三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)の年収は?非開示ゆえの読み解き方と4大シンクタンク比較

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三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)は三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の非上場企業です。そのため、野村総合研究所(NRI)や三菱総合研究所のように有価証券報告書で平均年収が開示されることはありません。ウェブ上で見かける「MURCの平均年収」はすべて口コミの集計に基づく推定値であり、公式の確定値ではないという前提から出発する必要があります。本ページでは、公式に確認できる情報(初任給・手当・福利厚生・組織構造)と、公開集計値による相場観を切り分けたうえで、4大シンクタンクの中でのMURCの位置づけを整理します。

この記事のポイント

  • ✓MURCは非上場(主な株主は三菱UFJ銀行など)のため、平均年収・平均年齢の公式開示は存在しない
  • ✓大手口コミサイトの公開集計値ではおおむね800万〜900万円台。集計主体により80万円程度の幅がある
  • ✓公式に確認できるのは初任給(2027年卒で学部卒300,000円・修士了324,000円・博士了333,000円)と諸手当・賞与年2回まで
  • ✓4大シンクタンクではNRI 1,332万円・三菱総研 1,082万円が有報開示、MURCと日本総研は非開示という非対称がある
  • ✓新卒はコンサルタント職と研究員職の部門別採用で、入る部門により仕事も年収の伸び方も異なる

まず前提 — MURCの年収に「公式開示」は存在しない

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社は、三菱UFJ銀行・三菱UFJキャピタル・三菱UFJファクターなどを主な株主とする非上場企業です。上場企業に義務づけられる有価証券報告書の提出対象ではないため、平均年間給与や平均年齢といった数値が公式に開示されることはありません。

この点は、平均年収1,332万円を有価証券報告書で公表しているNRIや、平均1,082万円を公表している三菱総合研究所との決定的な違いです。したがって本ページで紹介する年収の数値は、公式に確認できる初任給を除き、すべて公開集計値に基づく推定であることを最初にお断りしておきます。

MURCは非上場のため平均年収の公式開示なし。以下の水準はすべて公開集計値に基づく推定であり、確定値ではありません。

公式に確認できる会社規模

MURCは「MUFGのシンクタンク・コンサルティングファーム」を自称し、コンサルティング事業本部・政策研究事業本部・会員・人財開発事業本部・調査・開発本部という体制を敷いています。約1,500名という規模は、シンクタンク・コンサルティングファームとしては国内最大クラスです。

ただし、この人数には政策研究の研究員、民間向けコンサルタント、エコノミスト、会員事業・人材開発の担当者、コーポレート部門がすべて含まれます。職種構成が幅広いため、「全社平均」という数字が特定職種の実感と一致しにくい構造がある点は押さえておく必要があります。

項目内容
会社名三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
設立1985年(現体制は2006年1月の3社合併による)
資本金20億6千万円
主な株主三菱UFJ銀行、三菱UFJキャピタル、三菱UFJファクター 他
従業員数約1,500名(公式新卒採用サイト・2026年4月1日現在)
本社東京都港区虎ノ門5-11-2 オランダヒルズ森タワー
国内拠点東京・名古屋・大阪の3拠点
海外拠点インドネシア・タイの現地法人、ベトナム(ホーチミン)駐在員事務所
事業内容コンサルティング/政策研究/経営情報サービス(SQUET等)/人材開発/マクロ経済調査

公式新卒採用サイトおよび公式キャリア採用サイトの会社概要に基づきます。従業員数は開示時点により異なり、2024年4月時点では約1,400名と案内されていました。売上高については公式サイト上で数値が明示されておらず、決算公告を参照する案内となっています。

平均年収の目安 — 800万〜900万円台という相場観

大手口コミサイトの公開集計値では、MURCの平均年収はおおむね800万円台から900万円手前のレンジで示されています。集計対象となった回答者の人数・職種・在籍時期が異なるため、同じ時期の集計でも80万円程度の開きが生じます。

一つの数字を鵜呑みにするのではなく、「800万〜900万円台のどこか」という幅で捉えるのが実態に近い理解です。回答者の中心が30代後半から40代であることが多い点も、数値を読むうえで意識しておくとよいでしょう。

国内平均・他業種との位置づけ

国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」による日本の給与所得者の平均年収は545万円です。仮にMURCの平均が850万円前後だとすれば、国内平均の約1.5倍にあたります。金融グループ系のシンクタンク・コンサルティングファームとして、事業会社と比べれば明確に高い水準です。

一方で、外資系戦略ファームや総合系ファームの上位層と比べると水準は控えめです。MURCは官公庁向けの政策研究という、公募・入札を経た委託契約が中心の事業を大きな柱に持ちます。案件単価を市場競争で高く設定しにくい構造が、給与水準の上限を規定している面があります。

「全社平均」で語ることの限界

MURCは民間企業向けのコンサルティング事業と、官公庁・地方自治体向けの政策研究事業という性質の異なる二本柱で構成されています。加えて、内外マクロ経済の調査分析を担う経済調査部門、セミナー・スクール事業を担う人財開発事業、会員制サービス事業も抱えます。

これらは求められる専門性も案件の収益構造も異なるため、全社を一つの平均値で語ることには限界があります。応募を検討する際は、自分が入る事業本部・職種の水準を面談の場で確認することをおすすめします。

4大シンクタンクの年収比較 — 開示の有無が非対称

MURCの年収を検討する読者の多くは、NRI・三菱総合研究所・日本総合研究所といった他のシンクタンクと並べて比較しています。ここで重要なのは、4社のうち2社は有価証券報告書による公式開示があり、2社は非開示という非対称がある点です。

企業平均年収の目安開示の性質母集団の性質
野村総合研究所(NRI)約1,332万円有価証券報告書(公式開示)IT部門を含む単体約8,000名の平均(平均年齢39.7歳)
三菱総合研究所約1,082万円有価証券報告書(公式開示)シンクタンク本体(単体1,217名)の平均(平均年齢40.4歳)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)約800万〜900万円台非開示(公開集計値による推定)コンサルタント・研究員・エコノミスト・会員/人材開発を含む約1,500名
日本総合研究所(日本総研)全社で約700万〜820万円非開示(公開集計値による推定)従業員6,324名の大半がITソリューション部門

上場2社は有価証券報告書、非上場2社は大手口コミサイトの公開集計値に基づく目安です。母集団の職種構成・平均年齢・集計方法が大きく異なるため、単純な優劣比較には適しません。

「MURCはNRIより低い」で終わらせない読み方

表面的な数字だけを見ればNRIが最も高く、MURCはその6割程度に見えます。しかし両社は母集団の性質がまったく異なります。NRIの1,332万円はIT部門を含む単体約8,000名の平均で、金融機関向け共同利用型システムなどのストック型収益を基盤とした高い利益率が背景にあります。

対してMURCは、官公庁向けの政策研究という公共調達型のビジネスと、中堅・中小企業を含む幅広い企業層への民間コンサルティングを組み合わせた事業構造です。案件あたりの単価が積み上がりにくい代わりに、景気変動に対する耐性や案件の継続性という別の価値を持ちます。

日本総研との比較でも同様の注意が必要です。日本総研の全社平均が低めに出るのは、従業員6,324名の大部分がSMBCグループのシステムを担うITソリューション部門に属するためで、同社のコンサルタント職に限れば公開集計値は1,100万円台とされます。母集団を揃えずに「全社平均」同士を比べても、意味のある結論は出ません。

MURCと三菱総合研究所は別会社

名称が似ているため混同されやすいのですが、MURCと三菱総合研究所(MRI)は資本系統も沿革も異なる別会社です。三菱総合研究所は三菱グループ各社の出資により設立された東証プライム上場企業であるのに対し、MURCは三菱UFJ銀行などを株主とするMUFG傘下の非上場企業です。

年収を調べる際に両社の数値を取り違えると、まったく異なる企業の情報を前提に検討を進めてしまいます。「1,082万円」は三菱総合研究所の数値であり、MURCの数値ではない点は明確に区別してください。

職位別の年収レンジ(推定の目安)

MURCは職位ごとの給与テーブルを公開していません。以下は、大手口コミサイトの公開集計値と、公式サイトで確認できるキャリアパスの段階をもとにした推定の目安です。公式開示値ではないため、幅を持って参考程度にご覧ください。

コンサルティング部門・政策研究部門の職位イメージ

傾向として、若手のうちは金融グループ系企業らしく年功的な色合いが残り、主任研究員・シニアコンサルタントに上がる段階で伸びが大きくなるという声が中心です。外資系戦略ファームのように20代で1,500万円に届くような跳ね方はしません。

一方で、極端な成果連動による下振れも起きにくく、安定して積み上がる設計と理解するのが実態に近いと言えます。年収の絶対額よりも、専門領域を長期で深められる環境に価値を感じるかどうかが、MURCを選ぶかどうかの分かれ目です。

職位(目安)想定年次年収目安(推定)
アナリスト・研究員入社〜20代半ば約450万〜650万円
コンサルタント・副主任研究員20代後半〜30代前半約650万〜900万円
シニアコンサルタント・主任研究員30代半ば〜約900万〜1,200万円
プリンシパル・部長クラス40代〜約1,200万〜1,600万円

職位名は公式サイトのキャリアパス紹介に基づく整理、年収は大手口コミサイトの公開集計値をもとにした推定の目安であり、いずれも公式開示値ではありません。事業本部・部門によりレンジは異なります。

裁量労働制の適用で年収の見え方が変わる

MURCの所定勤務時間は9時00分〜17時30分ですが、公式FAQによれば「経験を積み、仕事の進め方やスケジュール管理を自分で行えるようになれば裁量労働制の対象になる」と説明されています。裁量労働制へ移行すると時間外勤務手当の扱いが変わるため、若手のうちの残業代込みの年収と、移行後の年収では内訳の見え方が変わります。

提示された金額の内訳(基本給・手当・賞与の比率、裁量労働制の適用有無)を確認しないまま総額だけで比較すると、実感とずれる可能性があります。オファー面談での確認をおすすめします。

初任給・賞与・手当 — ここは公式に確認できる

年収のうち唯一公式に確認できるのが新卒の初任給です。MURCは新卒採用サイトの募集要項で金額を明示しています。

新卒初任給(2027年卒)

学部卒で30万円、博士了で33万3千円という水準は、国内シンクタンクとして高い部類です。博士了と学部卒の差は月額3万3千円で、三菱総合研究所(博士了388,400円・学部卒318,200円で差は約7万円)と比べると学位による差はやや小さめの設計です。

MURCは政策研究事業本部でも民間コンサルティングでも修士・博士人材を採用していますが、学位そのものより配属部門の専門領域との適合を重視する設計とも読めます。

区分月額初任給
博士了333,000円
修士了324,000円
学部卒300,000円

公式新卒採用サイトの募集要項(2027年卒)に記載の金額で、いずれもライフプラン支援金を含みます。賞与は年2回、昇給は年1回の給与改定です。

諸手当と休日・勤務時間

住宅関連は「当社で定める条件を満たす場合は、家賃補助または住居手当が支給される」と公式FAQに記載されています。全員一律の住宅手当ではなく条件付きのため、実質的な可処分所得は個々の条件によって変わります。提示年収だけでなく、住宅関連の適用可否を確認しておくとよいでしょう。

  • •諸手当:時間外勤務手当、法定休日勤務手当、通勤交通費、在宅勤務手当、家賃補助または住居手当等
  • •賞与:年2回/昇給:年1回の給与改定
  • •勤務時間:9時00分〜17時30分(一定資格者は裁量労働制を適用)
  • •勤務地:東京・名古屋・大阪(採用は拠点をベースに実施)
  • •休日:完全週休2日制(土日)、祝日、年末年始
  • •休暇:年次有給休暇、功労休暇、看護休暇、介護休暇、積立休暇、配偶者分娩休暇、ボランティア休暇 等

年収以外で押さえたい経済的な支援制度

MURCは自己研鑽への金銭的支援を制度として明示している点が特徴です。額としては大きくありませんが、専門性で長く働く前提の組織であることが制度設計に表れています。

リベラルアーツ投資支援制度は「業務と直接関係のない分野も対象」と公式に説明されており、専門知識に限らない教養形成を会社が支援する姿勢が示されています。研修体系についても、社内外の第一線のコンサルタント・研究員・エコノミストが講師を務める設計になっています。

  • •自己投資支援制度:会社の承認のもと、1人年間10万円を限度に外部研修・セミナー受講・資格取得費用・通信教育等に利用可能
  • •リベラルアーツ投資支援制度:1人年間3万円を限度に、自己研鑽に資すると本人が考える書籍を自由に購入可能
  • •企業型確定拠出年金制度、財形貯蓄・利子補給制度、貸付制度、団体定期保険
  • •福利厚生サービス会員制度、ベビーシッター割引制度(在宅保育サービス補助)
  • •功労休暇:勤続10年・15年・20年・25年・30年の節目に5日間
  • •積立休暇:失効した年次有給休暇を上限60日まで積み立て、傷病・看護・介護・育児・不妊治療・長期研修等に利用可能

年収を検討するうえでの注意点

MURCの年収は、外資系戦略ファームや総合系ファームの上位層に及ぶ水準ではありません。一方で、官公庁の政策研究とMUFGの顧客基盤を背景にした民間コンサルティングの双方に、金融グループの安定基盤のもとで長く関われる点が同社の価値です。年収は「その仕事に対する対価として納得できるか」という観点で評価することをおすすめします。

  • •MURCは非上場のため平均年収の公式開示がなく、ウェブ上の数値はすべて口コミ集計に基づく推定である
  • •職位別レンジも推定であり、事業本部・部門・拠点によって実際の水準は異なる
  • •コンサルタント職と研究員職は部門別採用で、キャリアの伸び方も年収カーブも同一ではない
  • •裁量労働制の適用前後で、時間外手当を含めた年収の内訳の見え方が変わる
  • •住宅関連の補助は条件付きで、全員一律の上乗せではない
  • •名称の似た三菱総合研究所(東証プライム上場)とは別会社であり、1,082万円という数値はMURCのものではない

よくある質問

Q. 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)の平均年収はいくらですか?
A. MURCは非上場のため平均年収の公式開示はありません。大手口コミサイトの公開集計値ではおおむね800万〜900万円台のレンジで示されていますが、集計主体により80万円程度の幅があり、いずれも推定値です。公式に確認できるのは初任給と諸手当・賞与年2回までです。
Q. MURCの初任給はいくらですか?
A. 公式新卒採用サイトの募集要項(2027年卒)によると、月額初任給は博士了333,000円、修士了324,000円、学部卒300,000円で、いずれもライフプラン支援金を含みます。賞与は年2回、昇給は年1回の給与改定です。
Q. MURCとNRI・三菱総研では年収にどのくらい差がありますか?
A. 有価証券報告書ベースでNRIが1,332万円、三菱総合研究所が1,082万円を開示しているのに対し、MURCは非開示で公開集計値が800万〜900万円台です。ただしNRIの数値はIT部門を含む単体約8,000名の平均であるなど母集団の性質が異なるため、単純比較には適しません。
Q. MURCは三菱総合研究所と同じ会社ですか?
A. 別の会社です。三菱総合研究所は三菱グループ各社の出資で設立された東証プライム上場のシンクタンクであるのに対し、MURCは三菱UFJ銀行などを主な株主とするMUFG傘下の非上場企業です。名称は似ていますが資本系統も沿革も異なります。
Q. 30歳前後の年収はどのくらいですか?
A. 大手口コミサイトの公開集計値をもとにした推定では、コンサルタント・副主任研究員クラスで約650万〜900万円が目安とされます。あくまで推定であり、事業本部や部門、裁量労働制の適用有無によって実際の水準は変動します。
Q. 住宅手当や福利厚生はどうなっていますか?
A. 公式FAQによると、当社で定める条件を満たす場合に家賃補助または住居手当が支給されます。このほか企業型確定拠出年金制度、財形貯蓄・利子補給制度、福利厚生サービス会員制度、ベビーシッター割引制度、自己投資支援制度(年10万円)、リベラルアーツ投資支援制度(年3万円)などが整備されています。

SUPERVISED BY — 監修者

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辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

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