シンクタンク系転職・選考対策

三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)への転職|選考フロー・難易度とコンサルタント/研究員の分かれ道

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MURCのキャリア採用は通年・ポジション別で行われ、公式キャリア採用サイトには選考フロー(エントリー→書類選考→筆記試験・面接→内定)が明記されています。最大のポイントは、応募の入口が「コンサルティング」と「シンクタンク(政策研究)」の二つに分かれていることです。同じ会社でありながら、クライアントも仕事の進め方も評価される専門性も異なります。本ページでは、どちらを志望すべきかの見極め方から選考対策、難易度までを整理します。

この記事のポイント

  • ✓公式の選考フローはエントリー→書類選考→筆記試験・面接→内定。筆記試験は原則Web受験と明記されている
  • ✓入口はコンサルティング事業本部(5つのビジネスユニット)と政策研究事業本部(東京・名古屋・大阪、研究員総勢280名強)の二本立て
  • ✓新卒は「部門別採用」でコンサルタント職と研究員職の併願が不可。中途もポジション単位の応募が基本
  • ✓コンサルティング事業本部は年間約3,000件のプロジェクトを手がけ、大企業から中堅・中小企業までをカバーする
  • ✓MUFGグループ内の連携(銀行のM&A支援後のPMI支援など)という、独立系にはない案件ソースを持つ

まず決めるべきは「コンサルタントか、研究員か」

MURCの採用を理解するうえで最初に押さえるべきは、同社が「コンサルティング」と「シンクタンク(政策研究)」という2つのプロフェッショナル集団を併せ持つ組織だという点です。公式キャリア採用サイトも、この2つを明確に分けて説明しています。

新卒採用については公式FAQに「部門別採用のため、併願でのご応募はできません」と明記されています。キャリア採用もポジション単位の募集が基本であり、応募の時点でどちらの世界に行きたいのかを決める必要があります。

2つの職種の違い

研究員側の案件は「企画コンペや入札(価格競争・総合評価)に参加し、落札できれば契約を締結する」というプロセスを公式に説明しています。総合評価落札方式では企画内容と金額の総合評価で発注先が決まるため、提案書を書く力そのものが仕事の一部です。この点は民間コンサルティングの提案活動とは性質が異なります。

コンサルタント側は、依頼を受けたクライアントへのヒアリングから始まり、仮説構築・分析・提案・実行支援へと進む一般的なコンサルティングのプロセスです。ただしMURCの特徴は、クライアント層が大企業に限られず、中堅・中小企業やオーナー企業まで幅広い点にあります。

観点コンサルタント(コンサルティング事業本部)研究員(政策研究事業本部)
主なクライアント大手企業・中堅/中小企業・公益法人・公的機関国(官公庁)・地方自治体・公的事業主体
案件の入口クライアントからの依頼・ヒアリング官公庁の公募情報、または引き合い(相談)
進め方初期仮説構築 → 分析 → 解決策提案 → 実行支援公募・引き合い → 企画提案・入札/契約 → 調査・研究・分析 → 報告書提出
主な領域経営戦略、グローバル、DX・業務改革、組織人事、サステナビリティ、M&A経済・産業、社会・労働・教育、環境・エネルギー・自然、都市・地域・自治体経営
求められる素養(公式)探究心・好奇心/論理性/コミュニケーション力/対人感受性・顧客志向性/主体性情熱/最善/研鑽/協働/倫理

公式新卒採用サイト「職種と仕事」の記載をもとにした整理です。キャリア採用の募集ポジションもこの区分に沿って設定されます。

組織を知る — 5つのビジネスユニットと政策研究の3拠点

応募先を具体化するには、組織構造の理解が欠かせません。公式サイトによれば、MURCはコンサルティング事業本部・政策研究事業本部・会員・人財開発事業本部・調査・開発本部という体制です。

コンサルティング事業本部の5ビジネスユニット

検索需要として大きいのが「MURCは組織人事に強い」という評判です。実際、組織人事は独立したビジネスユニットとして設けられており、人材戦略、人事制度構築、ジョブ型人材マネジメント、デジタルHR、エンゲージメントサーベイ、役員指名・報酬といったテーマが公式に列挙されています。人的資本経営の潮流と人手不足を背景に、この領域の需要が高まっていることも公式サイトで説明されています。

組織人事コンサルティングを志望する場合、MURCは有力な選択肢の一つです。事業会社の人事部門経験者や人事制度設計の実務経験者にとって、専門性を直接接続しやすい入口といえます。

ビジネスユニット担当領域(公式説明の要旨)
社会共創ビジネスユニット「民」の立場で官民連携を推進し、社会課題解決と経済価値向上の両立をめざす。グローバルコンサルティング、ヘルスケア、イノベーション&インキュベーションなどを擁する
経営戦略ビジネスユニット中堅企業をメインに大企業から中小オーナー企業までをカバーし、戦略を起点とした経営全般のコンサルティングを提供。M&Aによる成長戦略も含む
組織人事ビジネスユニット経営戦略を実現するHR部門を支援する組織・人事・人材関連コンサルティング。大企業から中堅・中小企業までを幅広くカバレッジ
サステナビリティビジネスユニット環境、社会的責任、ガバナンス・リスク管理・コンプライアンスに関するコンサルティング。シンクタンク併設の強みを生かす
デジタルイノベーションビジネスユニット業務改革、システム改革、デジタル活用、デジタルによるビジネス改革に関するコンサルティング

公式キャリア採用サイト「会社を知る」に掲載された各ビジネスユニットの説明に基づく整理です。組織は改編される場合があります。

政策研究事業本部の構成

政策研究事業本部は東京・名古屋・大阪に総勢280名強の研究員を擁すると公式に説明されています。約1,500名の全社に対して研究員が280名強という比率は、「シンクタンク」という看板から想像されるより民間コンサルティングの比重が大きいことを示しています。

また名古屋・大阪にも独立した研究開発部が置かれている点はMURCの特色です。公式サイトも「東名阪3拠点体制」をキーワードの一つに挙げ、採用も各拠点をベースに行っていると説明しています。地方自治体案件や地域企業の支援に関わりたい場合、東京以外の拠点という選択肢が現実的に存在します。

  • •東京本部:経済・産業ユニット(経済財政政策部/産業創発部)、社会・地域ユニット(社会政策部/地域政策部)、環境・自然ユニット(地球環境部/持続社会部)
  • •名古屋本部:研究開発第1部/第2部
  • •大阪本部:研究開発第1部/第2部
  • •ソーシャルインパクト・パートナーシップ:デジタルガバメント、スマートシティ、グローバルヘルスの3領域を中心とした人財開発・調査研究・コンサルティング
  • •調査・開発本部(経済調査):内外マクロ経済の調査分析

選考フロー(公式公開情報)

MURCは公式キャリア採用サイトで選考フローを公開しています。以下は公開情報に基づく整理です。

公式に公開されている選考フローは「エントリー → 書類選考 → 筆記試験・面接 → 内定」の4段階。筆記試験は原則Web受験と明記されています。

1エントリー

キャリア採用サイトまたは募集ポジション一覧から応募します。公式に「履歴書・職務経歴書をご準備ください」と案内されています。

2書類選考

職務経歴書・志望動機をもとに、応募ポジションとの適合性が確認されます。

3筆記試験・面接

公式に「筆記試験は、原則Web受験です」と明記されています。面接は複数回行われるのが一般的です。

4内定

面接を経て内定となります。給与・処遇は経験や職位に応じて個別に決定されます。

新卒採用の選考フローとの違い

参考として、新卒採用の選考フローは「プレエントリー → 正式エントリー → 書類選考 → 適性検査 → 個別面接 → 人事部長・役員面接 → 内定」と公表されています。キャリア採用の公開情報より段階が細かく明記されており、最終段階で人事部長・役員面接が置かれる点が特徴です。

キャリア採用でも、部門の実務者による面接を経て、最終的に人事部門・役員クラスの面接に進む流れが一般的と考えられます。ただし公式に段階数までは公表されていないため、実際の回数は募集ポジションによって異なる可能性があります。

選考対策 — 志望動機は「なぜMURCか」で決まる

MURCの選考は、戦略ファーム型のケース面接一本槍の準備では対応しきれません。同社が自らの特徴として掲げる要素に、自分の経験をどう接続するかが問われます。

「コンサルティング × シンクタンク」への理解を示す

公式サイトはMURCを説明する9つのキーワードの一つに「コンサルティング × シンクタンク」を挙げ、「両者が連携することで、民間と公共にまたがる複雑な課題にも柔軟に対応できる」と説明しています。実際、専門知見が必要な場面ではコンサルタント・研究員・エコノミストが相互に助言を求め合う運用が行われており、「何に詳しい人か」を検索できる社内のKnow Who基盤も整備されています。

この構造を理解したうえで、「自分はどちらの立場からその往復に貢献できるのか」を語れると説得力が増します。単に「社会貢献したい」では、政策研究を主力とする他のシンクタンクとの差別化になりません。

MUFGグループであることの意味を押さえる

MURCの案件ソースには、MUFGグループ内の連携という独立系ファームにはないルートがあります。公式サイトは例として「銀行等によるM&A支援の後、企業の成長を支援する経営コンサルティング(PMI、ビジョン策定等)を実施」「企業の中期経営計画支援コンサルティングの後、金融ソリューション等でその実現を支える」といったケースを挙げ、「1社のお客さまと長くお付き合いすることが当社のコンサルティングの特色」と説明しています。

短期の変革プロジェクトを次々に回すスタイルとは異なり、金融機能と組み合わせて長く伴走するモデルです。この働き方に納得感を持てるかどうかは、面接でも入社後の定着でも大きな分かれ目になります。

中堅・中小企業支援への向き合い方

公式サイトは経営戦略ビジネスユニットについて「中堅企業をメインに、大企業から中小オーナー企業までを幅広くカバー」と明示しています。大企業の全社変革だけを想定して応募すると、実際の案件構成とのギャップが生じます。

クライアント規模別の支援実績についても、大企業(売上高1,000億円以上)、中堅企業(同100億円以上1,000億円未満)、中小企業(同100億円未満)という定義を公式に置いて説明しています。幅広い企業層に向き合うことに価値を感じられるかを、事前に整理しておくとよいでしょう。

官公庁案件を志望する場合の準備

政策研究事業本部を志望する場合は、公募・入札から報告書提出までの一連のプロセスを理解していることが前提になります。統計分析、大規模アンケート調査、ヒアリング調査といった調査手法の実務経験があれば、具体的に語れるよう整理しておいてください。

また、扱うテーマは公共政策・EBPM・行動科学、医療・保健、地域包括ケア、子ども・子育て、気候変動・資源循環、自治体DX、防災、観光・MICE、官民協働(PPP/PFI、PFS)など極めて多岐にわたります。応募先の部が扱う領域と自分の専門の重なりを、書類段階で明示することが重要です。

転職難易度と他シンクタンクとの併願整理

MURCの転職難易度は高い部類に入ります。約1,500名という規模に対し、募集はポジション単位で発生するため常時すべての職種が開いているわけではありません。加えて部門別・領域別の専門性が問われるため、汎用的な職務経歴書では通りにくい構造があります。

難易度を押し上げる要因

MURCは中途採用比率や年間の採用実績を公式サイト上で数値公表していません。三菱総合研究所のように中途採用比率やキャリア採用入社数が確認できる企業と比べると、応募前に門の広さを推し量る材料が乏しい点は留意が必要です。

  • •募集がポジション単位で、採用ニーズが発生したタイミングで個別に立ち上がる
  • •コンサルティングと政策研究で求める専門性がまったく異なり、入口の選択を誤ると接続を示しにくい
  • •官公庁案件は提案書・報告書の執筆力が実務の中核であり、文章で論を立てる力が問われる
  • •MUFGグループの一員として、金融グループの顧客に対する信用・倫理面の適性も見られる
  • •中途採用比率や年間採用人数は公式に公表されておらず、門の広さを外部から数字で測りにくい

NRI・三菱総研と併願するときの整理

3社は「シンクタンク系」と一括りにされますが、顧客も収益構造も異なります。MURCの独自性は、金融グループの顧客基盤を背景にした民間コンサルティングと官公庁向け政策研究を、同じ会社の中で往復できる点にあります。三菱総合研究所は政策研究の比重がより高く、NRIは民間・IT実装に軸足があります。

併願する場合、志望動機を使い回すと必ず見抜かれます。「なぜ金融グループ系なのか」「なぜ提言だけでなく企業支援もなのか」「なぜ大企業だけでなく中堅・中小も対象にするファームなのか」を自分の言葉で切り分けておく必要があります。

観点MURC三菱総合研究所(MRI)野村総合研究所(NRI)
資本系統MUFG傘下(非上場)三菱グループ各社出資(東証プライム上場)野村グループ発祥(東証プライム上場)
主戦場官公庁の政策研究+民間コンサル(中堅・中小含む)官公庁の政策研究が中心(本体売上の約7割)民間中心(金融・流通など)
IT実装デジタルイノベーションBUが業務・IT改革を担当三菱総研DCS(別会社)が担う同一社内で提言から実装まで一気通貫
平均年収非開示(公開集計値で800万〜900万円台)1,082万円(有報・平均年齢40.4歳)1,332万円(有報・平均年齢39.7歳)
拠点東京・名古屋・大阪の3拠点体制東京中心東京中心(国内外に拠点)

各社の公式サイト、上場2社の有価証券報告書、および大手口コミサイトの公開集計値に基づく整理です。

求められる人物像

MURCの行動指針は「3つの挑戦(情熱・最善・研鑚)と2つの約束(協働・倫理)」であり、企業理念は「Humanismに立脚し、RomanticismとRealismの両立を目指す」と掲げられています。理想を描くだけでも、現実に寄り添うだけでもない、という価値観に共感できるかどうかが、MURCとの適合性を測るうえで最も本質的な問いです。

  • •特定領域の専門性を持ち、それを企業課題または社会課題の解決に接続して語れる人
  • •調査・分析の結果を報告書や提案書という文章の形に落とし込むことを厭わない人
  • •大企業だけでなく中堅・中小企業、あるいは地方自治体の課題に向き合うことに価値を感じる人
  • •短期の成果だけでなく、クライアントと長く伴走するモデルに納得できる人
  • •公正中立・高い倫理観という金融グループ系ファームの行動規範に共感できる人

応募前のチェックリスト

  • •コンサルティング事業本部と政策研究事業本部のどちらを志望するか決めたか
  • •志望するビジネスユニット・部が扱う領域と、自分の実績の接続を職務経歴書で明示したか
  • •勤務地(東京・名古屋・大阪)の希望と、募集ポジションの拠点が一致しているか確認したか
  • •筆記試験(原則Web受験)の形式に慣れる演習をしたか
  • •官公庁案件を志望する場合、公募・企画提案・入札・報告書提出のプロセスを理解しているか
  • •「なぜ独立系ファームではなくMUFGグループのシンクタンクか」を自分の言葉で語れるか
  • •裁量労働制の適用条件や提示年収の内訳を、面談で確認する準備をしたか

よくある質問

Q. MURCの中途採用の選考フローはどうなっていますか?
A. 公式キャリア採用サイトによると、エントリー(履歴書・職務経歴書を準備)→書類選考→筆記試験・面接→内定という流れです。筆記試験は原則Web受験と明記されています。面接の回数は募集ポジションにより異なります。
Q. MURCへの転職は難しいですか?
A. 難易度は高い部類です。募集はポジション単位で採用ニーズが発生したタイミングに立ち上がるため常時すべての職種が開いているわけではなく、コンサルティングと政策研究で求める専門性も大きく異なります。なお中途採用比率や年間採用人数は公式に公表されていません。
Q. コンサルタントと研究員は併願できますか?
A. 新卒採用については公式FAQに「部門別採用のため、併願でのご応募はできません」と明記されています。ただし志望職種の変更は専門や志向にあわせて選考の過程で対応する場合があるとも案内されています。キャリア採用はポジション単位の応募が基本です。
Q. MURCは組織人事コンサルティングに強いのですか?
A. 組織人事は独立した「組織人事ビジネスユニット」として設けられており、人材戦略、人事制度構築、ジョブ型人材マネジメント、デジタルHR、エンゲージメントサーベイ、役員指名・報酬といったテーマが公式に列挙されています。大企業から中堅・中小企業まで幅広くカバレッジしている点も公式に説明されています。
Q. コンサル未経験でも転職できますか?
A. 可能性はあります。MURCは官公庁・自治体出身者、事業会社の経営企画・人事部門経験者、研究機関出身者など多様な背景の人材を採用しています。ただしコンサルティング経験の代わりに、応募ポジションが扱う領域の専門性や実務経験を示す必要があります。
Q. 東京以外の拠点で働けますか?
A. 働けます。MURCは東京・名古屋・大阪の3拠点体制で、政策研究事業本部は名古屋本部・大阪本部にも研究開発第1部/第2部を置いています。公式サイトも「採用はそれぞれの拠点をベースに行っており、地域に根ざした活動を行いながら、自治体や企業の課題に直接向き合うことができる」と説明しています。

SUPERVISED BY — 監修者

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辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

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