三菱総合研究所(MRI)の年収は?平均1,082万円・職位別の目安と有報6期推移

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三菱総合研究所(MRI)の平均年収は、有価証券報告書(2025年9月期)ベースで1,082万円(平均年齢40.4歳)です。国内シンクタンクとしては高い水準ですが、同じシンクタンク系の野村総合研究所(NRI)の1,332万円とは250万円ほどの差があります。この差は「官公庁向けの政策研究が主力」というMRIの事業構造と無縁ではありません。本ページでは、平均年収の推移、2025年10月に改定された人事制度、職位別の目安を整理します。

この記事のポイント

  • ✓平均年収は1,082万円・平均年齢40.4歳(有価証券報告書・2025年9月期)。同期の平均勤続年数は11年8か月
  • ✓過去6期は1,009万〜1,111万円のレンジで推移し、右肩上がりではなく横ばい圏
  • ✓有報の数値は単体(三菱総合研究所本体・1,217名)の平均。ITサービスを担う三菱総研DCSは別会社で含まれない
  • ✓2025年10月に人事制度を改定し、年功的要素を完全撤廃。6段階の役割等級(クラス)に基づく処遇へ統一
  • ✓NRI(1,332万円)との差は約250万円。シンクタンク本体の営業利益率が9.2%という収益構造が背景にある

MRIの平均年収 — 有価証券報告書ベースの推移

三菱総合研究所は東証プライム上場企業(証券コード3636)のため、平均年間給与が有価証券報告書で毎年開示されています。直近の2025年9月期は10,817,256円(約1,082万円)、平均年齢40.4歳、平均勤続年数11年8か月でした。決算期が9月末である点は、3月期決算の多い同業と比較する際に注意が必要です。

平均年収:1,082万円・平均年齢40.4歳・平均勤続年数11年8か月(有価証券報告書・2025年9月期)。過去6期は1,009万〜1,111万円のレンジで推移

過去6期の平均年収推移

特徴は、NRIのような一貫した右肩上がりではなく、1,000万円台前半から1,100万円台前半のレンジで上下している点です。三菱総研グループのESGデータブックでも、平均年間給与は2023年度11,038千円、2024年度10,805千円、2025年度10,817千円と横ばい圏で推移しています。

一方で、平均年齢は2020年9月期の42.0歳から2025年9月期の40.4歳へ、平均勤続年数は同期間で14年台から11年8か月へと低下しています。中途採用と新卒採用を積み増して組織が若返っており、「同じ平均額でも母集団が若くなっている」という読み方ができます。年齢構成が変化しているため、単年度の増減だけで待遇の良し悪しを判断するのは適切ではありません。

決算期平均年間給与平均年齢従業員数(単体)
2020年9月期1,009万円42.0歳977名
2021年9月期1,111万円42.5歳1,021名
2022年9月期1,024万円42.3歳1,093名
2023年9月期1,103万円41.7歳1,150名
2024年9月期1,080万円41.1歳1,202名
2025年9月期1,082万円40.4歳1,217名

各期の有価証券報告書に記載された提出会社(単体)の平均年間給与・平均年齢・従業員数です。平均年間給与には賞与および基準外賃金が含まれます。

数値の性質と信頼性

多くのコンサルティングファームが非上場で年収を開示していない中、MRIの数値は有価証券報告書という公式開示に基づきます。口コミサイトの集計値のような投稿者属性の偏りがなく、検討の起点として信頼性の高いデータです。

国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」による日本の給与所得者の平均年収は545万円であり、MRIの1,082万円はその約2倍の水準にあたります。

「1,082万円」は誰の平均か — 単体とグループの違い

MRIの年収を読むうえで重要なのが、有報の平均年間給与が「提出会社(単体)」の数値である点です。三菱総研グループの連結従業員数は4,695名ですが、1,082万円が対象とするのは単体の1,217名だけです。

2つのセグメントと人員の偏り

三菱総研グループの事業は、官公庁・民間企業向けの調査研究とコンサルティングを担う「シンクタンク・コンサルティングサービス(TTC)」と、三菱総研DCSを中核とする「ITサービス(ITS)」の2セグメントで構成されます。IR開示によると、2025年9月末の人員構成はTTCが1,530名、ITSが3,165名で、グループ社員の約7割はITサービス側に属します。

つまり有報の1,082万円は、シンクタンク本体である三菱総合研究所(単体)の研究員・コンサルタント・コーポレート職を対象とした数字です。NRIのように「IT部門を含む全社平均」ではないため、シンクタンク・コンサルティング職の水準としてはむしろ素直に読める数値と言えます。

売上は6割がIT、利益率は両セグメントとも1桁台

TTCセグメントの営業利益率は2025年9月期で9.2%(前期は7.5%)です。1案件あたりの単価が高い戦略系ファームと比べると、収益性は控えめな水準にとどまります。給与水準が国内シンクタンクとして高くありながらNRIやベイカレントには届かない背景には、この収益構造があります。

項目シンクタンク・コンサルティング(TTC)ITサービス(ITS)
売上高(2025年9月期)470.9億円743.6億円
経常利益(同)57.1億円40.3億円
営業利益率(同)9.2%—
人員(2025年9月末)1,530名3,165名
中核会社三菱総合研究所三菱総研DCS

三菱総合研究所IR「セグメント情報」および2025年9月期決算説明資料に基づきます。連結売上高は1,214.5億円です。

職位・等級と年収の目安 — 2025年10月の人事制度改定

MRIは2025年10月に人事制度を改定しました。公式採用サイトおよび決算説明資料によれば、一部に残っていた年功的要素を完全撤廃し、担う役割の大きさや責任に応じて処遇する役割等級制度(いわゆるジョブ型の考え方)に統一しています。

新制度の骨格

「年功的要素の完全撤廃」を会社自身が公表している点は、長期就業型のシンクタンクとしては踏み込んだ改定です。従来は若手のうちは年次に応じて昇給し、30歳前後の昇格審査を経て以降は実力次第という運用が語られてきましたが、新制度では若手でも重要度の高い役割に就けば処遇に反映される設計になっています。

賞与は会計期初に設定した個人目標の達成度と会社業績が反映される仕組みで、全社の経営計画・事業戦略から各組織の戦略、個人の目標へと落とし込まれる構造が公式に説明されています。

  • •等級は6段階のクラスに分かれ、一定等級以上は役割の重要性・難易度に応じてMG(ミッショングレード)を設定
  • •一定等級までは、役割への取り組みと成果を評価し、標準評価以上であれば安定的に昇給する仕組み
  • •一定等級以上は、より難易度の高い期待役割に対する成果が重視される
  • •複線型のキャリアパスである「連峰制」を進化させ、異なる専門性でも高位職級へ昇進できる設計
  • •給与制度を変更し、月例給の比率を高めて収入を安定化。採用競争力の向上も目的に掲げる
  • •60歳定年後の再雇用制度を見直し、処遇の引き上げとスーパーフレックス制度を導入

職位別の年収レンジの目安

大手口コミサイトの公開集計値では、30歳前後で年収900万円台に到達し、主任研究員クラスで1,000万円を超えるという声が中心です。有報の平均1,082万円は、この主任研究員前後の層が分厚いことと整合します。

一方で、外資系戦略ファームのように20代で1,500万円に届くような跳ね方はしません。着実に積み上がる代わりに上限も戦略系ファームより低い位置にある、というのが実態に近い理解です。

職位(目安)想定年次年収目安
研究員(一般等級)入社〜20代半ば約500万〜800万円
研究員(上位等級)30歳前後約850万〜1,050万円
主任研究員30代半ば〜約1,000万〜1,300万円
主席研究員40代〜約1,200万〜1,500万円
部長級・研究理事クラス—約1,500万〜1,800万円

職位名・年収はいずれも大手口コミサイトの公開集計値等をもとにした推定の目安であり、公式開示値ではありません。2025年10月の人事制度改定により等級体系が再編されているため、名称やレンジは今後変動する可能性があります。

初任給・賞与・手当

MRIは新卒採用の募集要項で初任給を公開しています。修士・博士の学位に応じた差が明確につけられている点は、専門人材を重視するシンクタンクらしい設計です。

新卒初任給(月額基本給)

博士了と学部卒の差は月額で7万円あまりで、年収換算では100万円近い開きになります。理系博士をはじめとする専門人材が集まる組織であることが、初任給の設計にも表れています。

区分月額基本給
博士了388,400円
修士了340,900円
学部卒318,200円

公式新卒採用サイトの募集要項(2027年4月入社対象)に記載の金額です。試用期間は6か月で、試用期間中の給与・待遇に変動はありません。フレックスタイム制適用の場合、月間所定勤務時間の超過分に時間外勤務手当が全額支給されます。

賞与・手当・住宅関連の福利厚生

NRIのように「全員一律で月6万円の住宅手当」といった分かりやすい上乗せはなく、独身寮・選択制社宅・カフェテリアポイントによる補助という形を取ります。実質的な可処分所得は住居の選び方で変わるため、提示年収だけでなく住宅関連の制度をどう使えるかを確認しておくことをおすすめします。

また、裁量労働制の適用者には裁量労働手当が支給されます。裁量労働制へ移行すると時間外手当は付かなくなるため、若手のうちの残業代を含む年収と移行後の年収では見え方が変わる点も理解しておく必要があります。

  • •賞与は年2回(6月・12月)、昇給は年1回(4月)
  • •諸手当は時間外手当、裁量労働手当、通勤手当、在宅勤務手当など
  • •住宅関連は独身寮、選択制社宅制度、カフェテリアポイントを活用した家賃補助・住宅ローン補助
  • •育児支援金(第2子20万円、第3子100万円)、出産祝金、結婚祝金などの慶弔関連
  • •確定拠出年金制度、財形貯蓄制度、従業員持株会、退職金制度

他ファーム・他シンクタンクとの年収比較

MRIの1,082万円という水準を、同じサイト内で扱う主要ファームと並べて確認します。

企業平均年収の目安分類・備考
ベイカレント約1,349万円総合系・東証プライム・有報開示
野村総合研究所(NRI)約1,332万円シンクタンク系・有報開示(平均年齢39.7歳)
三菱総合研究所(MRI)約1,082万円シンクタンク系・有報開示(平均年齢40.4歳)
PwCコンサルティング約1,000万円BIG4系・口コミ集計値
デロイト トーマツ約950万円BIG4系・口コミ集計値
アクセンチュア約866万円総合系・口コミ集計値(平均年齢33歳前後)

上場企業は有価証券報告書、非上場企業は大手口コミサイトの公開集計値に基づく目安です。平均年齢・職種構成・決算期が異なるため単純比較には適しません。

NRIとの250万円差はどこから来るのか

同じシンクタンク系の上場企業でも、NRIの1,332万円とMRIの1,082万円には250万円ほどの差があります。平均年齢はMRIが40.4歳、NRIが39.7歳とほぼ同水準のため、年齢構成では説明できません。

差の主因は収益構造です。NRIは金融機関向け共同利用型システムなどのストック型収益を基盤に高い利益率を維持し、連結売上収益は8,000億円規模に達します。対してMRIは連結売上1,214億円、シンクタンク本体(TTC)の営業利益率は9.2%です。官公庁の調査研究業務は公募・入札を通じた委託契約が中心で、民間の戦略案件のように単価を高く設定しにくいという構造的な特性があります。

つまり両社の差は優劣ではなく、収益モデルの違いが処遇に反映された結果と理解するのが実態に即しています。

「コンサルの平均年収ランキング」で見るときの注意

MRIとNRIの数値はどちらも有価証券報告書に基づく公式開示ですが、対象は異なります。NRIの1,332万円がIT部門を含む単体約8,000人の平均であるのに対し、MRIの1,082万円はシンクタンク本体1,217名の平均で、ITサービスを担う三菱総研DCSは含まれません。

ランキング形式の記事ではこの違いが省略されがちです。「シンクタンク・コンサルティング職としての水準」を知りたい場合、MRIの数値のほうが職種構成としては素直に読めるという点は押さえておくとよいでしょう。

検討時の注意点

年収の絶対額だけを見れば、MRIは総合系・戦略系の上位ファームに及びません。一方で、官公庁向けの政策研究という他社にない仕事に、上場企業の安定基盤のもとで長く取り組める点が同社の価値です。年収は「その仕事に対する対価として納得できるか」という観点で評価することをおすすめします。

  • •1,082万円は平均年齢40.4歳・単体1,217名の平均。20代のうちからこの水準になるわけではない
  • •職位別の年収目安は口コミ集計値ベースの推定であり、公式開示ではない
  • •2025年10月に人事制度が改定されたばかりで、旧制度を前提とした年収情報は実態とずれる可能性がある
  • •裁量労働制への移行後は時間外手当がなくなり、裁量労働手当と賞与の比重が高まる
  • •三菱総研DCS(ITサービス)は別会社であり、給与体系・水準は三菱総合研究所とは異なる

よくある質問

Q. 三菱総合研究所(MRI)の平均年収はいくらですか?
A. 有価証券報告書(2025年9月期)によると平均年間給与は10,817,256円(約1,082万円)、平均年齢40.4歳、平均勤続年数11年8か月です。この数値は提出会社(単体・1,217名)が対象で、ITサービスを担う三菱総研DCSは含まれません。
Q. MRIの年収は上がっていますか?
A. 過去6期は1,009万円(2020年9月期)から1,082万円(2025年9月期)の間で推移しており、右肩上がりというより横ばい圏です。ただし同期間で平均年齢が42.0歳から40.4歳へ、平均勤続年数が14年台から11年8か月へ低下しており、組織が若返る中で平均額が維持されている点は考慮が必要です。
Q. NRIと比べてなぜ年収が低いのですか?
A. 収益構造の違いが主因です。NRIは金融機関向けのストック型収益を基盤に連結売上8,000億円規模・高利益率を実現しているのに対し、MRIは連結売上1,214億円で、シンクタンク本体の営業利益率は9.2%(2025年9月期)です。官公庁向けの調査研究は公募・入札による委託契約が中心で、単価を高く設定しにくい構造があります。
Q. 30歳での年収はどのくらいですか?
A. 大手口コミサイトの公開集計値では、30歳前後で年収850万〜1,050万円程度が目安として示されています。あくまで推定値であり、2025年10月の人事制度改定で年功的要素が撤廃されたため、今後は担う役割によって個人差が広がる可能性があります。
Q. 初任給はいくらですか?
A. 公式新卒採用サイトの募集要項によると、月額基本給は博士了388,400円、修士了340,900円、学部卒318,200円です。賞与は年2回(6月・12月)、昇給は年1回(4月)で、フレックスタイム制適用時は所定勤務時間の超過分に時間外勤務手当が全額支給されます。
Q. 2025年10月の人事制度改定で何が変わりましたか?
A. 年功的要素を完全撤廃し、担う役割の大きさや責任に応じて処遇する役割等級制度に統一されました。等級は6段階のクラスに分かれ、一定等級以上はミッショングレードが設定されます。複線型キャリアパスである「連峰制」も進化させ、月例給の比率を高めて収入を安定化させる給与制度変更も行われています。

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辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

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