シンクタンク系転職・選考対策

日本総合研究所(日本総研)への転職|部門の選び方・選考フロー・難易度

最終更新:

日本総研のキャリア採用は通年で行われており、公式の採用ページから外部の採用管理システム上の求人一覧に遷移する形で応募します。最初にして最大の分岐点は「どの部門に応募するか」です。コンサルティング/インキュベーション/リサーチ/ITソリューションの4部門は、求められる経験も選考の中身も入社後のキャリアもまったく異なります。本ページでは、部門選びから選考対策までを整理します。

この記事のポイント

  • ✓キャリア採用は通年・職種別。公開求人は正社員で40件台、うちコンサルタント職が最多の20件超
  • ✓コンサル部門の求人は「経営戦略」「組織人事」「サステナビリティ」などテーマ単位で細分化されており、応募先の選定自体が対策になる
  • ✓選考フローは書類選考→複数回の面接(募集部門と人事部門の共同面接)。エントリーから採用決定まで約1〜2カ月が目安
  • ✓新卒はITソリューション400名程度に対しコンサル/インキュベーション30名程度。中途でもコンサル部門の門は相対的に狭い
  • ✓学歴や業界そのものより実務での成果と社会課題への関心が重視され、異業種出身者も多数在籍しているとされる

まず部門を見極める — 同じ会社でも別のキャリア

日本総研の中途採用で最初に決めるべきは応募部門です。公式のキャリア採用サイトは、コンサルティング/インキュベーション/リサーチ/ITソリューション(およびコーポレート)という区分で構成されており、それぞれ独立した紹介ページと求人群を持っています。

日本総研の転職は「会社を選ぶ」より先に「部門とテーマを選ぶ」ことが実質的な意思決定になります

4部門の役割と求められる経験

ITソリューション部門はさらにバンキング/クレジットカード/ファイナンス・リース/証券/共通プラットフォーム/DX/サイバーセキュリティ/先端技術/データサイエンス/システム運用・データセンターといった領域に分かれています。2025年に日本総研情報サービスを合併したことで、運用領域まで含めた一気通貫の体制になっています。

部門役割求められる経験の例
リサーチ・コンサルティング部門官公庁の政策調査から民間企業の経営戦略・組織人事・サステナビリティ・DX支援までコンサルティングファーム経験、事業会社の経営企画・人事、官公庁業務経験
創発戦略センター(インキュベーション)社会課題起点の新事業創出・社会実装、オープンイノベーション推進新規事業開発、事業会社の企画、ベンチャー・投資関連の経験
調査部・先端技術ラボ(リサーチ)内外マクロ経済の分析・見通し、金利為替予測、政策提言、先端技術の調査研究エコノミスト・アナリスト経験、経済学・技術分野の専門性
ITソリューション部門三井住友銀行・三井住友カード・三井住友ファイナンス&リース等の基幹システムの企画・開発・運用SIer・金融システムの開発経験、プロジェクトマネジメント経験

公式の事業内容ページおよびキャリア採用サイトの部門紹介に基づく整理です。

公開求人の構成から読み取れること

件数だけを見るとコンサルタント職が最多ですが、これはコンサル部門の求人がテーマごとに細かく分けて掲載されているためで、採用人数そのものが多いことを意味しません。一方でIT部門は1件の求人で複数名を採用する運用が一般的です。求人件数と採用規模は必ずしも比例しない点に注意してください。

職種区分公開求人数の目安
コンサルタント20件超
エンジニア・プロジェクトマネジャー(アプリ/インフラ/DX/セキュリティ)10件前後
ITアーキテクト・データサイエンティスト・システム運用数件
管理部門スタッフ数件
インキュベーター/リサーチャー(テクノロジー分野)各1件程度

2026年8月時点の公開求人一覧から集計した目安です。募集は随時更新されるため、応募時には最新の求人票をご確認ください。勤務地は東京が中心で、大阪および東京・大阪いずれかという募集も一定数あります。

コンサル部門はテーマ別採用 — 応募先の選定が最初の対策

日本総研のリサーチ・コンサルティング部門は、産業軸と経営機能軸でグループを組成しています。公式サイトによれば経営戦略、M&A、財務戦略、経営改革、マーケティング、新規事業開発、業務改革・IT、技術戦略、サステナビリティ経営、組織・人材マネジメントなど11の経営機能と、農業・食品、建設・不動産、医療・介護・ヘルスケア、ものづくり、環境・エネルギー・資源など12の産業分野をカバーしています。

求人もこの構造をそのまま反映し、「経営戦略コンサルティング」「組織人事コンサルティング」「サステナビリティ戦略」「デジタル戦略/自治体DX」「介護シニアビジネス」「環境エネルギー×まちづくり」「地方創生×まちづくり」「テクノロジー×新規事業開発」といった単位で個別に掲載されています。

自分の経験がどのテーマに接続するかを言語化する

テーマ別採用では、「コンサルタントになりたい」という一般的な志望動機は通用しにくくなります。応募するグループが扱う論点に対して、自分の実務経験がどう接続するのかを具体的に語れることが前提になります。

たとえば公開されている経営戦略コンサルティングの求人票では、必須要件として「上場企業での経営企画・経営管理・ファイナンス/資本政策の業務経験」「コンサルティングファームでの戦略・経営管理・ファイナンス・組織・ガバナンス等の領域で3年以上の実務経験」「上場企業での組織再編・ガバナンス体制構築・業務改革の実務経験」のいずれかが挙げられ、歓迎要件としてMBA、公認会計士、証券アナリスト、日商簿記2級以上、中小企業診断士などが示されています。要件が具体的であるほど、経験の一致・不一致は明確に判断されます。

官公庁案件と民間案件の両方があることを理解する

同社のコンサルティング部門は、中央省庁・自治体向けの政策調査と民間企業向けの経営コンサルティングの双方を手がけます。求人でも「デジタル戦略/自治体DX/地域産業振興(公共)」のように公共案件を明示したものと、民間向けを明示したものが分かれています。

官公庁案件は入札・年度単位のサイクルで動き、成果物は報告書が中心になります。民間案件の実行支援を志向している場合、この違いは志望度に直結するため、応募前にどちらの比重が高いグループなのかを確認しておくべきです。

選考フロー

公式のキャリア採用FAQによれば、選考は書類選考のあと複数回の面接を実施する流れで、エントリーから採用決定まで約1〜2カ月程度が目安とされています。面接は募集部門と人事部門による共同面接の形で、オンラインと対面(同社オフィス)の双方で実施されます。

11. 求人の選定・エントリー

公式採用ページから求人一覧に遷移し、応募したい求人票の「応募する」から個別にエントリーします。テーマ別に求人が分かれているため、どの求人に出すかの選定がこの時点で必要です。

22. 書類選考

職務経歴書で、応募テーマとの経験の接続を明示することが重要です。求人票の必須要件・歓迎要件に対して、どの経験がどう対応するかを職務経歴書の側で対応づけておくと通過率が上がります。

33. 面接(複数回)

募集部門と人事部門の共同面接。オンラインと対面の双方があります。回数は職種・ポジションにより異なります。

44. コンプライアンスチェック・内定

公開求人票には「選考の過程でコンプライアンスチェックを実施」と明記されています。金融グループの一員であることを反映した手続きです。

第二新卒の扱い

公式FAQでは、卒業後3年以内であれば新卒採用として応募できるとされています。3年を超えるとキャリア採用の対象です。第二新卒層は、新卒枠のほうが選考の間口が広い可能性があるため、どちらのルートで応募するかを確認しておくとよいでしょう。

勤務地の前提

公式FAQでは、海外在住者もオンライン面接で対応する一方、入社後は主な配属先である東京都または大阪府内の勤務地への通勤可能圏内に居住できることが応募の前提とされています。ITソリューション部門はニューヨーク・ロンドン・上海・シンガポール・フィリピンといった海外拠点での勤務可能性もあります。

転職難易度

日本総研の転職難易度は、部門によって性質が異なります。単純に「難しい/易しい」と括れないため、志望部門ごとに分けて考えます。

部門別の難易度感

新卒採用の募集人数がITソリューション400名程度に対しコンサルティング/インキュベーション30名程度である事実は、中途採用の規模感を推し量るうえでも参考になります。「日本総研に入る」という括りで見れば決して極端に狭き門ではありませんが、「日本総研のコンサルタントになる」という括りでは相当に競争的です。

部門難易度の目安背景
リサーチ・コンサルティング部門高いテーマ単位の少数採用。求人票の必須要件が具体的で、経験の一致度が厳しく見られる
創発戦略センター(インキュベーション)非常に高い公開求人は1件程度と枠が限られ、新事業創出の実績が問われる
調査部・リサーチャー非常に高い新卒でも若干名の採用枠。エコノミストとしての専門性・発信実績が前提
ITソリューション部門中程度新卒だけで400名程度を採用する規模。金融システムの開発経験があれば門戸は比較的広い

採用枠の規模と公開求人の構成から推定した目安であり、公式の合格率等が開示されているわけではありません。

評価されやすいポイント

公式FAQでは異業種からの転職者が多数活躍していることが示されており、コンサルティング経験の有無が絶対条件ではないことがうかがえます。むしろ特定領域の専門性をどう持ち込めるかが問われるタイプの選考です。

  • •応募テーマに直結する実務経験と、そこで出した具体的な成果
  • •官民をまたぐ案件に対応できる姿勢(政策・制度への理解、公共案件への抵抗のなさ)
  • •社会課題を起点にテーマを立てられる問題意識
  • •金融グループのコンプライアンス感覚に馴染めること
  • •腰を据えて専門性を積み上げる長期志向(アップオアアウト型ではない組織のため)

他ファームとの併願をどう考えるか

日本総研を検討する方の併願先は、志望部門によって分かれます。

コンサル部門志望の場合

同じ銀行系シンクタンクである三菱UFJリサーチ&コンサルティング(従業員約1,400名)や、シンクタンク系のNRI、三菱総合研究所が自然な比較対象になります。官公庁案件の比重が高い点、報告書型の成果物が多い点は各社に共通する特徴です。

総合系ファーム(アクセンチュア、アビーム、BIG4系)と併願する場合は、案件のスピード感と成果物の性質が大きく異なることを理解しておく必要があります。日本総研は中長期の視野に立った提言型のスタイルであり、短期のデリバリー中心のファームとは働き方が変わります。

IT部門志望の場合

比較対象は金融系SIerやメガバンク系のシステム子会社、NRIの金融ITソリューション部門などになります。日本総研の特徴は、クライアントがSMBCグループに集約されており、上流の企画から開発・運用まで一気通貫で関われる点です。マルチクライアント型のSIerとは、経験の広がり方が異なります。

応募前のチェックリスト

日本総研は、コンサルティングファームとして見ると異質な部分が多い組織です。だからこそ「なぜ総合系ファームではなく日本総研なのか」に自分なりの答えを持てているかが、選考でも入社後の納得感でも効いてきます。

  • •応募先がSMBCグループの株式会社日本総合研究所(jri.co.jp)であることを確認する(類似名称の研究機関が複数存在します)
  • •志望部門(コンサル/インキュベーション/リサーチ/IT)を先に決め、その部門の求人票を精読する
  • •コンサル部門の場合、応募テーマと自分の実務経験の接続を職務経歴書で言語化する
  • •官公庁案件と民間案件の比重を面接で確認する
  • •勤務地(東京/大阪)と通勤可能圏内に居住できるかを確認する
  • •給与は「応相談」のため、選考の早い段階でレンジを確認する
  • •長期就業を前提にしたキャリア観を語れるよう準備する

よくある質問

Q. 日本総研の中途採用の選考フローを教えてください。
A. 公式のキャリア採用FAQによると、エントリー後に書類選考を行い、複数回の面接を実施する流れです。面接は募集部門と人事部門による共同面接で、オンラインと対面の双方で行われます。エントリーから採用決定まで約1〜2カ月程度が目安とされています。選考過程でコンプライアンスチェックも実施されます。
Q. 日本総研への転職難易度は高いですか?
A. 部門によって大きく異なります。リサーチ・コンサルティング部門や創発戦略センター、調査部はテーマ単位の少数採用で難易度が高い一方、ITソリューション部門は新卒だけで400名程度を採用する規模のため、金融システムの開発経験があれば相対的に門戸は広いといえます。
Q. コンサルティング未経験でも応募できますか?
A. 公式FAQでは異業種から転職した社員が多数活躍しているとされています。実際、経営戦略コンサルティングの求人票でも上場企業での経営企画・経営管理の実務経験が必須要件の選択肢として挙げられており、ファーム経験は必須ではありません。ただし応募テーマに関連する専門性は求められます。
Q. どの部門に応募すべきか迷っています。
A. まず「調査・提言・コンサルティングをしたいのか」「SMBCグループの金融システムを作りたいのか」を切り分けてください。日本総研は従業員の大部分がITソリューション部門であり、同じ社名でもこの2つはまったく別のキャリアです。求人はテーマ単位で分かれているため、部門を決めたうえで個別の求人票を読み込むのが確実です。
Q. 第二新卒でも応募できますか?
A. 公式FAQによれば、卒業後3年以内であれば新卒採用として応募できます。3年を超える場合はキャリア採用の対象となります。どちらのルートで応募するかで選考の枠組みが変わるため、事前に確認することをおすすめします。
Q. 勤務地はどこになりますか?
A. 主な配属先は東京本社(品川区東五反田)または大阪本社(大阪市西区土佐堀)です。公式FAQでは、入社後にいずれかの通勤可能圏内に居住できることが応募の前提とされています。ITソリューション部門ではニューヨーク・ロンドン・上海・シンガポール・フィリピンなどの海外拠点勤務の可能性もあります。

SUPERVISED BY — 監修者

監修者一覧 ›
辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

日本総合研究所に関するその他の記事

関連する業界ガイド

コンサルティング業界へのキャリアに関するご相談はこちらから

ご相談・お問い合わせ ›

運営会社:ストランドパートナーズ株式会社

主な参照元

本ページは各社の公開情報をもとにコンサルペディア運営事務局が独自に編集したものであり、掲載企業による監修・提供を受けたものではありません。年収・残業時間・選考に関する情報は公開求人情報や口コミサイトの集計値をもとにした目安であり、実際の条件を保証するものではありません。内容の訂正が必要な場合はお問い合わせください。