デロイト トーマツFASへの転職|選考フロー・応募部門の選び方・難易度
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デロイト トーマツのFA部門への転職で最初に決めるべきは、「どの部門に応募するか」です。M&A、事業再生、フォレンジックといった領域ごとに求められる経験が異なり、部門選びが実質的に選考の成否を左右します。さらに2025年12月の法人合併により、応募窓口の構造も変わりました。本ページでは公式情報をもとに選考の実像を整理します。
この記事のポイント
- ✓応募は領域別(M&A/クライシスマネジメント/イノベーション)が基本で、部門選びが最重要
- ✓グループ共通のキャリア採用ページでは「面接は複数回(平均2〜3回)」と案内されている
- ✓求人や経験により筆記試験・技術テスト・ケース面接が実施される場合があると公式に記載
- ✓法人合併により、旧DTFA専用の採用サイトは統一採用サイトへ集約された
- ✓公認会計士・金融機関出身者・事業会社の財務/経営企画出身者が中心的な採用ターゲット
まず決めるのは「どのビジネス・どの部門か」
デロイト トーマツのFA部門は、公式採用ページ上で3つのビジネスに区分されています。それぞれ扱う局面が異なるため、自身の経験との接続を最初に整理しておく必要があります。
| ビジネス区分 | 主な部門 | 扱う局面 |
|---|---|---|
| M&Aビジネス | コーポレート ファイナンシャルアドバイザリー(CFA)/ストラテジー/M&Aトランザクションサービス(TS)/バリュエーション&モデリング(V&M)/インフラ・公共セクターアドバイザリー(I&CP)/知的財産アドバイザリー(IPG) | M&A戦略立案からディール実行、PMIまで |
| クライシスマネジメントビジネス | ターンアラウンド&リストラクチャリング(T&R)/フォレンジック&クライシスマネジメント(F&CM) | 事業再生・企業再編・不正調査・危機対応 |
| イノベーションビジネス | デザイン&ブランド(D&B)/エコノミクスサービス(Econ)/プロダクト&ソリューション(P&S) | 新規事業・ブランド・経済分析・ソリューション開発 |
公式採用ページに記載されているビジネス区分と部門構成をもとに整理しました。組織は再編される可能性があります。
部門ごとに求められる経験は大きく異なる
- •TS(トランザクションサービス):財務デューデリジェンスが中心。監査法人・公認会計士の経験が直結しやすい
- •V&M(バリュエーション&モデリング):企業価値評価とモデリング。財務モデル構築の実務経験が評価される
- •CFA:FA業務・案件執行。証券会社の投資銀行部門や銀行のM&A部門出身者と親和性が高い
- •T&R:事業再生。ハンズオン支援の性質が強く、事業会社の経営企画や銀行の再生部門の経験が活きる
- •F&CM:不正調査・危機対応。会計・法務・デジタルフォレンジックなど複合的な素養が求められる
関連法人への出向・転籍を伴うポジションもある
公式採用ページには、デロイト トーマツ エクイティアドバイザリー(DTEA)へ100%出向となるポジションや、デロイト トーマツ スペース アンド セキュリティ(DTSS)へ転籍となるポジションの案内も掲載されています。応募先によっては所属法人が変わるため、募集要項の記載を確認しておくことが必要です。
コンサル部門とFA部門、どちらに応募すべきか
2025年12月の合併により、旧デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)と旧DTFAは同一法人となりました。同じ「合同会社デロイト トーマツ」でありながら採用は部門別に行われるため、どちらに応募するかは自分で決める必要があります。
| 比較軸 | コンサルティング部門(旧DTC) | FA部門(旧DTFA) |
|---|---|---|
| 主なテーマ | 経営戦略・業務改革・IT/デジタル変革 | M&A実行・事業再生・不正調査 |
| 組織軸 | インダストリー軸×オファリング軸のマトリクス | サービスライン(部門)別の専門体制 |
| 職位名称 | コンサルタント/マネジャー等 | アナリスト/ヴァイスプレジデント等 |
| 評価されやすい経歴 | 事業会社の業界知見、IT・業務改革経験 | 会計士資格、金融機関でのM&A実務、財務経験 |
| 求められる成果物 | 戦略・実行計画・変革の推進 | デューデリジェンスレポート・評価書・再生計画 |
両部門の公開情報をもとに編集部が整理した比較です。実際の業務内容はポジションにより異なります。
判断の基準は「専門性の軸をどこに置くか」
コンサルティング部門は、業界知見や機能テーマを軸に幅広い経営課題を扱います。テーマが変わっても対応できる汎用性が武器になる一方、専門性の輪郭はやや緩やかです。
FA部門は、会計・財務という明確なスキルセットの上に専門性を積み上げる構造です。M&Aや再生という局面に特化するぶん、キャリアの方向性が定まりやすく、事業会社の経営企画・財務部門やPEファンドといった転職市場でも評価されやすくなります。
「幅を取るか、深さを取るか」が実務的な判断軸です。なお法人統合により、入社後に隣接領域のプロジェクトへ関与する可能性も広がっていますが、運用の詳細は公表されていません。
併願は可能か
同一法人内の別部門であっても、募集ポジションが分かれている以上、それぞれのポジションに対して応募することになります。ただし志望動機の説得力を考えると、軸を定めずに両部門へ応募するのは得策とは言えません。
「なぜM&Aの実行支援なのか」「なぜ戦略ではなくディールなのか」を自分の言葉で説明できるかどうかが、選考での評価を分けます。
選考フロー
デロイト トーマツ グループのキャリア採用ページでは、グループ共通の選考プロセスとして「面接は複数回(平均的に2〜3回)」実施されること、求人や経験により「筆記試験や技術テスト、ケース面接などが実施される場合がある」ことが案内されています。
1Career Platformへの登録
グループ共通の採用プラットフォームに登録します。関心領域や経歴を登録することで、募集情報の案内を受けられる仕組みです。
2募集ポジションの検索・応募
グループの求人検索サイトから、FA部門の募集ポジションを検索して応募します。領域別・ポジション別の募集となるため、応募先の選択が最初の意思決定になります。
3書類選考
職務経歴書で、担当した案件の規模・役割・具体的な作業内容が読み取れるかが見られます。FAS応募では、関与したディールの内容と自分の担当範囲を明確に書き分けることが重要です。
4筆記試験・技術テスト(実施される場合)
公式には「求人や経験により実施される場合がある」とされています。財務・会計の基礎知識やモデリングスキルを問われる可能性があります。
5面接(複数回・平均2〜3回)
グループ共通の案内では平均2〜3回とされています。ポジションによってはケース面接が実施される場合があると公式に記載されています。
6オファー面談
職位(ランク)、配属部門、年俸の内訳を確認します。法人統合後の等級制度は公表されていないため、この場での確認が重要です。
コンサルティングファームの選考との違い
コンサルティングファームの中途選考ではケース面接が必須とされることが多い一方、デロイト トーマツのグループ共通案内では「実施される場合がある」という位置づけです。FA部門では、ケースよりも会計・財務の専門知識や過去のディール経験の深掘りに比重が置かれる傾向があります。
ただしポジションによって内容は異なるため、ケース面接の可能性を織り込んだ準備をしておくほうが安全です。
法人合併後の応募窓口はどう変わったか
2025年12月1日の3法人合併にともない、採用の入口も再編されました。応募を検討する際は、最新の窓口を使うことが必要です。
旧DTFA専用採用サイトは統一サイトへ集約
旧デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーが運用していた独自ドメイン配下の採用サイトは、現在はデロイト トーマツ グループの統一採用サイトへ転送される構成になっています。検索結果から古いURLにたどり着いた場合でも、実質的には現行の採用ページへ誘導されます。
現在の窓口は「合同会社デロイト トーマツ/ファイナンシャルアドバイザリー 採用情報」ページで、ここからキャリア採用エントリーと新卒採用エントリーの双方に導線が用意されています。同ページにはFA部門のキャリア採用担当の問い合わせ先も掲載されています。
法人名の表記に注意
- •現在の法人名は「合同会社デロイト トーマツ」(英文:Deloitte Tohmatsu LLC)
- •採用ページ上の表記は「合同会社デロイト トーマツ/ファイナンシャルアドバイザリー」
- •「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(DTFA)」は2025年11月末までの旧法人名
- •職務経歴書や志望動機で法人名に言及する場合は、現行名称を用いるのが無難
評価されやすいバックグラウンド
FAS系ファームの採用は、コンサルティングファームと比べて経歴の要件が明確です。会計・財務の専門性、あるいはディールの実務経験が中心的な評価軸になります。
- •公認会計士(監査法人での監査経験を含む)
- •銀行・証券会社の投資銀行部門、M&A部門、事業再生部門の出身者
- •事業会社の経営企画・財務・M&A担当部門の出身者
- •PEファンド、独立系M&Aアドバイザリーでのディール経験者
- •デジタルフォレンジックやコンプライアンス調査の経験者(F&CM領域)
未経験からの応募は可能か
M&Aや再生の実務経験がない場合でも、財務・会計の素養が示せれば応募の余地はあります。特にアナリスト・シニアアナリスト層では、ポテンシャル採用の枠組みが存在すると考えられます。
一方で、ヴァイスプレジデント以上のポジションは案件のマネジメント経験が前提となるため、実務経験なしでの応募は現実的ではありません。まずは自身の経験に見合うランクのポジションを選ぶことが、選考通過の前提条件になります。
書類・面接での見せ方
職務経歴書で書き分けるべき3点
1案件の規模と性質
取引金額、対象会社の規模、クロスボーダーか国内か、スキームの種類。守秘義務に配慮しつつ、規模感が伝わる粒度で記載します。
2自分の担当範囲
チームの成果と自分の担当を明確に区別します。「デューデリジェンスに参加した」ではなく、どの分析を誰に対して行ったかまで書くことが重要です。
3スキルの具体性
財務モデルの構築経験、使用したツール、対応した会計基準など。FAS選考では、抽象的な貢献よりも具体的な作業能力が評価されます。
面接で問われやすい観点
- •なぜ事業会社/金融機関ではなくアドバイザリーなのか
- •なぜコンサルティングではなくM&A・再生の実行支援なのか
- •自分が最も専門性を発揮できる部門はどこで、その理由は何か
- •案件の繁閑差の大きい働き方に対応できる根拠
- •法人統合後の組織で、どのように貢献したいか
転職難易度
経歴要件が明確なぶん、輪郭がはっきりしている
コンサルティングファームの選考が「地頭とポテンシャル」を広く見るのに対し、FASの選考は会計・財務の専門性という明確な入口があります。要件に合致する経歴であれば土俵に乗りやすく、合致しなければ厳しいという、輪郭のはっきりした難易度構造です。
旧DTFA単体で2,128名(2024年5月末時点)という国内FAS最大級の規模を持つため、募集ポジションの数自体は継続的に存在すると考えられます。ただし規模が大きいことと採用ハードルが低いことは別問題であり、デロイトというブランドの知名度から応募者数も多くなります。
応募前に確認しておきたいこと
- •応募ポジションが属するビジネス区分と部門
- •出向・転籍を伴うポジションかどうか
- •オファーされる職位(ランク)と、そのランクに期待される役割
- •配属予定領域の案件構成(クロスボーダー比率・案件規模)
- •法人統合後の等級・評価制度がどのように適用されるか
よくある質問
- Q. デロイト トーマツFASの選考は何回ありますか?
- A. デロイト トーマツ グループのキャリア採用ページでは、グループ共通の案内として「面接は複数回(平均的に2〜3回)」と記載されています。これに加えて、求人や経験により筆記試験や技術テスト、ケース面接などが実施される場合があるとされています。
- Q. ケース面接はありますか?
- A. 公式には「求人や経験により、筆記試験や技術テスト、ケース面接などが実施される場合がある」とされており、必ず実施されるとは案内されていません。FA部門では会計・財務の専門知識やディール経験の深掘りに比重が置かれる傾向がありますが、ポジションによって異なるため準備しておくほうが安全です。
- Q. コンサル部門とFA部門のどちらに応募すべきですか?
- A. 専門性の軸をどこに置くかで判断するのが実務的です。業界知見や機能テーマを幅広く扱いたいならコンサルティング部門、会計・財務を軸にM&Aや再生の実行支援を専門にしたいならFA部門が適します。同一法人になった現在も、募集ポジションは部門別に分かれています。
- Q. 法人合併後、応募窓口はどこですか?
- A. デロイト トーマツ グループの統一採用サイト内にある「合同会社デロイト トーマツ/ファイナンシャルアドバイザリー 採用情報」ページが窓口です。旧DTFA独自の採用サイトは統一サイトへ転送される構成になっており、同ページからキャリア採用エントリーへ進めます。
- Q. 会計士資格がないと転職できませんか?
- A. 必須ではありません。銀行・証券のM&A部門や事業会社の財務・経営企画出身者も中心的な採用ターゲットです。ただし会計・財務の素養は共通して求められるため、資格がない場合はディール実務や財務分析の経験で代替できることを示す必要があります。
- Q. 職務経歴書では何を書けばよいですか?
- A. 案件の規模と性質、自分の担当範囲、スキルの具体性の3点を書き分けることが重要です。「デューデリジェンスに参加した」といった記述ではなく、どの分析を誰に対して行ったかまで踏み込むことで、FAS選考で評価される具体性が伝わります。
SUPERVISED BY — 監修者
監修者一覧 ›
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS
米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。
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