シンクタンク系激務度・働き方

三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)は激務?公式データで見る残業時間と働き方

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MURCは働き方に関するデータを公式採用サイトで数値開示している数少ないコンサルティング・シンクタンク系企業です。公表されている2024年度実績では、平均残業時間は月18.1時間、有給取得率68.1%、テレワーク利用率69.4%。数字だけを見れば業界内では明らかに短い部類に入ります。一方で、多くの社員に裁量労働制が適用されること、官公庁案件特有の年度末繁忙があることも押さえておく必要があります。本ページでは公式データと構造の両面から整理します。

この記事のポイント

  • ✓公式採用サイトの開示では平均残業時間は月18.1時間(2024年度実績)。コンサル業界では短い部類
  • ✓有給取得率68.1%、テレワーク利用率69.4%(いずれも2024年度実績)を公式に開示している
  • ✓所定勤務時間は9時00分〜17時30分。経験を積むと裁量労働制の対象となり、始業・終業時間を自分で設定できる
  • ✓在宅勤務が推奨され「週の半分以上を在宅勤務とする働き方をスタンダード」と公式に説明されている
  • ✓女性社員比率39.0%・女性管理職比率15.4%(2025年4月1日時点)、えるぼし3段階目認定・プラチナくるみん認定を取得

結論 — 公式データでは残業は月18時間前後

「MURCは激務か」という問いに対しては、まず公式に開示されている数字を見るのが出発点です。MURCは新卒採用サイトの「多様な働き方」ページで、働き方に関する主要指標を数値として公開しています。

残業の目安:平均残業時間 月18.1時間(公式採用サイト・2024年度実績)。ただし裁量労働制の適用者が多く、大手口コミサイトの公開集計値では部門により月30時間台という体感値も示されます。

指標数値時点
平均残業時間18.1時間/月2024年度実績
有給取得率68.1%2024年度実績
テレワーク利用率69.4%2024年度実績
女性社員比率39.0%2025年4月1日時点
女性管理職比率15.4%2025年4月1日時点
女性採用比率42.6%2024年度実績
育児休暇取得率(男性)46.7%2024年度実績
育児休暇取得率(女性)114.3%2024年度実績

公式新卒採用サイト「多様な働き方」ページに掲載された数値です。女性の育児休暇取得率が100%を超えるのは、前年度に出産した社員が当年度に取得した場合などが分子に含まれる算定方法によるものと考えられます。

数字の読み方 — 裁量労働制との関係

月18.1時間という平均残業時間は、コンサルティング業界の一般的な水準と比べて明確に短い部類です。参考として、公式開示のある三菱総合研究所は単体で月13.8時間(2025年度)、大手口コミサイトの公開集計値ではNRIやアクセンチュアが月30時間台と示されることが多くなっています。

ただしMURCでは、経験を積んだ社員に裁量労働制が適用されます。公式サイトも「業務の遂行に関して、進め方や時間配分を本人の裁量に委ねる制度」であり「労働時間ではなくアウトプットの質が鍵となり、自分の裁量で始業・終業時間を設定している」と説明しています。裁量労働制の下では労働時間の管理方法が通常の時間管理とは異なるため、公式の平均残業時間が全社員の実在席時間をそのまま表すとは限らない点には留意が必要です。

大手口コミサイトの公開集計値では、部門や時期により月30時間台という体感値が示されることもあります。公式データと体感値の間に差があるのは、裁量労働制という制度上の構造によるものと考えるのが自然です。どちらか一方だけを信じるのではなく、幅を持って理解しておくとよいでしょう。

有給取得率68.1%をどう評価するか

有給取得率68.1%は、コンサルティング業界としては良好な水準です。参考として三菱総合研究所は単体で55.3%(2025年度)を開示しており、MURCのほうが高い数字になっています。

加えてMURCには、年次有給休暇とは別枠の休暇制度が複数あります。勤続10年・15年・20年・25年・30年の節目に5日間取得できる功労休暇、失効した年次有給休暇を上限60日まで積み立てられる積立休暇、年最大3日のボランティア休暇などです。

繁忙の型 — 官公庁案件と民間案件で波が異なる

MURCの働き方を左右する構造的な要因が、コンサルティングと政策研究という性質の異なる二本柱です。どちらの部門に所属するかで、忙しさの波の形が変わります。

政策研究事業本部 — 国の会計年度に縛られる

官公庁の委託調査は国の会計年度に沿って動きます。公式サイトが説明するプロジェクトの進め方も「公募・引き合い → 企画提案・入札、契約 → 調査・研究・分析 → 報告書提出」という流れで、年度末(1月〜3月)に報告書の取りまとめと納品が集中する構造です。

加えて、年度初めから夏にかけては公募への企画提案・入札対応が重なります。総合評価落札方式では企画内容と金額の総合評価で発注先が決まるため、提案書の作成そのものが一定の作業量を伴います。受注できなければ売上にならない性質上、提案期の負荷は避けにくいものです。

有識者を集めた検討会・委員会の事務局運営を担うことも多く、日程調整、資料作成、当日の運営、議事録作成といった実務は分析業務とは別種の負荷になります。開催日が確定すると動かせないため、そこに向けた作業の集中が生じます。

コンサルティング事業本部 — 案件の重なり方次第

民間コンサルティング側は、クライアントの意思決定サイクルに沿って動きます。公式サイトによればコンサルティング事業本部は年間約3,000件のプロジェクトを手がけており、1件あたりの規模は戦略ファームの長期案件と比べれば小回りの利くものが中心と考えられます。

クライアント層が大企業から中堅・中小企業まで広いため、案件の粒度もさまざまです。複数案件を並行して担当する場面では、山が重なると負荷が高まります。逆に、1つの巨大案件に半年間拘束されるという働き方にはなりにくい構造でもあります。

MUFGグループとの連携により「1社のお客さまと長くお付き合いする」ことを特色として掲げている点も、働き方に影響します。短期集中で燃え尽きるモデルではなく、継続的な関係の中で価値を積み上げるモデルです。

働き方を支える制度

MURCは勤務形態・場所・休暇の各面で選択肢を用意しています。以下は公式新卒採用サイトおよび公式キャリア採用サイトの記載に基づく整理です。

勤務時間と勤務形態

公式FAQは「一定の経験を積むと裁量労働制の対象となり、自分の裁量で始業・終業時間を設定できるようになりますので、女性社員はもちろん、子育て世代の男性社員の多くも積極的に育児に参加しています」と説明しています。裁量労働制を、長時間労働の温床ではなく柔軟性の源泉として位置づけている点が同社の説明の特徴です。

ただし裁量労働制は、自分でスケジュールを管理できることが前提の制度です。複数案件を抱えた状態で自己管理が効かなくなると、労働時間が青天井になりうる構造でもあります。制度の有無ではなく、配属先での実際の運用を確認することをおすすめします。

  • •所定勤務時間は9時00分〜17時30分。完全週休2日制(土日)、祝日、年末年始
  • •裁量労働制:経験を積み、仕事の進め方やスケジュール管理を自分で行えるようになると対象になる
  • •テレワーク:在宅勤務を推奨し、週の半分以上を在宅勤務とする働き方をスタンダードとする。在宅勤務手当を支給
  • •時差勤務:育児・介護などの場合、勤務時間はそのままに開始・終了時刻を調整できる
  • •短時間勤務制度:育児・介護との両立のために利用可能
  • •サテライトオフィス:全国の契約サテライトオフィスを利用可能

休暇・休職制度

育児休職が子どもが2歳に達するまでという設計や、留学休職が最大3年間という長さは、長期就業を前提とした制度設計を示しています。積立休暇の用途に不妊治療や外部機関の長期研修参加が含まれている点も、想定するライフイベントの幅が広いことを表しています。

制度内容
子の看護等休暇小学校第3学年修了までの子1人につき年間5日(2人以上10日)。時間単位取得可
配偶者分娩休暇男性社員向けに2日間
育児休職子どもが2歳に達するまで(一部有給10日間を含む)
介護休暇要介護状態の家族1人につき年5日(2人以上10日)。時間単位取得可
介護休職対象家族1人につき通算93日まで(3回まで分割可)
功労休暇勤続10年・15年・20年・25年・30年の節目に5日間
積立休暇失効した年次有給休暇を上限60日まで積立。傷病・看護・介護・育児・不妊治療・長期研修等に利用可
留学休職最大3年間
ボランティア休暇・休職休暇は年最大3日、休職は最大1年間

公式キャリア採用サイト「働く環境を知る」および公式新卒採用サイト「多様な働き方」の記載に基づきます。適用条件は制度により異なります。

学びとネットワーキングに時間を使う仕組み

研修の講師を社内外の第一線のコンサルタント・研究員・エコノミスト・有識者が務めると公式に説明されている点は、シンクタンク併設組織ならではの設計です。また、専門性を検索してアクセスできる「Know Who」基盤が整備されており、他部門の知見を借りやすい環境が制度として用意されています。

  • •新入社員研修:約3週間。プロフェッショナルとしてのマインド、コンサル・リサーチ基礎スキル、最先端の知識(AI、ESG/SDGs経営等)を習得
  • •自己投資支援制度:会社の承認のもと1人年間10万円を限度に外部研修・セミナー・資格取得・通信教育等に利用可能
  • •リベラルアーツ投資支援制度:1人年間3万円を限度に、自己研鑽に資する書籍を自由に購入可能
  • •MURCカレッジ:環境・マクロ経済・DX等のテーマで職員全員に対して開催されるセミナー
  • •社内学会:互いの専門性向上を目的とした組織横断型の社内活動
  • •外部出向制度:官公庁、大学、政府外郭団体、三菱UFJ銀行、民間企業等への出向

女性の働きやすさと両立支援の実績

MURCは女性活躍推進と両立支援について、認定取得と数値の両方を公開しています。

認定と数値

女性管理職比率15.4%は、2027年3月末までに15%以上という自社目標をすでに上回っている水準です。女性採用比率42.6%も目標の35%以上を超えています。コンサルティング業界全体で女性比率が課題とされる中で、数値を目標とセットで公開している点は評価できます。

一方で、女性社員比率39.0%に対して女性管理職比率が15.4%であることは、管理職層への到達には依然として差があることを示しています。数値を目標達成の証拠としてだけでなく、現在地の把握として読むことが大切です。

  • •えるぼし認定:2017年に3段階目(最上位)を取得
  • •プラチナくるみん認定:2024年に取得
  • •女性社員比率:39.0%(2025年4月1日時点)
  • •女性管理職比率:15.4%(2025年4月1日時点/2027年3月31日までに15%以上という目標を掲げている)
  • •女性採用比率:42.6%(2024年度実績/目標35%以上)
  • •男性の育児休暇取得率:46.7%(2024年度実績)

他ファームとの働き方比較

労働時間の観点だけで見れば、MURCはコンサルティング業界の中では働きやすい部類に位置づけられます。公式に数値を開示していること自体、労働時間管理に一定の自信があることの表れとも言えます。

一方で、業界全体で働き方改革が進んだ結果、「コンサル=深夜残業」というイメージはどの社でも実態と乖離しつつあります。MURCを選ぶ理由を労働時間の短さだけに置くと、官公庁案件特有の調整業務や年度末の集中、あるいは裁量労働制下での自己管理の難しさに直面したときに評価が揺らぎかねません。

企業働き方の特徴(目安)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)公式開示では平均残業18.1時間/月・有給取得率68.1%・テレワーク利用率69.4%(2024年度)。裁量労働制と在宅中心の働き方
三菱総合研究所(MRI)公式開示では平均時間外労働13.8時間/月(単体・2025年度)、有給取得率55.3%。官公庁案件の年度末繁忙が中心
野村総合研究所(NRI)部門差が大きい。長期就業型でホワイト500連続認定。口コミ集計では月30〜40時間台
ベイカレント働き方改革により平均残業月20時間程度まで改善。完全成果主義
アクセンチュア働き方改革「Project PRIDE」以降改善。口コミ集計では月30時間前後
BIG4系ファーム繁忙期とそれ以外の差が大きい。案件依存

各社の公開情報および大手口コミサイトの公開集計値をもとにした目安です。集計方法・対象範囲・時点が異なるため厳密な比較には適しません。

入社前に確認したいポイント

公式FAQは配属後の異動について「基本的に異動はございません。ただし、会社が必要と認めた場合は異動になることもございます」と説明しています。専門性を深く積み上げられる一方、入口で選んだ領域が長く続くことを意味します。働き方の快適さ以上に、この点が長期の満足度を左右します。

  • •配属予定部門の繁忙期(政策研究なら国の年度末と公募・提案期、コンサルティングなら案件の重なり方)
  • •同時に担当することになるプロジェクト数の目安
  • •裁量労働制の適用タイミングと、適用後の時間管理・手当の扱い
  • •在宅勤務の運用実態(部門・案件ごとの出社頻度、サテライトオフィスの利用可否)
  • •検討会・委員会の事務局運営がどの程度の比重を占めるか(政策研究の場合)
  • •自己投資支援制度・MURCカレッジ・外部出向制度が実際に使われているか
  • •配属後の異動は「基本的にない」と公式FAQに記載されており、その前提で領域選択に納得できるか

よくある質問

Q. MURCは激務ですか?
A. 公式新卒採用サイトの開示によると、平均残業時間は月18.1時間(2024年度実績)で、コンサルティング業界としては短い部類です。ただし経験を積むと裁量労働制の対象となるため、公式の平均値が全社員の実在席時間をそのまま表すとは限りません。大手口コミサイトの公開集計値では部門により月30時間台という体感値も示されます。
Q. 残業時間の公式データはありますか?
A. あります。公式新卒採用サイトの「多様な働き方」ページで、平均残業時間18.1時間/月、有給取得率68.1%、テレワーク利用率69.4%(いずれも2024年度実績)などが公開されています。コンサルティング業界では珍しく、公式に働き方の数値が確認できる企業です。
Q. 在宅勤務はできますか?
A. できます。公式サイトは在宅勤務を推奨しており「週の半分以上を在宅勤務とする働き方をスタンダード」としています。在宅勤務手当も支給され、テレワーク利用率は69.4%(2024年度実績)と公表されています。全国の契約サテライトオフィスも利用可能です。ただし部門・案件により出社頻度は異なります。
Q. 裁量労働制はいつから適用されますか?
A. 公式FAQによると、勤務時間は9時00分〜17時30分ですが「経験を積み、仕事の進め方やスケジュール管理を自分で行えるようになれば裁量労働制の対象になる」と説明されています。適用時期が年次で一律に決まっているわけではないため、面談で確認することをおすすめします。
Q. 育児と両立できますか?
A. 制度面は整備されています。育児休職は子どもが2歳に達するまで(一部有給10日間を含む)取得でき、子の看護等休暇、時差勤務、短時間勤務、在宅保育(ベビーシッター)サービス補助も用意されています。男性の育児休暇取得率は46.7%(2024年度実績)、プラチナくるみん認定を2024年に取得しています。
Q. 女性は働きやすい環境ですか?
A. 公式データでは女性社員比率39.0%、女性管理職比率15.4%(いずれも2025年4月1日時点)、女性採用比率42.6%(2024年度実績)が公表されています。えるぼし認定は2017年に3段階目(最上位)を取得済みです。ただし社員比率と管理職比率には差があり、管理職層への到達は今後の課題といえます。

SUPERVISED BY — 監修者

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辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

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