日本総合研究所(日本総研)の年収は?部門で倍近く違う給与の実態
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日本総合研究所(日本総研/JRI)は三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の完全子会社で、株式を公開していません。そのため野村総合研究所(NRI)や三菱総合研究所のように有価証券報告書で平均年収が開示されることがなく、「日本総研の年収」は口コミサイトの集計値から推し量るしかないのが実情です。さらにやっかいなのは、同社の従業員6,324名の大部分がSMBCグループのシステムを担うITソリューション部門に属しており、全社平均とコンサルティング部門の水準がまったく別物になる点です。本ページでは、この構造を分解したうえで年収を読み解きます。
この記事のポイント
- ✓日本総研は非上場(SMFGの完全子会社)のため、平均年収の公式開示は存在しない
- ✓大手口コミサイトの公開集計値では全社平均は700万〜820万円程度。集計主体により幅がある
- ✓同じ集計値でも職種別に見るとコンサルタント職は1,100万円超、エンジニア・SE職は600万円台と倍近い差
- ✓全社平均が低めに出るのは、従業員の大部分を占めるITソリューション部門を含んだ数字だから
- ✓公式に確認できるのは初任給(2027年卒で修士了328,000円・学部卒302,000円)と諸手当・賞与年2回まで
まず前提 — 日本総研の年収に「公式開示」は存在しない
株式会社日本総合研究所は、三井住友フィナンシャルグループの一員である非上場企業です。上場企業に義務づけられる有価証券報告書の提出対象ではないため、平均年間給与や平均年齢といった数値が公式に開示されることはありません。この点が、平均年収1,332万円(2026年3月期)を有価証券報告書で公表している野村総合研究所(NRI)や、平均1,082万円を公表している三菱総合研究所との決定的な違いです。
したがってウェブ上で見かける「日本総研の平均年収◯◯万円」という数字は、いずれも口コミサイトへの投稿を集計した推定値です。投稿者の職種・年代・在籍時期に偏りがあるため、集計主体によって数値が大きく振れます。本ページでも参考として集計値のレンジを紹介しますが、公式の確定値ではないという前提を必ず持ってお読みください。
日本総研は非上場のため平均年収の公式開示なし。以下の数値はすべて公開集計値に基づく推定です
公式に確認できる会社規模
2025年10月にグループ会社の日本総研情報サービスを合併し、2026年4月にもグループ内再編を実施しています。従業員数が6,000名規模まで積み上がっている背景には、こうした統合によるシステム運用機能の取り込みがあります。年収の集計値を見る際は、その集計がいつの時点の組織を反映しているのかにも注意が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 創立 | 1969年2月20日(住友銀行の電算部門から分離独立) |
| 株主 | 三井住友フィナンシャルグループ |
| 資本金 | 101億円 |
| 従業員数 | 6,324名(2026年4月末現在) |
| 本社 | 東京本社(品川区東五反田)/大阪本社(大阪市西区土佐堀) |
| 事業 | 調査部/創発戦略センター/リサーチ・コンサルティング部門/先端技術ラボ/ITソリューション |
公式サイトの会社概要に基づきます。売上規模については、公開されている決算公告ベースで2025年3月期に約2,994億円とされますが、同社公式サイトでの開示値ではありません。
全社平均の目安 — 700万〜820万円という数字の読み方
大手口コミサイトの公開集計値では、日本総研の平均年収はおおむね700万〜820万円のレンジで示されています。集計対象となった回答者の数や構成が異なるため、同じ時期でも100万円以上の開きが出ることは珍しくありません。
この水準を見て「シンクタンクとしては思ったより低い」と感じる方が多いのですが、これは同社の組織構造を知らないまま数字だけを比べているために起きる誤解です。
全社平均は「IT部門を含んだ数字」
日本総研は社名にこそ「総合研究所」を冠していますが、従業員の大部分は三井住友銀行・三井住友カード・三井住友ファイナンス&リースといったSMBCグループ各社の基幹システムを企画・開発・運用するITソリューション部門に所属しています。調査部のエコノミストやリサーチ・コンサルティング部門のコンサルタントは、人数で見れば少数派です。
この構成比は新卒採用の募集人数にはっきり表れています。公式の新卒募集要項(2027年卒)では、ITソリューションが400名程度であるのに対し、コンサルティング/インキュベーションは30名程度、リサーチ/エコノミストと本社スタッフは若干名です。約13倍の開きがあり、「シンクタンクの名前だが実態の大半はSMBCグループのシステム開発」という言い方は誇張ではありません。
したがって全社平均700万〜820万円という数字は、コンサルタントの年収ではなく、IT技術者を主体とした全社員の平均だと理解する必要があります。
国内平均との比較
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」による日本の給与所得者の平均年収は545万円です。全社平均が仮に800万円前後だとすれば国内平均の約1.5倍にあたり、事業会社としては十分に高い水準といえます。金融グループのIT子会社という位置づけを考えれば妥当な水準です。
部門・職種で倍近く違う — ここが日本総研の年収の核心
日本総研の年収を検討するうえで最も重要なのが、職種別の分解です。大手口コミサイトの公開集計値を職種別に見ると、同じ会社とは思えないほどの差が現れます。
コンサルタント職とエンジニア・SE職で集計値はおよそ2倍差。「どの部門で入るか」が年収を決めます
職種別の年収目安(公開集計値ベース)
コンサルタント職とエンジニア・SE職では、集計値の上でおよそ2倍近い開きがあります。「日本総研の年収は◯◯万円」という一つの数字で語ることに、ほとんど意味がないことがわかります。応募を検討する際は、必ず自分が入る部門・職種のレンジで判断してください。
| 職種区分 | 平均年収の目安 | 所属部門のイメージ |
|---|---|---|
| コンサルタント | 約1,180万円 | リサーチ・コンサルティング部門 |
| 研究職(リサーチャー・エコノミスト) | 約940万円 | 調査部・先端技術ラボ |
| システム職 | 約780万円 | ITソリューション部門 |
| プロジェクトマネジャー | 約710万円 | ITソリューション部門 |
| エンジニア・SE | 約630万円 | ITソリューション部門 |
いずれも大手口コミサイトの公開集計値をもとにした目安であり、公式開示値ではありません。回答者数が職種ごとに大きく異なるため、特に人数の少ない職種の数値は振れ幅が大きい点にご留意ください。
なぜ差がつくのか
第一に、母集団の年齢構成が異なります。コンサルタント職は経験者採用の比率が高く、若手層の比率が相対的に低いため平均が押し上げられます。一方でITソリューション部門は新卒採用で毎年400名規模を迎え入れるため、20代の比重が大きくなります。
第二に、職種体系そのものが分かれています。同社はコンサルティング/インキュベーション/リサーチ系と、ITソリューション系とで採用ルートもキャリアパスも別建てで運用しており、ITソリューション部門には「ITプロフェッショナル認定制度」によりエキスパート・シニアエキスパート・プリンシパルといった専門職位を認定する独自の仕組みがあります。
第三に、市場相場の違いです。コンサルティング領域は総合系ファームとの人材獲得競争に晒されており、オファー水準が市場に引っ張られやすい構造にあります。
職位別の年収レンジ(目安)
同社は職位名を公式に一覧公開していませんが、公式サイトのキャリアパス紹介や公開求人の記載からは、コンサルティング系で「コンサルタント → シニアコンサルタント/副主任研究員 → マネジャー/主任研究員 → 部長・プリンシパルクラス」という段階が確認できます。以下は公開集計値をもとにした推定レンジです。
コンサルティング/リサーチ系の目安
| 職位(目安) | 想定年次 | 年収目安 |
|---|---|---|
| コンサルタント・研究員 | 20代 | 約550万〜750万円 |
| シニアコンサルタント・副主任研究員 | 20代後半〜30代前半 | 約750万〜1,000万円 |
| マネジャー・主任研究員 | 30代半ば〜 | 約1,000万〜1,400万円 |
| 部長・プリンシパルクラス | 40代〜 | 約1,400万〜1,800万円 |
大手口コミサイトの公開集計値と公開求人の記載をもとにした推定の目安です。公式開示値ではなく、評価・経験により変動します。
ITソリューション系の目安
IT部門は上位職に上がるほど裁量労働制の適用を受ける職種が増え、時間外勤務手当ではなく裁量労働手当と賞与で処遇される形に切り替わります。公式の募集要項でも「職種により、フレックスタイム制、裁量労働制の適用あり」と明記されています。
年功的な昇給と、銀行系グループらしい安定した賞与が組み合わさるため、外資系ファームのような急激な年収カーブにはなりにくい一方、予見性は高い体系といえます。
| 段階(目安) | 想定年次 | 年収目安 |
|---|---|---|
| メンバークラス(アプリ/インフラエンジニア) | 20代 | 約450万〜650万円 |
| リーダー・サブリーダークラス | 20代後半〜30代前半 | 約650万〜850万円 |
| プロジェクトマネジャー・エキスパート | 30代半ば〜 | 約850万〜1,100万円 |
| 管理職・プリンシパル | 40代〜 | 約1,100万〜1,400万円 |
同上、公開集計値ベースの推定です。若手のうちは時間外勤務手当の多寡が年収を左右します。
公式に確認できる報酬情報 — 初任給・手当・賞与
推定値ばかりでは判断材料になりませんので、公式の新卒募集要項から確認できる数値も整理しておきます。中途入社の給与は「応相談」とされていますが、初任給水準は社内テーブルの起点を知る手がかりになります。
初任給(2027年卒・月額)
比較のために挙げると、NRIの2026年4月入社の総合職初任給は学部卒336,500円・修士了364,500円(いずれも一律の住宅手当60,000円を含む)です。住宅手当込みの表示である点を差し引いても、NRIのほうが起点は高い設定です。
| 区分 | 月給 |
|---|---|
| 博士了 | 個別決定 |
| 修士了 | 328,000円 |
| 学部卒・専門4年卒 | 302,000円 |
| 専門3年卒 | 286,000円 |
| 専門2年・短大・高専卒 | 276,000円 |
公式新卒採用サイトの2027年卒募集要項に基づきます。
諸手当・賞与・福利厚生
コンサルティングファームとしては珍しく、退職金制度と企業年金が整っている点は銀行系グループならではです。年収の額面だけでは見えにくい部分ですが、長期就業を前提に考える場合は実質的な処遇差として効いてきます。
- •諸手当:ワークスタイル手当、裁量労働手当、時間外勤務手当、深夜勤務割増手当、休日振替手当、通勤交通費
- •賞与:年2回(6月・12月)
- •住宅関連:契約社宅制度(中途入社の募集要項にも記載)
- •年金・資産形成:退職金制度、選択制確定拠出年金制度、厚生年金基金、財形貯蓄制度
- •育児:出産・入園時の祝い金10万円、託児補助金(月額5万円を上限)
他ファーム・他シンクタンクとの年収比較
同じサイト内で扱う主要ファームと並べて、日本総研の位置づけを確認します。上場企業は有価証券報告書ベース、非上場企業は公開集計値ベースであり、数字の性質が異なる点にご注意ください。
| 企業 | 平均年収の目安 | 分類・出所 |
|---|---|---|
| ベイカレント | 約1,349万円 | 総合系・有価証券報告書 |
| 野村総合研究所(NRI) | 約1,332万円 | シンクタンク系・有価証券報告書(平均年齢39.7歳) |
| 三菱総合研究所 | 約1,082万円 | シンクタンク系・有価証券報告書(平均年齢40.4歳) |
| PwCコンサルティング | 約1,000万円 | BIG4系・口コミ集計値 |
| デロイト トーマツ | 約950万円 | BIG4系・口コミ集計値 |
| アクセンチュア | 約866万円 | 総合系・口コミ集計値(平均年齢33歳前後) |
| 日本総合研究所(日本総研) | 約700万〜820万円(全社) | シンクタンク系・非上場/口コミ集計値 |
日本総研の数値はIT部門を含む全社の集計値です。コンサルタント職に限れば約1,180万円という集計値もあり、単純比較には適しません。
NRIとの違いは「給与テーブルが共通かどうか」
NRIも社員の大半はITソリューション部門ですが、大手口コミサイトの公開集計値や公開情報では、NRIの給与テーブルはコンサルティング部門とITソリューション部門で共通とされています。同じ等級なら処遇もおおむね同水準という設計であり、その結果として全社平均1,332万円という高い数字が成立しています。
対して日本総研は、コンサルティング/インキュベーション/リサーチ系とITソリューション系で採用ルートも制度も別建てで、集計値上も明確に差が出ています。「シンクタンク系の大手」という同じくくりで語られがちな2社ですが、報酬構造の思想は対照的です。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングとの比較
同じメガバンク系シンクタンクである三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)は従業員約1,400名(2024年4月時点)で、日本総研の6,324名と比べると大幅に小さい規模です。これはMURCがシステム開発機能を持たず、調査・コンサルティングに特化しているためで、実質的にはMURC全体と日本総研のコンサルティング部門が同じ土俵に乗るイメージになります。
MURCも非上場で年収の公式開示はありません。銀行系シンクタンクのコンサルタント職としては、両社とも大きくかけ離れた水準ではないと見るのが妥当ですが、いずれも推定である点は変わりません。
検討時の注意点
日本総研の年収を評価するときは、「シンクタンクの年収」という枠組みをいったん外し、「SMBCグループの大規模IT企業に、少数精鋭のコンサルティング機能とリサーチ機能が同居している会社」として見るのが実態に近い読み方です。そのうえで、自分が入るのはどの機能なのかを起点に判断することをおすすめします。
- •全社平均(700万〜820万円)とコンサルタント職の集計値(約1,180万円)はまったく別の数字。混同しない
- •本ページの年収数値はすべて口コミ集計値ベースの推定であり、公式開示ではない
- •中途採用の給与は求人票上「応相談」。実際の提示額は職種・職位・経験により個別に決定される
- •退職金・企業年金・契約社宅など、額面に表れない処遇が厚い点は年収比較で見落とされやすい
- •類似名称の研究機関が複数存在するため、応募前にSMBCグループの株式会社日本総合研究所(jri.co.jp)であることを確認する
よくある質問
- Q. 日本総合研究所(日本総研)の平均年収はいくらですか?
- A. 同社は三井住友フィナンシャルグループの非上場子会社のため、平均年収の公式開示はありません。大手口コミサイトの公開集計値では全社平均で700万〜820万円程度が示されていますが、これは従業員の大部分を占めるITソリューション部門を含む数字であり、推定値です。
- Q. コンサルティング部門とIT部門で年収は違いますか?
- A. 大きく違います。大手口コミサイトの公開集計値では、コンサルタント職が約1,180万円、研究職が約940万円であるのに対し、システム職は約780万円、エンジニア・SE職は約630万円と、およそ2倍近い開きがあります。採用ルートも制度も部門ごとに別建てで運用されています。
- Q. なぜ「シンクタンク」なのに全社平均が高くないのですか?
- A. 従業員6,324名の大部分がSMBCグループの基幹システムを担うITソリューション部門に所属しているためです。新卒募集要項でもITソリューションが400名程度、コンサルティング/インキュベーションが30名程度と約13倍の差があり、全社平均はIT部門の水準に強く引かれます。
- Q. NRI(野村総合研究所)と比べてどうですか?
- A. NRIは有価証券報告書で平均1,332万円(2026年3月期)を開示しており、全社平均では日本総研を大きく上回ります。ただしNRIは給与テーブルがコンサル部門とIT部門で共通とされるのに対し、日本総研は部門別の体系です。コンサルタント職どうしで比べれば差は全社平均ほど大きくないと考えられますが、日本総研側は推定値である点に留意が必要です。
- Q. 初任給はいくらですか?
- A. 公式の新卒募集要項(2027年卒)によると、修士了328,000円、学部卒・専門4年卒302,000円、専門3年卒286,000円、専門2年・短大・高専卒276,000円です。これに加えてワークスタイル手当・裁量労働手当・時間外勤務手当などの諸手当と、年2回(6月・12月)の賞与があります。
- Q. 中途入社の年収はどう決まりますか?
- A. 公開求人票では給与は「応相談」とされており、職種・職位・前職での経験に応じて個別に決定される形です。応募先が経営戦略コンサルティングなのかアプリケーションエンジニアなのかで水準が大きく変わるため、選考の早い段階でレンジを確認することをおすすめします。
SUPERVISED BY — 監修者
監修者一覧 ›
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS
米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。
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