一般的である一方、まったくのIT未経験からの転身は想定されにくい構造だと整理しています。キャップジェミニも、エンジニアリングやアプリケーションとテクノロジーの領域ではIT実務経験が求められる一方、事業会社での業務改革経験を活かして戦略とトランスフォーメーション領域に応募する道がある、という整理になります。
IT・デジタル系ファームは未経験に開かれた領域として語られがちですが、正確には「コンサル未経験のIT実務者に開かれている」領域です。この区別は、応募先を選ぶ段階で決定的な意味を持ちます。
未経験の難易度を左右する4つの変数
同じ「コンサル未経験」でも、結果は人によって大きく変わります。59社の採用情報を横断して見ると、その差を生んでいる変数は概ね4つに整理できます。
変数1:年齢とポテンシャル枠の有無
業界も職務も未経験という状態から入る場合、年齢は実質的な変数になります。アビームコンサルティングについて当サイトでは、未経験からの転職はポテンシャルを評価されやすい20代〜30代前半が中心だと整理しています。GHCの病院コンサルティング部門アナリストは、公式求人票で想定年齢層が20代後半〜30代前半と示されています。
一方、年齢や転職回数による制限を設けていないと公表しているファームもあります。ドルビックスコンサルティングは年齢・性別・国籍・転職回数による制限を設けていないと公表し、リッジラインズも「性別や国籍、年齢や転職回数等に制約はない」と公式に明記しています。ただしこれは「不利にならない」という意味ではなく、ポジションごとに必要なスキル・経験は求められる点は各社が併記しています。
変数2:業界経験の深さ
業種特化型のファームでは、業界経験の深さがそのまま評価につながります。船井総合研究所は住宅・不動産、医療・介護、士業、教育などの業種別コンサルティングを軸としており、住宅会社の営業出身者が住宅・不動産コンサルへ、医療機器や介護業界の出身者が医療・介護コンサルへ、という接続が成立します。リブ・コンサルティングも業界特化枠(住宅・不動産・建設/自動車販売店・流通/Mobility&Energy/損害保険)を用意しており、前職の業界経験が明確ならこの枠が最も強みを活かせます。
逆に、業界経験が浅い、あるいは特定業界での経験がない場合、この種のファームでは訴求点を作りにくくなります。その場合は機能軸(PMO、業務改革、システム導入など)で評価されるファームのほうが接続しやすくなります。
変数3:応募ポジションの選び方
同じファームでも、ポジションを間違えると要件に届きません。キャップジェミニは4つの事業領域ごとに求められる経験が異なり、応募領域の選択が最も重要な意思決定になると当サイトでは整理しています。三菱UFJリサーチ&コンサルティングはコンサルティング事業本部と政策研究事業本部で求める専門性がまったく異なり、入口の選択を誤ると経験との接続を示しにくくなります。コーン・フェリーはコンサルティング部門とサーチ部門で職務内容が大きく異なるため、応募前の部門選択が最も重要な意思決定になります。
日本総合研究所の求人票のように、必須要件と歓迎要件が具体的に列挙されている場合は、その記載に自分の経験を対応づける作業がそのまま準備になります。求人票の要件が具体的であるほど、経験の一致・不一致は明確に判断されます。
なお、三菱総合研究所は公式に「全社的な観点で選考しているため、応募職種以外のポジションで選考に進む可能性がある」と案内しており、ファームによっては応募後に配置が調整されることもあります。
変数4:選考形式(ケース面接の有無)
未経験者にとって最も準備コストが高いのがケース面接です。実施の有無はファームによってはっきり分かれます。
| 選考形式 | 該当ファームの例 | 準備の重心 |
|---|---|---|
| ケース面接が中核 | 【公式に明記】カーニー、ローランド・ベルガー、アーサー・ディ・リトル/【公式では確認できないが公開情報で実施とされる】マッキンゼー(PEI+ケース)、BCG、ベイン(Written Case)、ベイカレント、デロイト トーマツ | 構造化・仮説検証の訓練。公式のケース面接ガイドを公開しているファームもある |
| ケース面接は課されない/実施情報がない | Dirbato、MSOL、船井総合研究所、山田コンサルティンググループ | 職務経歴の棚卸しと定量的な説明。実務での再現性を語れるかが軸 |
| 適性検査・課題選考が入る | アビーム(Webテスト)、ベイカレント(GAB)、EY(TG-WEB/玉手箱)、リヴァンプ(WEBテスト)、三菱総合研究所(筆記)、博報堂コンサルティング(課題選考) | 形式への慣れ。出題形式が公表されていないケースも多い |
2026年8月時点。【公式に明記】は各社の公式サイト・公式採用FAQ・公式求人票で確認できたもの、【公開情報】は公式の裏づけが取れていないものです。59社分の分類は「ケース面接対策」ガイドに掲載しています。実施内容はポジション・時期により変わります。
実務的な進め方|自分の経験を、要件の言葉に翻訳する
最後に、ここまでの整理を実際の行動に落とし込む手順をまとめます。共通しているのは、「未経験でも受かる方法」を探すのではなく、自分の経験がどの要件に対応するのかを特定する作業だという点です。
11. 自分がどちらの「未経験」かを確定させる
コンサル未経験だが業界・職務の実務経験はあるのか、業界も職務も未経験なのかを最初に決めます。前者なら、その業界・職務を主戦場とするファームが第一候補です。後者なら、第二新卒枠・ポテンシャル枠を明示しているファームに絞り込むほうが効率的です。
22. 前職の業界軸と機能軸を、両方の切り口で書き出す
「製造業」という業界軸と、「基幹システム刷新のPM」という機能軸では、接続するファームが変わります。前者ならローランド・ベルガーやカーニーの製造業案件、後者ならアビームやDirbato、MSOLといった具合です。両方の切り口を持っておくと候補が広がります。
33. 応募ポジションを1つに特定してから求人票を読む
ファーム単位ではなくポジション単位で要件を確認します。同じファームでも部門・領域で要件が異なるのが一般的です。必須要件と歓迎要件を分けて書き出し、自分の経験のどれがどの項目に対応するかを1対1で対応づけます。ここで対応づかない項目が多い場合、そのポジションは現時点では不適合と判断するほうが合理的です。
44. 選考形式に応じて準備配分を決める
ケース面接が中核のファームと、職務経歴の深掘りが中心のファームでは、準備の内容がまったく違います。併願する場合は準備を使い分ける必要があります。ケース面接の準備ガイドを公式サイトで公開しているファームもあるため、まずは公式情報を確認するのが最短です。
55. 採用が拡大局面か縮小局面かを確認する
同じ未経験でも、採用を拡大しているファームと絞っているファームでは通過可能性が変わります。中途採用比率や採用人数を公表しているファームについては、その推移を確認します。三菱総合研究所のように比率が低下しているケースもあれば、MSOLのように年間220〜240名の中途採用を計画しているケースもあります。
66. 入社後の育成体制を、選考中に確認する
未経験入社では、入社後の立ち上がり支援の有無が定着を左右します。制度を公式に示しているファームもあるため、面接やオファー面談で具体的に確認しておくと判断材料になります。
公式に確認できる未経験者向けの育成制度
選考中の確認事項として使えるよう、当サイトが各社の公開情報から確認できた育成体制を整理します。制度の有無は、そのファームが未経験入社をどの程度前提にしているかの間接的な指標にもなります。
| ファーム | 公開されている育成・立ち上げの仕組み |
|---|---|
| リブ・コンサルティング | 入社後3か月の「ユース期間」で基礎スキルを習得。業界未経験者にはトレーナーによる週次1on1。社内MBA「LiB University」と約700本のE-Learning |
| マネジメントソリューションズ(MSOL) | 10日間のキャリア入社研修 |
| NTTデータ経営研究所 | 経験者採用の入社者に入社後半年間の育成リーダーがつき、定期的な育成面談を実施 |
| ライズ・コンサルティング・グループ | 経験の有無に応じた研修を用意し、未経験者向けプログラムも整備。新卒は入社から1か月間の新卒・未経験者研修 |
| 山田コンサルティンググループ | 中途入社者に入社後1〜2週間程度の研修があり、その後は配属部署のOJT |
| コーポレイトディレクション | 「入社したスタッフの全員を一人前のコンサルタントに育て上げる」という育成方針を公式に提示 |
| 日立コンサルティング | 本人希望異動制度、リターンエントリー制度、最長2年の社員自己啓発休暇など長期就業を前提とした制度 |
各社の公式採用サイト・IR資料の記載に基づきます(2026年8月時点)。
各社の選考情報は個別ページで確認する
本ページは59社を横断した構造の整理です。実際の応募にあたっては、選考フロー・応募要件・面接回数・想定される質問といった個別の情報が必要になります。当サイトでは各ファームのページ内に「転職・選考対策」の記事を用意しており、公式に開示されている情報と、当サイトが公開情報から整理した内容を区別して掲載しています。上の各表のファーム名から、それぞれの個別ページに移動できます。
よくある質問
- Q. コンサル未経験でも本当に転職できるのですか?
- A. 「コンサル未経験(業界・職務の実務経験はある)」であれば、多くのファームが主要な採用ターゲットとして想定しています。入社者構成比を公式に公表しているシグマクシスでは経験者採用の入社者の約7割が異業界出身(ITサービス33%・事業会社20%・ベンチャー11%、コンサル出身は32%/2025年3月末時点)、リヴァンプではコンサルティングファーム出身が22%で事業会社29%・SIer27%が過半を占めます(2024年時点)。一方、業界も職務も未経験という場合は、第二新卒枠やポテンシャル枠を明示しているファームに実質的に絞られます。「未経験可」という表記がどちらの意味かを、募集要項で必ず確認してください。
- Q. 自分の前職の経験は、どのファームで評価されますか?
- A. 前職の業界軸と機能軸の両方から考えるのが実務的です。SIer・情報システム部門であればアビームコンサルティング、Dirbato、MSOL、ノースサンドなどでその経験が中心的な評価対象になります。製造業であればローランド・ベルガーやアーサー・ディ・リトル、カーニー。金融であればFAS系や事業再生系。製薬・医療機関であればIQVIA、ZSアソシエイツ、GHC、メディヴァ。人事実務であればマーサー、WTW、コーン・フェリー。本ページの「前職タイプ別」の各表に、公式情報から確認できた対応関係を整理しています。
- Q. 未経験からの転職で、避けたほうがよい領域はありますか?
- A. 避けるというより、要件が閉じている領域を正しく認識することが重要です。FAS3社は財務・会計の素養が前提で、KPMG FASでは多くの部門が該当分野の実務経験3年程度以上を要件としています。GHCの病院コンサルティング部門は医療機関または医療関連企業での業務経験が必須要件です。フィールドマネージメント(約50名)やエーオン(300名弱)、博報堂コンサルティング(84名)のような少数精鋭組織は採用枠自体が限られます。また、同じファームでも上位職位では要件が格上げされるのが一般的で、アーサー・ディ・リトルではマネージャー職以上で職種経験が必須要件になります。
- Q. ケース面接の対策は必須ですか?
- A. 応募先によります。マッキンゼー、BCG、ベイン、カーニー、ローランド・ベルガー、アーサー・ディ・リトルといった戦略系ではケース面接が選考の中核で、ベイカレントは1次面接で必須実施・通過率20〜30%とされています。一方、Dirbatoはケース面接を実施せず、MSOLも課さない方針で、評価軸はプロジェクト推進・課題管理・ファシリテーションの実務経験です。船井総合研究所も、公開されている選考情報ではケース面接は基本的に課されないのが一般的とされています。併願する場合は、準備の重心を使い分ける必要があります。
- Q. 未経験だと年収は下がりますか?
- A. 本ページでは各社の提示水準を扱っていませんが、判断材料として職位と要件の関係を押さえておく必要があります。多くのファームで未経験可の要件は下位職位に設定されており、上位職位では実務経験年数や業界経験が必須要件に格上げされます。アリックスパートナーズは職位ごとにコンサルタント3年以上、バイスプレジデント5年以上、シニアバイスプレジデント/ディレクター10年以上と必要経験を明示しています。入社時の職位が実質的に処遇を決めるため、オファー面談では提示される職位(グレード)とその根拠を確認することが重要です。各社の水準は当サイトの「コンサル年収ランキング59社」および各社の年収ページで整理しています。
- Q. 未経験で入社したあと、きちんと立ち上がれるのでしょうか?
- A. 未経験入社を前提にしているファームは、育成の仕組みを公式に示していることが多くあります。リブ・コンサルティングは入社後3か月の「ユース期間」と業界未経験者へのトレーナーによる週次1on1、社内MBA「LiB University」を公表しています。MSOLは10日間のキャリア入社研修、NTTデータ経営研究所は経験者採用の入社者に半年間の育成リーダーがつく体制、ライズ・コンサルティング・グループは未経験者向けプログラムを整備、山田コンサルティンググループは入社後1〜2週間の研修とOJTを公表しています。制度の有無と内容は選考中に確認できる項目であり、そのファームが未経験入社をどの程度前提にしているかの指標にもなります。
SUPERVISED BY — 監修者
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監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS
米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。
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本ページは各社の公開情報をもとにコンサルペディア運営事務局が独自に編集したものであり、掲載企業による監修・提供を受けたものではありません。年収・残業時間・選考に関する情報は有価証券報告書等の法定開示のほか、公開求人情報や口コミサイトの集計値をもとにした目安を含みます。実際の条件を保証するものではありません。内容の訂正が必要な場合はお問い合わせください。