独立系・新興働き方・ワークライフバランス

グロービングの働き方は激務?フルフレックス・年間休日125日と急成長期の実態

最終更新:

グロービングは公式に「勤務時間・勤務場所・服装自由」を掲げ、フルフレックス(コアタイムなし)と年間休日125日を明示しています。一方で、Joint Initiative型としてクライアント組織の内部に入り込むモデルであり、売上が年率約40%で伸びる急成長局面にあることも事実です。本ページでは、公表されている制度・人的資本データと、公表されていない部分を切り分けて整理します。

この記事のポイント

  • ✓新卒採用ページの明示条件はフルフレックス(コアタイムなし)、完全週休2日制、年間休日125日
  • ✓中途採用の求人情報でも「勤務時間・勤務場所・服装自由」「リモートワーク/フレックス制度」の記載が複数のポジションで見られる
  • ✓有価証券報告書の人的資本データでは、男性育児休業取得率66.7%、管理職に占める女性割合16.2%(提出会社)
  • ✓平均残業時間・有給取得率・離職率は公式に開示されておらず、確認できる数値がない
  • ✓連結従業員数は273名(2025年5月末)から298名(2026年5月末)へ増加。平均勤続年数1.3年は組織の若さの反映

公式に明示されている勤務条件

同社の新卒採用ページには、勤務条件が具体的に記載されています。中途採用の求人情報にも同趣旨の記載が複数見られます。

公式明示:フルフレックス(コアタイムなし)/完全週休2日制/年間休日125日/勤務場所・服装自由

項目内容出所
勤務時間フルフレックス(コアタイムなし)新卒採用ページ
休日完全週休2日制/年間休日125日新卒採用ページ
勤務地東京ミッドタウン・タワー39階(東京都港区赤坂)/外苑前3rdオフィス(南青山)会社概要・新卒採用ページ
働き方「勤務時間・勤務場所・服装自由」「リモートワークやフレックス制度」中途採用の求人情報
労働時間管理「適切な労働時間管理のもと、持続可能な働き方を推進中」中途採用の求人情報

同社の公式採用ページおよび求人情報の記載(2026年8月時点)に基づきます。記載内容はポジションにより異なる場合があります。

年間休日125日という水準

年間休日125日は、完全週休2日制(年間約104日)に祝日と年末年始を加えた一般的な水準にあたります。コンサルティングファームとして特別に多いわけではありませんが、少ないわけでもありません。

重要なのは、この数値が制度上の年間休日であって、実際の稼働を示すものではないという点です。プロジェクトの繁忙期にどこまで休日が確保されるかは、案件と時期によって変動します。

フルフレックス+場所の自由

コアタイムのないフルフレックスは、時間帯の裁量が大きい設計です。同社は求人情報で「勤務時間・勤務場所・服装等は、スタートアップならではの自由度」という趣旨の表現も用いており、形式面の制約が少ない環境であることを打ち出しています。

ただしフルフレックスは総労働時間の上限を定める制度ではありません。裁量が大きいことと労働時間が短いことは別の話であり、この点を混同しないよう注意が必要です。

AI・エンジニア職の環境

AI領域・エンジニア職の求人では、リモートワークやフレックス制度に加え、生成AIツールを自由に利用できる環境、MacBook Proの貸与、GitHub Copilotのライセンス付与といった記載があります。

エンジニアのオープンポジションでは「フルフレックス/リモートワーク、服装自由」と明記されており、コンサルタント職より一段リモート寄りの運用がうかがえます。

残業時間・稼働の実態はどこまでわかるか

結論から述べると、同社は平均残業時間を公式に開示していません。有給休暇取得率、離職率についても公表されている数値は確認できませんでした。この点は正直に押さえておく必要があります。

上場企業であっても、平均残業時間の開示は法定義務ではありません。有価証券報告書で開示が求められている人的資本指標は、女性管理職比率・男性育児休業取得率・男女賃金差異の3つであり、残業時間はここに含まれないためです。

推し量る材料になる公開情報

これらから読み取れるのは、人員を増やしながら売上を年率約40%で伸ばしている局面だということです。一人あたりの負荷が自動的に下がる構造ではなく、成長に合わせて業務量も増える段階にあります。

同時に、「持続可能な働き方を推進中」という表現が使われていること自体、労働時間が経営課題として認識されていることを示唆します。「推進中」という進行形の言葉遣いは、完成した状態ではなく取り組みの途上であることを意味すると読むのが素直でしょう。

  • •有価証券報告書の事業等のリスクで、人材獲得競争の激化と在職者の離職が事業リスクとして明示されている
  • •連結従業員数は273名(2025年5月末)から298名(2026年5月末)へ増加し、採用は継続している
  • •有価証券報告書のKPIでは、コンサルタント人員数が2023年度119名から2024年度178名へ約1.5倍に増加
  • •2027年5月期は売上高約161億円(前期比約4割増)を計画し、採用投資を先行投資として織り込んでいる
  • •求人情報に「適切な労働時間管理のもと、持続可能な働き方を推進中」という表現がある

口コミ由来の情報をどう扱うか

大手口コミサイトの公開集計値では、戦略コンサルティングファーム全般について繁忙期の稼働が長いという傾向が示されることが一般的です。ただし同社は設立から日が浅く、投稿件数の母数が限られるため、集計値の代表性は高くありません。

本ページでは、母数が確認できない集計値を具体的な時間数として引用することは避けます。稼働の実態は、選考過程で配属予定チームのマネジャーに直接確認するのが最も確実です。

Joint Initiative型が働き方に与える影響

同社の中核サービスであるJoint Initiative(JI)型コンサルティングは、提言にとどまらずクライアント組織の内部に入り込み、実行と成果まで責任を負うモデルです。同社はこれを「内なる外」=外部視点を持ったインサイダーと表現しています。

この働き方は、一般的なアドバイザリー型のコンサルティングとは日常が異なります。働き方を検討するうえで押さえておきたい違いを整理します。

クライアント常駐に近い形になりやすい

内部から変革をリードする役割である以上、クライアントの意思決定サイクルや会議体に組み込まれる場面が多くなります。同社は自社としてリモートワークやフレックスを掲げていますが、実際の勤務形態はクライアント側の運用に左右される部分があります。

同社の公式説明では、チームメンバーがクライアントに従業員として溶け込む形や事業譲渡を伴う形も選択肢として挙げられており、関与の深さの幅が広いことがうかがえます。

長期関与という特性

同社はJoint Initiativeを「長期のパートナーシップモデル」と説明しています。短期の提言型プロジェクトを次々に回すのではなく、同じクライアントに長く関与する構造です。

案件の入れ替わりが少ないことは、立ち上げ期の集中稼働が繰り返し発生しにくいという意味では働き方に有利に働きます。一方で、担当領域が固定されやすく、案件ごとに業界を変えるようなキャリアの積み方はしにくい可能性があります。この点は好みが分かれるところです。

人的資本データから見る組織の姿

有価証券報告書では、人的資本に関する指標が開示されています。2025年5月期の開示値は次のとおりです。

指標開示値対象
管理職に占める女性労働者の割合16.2%提出会社
男性労働者の育児休業取得率66.7%提出会社
男女の賃金差異(全労働者)67.3%提出会社
男女の賃金差異(正規雇用労働者)67.6%提出会社

2025年5月期の有価証券報告書で開示された数値です。男女の賃金差異は男性の賃金を100とした場合の女性の賃金の割合を示します。パート・有期労働者に関する記載は省略されています。

男性育児休業取得率66.7%をどう見るか

男性の育児休業取得率66.7%は、日本企業の平均と比べて高い水準です。同社の採用向け求人情報でも育休取得率70%という数値が示されています。

ただし従業員数230名(提出会社・2025年5月末)という規模では、対象者数が少ないため率が大きく振れやすい点に注意が必要です。取得率は取得した人数を対象者数で割った値であり、母数が数名〜十数名であれば1人の増減で数十パーセント動きます。傾向としては前向きに読めますが、精密な比較には向きません。

女性管理職比率16.2%と賃金差異

管理職に占める女性の割合は16.2%です。男女の賃金差異は全労働者で67.3%(男性を100とした場合の女性の水準)となっています。

賃金差異は職位構成の影響を強く受ける指標です。上位職位に男性が多い構成であれば、同一職位での賃金が同等であっても全体の差異は開きます。同社は女性管理職比率が16.2%であることから、この構造が数値に反映されている可能性が高いと考えられます。

同社は会社サイトにDEI(多様性と人的資本)のページを設けており、この領域を経営課題として扱う姿勢を示しています。数値そのものは現時点で高水準とは言えませんが、開示と方針提示は行われています。

平均勤続年数1.3年の意味

有価証券報告書の開示では、提出会社の平均勤続年数は1.3年です(2025年5月期)。この短さは離職の多さを直接示すものではありません。コンサルタント人員数が1年で119名から178名へ増えるような採用ペースであれば、在籍歴の浅い社員が多数を占めるため平均勤続年数は構造的に短くなります。

とはいえ、勤続年数が短い組織では、社内の暗黙知やノウハウの蓄積が個人に依存しやすくなります。同社は週次の全社トレーニングや「師匠ツリー」と呼ばれる伝承型の育成体制を打ち出しており、この課題への対応を意識していることがうかがえます。

どのような人に向いている環境か

公開情報から読み取れる範囲で、適合しやすい人とそうでない人を整理します。

向いていると考えられる人

  • •提言だけでなく、実行と成果に責任を持つ働き方を望む人
  • •時間帯や場所の裁量が大きい環境で、自律的に成果を管理できる人
  • •急成長する組織で役割が広がることを前向きに捉えられる人
  • •戦略とAI・テクノロジー実装の両方に関わりたい人
  • •上位職位のメンバーと近い距離で働ける規模感を重視する人

慎重に検討したほうがよい人

同社は上場企業ではあるものの、コンサルティングファームとしての歴史はまだ浅い組織です。制度が整いつつある段階と理解し、公表されていない部分については選考過程で確認する姿勢が必要です。

  • •労働時間の上限や稼働の目安を、事前に数値で確認してから決めたい人(公式開示がない)
  • •制度や評価基準が固まった成熟組織での安定した働き方を求める人
  • •案件ごとに業界やテーマを切り替えるキャリアを望む人(長期関与モデルのため)
  • •クライアント組織の内部に深く入る働き方に抵抗がある人

選考で確認しておきたい項目

同社は選考でシニアメンバーとの面談を複数回行うプロセスを採っています。上位職位のメンバーと直接話す機会が複数あるため、働き方に関する具体的な質問をぶつけやすい構成です。公式サイトで確認できない項目こそ、この場で聞いておく価値があります。

  • •配属予定チームの直近の平均的な稼働時間と、繁忙期のピーク時の状況
  • •リモートワークの実際の運用(クライアント常駐の頻度、週あたりの出社日数)
  • •有給休暇の取得実績と、プロジェクト中の取得しやすさ
  • •案件のアサイン期間の目安(Joint Initiative型での標準的な関与期間)
  • •評価サイクルとフィードバックの頻度

よくある質問

Q. グロービングは激務ですか?
A. 平均残業時間が公式に開示されていないため、数値で答えることはできません。公式に確認できるのはフルフレックス(コアタイムなし)、完全週休2日制、年間休日125日という制度面と、求人情報にある「適切な労働時間管理のもと、持続可能な働き方を推進中」という記載です。一方で、売上が年率約40%で伸びる急成長局面にあり、Joint Initiative型としてクライアント内部に入り込むモデルであることは押さえておく必要があります。実際の稼働は選考過程で配属予定チームに確認することをおすすめします。
Q. リモートワークはできますか?
A. 中途採用の求人情報には複数のポジションで「勤務時間・勤務場所・服装自由」「リモートワークやフレックス制度」といった記載があります。エンジニアのオープンポジションでは「フルフレックス/リモートワーク、服装自由」と明記されています。ただしJoint Initiative型はクライアント組織の内部に入り込むモデルであるため、実際の勤務形態はプロジェクトやクライアント側の運用に左右される部分があります。
Q. 年間休日は何日ですか?
A. 新卒採用ページによると、完全週休2日制で年間休日125日です。これは制度上の年間休日であり、実際の稼働状況を示すものではありません。有給休暇の取得率については公式に開示されている数値が確認できません。
Q. 育児休業は取得できますか?
A. 2025年5月期の有価証券報告書では、提出会社の男性労働者の育児休業取得率は66.7%と開示されています。採用向けの求人情報でも育休取得率70%という数値が示されています。ただし従業員230名規模では対象者数が少なく率が振れやすいため、傾向として読むのが適切です。
Q. 離職率は公開されていますか?
A. 離職率の公式な開示は確認できません。有価証券報告書では平均勤続年数1.3年(2025年5月期・提出会社)が開示されていますが、これは採用を急拡大していることによる構造的な短さの反映であり、離職率の代替指標にはなりません。なお有価証券報告書の事業等のリスクでは、在職者の離職が事業リスクとして明示されています。
Q. 女性が働きやすい環境ですか?
A. 2025年5月期の有価証券報告書によると、管理職に占める女性労働者の割合は16.2%、男女の賃金差異は全労働者で67.3%(男性を100とした場合の女性の水準)です。数値としては高水準とは言えませんが、男性育児休業取得率66.7%は日本企業の平均を上回り、同社はDEI(多様性と人的資本)に関するページを設けて方針を示しています。制度整備が進行中の段階と理解するのが実態に近いでしょう。

SUPERVISED BY — 監修者

監修者一覧 ›
辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

グロービングに関するその他の記事

関連する業界ガイド

コンサルティング業界へのキャリアに関するご相談はこちらから

ご相談・お問い合わせ ›

運営会社:ストランドパートナーズ株式会社

主な参照元

本ページは各社の公開情報をもとにコンサルペディア運営事務局が独自に編集したものであり、掲載企業による監修・提供を受けたものではありません。年収・残業時間・選考に関する情報は公開求人情報や口コミサイトの集計値をもとにした目安であり、実際の条件を保証するものではありません。内容の訂正が必要な場合はお問い合わせください。