KPMG FASの評判は?BIG4系FAS3社の違いと規模が小さめゆえの特徴
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KPMG FASは2001年設立、KPMGジャパンを構成する10法人のひとつです。BIG4系FASの中では組織規模が小さめとされ、この点が評価の分かれ目になりやすいファームでもあります。本ページでは、公式情報から確認できる事実を軸に、BIG4系FAS3社の違い、KPMGジャパン内での位置づけ、そして規模がもたらす利点と留意点を中立的に整理します。
この記事のポイント
- ✓2001年設立。経営戦略、M&A/PMI、事業再生、不正調査・危機対応を1社で担う構成
- ✓BIG4系FASの中では組織規模が小さめとされ、一人あたりの担当範囲が広くなりやすい
- ✓KPMGジャパン内ではKPMGコンサルティングと役割が分かれ、ヘルスケアは別法人が担う
- ✓2025年4月にあずさ監査法人との50%出資合弁「KPMG Forensic & Risk Advisory」が事業開始
- ✓従業員数・売上高・平均年収はいずれも公式非開示のため、規模の定量比較はできない
FAS業界におけるKPMG FASの位置づけ
FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)は、M&Aや事業再生、不正調査といった企業の非日常の局面を支援する領域です。BIG4系ではデロイト トーマツのFA部門、PwCアドバイザリー、KPMG FASの3社が中心的な存在で、EYもストラテジー・アンド・トランザクション領域を担っています。
KPMG FASは2001年に設立され、KPMGジャパンを構成する10のプロフェッショナルファームのひとつとして、企業戦略の策定からトランザクション(M&A、事業再編、企業再生等)の実行、ポストディールに至るまでを総合的に支援しています。
1社で戦略から不正調査までを担う構成
KPMG FASのサービスラインは、経営戦略、M&A/PMI、ターンアラウンド&リストラクチャリング(事業再生)、不正調査・予防および危機対応の4領域に大別されます。経験者採用の募集部門を見ると、Corporate Finance、Transaction Services、Turnaround & Restructuring、Forensic、Strategy、Financial Services Group、Client Value Analytics、CSS-AIX(AI Transformation)の8部門が並びます。
ディールの実行部隊だけでなく、その前段の戦略立案と、統合後のPMI、さらに有事の不正調査までを同じ法人の中に持っている点が構成上の特徴です。データ分析(Client Value Analytics)やAIトランスフォーメーション(CSS-AIX)といった機能を組み込んでいる点も、近年の体制を反映しています。
インダストリー・グループ体制と5拠点
同社は業種別のインダストリー・グループを設置し、セクター特有の論点を踏まえたディール支援を行うとしています。Strategy部門の募集にも「自動車・製造セクター」といった業種別のポジションが見られ、機能軸と業種軸のマトリクスで組織が構成されていることが読み取れます。
拠点は東京(千代田区大手町)を本社に、大阪、京都、名古屋、福岡の5拠点です。BIG4系FASとしては地方展開を持つ構成ですが、経験者採用の求人票の多くは東京・大手町を勤務地としています。
規模を定量的に比較することはできない
KPMG FASは従業員数、売上高、案件件数といった規模を示す数値を公式に開示していません。したがって「BIG4系FASの中で何番目の規模か」を客観的な数値で示すことはできません。
デロイト トーマツのFA部門が国内FAS最大級の陣容とされるのに対し、KPMG FASは一般に規模が小さめと語られますが、これは公式に確認できる事実ではなく、業界内での相対的な印象として流通している見方です。本ページでもこの前提で記述しています。
従業員数・売上高は公式非開示です。組織規模に関する記述は、公式に確認できる数値に基づくものではありません。
BIG4系FAS3社の違いをどう見るか
「デロイト、PwC、KPMGのFASは何が違うのか」は、この領域を志望する人の最大の関心事です。各社とも年収・従業員数を開示していないため、比較できるのは法人構造と組織構成に限られます。
| 比較軸 | KPMG FAS | デロイト トーマツ(FA部門) | PwCアドバイザリー |
|---|---|---|---|
| 法人形態 | 株式会社(KPMGジャパンのメンバーファーム) | 合同会社デロイト トーマツの一部門 | 合同会社(ディール専門法人) |
| 設立・沿革 | 2001年設立 | 旧DTFA。2025年12月に3法人が統合し合同会社デロイト トーマツへ | PwC Japanグループのディール専門法人 |
| 規模 | 非開示(BIG4系FASの中では小さめとされる) | 非開示(国内FAS最大級の陣容とされる) | 非開示 |
| 主な領域 | 経営戦略、M&A/PMI、事業再生、フォレンジック | M&A、事業再生、フォレンジック、クライシスマネジメント | M&A、事業再生、インフラ/PPP |
| 国内拠点 | 東京・大阪・京都・名古屋・福岡の5拠点 | 全国複数拠点 | 東京中心 |
| 同一法人内のコンサル機能 | 別法人(KPMGコンサルティング) | 同一法人内(2025年12月の統合による) | 別法人(PwCコンサルティング) |
各社の公式サイト・公式採用ページ・公式プレスリリースの記載をもとに編集部が整理したものです。規模に関する評価は公式開示値に基づくものではありません。
最大の違いは法人構造
3社の中で構造的に最も大きな違いは、コンサルティング機能との関係です。デロイト トーマツは2025年12月の3法人合併により、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、リスクアドバイザリーが同一法人の内部組織となりました。一方、KPMGはKPMG FASとKPMGコンサルティングが別法人、PwCもPwCアドバイザリーとPwCコンサルティングが別法人です。
同一法人であることは部門横断の異動の可能性を理論上広げますが、別法人であることは、その法人が専門とする領域に組織のリソースと評価軸が集中することを意味します。どちらが優れているという話ではなく、キャリアの設計思想の違いです。
KPMG FASは「戦略」を自社に持つ
KPMG FASの構成上の特徴として、経営戦略コンサルティングを自社のサービスラインに含んでいる点が挙げられます。Strategy部門ではStrategy & Value Creation(経営・事業戦略立案、M&Aのプレ/イン段階支援、企業価値向上支援)を扱っており、ディールの前段階から関与する体制です。
デロイト トーマツやPwCも戦略機能を持ちますが、グループ内の別法人・別部門に置かれる構成が中心です。KPMG FASの場合、M&Aの戦略立案から実行、PMIまでを同じ法人の中で経験する道筋を描きやすい構造といえます。
選ぶ際の判断軸
- •案件の規模感:大型のクロスボーダー案件を数多く経験したいのか、ミドルマーケットで案件全体を見たいのか
- •組織の大きさ:分業が進んだ環境で専門を深めたいのか、担当範囲の広い環境で幅を持ちたいのか
- •戦略との距離:ディール実行に集中したいのか、戦略立案から関わりたいのか
- •隣接領域との接続:監査法人・税理士法人・コンサル法人との連携がどう組まれているか
- •拠点:東京以外での勤務可能性を残したいか
KPMGジャパン内での役割分担
KPMGジャパンは、監査・税務・アドバイザリーの3分野にわたる10のプロフェッショナルファームで構成されています。KPMG FASを理解するには、このグループ内での位置づけを押さえる必要があります。
| 法人 | 主な役割 | KPMG FASとの関係 |
|---|---|---|
| あずさ監査法人 | 監査・保証業務、リスクコンサルティング | 2025年4月にフォレンジック領域で50%ずつ出資する合弁会社を設立 |
| KPMG税理士法人 | 税務アドバイザリー | M&Aのストラクチャリングで税務論点を分担 |
| KPMGコンサルティング | 戦略・業務改革・AI/DX・リスクマネジメント(2014年設立) | 平時の経営課題を担当。FASは取引・有事を担当 |
| KPMG FAS | 経営戦略、M&A/PMI、事業再生、不正調査・危機対応(2001年設立) | — |
| KPMGヘルスケアジャパン | ヘルスケア領域の戦略・M&A・事業再生(2000年設立) | 医療・介護・福祉分野を業界特化で担当 |
| KPMG Forensic & Risk Advisory | 不正調査・予防、リスクアドバイザリー(2025年4月事業開始) | あずさ監査法人とKPMG FASの50%ずつの出資による合弁会社 |
KPMGジャパンの公式サイトおよび公式プレスリリースの記載をもとに編集部が整理したものです。10法人のうち主要な関係先を抜粋しています。
2025年4月のフォレンジック合弁会社設立
2025年4月1日、有限責任あずさ監査法人と株式会社KPMG FASが50%ずつ出資する合弁会社「KPMG Forensic & Risk Advisory」が事業を開始しました。公式発表では、有事発生時の迅速な対応と再発防止、平時からの予防・検知の支援を通じて企業のインテグリティ確保を実現するとされ、KPMG FASが約20年にわたり不正等の調査の実績でフォレンジック業界をリードしてきたと記載されています。
実務面では、KPMG FASのForensic部門の求人票に「入社後、グループ会社へ出向となります」との記載があり、この体制と関連していると考えられます。フォレンジック領域を志望する場合、雇用主体と実際の所属先の関係を選考過程で確認しておく価値があります。
グループ連携が案件にもたらすもの
M&Aの案件では、財務デューデリジェンスをFASが、税務ストラクチャリングを税理士法人が、統合後の業務・システム変革をコンサルティング法人が担うといった分担が生じます。KPMGジャパンの体制はこうした連携を前提に組まれています。
ただし、別法人であることは、日常的に同じチームで動くわけではないことも意味します。グループ連携の実際の頻度や進め方は案件によって異なるため、「グループの総合力」という言葉を過度に評価しないほうが実態に近い見方です。
評価される点
大手口コミサイトの公開集計値や公開情報から読み取れる、KPMG FASが評価されやすいポイントを整理します。以下は同社が公式に主張している内容ではなく、組織構成から導かれる特徴です。
担当範囲が広くなりやすい
BIG4系FASの中では組織規模が小さめとされるため、一人あたりが担う範囲は相対的に広くなりやすいと考えられます。大所帯のファームでは分業が進み、若手は特定のパートを深く担当することになりますが、少人数のチームでは案件全体を視野に入れる機会が早く訪れます。
ディールの一連の流れを早い段階で経験できることは、その後のキャリアにおける市場価値の面でも意味があります。
戦略からPMIまでの経験を1社で積める
経営戦略、M&A実行、PMI、事業再生、不正調査を同一法人のサービスラインとして持つ構成は、キャリアの中で扱う局面を広げやすい環境です。特にStrategy部門のIntegration & Separationは、人事、IT、サプライチェーン、マーケティング、経理財務といった機能別のチームを擁しており、ディールと機能の両面から専門性を組み立てられます。
会計・財務の専門性を活かせる受け皿
Corporate Financeでは公認会計士、税理士、証券アナリスト、MBAが歓迎資格として明記され、Financial Services Groupでは公認会計士でBIG4監査法人の金融監査経験3年以上といった要件が示されています。会計・財務の専門性を、監査以外の形で活かすキャリアの受け皿になっていることが求人要件から読み取れます。
地方拠点を持つ
東京・大阪・京都・名古屋・福岡の5拠点体制であり、新卒採用では東京事務所または大阪事務所からの選択が可能とされています。BIG4系FASの中では、東京以外の勤務地の選択肢が公式に示されている点が特徴です。ただし経験者採用の求人票は東京・大手町を勤務地とするものが中心です。
留意しておきたい点
評価と裏表の関係にある論点も整理しておきます。応募を判断する際は、両面を見たうえで自分の志向と照らすことが重要です。
規模の小ささは負荷の集中にもつながりうる
担当範囲の広さは裁量の大きさであると同時に、負荷が特定の人に集中しやすいことも意味します。大所帯のファームのように人員を厚く投入して繁忙期を乗り切る運用が取りにくい局面もありえます。
また、案件の規模や種類の絶対量という点では、より大きなファームに分があると考えるのが自然です。特定分野の大型案件を数多く経験したい場合、規模の差は無視できない要素になります。
情報の非対称性が大きい
KPMG FASは従業員数、売上高、平均年収、平均残業時間、選考フローのいずれも公式に開示していません。応募者が事前に得られる客観的な情報は限られており、インターネット上の情報も体験談ベースのものが中心です。
この非対称性は、選考過程での質問によって埋めるしかありません。志望部門の案件サイクル、チーム構成、昇格の考え方といった論点は、面接の場で具体的に確認する価値があります。
組織体制が動いている局面である
2025年4月のフォレンジック合弁会社の設立、CSS-AIX(AI Transformation)部門の設置など、同社の体制は近年変化しています。過去の口コミや体験談が現在の組織構成と一致しない可能性がある点は、情報を読む際の前提として押さえておくべきです。
KPMGコンサルティングとの違いを混同しやすい
「KPMG」という同じブランドの下に別法人が並ぶため、応募先を取り違えたり、志望動機が漠然としたまま選考に臨んだりするケースが起こりえます。KPMG FASは取引と有事、KPMGコンサルティングは平時の変革という役割分担を理解したうえで、なぜFASなのかを言語化しておく必要があります。
向く人・向かない人
ここまでの整理を踏まえ、KPMG FASという環境が合いやすいタイプ、合いにくいタイプを整理します。
向いている人
- •会計・財務を軸に、M&Aや事業再生の専門家としてキャリアを築きたい人
- •分業された環境より、案件全体を見渡せる環境で幅を持ちたい人
- •戦略立案からディール実行、PMIまでを一貫して経験したい人
- •公認会計士など資格・専門性を監査以外の形で活かしたい人
- •不正調査・危機対応といった有事対応に関心がある人
- •繁閑差のある働き方を、案件の性質として受け入れられる人
向いていない人
- •稼働が平準化された環境で、計画的に働きたい人
- •特定領域の大型案件を、豊富な件数で経験することを最優先したい人
- •業務プロセスやシステムの変革を主戦場にしたい人(KPMGコンサルティングのほうが適合しやすい)
- •事前に多くの定量情報を得たうえで意思決定したい人(同社の情報開示は限定的)
- •東京以外の拠点での勤務を中途入社時から前提としたい人(求人の多くは東京・大手町)
評判情報を読むときの姿勢
FAS系ファームは口コミの母数が小さくなりやすく、少数の投稿が全体の印象を左右します。部門によって働き方も文化も異なるため、法人全体の評価として語られる情報は、参考程度に留めるのが妥当です。
最も精度の高い情報は、志望部門の現場で働く人から得られるものです。選考過程で現場のメンバーと話す機会があれば、案件の進め方、チームの人数、繁忙期の実態といった具体的な論点を確認することをおすすめします。
よくある質問
- Q. KPMG FASの評判は良いですか?
- A. 組織規模がBIG4系FASの中では小さめとされるため、一人あたりの担当範囲が広く、案件全体を見渡しやすい点が評価されやすい一方、繁忙期の負荷が集中しやすいという裏返しもあります。FAS系は口コミの母数が小さく部門差も大きいため、法人全体の評価として語られる情報は参考程度に留めるのが妥当です。
- Q. BIG4系FAS3社(デロイト・PwC・KPMG)の違いは何ですか?
- A. 各社とも規模や年収を開示していないため、比較できるのは法人構造と組織構成です。最も大きな違いは、デロイト トーマツが2025年12月の3法人合併によりコンサルティングとFAが同一法人となったのに対し、KPMGとPwCはFASとコンサルティングが別法人である点です。またKPMG FASは経営戦略コンサルティングを自社のサービスラインに持ち、東京・大阪・京都・名古屋・福岡の5拠点体制を敷いています。
- Q. KPMG FASはBIG4系FASの中で規模が小さいのですか?
- A. 従業員数・売上高が公式に開示されていないため、客観的な数値で比較することはできません。デロイト トーマツのFA部門が国内FAS最大級の陣容とされるのに対し、KPMG FASは業界内で相対的に規模が小さめと語られることが多いという状況です。これは公式に確認できる事実ではない点にご留意ください。
- Q. KPMGコンサルティングとKPMG FASはどう違いますか?
- A. 別法人です。KPMG FAS(2001年設立)はM&A・PMI、事業再生、経営戦略、不正調査・危機対応といった取引と有事の局面を扱い、KPMGコンサルティング(2014年設立)は戦略策定、業務改革、AI/DX推進、リスクマネジメントといった平時の経営課題を扱います。PMIは両社が関わりうる領域のため、どの文脈で関わりたいかを明確にしておくことが重要です。
- Q. 2025年に設立されたKPMG Forensic & Risk Advisoryとは何ですか?
- A. 2025年4月1日に事業を開始した、有限責任あずさ監査法人と株式会社KPMG FASが50%ずつ出資する合弁会社です。有事発生時の対応と再発防止、平時からの予防・検知の支援を提供するとされています。KPMG FASのForensic部門の求人票には入社後にグループ会社へ出向となる旨が記載されており、この体制と関連していると考えられます。
- Q. KPMG FASの従業員数や売上高は公開されていますか?
- A. いずれも公式には開示されていません。会社概要ページで確認できるのは、社名、代表者、東京・大阪・京都・名古屋・福岡の5拠点の所在地、事業内容です。設立年(2001年)を含め、規模に関する定量情報は限定的です。
SUPERVISED BY — 監修者
監修者一覧 ›
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS
米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。
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