デロイト トーマツFASの年収は?職位別の水準とコンサル部門との違い
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デロイト トーマツのファイナンシャルアドバイザリー(FA)部門は、旧デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(DTFA)を前身とする国内FAS最大級の組織です。合同会社であるため年収の公式開示はありませんが、新卒採用の募集要項など公式に確認できる数値と、職位体系に沿った目安を整理すると、水準の全体像はかなり具体的に描けます。本ページでは、コンサルティング部門(旧DTC)との違いも含めて解説します。
この記事のポイント
- ✓公式に確認できる唯一の給与数値は新卒の初年度基本年俸550万円(月33時間のみなし残業を含む)
- ✓職位はアナリスト→シニアアナリスト→ヴァイスプレジデント→シニアヴァイスプレジデント→パートナーの5段階
- ✓大手口コミサイトの公開集計値では、Big4系FASは総合系コンサルティングファームと同等以上の水準とされる
- ✓同一法人となったコンサルティング部門(旧DTC)の平均年収の目安は約950万円
- ✓2025年12月の3法人合併により、処遇体系の詳細は選考過程での確認が必要
公式に確認できる年収の数値
デロイト トーマツのFA部門は合同会社の一部門であり、有価証券報告書による平均年収の開示はありません。ただし、公式の採用ページには給与に関する具体的な記載がいくつか存在します。
公式に確認できる数値:新卒初年度基本年俸550万円(月33時間のみなし残業を含む)
新卒の初年度年俸は550万円
公式の新卒採用募集要項では、入社時の初任ランクは全員「アナリスト」で、初年度基本年俸は550万円と明記されています。この年俸には月33時間分の前払い残業(みなし残業)が含まれ、これを超過した分は別途支給される設計です。
また、公認会計士論文式試験の合格者については年俸600万円以上の別枠が用意されており、中途採用扱いか新卒入社扱いかを選択できるとされています。会計士資格が処遇に直接反映される点は、FAS特有の構造です。
中途採用の年収は公開されていない
キャリア採用(経験者採用)の年収レンジは、法人として一律には公開されていません。M&A、事業再生、フォレンジックといった領域別・ポジション別に募集が行われるため、提示額は職位と経験によって個別に決まります。
したがって、以下で示す職位別の水準はいずれも公式開示値ではなく、大手口コミサイトの公開集計値や公開求人の一般的な傾向をもとに編集部が整理した目安である点にご留意ください。
日本の平均年収との比較
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」による日本の給与所得者の平均年収は545万円です。新卒1年目の550万円という水準は、初年度からこれを上回ることになります。
職位別の年収水準の目安
公式採用ページで示されている職位体系は、アナリスト、シニアアナリスト、ヴァイスプレジデント、シニアヴァイスプレジデント、パートナーの5段階です。コンサルティングファームの職位名とは異なるため、対応関係を押さえておくと比較しやすくなります。
| 職位 | 年収水準の目安 | 主な役割 |
|---|---|---|
| アナリスト | 550万〜750万円 | 財務分析・バリュエーションモデル作成・資料作成 |
| シニアアナリスト | 750万〜1,000万円 | デューデリジェンス等のワークストリームを主導 |
| ヴァイスプレジデント | 1,000万〜1,400万円 | 案件のプロジェクトマネジメントとクライアント折衝 |
| シニアヴァイスプレジデント | 1,400万〜1,800万円 | 複数案件の統括と提案・組成活動 |
| パートナー | 2,000万円以上 | 案件組成とクライアントリレーションの構築 |
アナリストの下限(550万円)のみ公式の新卒募集要項に基づく数値です。それ以外は大手口コミサイトの公開集計値等をもとに編集部が整理した目安であり、公式開示値ではありません。実際の提示額は職位・経験・評価により変動します。
コンサルティング職位との対応関係
FAS系ファームは投資銀行に近い職位名称(アナリスト/ヴァイスプレジデント)を用いるのが一般的で、デロイト トーマツのFA部門もこれに沿っています。「ヴァイスプレジデント」はいわゆるプロジェクトマネージャー相当の役割で、案件全体の進行と品質に責任を持つ立場です。
年収1,000万円到達の分岐点は、シニアアナリストからヴァイスプレジデントに至る過程にあると考えるのが実務的です。
| FA部門の職位 | コンサルティング部門の相当職位 |
|---|---|
| アナリスト | ビジネスアナリスト/コンサルタント |
| シニアアナリスト | シニアコンサルタント |
| ヴァイスプレジデント | マネジャー |
| シニアヴァイスプレジデント | シニアマネジャー/ディレクター |
| パートナー | パートナー |
職位名の一般的な対応関係を編集部が整理したものです。法人統合後の正式な等級対応は公表されていません。
コンサルティング部門(旧DTC)との年収差
2025年12月1日の3法人合併により、旧デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)と旧DTFAは同一法人「合同会社デロイト トーマツ」の内部組織となりました。応募を検討する人にとって、両部門の年収差は最も気になる論点のひとつです。
水準としては大きな差はない
各種公開集計によると、デロイト トーマツのコンサルティング部門の平均年収は約950万円とされています。一方、大手口コミサイトの公開集計値では、Big4系FASの給与水準は総合系コンサルティングファームと同等以上とされることが多く、部門間で大きな断層があるとは考えにくい構造です。
同一法人となった以上、中長期的には処遇体系の共通化が進む可能性もありますが、統合後の詳細な等級・報酬制度は公表されていません。オファー時点での職位と年俸の内訳を確認することが重要です。
年収より「案件の性質」で選ぶ
コンサルティング部門は戦略立案や業務・IT変革など幅広いテーマを扱い、FA部門はM&A・事業再生・不正調査といったディールと有事の局面に特化しています。年収水準が近い以上、選択の判断軸は「どの局面の仕事を専門にしたいか」に移ります。
会計・財務のスキルを軸に据えたいならFA部門、業界や機能のテーマを幅広く扱いたいならコンサルティング部門、という整理が実務的です。
Big4系FAS・コンサルとの水準比較
Big4系のFASおよびコンサルティングファームはいずれも非上場(合同会社・株式会社)であり、正確な平均年収は公開されていません。参考として、公開集計値が存在するコンサルティング各社の目安と併せて整理します。
| ファーム・部門 | 平均年収の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| PwCコンサルティング | 約1,000万円 | Strategy&を内包・官公庁案件が厚い |
| デロイト トーマツ(コンサルティング部門) | 約950万円 | Monitor Deloitte・2025年12月に3法人統合 |
| デロイト トーマツ(FA部門) | 非開示 | 旧DTFA。国内FAS最大級の陣容 |
| PwCアドバイザリー | 非開示 | ディール専門法人・インフラ/PPPにも強み |
| KPMG FAS | 非開示 | M&A・事業再生・フォレンジックに専門チーム |
各社とも非上場のため公式開示値ではありません。コンサルティング2社の数値は転職支援会社や口コミサイトの集計値をもとにした目安です。FAS各社は集計値の母数が小さく、信頼できる平均値が示されていないため「非開示」としています。
Big4間で水準が収斂する理由
Big4各社は互いに人材を奪い合う関係にあり、1社だけが低い水準を提示すれば人材が流出します。結果として水準が収斂しやすく、「どのBig4のFASが最も年収が高いか」という比較にはあまり意味がありません。
むしろ、扱う案件の規模、クロスボーダー比率、専門領域の厚みといった要素のほうが、キャリアと生涯年収への影響は大きいと考えられます。
報酬の構成と留意点
FAS系ファームの報酬は、職位に応じた基本年俸に、案件成果や個人評価を反映した賞与が加わる構成が一般的です。デロイト トーマツのFA部門も同様の体系とされています。
- •基本年俸には一定時間分のみなし残業が含まれる(新卒アナリストで月33時間)
- •みなし残業を超過した分は別途支給される設計
- •賞与は法人業績・部門業績・個人評価の組み合わせで決まるのが一般的
- •パートナー層は案件組成(オリジネーション)の貢献度が処遇に強く反映される
提示額を見るときの3つの確認点
1職位(ランク)の確認
年収の総額よりも、どのランクでのオファーかが将来の伸びを決めます。シニアアナリストとヴァイスプレジデントでは、その後の昇給カーブが異なります。
2基本年俸とみなし残業の内訳
提示額に何時間分の固定残業が含まれるかを確認します。同じ年収額でも、含まれるみなし残業時間によって実質的な時間単価は変わります。
3配属サービスラインと繁閑
M&Aのトランザクションサービスと事業再生では案件サイクルが異なります。稼働の波と報酬のバランスを合わせて確認しておくと、入社後のギャップを防げます。
2025年12月の法人合併と処遇への影響
2025年12月1日、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社の3法人が合併し、「合同会社デロイト トーマツ」が発足しました。発足時の公式発表では、子会社を含め11,000名超のプロフェッショナルを擁する法人とされています。
処遇制度の詳細は公表されていない
合併により雇用主体が単一法人となりましたが、統合後の等級制度・報酬テーブルの詳細は公表されていません。旧3法人はそれぞれ異なる職位名称と評価制度を運用してきたため、制度の統合には一定の時間がかかると見るのが自然です。
2026年8月時点で応募を検討する場合は、提示されるランクが旧DTFAの体系に基づくものか、統合後の新体系に基づくものかを、選考過程で確認しておくことをおすすめします。
キャリアの選択肢は広がった
同一法人内に戦略コンサルティング、リスクアドバイザリー、M&A実行の専門家が揃ったことで、部門を横断した異動やプロジェクト参画の可能性は理論上広がりました。ディール実行からPMI、その後のリスク管理までを一貫して経験できれば、市場価値の面でも有利に働きます。
ただし、実際の異動運用がどこまで柔軟かは公表されていません。長期のキャリアパスを重視する場合は、面接の場で具体的に確認する価値があります。
よくある質問
- Q. デロイト トーマツFASの平均年収はいくらですか?
- A. 合同会社であるため平均年収の公式開示はありません。公式に確認できるのは新卒の初年度基本年俸550万円(月33時間のみなし残業を含む)のみです。大手口コミサイトの公開集計値では、Big4系FASは総合系コンサルティングファームと同等以上の水準とされています。
- Q. コンサルティング部門(旧DTC)とFA部門で年収は違いますか?
- A. コンサルティング部門の平均年収の目安は約950万円とされ、FA部門も同等以上の水準とされることが多く、大きな断層があるとは考えにくい構造です。ただし2025年12月の法人合併後の統合された処遇制度は公表されていないため、選考過程での確認をおすすめします。
- Q. 年収1,000万円に到達するのはどの職位ですか?
- A. 職位体系はアナリスト→シニアアナリスト→ヴァイスプレジデント→シニアヴァイスプレジデント→パートナーの5段階です。目安としては、シニアアナリストからヴァイスプレジデントに至る過程が1,000万円到達の分岐点になると考えられます。いずれも公式開示値ではなく編集部が整理した目安です。
- Q. 公認会計士の資格は年収に反映されますか?
- A. 公式の新卒採用募集要項では、公認会計士論文式試験の合格者について年俸600万円以上の別枠が用意されており、中途採用扱いか新卒入社扱いかを選択できるとされています。資格が処遇に直接反映される点はFAS特有の構造です。
- Q. みなし残業は年収に含まれますか?
- A. 公式の新卒募集要項では、初年度基本年俸550万円に月33時間分の前払い残業が含まれると明記されています。超過分は別途支給される設計です。中途採用の提示額についても、含まれるみなし残業時間を確認しておくと実質的な時間単価を把握できます。
- Q. 他のBig4系FASと年収差はありますか?
- A. PwCアドバイザリー、KPMG FASを含め、Big4系FASはいずれも年収を公式に開示していません。各社は互いに人材を奪い合う関係にあるため水準が収斂しやすく、年収での比較にはあまり意味がないと考えられます。案件規模や専門領域の厚みで判断するほうが実務的です。
SUPERVISED BY — 監修者
監修者一覧 ›
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS
米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。
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主な参照元
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