FAS働き方・激務度

KPMG FASの働き方|激務度と固定残業50時間が示すもの

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KPMG FASの働き方を考えるうえで、平均残業時間という単一の数値はあまり役に立ちません。ディールの締切に稼働が連動するため、繁忙期と閑散期の差が大きいからです。一方で、公式の募集要項には所定勤務時間、フレックスタイム制の適用範囲、固定残業時間といった具体的な数値が記載されており、ここから働き方の骨格は読み取れます。本ページでは公式情報を起点に、部門別の稼働イメージまで整理します。

この記事のポイント

  • ✓所定勤務時間は9:15〜17:15(休憩1時間・実働7時間)と公式求人票に明記されている
  • ✓新卒の基本年俸には固定残業50時間相当分が含まれ、超過分は別途支給される設計
  • ✓アソシエイト・シニアアソシエイトを対象にフレックスタイム制(コアタイムなしと記載する部門もある)が導入されている
  • ✓平均残業時間は公式非開示。ディールの進行に連動するため繁閑差が大きいのが構造的特徴
  • ✓休日は週休2日制(土日)、祝日、年末年始に加えて創立記念日が求人票に記載されている

公式に確認できる勤務条件

KPMG FASは平均残業時間や有給取得率といった労務指標を公式に開示していません。ただし、経験者採用および新卒採用の募集要項には勤務条件が具体的に記載されており、制度面の骨格は確認できます。

項目公式求人票の記載
所定勤務時間9:15〜17:15(休憩1時間/実働7時間)
フレックスタイム制アソシエイト・シニアアソシエイトを対象に導入(コアタイムなしと記載する部門もある)
固定残業新卒の基本年俸に50時間相当分を含む。超過分は別途支給
休日週休2日制(土・日)、祝日、年末年始、創立記念日
休暇年次有給休暇、特別休暇、慶弔休暇、出産育児休暇、介護休暇
新卒の有給付与日数初年度は4月入社で8日、10月入社で10日(最大年20日)
福利厚生社会保険完備、企業年金基金、カフェテリアプラン、財形貯蓄、マッサージルーム、育児・介護短時間勤務
勤務地東京事務所(千代田区大手町)が中心。大阪・京都・名古屋・福岡にも事務所

KPMG FASの公式採用ページおよび各部門の求人票の記載をもとに整理しています。部門・職位により運用が異なる場合があります。

実働7時間という所定労働時間

所定勤務時間が9:15〜17:15で休憩1時間、実働7時間という設定は、一般的な実働8時間の企業と比べると1時間短い設計です。これは監査法人系の法人でしばしば見られる勤務時間設定でもあります。

ただし、実働7時間はあくまで所定労働時間です。ディール業務では締切前に稼働が集中するため、実際の労働時間がこの範囲に収まるとは限りません。所定時間の短さは、残業時間の計算上の起点が早く来ることを意味する点にも留意が必要です。

固定残業50時間相当分が示唆すること

新卒の基本年俸600万円には、固定残業手当50時間相当分が含まれると公式に記載されています。これは「毎月50時間残業する」という意味ではなく、50時間分までは年俸に前払いで含める給与設計です。超過分は別途支給されることも明記されています。

とはいえ、企業が固定残業時間を設定する際は、実態としてありうる残業水準を織り込むのが通常です。参考として、デロイト トーマツのFA部門は新卒の初年度基本年俸550万円に月33時間分の前払い残業を含む設計です。この差を、繁忙期の稼働に対する前提の違いと読むことはできますが、実際の平均残業時間が両社で異なることを示す公式データはありません。

固定残業時間は給与設計上の数値であり、実際の平均残業時間を示すものではありません。KPMG FASは平均残業時間を公式に開示していません。

フレックスタイム制の適用範囲

求人票では、フレックスタイム制の対象がアソシエイトおよびシニアアソシエイトと明記されています。Forensic部門の求人票にはコアタイムなしとの記載もあります。一方、マネージャー以上の層についてフレックスタイム制の適用が明記された記述は確認できません。

若手層に時間の裁量が与えられている構造は、案件の繁閑に合わせて働き方を調整しやすい設計と読めます。ただし、クライアントとの会議やチーム内のレビューは通常の業務時間帯に設定されるため、実際にどこまで柔軟に運用できるかは案件次第です。

ディール型の働き方という構造

KPMG FASの働き方を理解するうえで最も重要なのは、仕事のリズムがクライアントの取引スケジュールに従属するという点です。これは総合系コンサルティングファームとは異なる構造です。

コンサルティングとの構造的な違い

ディールの締切は、クライアントの意思決定や相手方との交渉、入札のスケジュールによって決まります。自社の都合で動かせない締切に向けて作業が積み上がるため、繁忙期の負荷は高くなりやすい構造です。

その反面、案件が終われば稼働が落ちる局面が来ます。プロジェクトが長期にわたるコンサルティングと比べると、「常に忙しい」というより「波が大きい」という表現が実態に近いと考えられます。

観点FAS(ディール型)コンサルティング(プロジェクト型)
期間数週間〜数ヶ月と比較的短い案件が多い数ヶ月〜1年以上に及ぶ案件もある
締切取引実行日・入札日など外部要因で動かせない計画段階で調整の余地があることが多い
稼働の形締切直前に集中し、案件間に谷ができやすい期間を通じて比較的平準化しやすい
同時並行複数案件を並行して担当することがある1案件に専従することが多い
終わり方ディールの成立・不成立で明確に終わるフェーズの区切りで継続・終了が判断される

FAS業界とコンサルティング業界の一般的な業務特性を編集部が整理したものです。KPMG FASが公式に示した比較ではありません。

複数案件の並行が波を平らにすることもある

ディールが短期であることは、案件間の谷が生まれやすいことを意味します。ただし実務上は、この谷を埋めるように次の案件がアサインされることも珍しくありません。結果として、常時2〜3件を並行して担当する状態になる場合があります。

並行案件が増えると、それぞれの締切が重なったときに負荷が跳ね上がります。「1案件あたりの期間が短い」ことが必ずしも余裕を意味しない点は、入社前に理解しておくべきポイントです。

部門別の稼働イメージ

KPMG FASは部門別の労働時間を公表していません。以下は各部門が扱う業務の性質から、稼働の傾向を編集部が整理したものです。実際の状況は案件とチームにより大きく変動します。

部門稼働の特徴留意点
Corporate Finance案件のクロージングやサイニングに向けて集中的に稼働相手方との交渉スケジュールに左右され、突発的な対応が発生しやすい
Transaction Servicesデューデリジェンス期間に負荷が集中調査期間が明確に区切られるため、期間中の密度が高い
Turnaround & Restructuring再生計画の策定局面や金融機関との協議局面で高稼働有事対応のため時間的な余裕が乏しい局面がある
Forensic調査の初動フェーズに負荷が集中不正発覚は予告なく起きるため、突発対応の性質が強い
Strategy(Integration & Separation含む)統合作業の設計・実行フェーズに応じて中長期で稼働PMIは期間が長くなりやすく、コンサルティングに近いリズム
Financial Services Group金融セクターのディール・規制対応のスケジュールに連動クライアント業界の期末・規制対応の時期に影響を受ける

各部門の公式求人票に記載された業務内容をもとに、業務特性から編集部が推測した傾向です。KPMG FASが公式に開示した情報ではありません。

特に留意すべき2領域

事業再生(Turnaround & Restructuring)とフォレンジック(Forensic)は、いずれも企業の有事に対応する業務です。求人票には、事業の継続・売却・清算といった戦略オプションの検討や、私的整理・法的整理の支援、不正・不祥事の調査といった業務が挙げられています。

有事対応は、平時のプロジェクトのように準備期間を確保して着手できるとは限りません。この2領域を志望する場合は、突発的な稼働の可能性を織り込んでおく必要があります。

PMI・戦略系は比較的長期のリズム

Strategy部門のIntegration & Separationは、統合後の組織・人事・IT・サプライチェーン・経理財務といった機能の統合を支援します。ディールのクロージングという一点に向かって走る業務ではなく、統合完了までの中長期の設計・実行が中心です。

そのため、稼働のリズムはコンサルティングファームのプロジェクトに近くなると考えられます。「FASに関心はあるが、締切に追われる働き方は避けたい」という場合、この領域は検討の余地があります。

他ファームとの比較で見る働き方

働き方を他社と比較する際、公式に開示されている数値がほとんどないため、比較可能なのは制度面に限られます。

比較軸KPMG FASKPMGコンサルティングデロイト トーマツ(FA部門)
新卒の固定・みなし残業50時間相当分(基本年俸600万円に含む)公開情報からは確認できない月33時間分(初年度基本年俸550万円に含む)
所定勤務時間9:15〜17:15(実働7時間)公開情報からは確認できない公開情報からは確認できない
フレックスタイム制アソシエイト・シニアアソシエイトを対象に導入公開情報からは確認できない公開情報からは確認できない
平均残業時間公式非開示公式非開示公式非開示
働き方の型ディール型(繁閑差が大きい)プロジェクト型ディール型(繁閑差が大きい)

各社の公式採用ページの記載に基づきます。記載がない項目は「公開情報からは確認できない」としており、制度が存在しないことを意味するものではありません。

数値比較の限界

大手口コミサイトの公開集計値には各社の残業時間の推定が掲載されていますが、これらは回答者の職位・部門・在籍時期に強く左右されます。特にFAS系は回答者の母数が小さくなりやすく、平均値の信頼性は高くありません。

「どのファームが激務か」という比較よりも、「自分が配属される部門の案件サイクルはどうか」を確認するほうが、入社後の実感に近い情報が得られます。面接の場で、直近の案件の期間や同時並行の件数を具体的に尋ねるのが最も確実です。

規模が小さめであることの働き方への影響

KPMG FASはBIG4系FASの中では組織規模が小さめとされます。従業員数は公式に開示されていないため正確な比較はできませんが、この点は働き方に両面の影響を及ぼしうると考えられます。

一人あたりの担当範囲が広くなりやすく、若手のうちから案件全体を見渡せる可能性がある一方、大所帯のファームのように人員を厚く投入して負荷を分散する運用が取りにくい局面もありえます。裁量の大きさと負荷の集中は表裏の関係にあります。

勤務地と拠点

KPMG FASは東京事務所(千代田区大手町1-9-5 大手町フィナンシャルシティ ノースタワー)を本社とし、大阪、京都、名古屋、福岡に事務所を構えています。ただし、経験者採用の求人票の多くは勤務地を東京・大手町と記載しており、地方拠点の募集は限定的です。

新卒は東京・大阪から選択

新卒採用の募集要項では、勤務地は東京事務所または大阪事務所とされ、研修期間中は東京勤務と記載されています。中途で地方拠点を希望する場合は、募集の有無を個別に確認する必要があります。

クロスボーダー案件と出張

KPMG FASはKPMGのグローバルネットワークを活用したクロスボーダー案件への対応力を持つとされ、求人票でもビジネスレベルの英語力(部門によりTOEIC800点以上相当)が要件として挙げられています。海外拠点との連携や時差を挟んだやり取りが発生する案件では、業務時間の広がり方が国内案件と異なります。

海外出張の頻度や海外派遣制度の有無について、公式には具体的な記載がありません。この点を重視する場合は、選考過程での確認をおすすめします。

まとめ — 平均値より「波の形」を確認する

KPMG FASの働き方について、平均残業時間という単一の数値を追いかけても実像には近づきません。公式に確認できるのは、実働7時間の所定勤務時間、若手層へのフレックスタイム制、そして新卒の基本年俸に含まれる固定残業50時間相当分という制度面の情報です。

実際の稼働は、配属部門と担当案件によって決まります。ディールの締切に連動する構造上、繁閑の波は避けられません。応募を検討する際は、志望部門の直近の案件サイクル、同時並行で担当する件数、繁忙期の実態を、選考の場で具体的に確認しておくことをおすすめします。

  • •確認したいこと1:志望部門で、直近1年の案件の平均的な期間はどのくらいか
  • •確認したいこと2:一人が同時に担当する案件は何件が標準か
  • •確認したいこと3:繁忙期のピークはいつごろで、どのくらいの期間続くか
  • •確認したいこと4:フレックスタイム制やリモートワークが実際にどの程度使われているか
  • •確認したいこと5:有給休暇の取得状況(案件の谷でまとめて取る運用か)

よくある質問

Q. KPMG FASの平均残業時間はどのくらいですか?
A. 平均残業時間は公式に開示されていません。公式に確認できるのは、新卒の基本年俸600万円に固定残業手当50時間相当分が含まれ、超過分は別途支給されるという給与設計上の数値のみです。これは実際の平均残業時間を示すものではありません。ディール業務の性質上、繁閑差が大きい点を前提に考える必要があります。
Q. KPMG FASは激務ですか?
A. ディールの締切に稼働が連動するため、繁忙期の負荷は高くなりやすい構造です。一方で案件が終われば稼働が落ちる局面もあり、「常に忙しい」より「波が大きい」という表現が実態に近いと考えられます。事業再生とフォレンジックは有事対応のため突発的な稼働が発生しやすく、Strategy部門のPMI系は比較的中長期のリズムになります。
Q. フレックスタイム制やリモートワークはありますか?
A. フレックスタイム制については、公式求人票にアソシエイト・シニアアソシエイトを対象として導入されている旨が記載されており、コアタイムなしと記載する部門もあります。リモートワーク制度の有無や運用については、公式求人票に明確な記載が確認できないため、選考過程での確認をおすすめします。
Q. 所定の勤務時間は何時から何時までですか?
A. 公式求人票では9:15〜17:15(休憩1時間、実働7時間)と記載されています。一般的な実働8時間の企業より所定労働時間は1時間短い設計です。ただしこれは所定労働時間であり、実際の稼働は案件の状況に左右されます。
Q. 有給休暇は取れますか?
A. 新卒の募集要項では、初年度の年次有給休暇が4月入社で8日、10月入社で10日、最大で年20日と記載されています。取得率については公式に開示されていません。ディール型の働き方では案件と案件の谷でまとめて休暇を取る運用が一般的とされますが、KPMG FASの実際の運用を示す公式データはありません。
Q. デロイト トーマツFASと働き方は違いますか?
A. 両社ともディール型で繁閑差が大きいという構造は共通です。制度面で公開情報から比較できるのは新卒の固定・みなし残業時間で、KPMG FASが50時間相当分、デロイト トーマツのFA部門が月33時間分です。ただしこれは給与設計上の数値であり、実際の労働時間の差を示すものではありません。両社とも平均残業時間は公式非開示です。

SUPERVISED BY — 監修者

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辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

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