KPMG FASの年収は?職位別の水準とKPMGコンサルティングとの違い
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株式会社KPMG FASは、KPMGジャパンを構成する10法人のひとつで、M&A・事業再生・経営戦略・フォレンジックを担うディール専門ファームです。非上場のため平均年収の公式開示はありませんが、新卒採用の募集要項には基本年俸が明記されており、ここを起点に水準の全体像を描くことができます。本ページでは、同じKPMGジャパン内のKPMGコンサルティングとの違い、そしてBIG4系FAS3社の中での位置づけを含めて整理します。
この記事のポイント
- ✓公式に確認できる給与数値は新卒の基本年俸600万円〜(固定残業50時間相当分を含む、超過分は別途支給)
- ✓中途採用は全部門とも「年俸制+業績賞与(年1回)、経験・能力を考慮のうえ応相談」で、レンジは非開示
- ✓公開求人上の職位はジュニアアソシエイト→アソシエイト→シニアアソシエイト→マネージャー→シニアマネージャー→ディレクターの順
- ✓同じKPMGジャパンのKPMGコンサルティングは新卒学部卒570万円で、FASのほうが表面額は高いが固定残業の扱いが異なる
- ✓BIG4系FAS3社(デロイト・PwC・KPMG)はいずれも年収を公式開示しておらず、水準は収斂しやすい構造
公式に確認できる年収の数値
株式会社KPMG FASは非上場企業であり、有価証券報告書による平均年収の開示はありません。ただし、公式の新卒採用サイトには基本年俸が明記されており、ここが唯一の確定情報になります。
新卒の基本年俸は600万円〜(固定残業50時間相当分を含む)
公式の新卒採用サイト(M&A・戦略コンサルタント職/国内大卒)の募集要項では、基本年俸600万円〜と記載されています。この年俸には固定残業手当50時間相当分が含まれ、これを超過した勤務については別途支給される設計です。通勤交通費も別途支給とされています。
加えて、業績賞与が年1回支給されると明記されています。つまり600万円は賞与を含まない基本年俸であり、実際の年間支給額は業績賞与の分だけ上振れる構造です。ただし賞与の水準は公表されていません。
公式に確認できる数値:新卒の基本年俸600万円〜(固定残業50時間相当分を含む/超過分は別途支給/業績賞与は年1回別途)
公認会計士試験合格者の枠も基本年俸600万円〜
KPMG FASの新卒採用には「M&A・戦略コンサルタント職(国内大卒)」と「同(国内大卒/会計士)」の2枠があります。会計士枠は公認会計士試験の全科目合格者または合格見込み者を対象としますが、公式の募集要項に記載された基本年俸はいずれも600万円〜で、固定残業50時間相当分を含む点も同じです。
BIG4系FASの中には会計士合格者に別枠の年俸を設定している例もありますが、KPMG FASの公開情報上は、新卒時点での基本年俸に会計士枠固有の上乗せは明示されていません。資格が処遇にどう反映されるかは、入社後の評価・昇格を通じて表れる部分が大きいと考えられます。
中途採用の年収レンジは公開されていない
経験者採用(キャリア採用)については、Corporate Finance、Transaction Services、Turnaround & Restructuring、Forensic、Strategy、Financial Services Group、Client Value Analytics、CSS-AIX(AI Transformation)といった部門別に募集が行われています。いずれの求人票でも給与欄の記載は「年俸制/業績賞与年1回/経験・能力を考慮のうえ応相談」であり、具体的なレンジは示されていません。
したがって、以下で示す職位別の水準はいずれも公式開示値ではなく、大手口コミサイトの公開集計値や公開求人の一般的な傾向をもとに編集部が整理した目安である点にご留意ください。
日本の平均年収との比較
国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」による日本の給与所得者の平均年収は545万円です。新卒1年目の基本年俸600万円という水準は、賞与を除いた基本部分だけでこれを上回ることになります。
ただし、この600万円には月あたり50時間相当の固定残業が含まれます。時間単価に換算すると、額面の印象ほど高くはないという見方もできます。この点は後述の「報酬の構成」で詳しく整理します。
職位別の年収水準の目安
KPMG FASの公開求人で確認できる職位は、下からジュニアアソシエイト、アソシエイト、シニアアソシエイト、マネージャー、シニアマネージャー、ディレクターの順です。Strategy部門やTurnaround & Restructuring部門の募集要項では、これらの職位名が並列で提示されています。
| 職位 | 年収水準の目安 | 主な役割 |
|---|---|---|
| ジュニアアソシエイト/アソシエイト | 600万〜900万円 | 財務分析・バリュエーションモデル作成・調査と資料作成 |
| シニアアソシエイト | 900万〜1,200万円 | デューデリジェンス等のワークストリームを主導 |
| マネージャー | 1,200万〜1,600万円 | 案件のプロジェクトマネジメントとクライアント折衝 |
| シニアマネージャー | 1,600万〜2,000万円 | 複数案件の統括と提案・組成活動 |
| ディレクター/パートナー | 2,000万円以上 | 案件組成とクライアントリレーションの構築 |
最下位職位の下限(600万円)のみ公式の新卒募集要項に基づく基本年俸です。それ以外は大手口コミサイトの公開集計値等をもとに編集部が整理した目安であり、公式開示値ではありません。実際の提示額は職位・経験・評価により変動します。
職位名称の読み方に注意
FAS業界では投資銀行に近い職位名称(アナリスト/ヴァイスプレジデント)を用いるファームもあり、同じ役割でも呼称が異なります。KPMG FASの公開求人票では、アソシエイト系とマネージャー系を組み合わせた名称が用いられており、これはKPMGコンサルティングやあずさ監査法人といったKPMGジャパン内の他法人と比較しやすい体系です。
他社と比較する際は、名称ではなく「案件の一部を担う層」「ワークストリームを主導する層」「案件全体を管理する層」「案件を組成する層」という役割で対応づけると誤解が生じにくくなります。
| KPMG FASの職位 | デロイト トーマツFASの相当職位 | コンサルティング系の相当職位 |
|---|---|---|
| ジュニアアソシエイト/アソシエイト | アナリスト | ビジネスアナリスト/コンサルタント |
| シニアアソシエイト | シニアアナリスト | シニアコンサルタント |
| マネージャー | ヴァイスプレジデント | マネジャー |
| シニアマネージャー | シニアヴァイスプレジデント | シニアマネジャー |
| ディレクター/パートナー | パートナー | ディレクター/パートナー |
各社の公開求人票に現れる職位名称をもとに、役割ベースで編集部が整理した対応関係です。各社が公式に等級の対応を示しているわけではありません。
年収1,000万円到達の分岐点
上記の目安に沿って考えると、年収1,000万円に到達するのはシニアアソシエイトからマネージャーに至る過程です。新卒入社の場合、アソシエイトからシニアアソシエイトへの昇格に数年、そこからマネージャーまでにさらに数年というのが一般的なイメージですが、KPMG FASは昇格年次の標準モデルを公表していません。
中途入社の場合は、入社時にどの職位を提示されるかが、その後の年収カーブを大きく左右します。総額の多寡よりも、提示ランクを確認することのほうが重要です。
KPMGコンサルティングとの年収差
KPMGジャパンは、あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGコンサルティング、KPMG FAS、KPMGヘルスケアジャパン、KPMG Forensic & Risk Advisoryなど10のプロフェッショナルファームで構成されています。この中でコンサルティング系の応募先として比較されやすいのが、KPMGコンサルティングとKPMG FASの2社です。
新卒の基本年俸で比べると
表面上の金額だけを見れば、KPMG FASの600万円はKPMGコンサルティングの570万円を上回ります。ただしKPMG FASの600万円には50時間相当の固定残業が含まれており、KPMGコンサルティングの570万円について固定残業の内訳は公開情報からは確認できません。したがって「FASのほうが高い」と単純に結論づけることはできません。
| 法人 | 新卒1年目の給与(公式公開値) | 固定残業の扱い |
|---|---|---|
| KPMG FAS | 基本年俸600万円〜 | 50時間相当分を含む(超過分は別途支給) |
| KPMGコンサルティング | 学部卒570万円/院卒590万円 | 公開情報からは確認できない |
| デロイト トーマツ(FA部門) | 初年度基本年俸550万円 | 月33時間分を含む(超過分は別途支給) |
各社の公式採用ページに基づく公開値です。賞与の扱いや固定残業時間が各社で異なるため、額面の単純比較はできません。
中途以降の水準に大きな断層はないと考えられる
中途採用の年収レンジは両社とも非開示です。大手口コミサイトの公開集計値では、BIG4系FASの給与水準は総合系コンサルティングファームと同等以上とされることが多く、同一グループ内で極端な差が生じる構造ではないと考えられます。
実際、両社は同じKPMGジャパンのブランドで採用競争を行っており、片方だけが著しく低い水準を提示すれば人材の流出につながります。水準よりも、次項の「案件の性質」で選ぶほうが実務的です。
年収より「扱うテーマ」で選ぶ
KPMGコンサルティングは、戦略策定から業務改革、AI/DX推進、リスクマネジメントまでを扱う総合コンサルティング法人です。一方KPMG FASは、M&A、事業再生、経営戦略、不正調査といった、企業の「取引」と「有事」の局面に特化しています。
会計・財務のスキルを軸にディールの専門家として立ちたいならKPMG FAS、業界や機能のテーマを幅広く扱いたいならKPMGコンサルティング、という整理が判断の起点になります。この役割分担については、転職・選考対策のページでより詳しく扱っています。
BIG4系FAS3社の水準比較
BIG4系のFASおよびコンサルティングファームはいずれも非上場(合同会社・株式会社)であり、正確な平均年収は公開されていません。参考として、公開集計値が存在するコンサルティング各社の目安と併せて整理します。
| ファーム・部門 | 平均年収の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| デロイト トーマツ(FA部門) | 非開示 | 旧DTFA。国内FAS最大級の陣容。2025年12月に3法人統合 |
| PwCアドバイザリー | 非開示 | ディール専門法人。インフラ/PPPにも強み |
| KPMG FAS | 非開示(新卒基本年俸600万円〜) | 2001年設立。M&A・事業再生・戦略・フォレンジックを1社で担う |
| PwCコンサルティング | 約1,000万円 | Strategy&を内包・官公庁案件が厚い |
| デロイト トーマツ(コンサルティング部門) | 約950万円 | Monitor Deloitte・2025年12月に3法人統合 |
| KPMGコンサルティング | 非開示(新卒学部卒570万円〜) | 2014年設立。リスク・ガバナンスに強み |
各社とも非上場のため公式開示値ではありません。コンサルティング2社の平均年収はいずれも転職支援会社や口コミサイトの集計値をもとにした目安です。FAS各社は集計値の母数が小さく信頼できる平均値が示されていないため「非開示」としています。新卒の数値のみ各社の公式採用ページに基づきます。
BIG4間で水準が収斂する理由
BIG4各社は互いに人材を奪い合う関係にあり、1社だけが低い水準を提示すれば人材が流出します。結果として水準が収斂しやすく、「どのBIG4のFASが最も年収が高いか」という比較にはあまり意味がありません。
むしろ、扱う案件の規模、クロスボーダー比率、専門領域の厚みといった要素のほうが、キャリアと生涯年収への影響は大きいと考えられます。BIG4系FAS3社の実質的な違いについては、評判・口コミのページで詳しく整理しています。
規模が小さめであることの報酬面での意味
KPMG FASはBIG4系FASの中では組織規模が小さめとされます。従業員数を公式に開示していないため正確な比較はできませんが、デロイト トーマツのFA部門が国内FAS最大級の陣容とされるのに対し、KPMG FASは戦略・M&A・再生・フォレンジックを1社で担う構成です。
規模が小さいことは、報酬水準そのものを引き下げる要因とは限りません。一人あたりの担当範囲が広くなりやすく、若手のうちから案件全体を見渡せる可能性がある一方、繁忙期の負荷が特定の人に集中しやすいという裏返しもあります。年収と稼働のバランスで見るべき論点です。
報酬の構成と留意点
KPMG FASの公開求人票に共通して記載されている報酬の枠組みは、「年俸制」+「業績賞与(年1回)」です。年俸は経験・能力を考慮のうえ個別に決定される設計で、職位に応じたレンジがあると考えられますが、その幅は公表されていません。
- •給与形態は年俸制(求人票に共通して記載)
- •業績賞与は年1回支給(求人票に共通して記載)
- •新卒の基本年俸には固定残業手当50時間相当分が含まれ、超過分は別途支給
- •所定勤務時間は9:15〜17:15(休憩1時間・実働7時間)
- •アソシエイト・シニアアソシエイトを対象にフレックスタイム制が導入されている部門がある
- •福利厚生は社会保険完備、カフェテリアプラン、財形貯蓄、公認会計士企業年金基金など
固定残業50時間の意味を理解しておく
新卒の基本年俸600万円に含まれる固定残業は50時間相当分です。これは「毎月50時間残業する前提」を意味するものではなく、あくまで50時間分までは年俸に含めて前払いする、という給与設計です。ただし、50時間という設定自体は、ディール業務の繁閑差を織り込んだ数値と読むこともできます。
参考として、デロイト トーマツのFA部門は新卒の初年度基本年俸550万円に月33時間分の前払い残業を含む設計です。額面が高いほうが必ずしも時間単価で有利とは限らないため、金額と含まれる固定残業時間はセットで確認する必要があります。
提示額を見るときの3つの確認点
1職位(ランク)の確認
年収の総額よりも、どのランクでのオファーかが将来の伸びを決めます。シニアアソシエイトとマネージャーでは、その後の昇給カーブが異なります。
2基本年俸・固定残業・業績賞与の内訳
提示額のうち、いくらが基本年俸で、何時間分の固定残業が含まれ、業績賞与がどのように上乗せされるのかを分けて確認します。同じ総額でも実質的な時間単価は変わります。
3配属部門と案件サイクル
Corporate FinanceやTransaction Servicesはディールの締切に稼働が左右され、Turnaround & Restructuringは再生計画の局面で長期化することがあります。報酬と稼働の波を合わせて確認しておくと、入社後のギャップを防げます。
年収情報を読むときの注意点
KPMG FASの年収については、インターネット上に多くの推定値が流通しています。判断材料として使う際には、次の点を意識しておくと誤読を避けられます。
本ページの職位別水準は、新卒の基本年俸600万円を除き、すべて編集部が整理した目安です。公式開示値ではありません。
- •非上場のため平均年収の公式開示はなく、「平均◯◯万円」という数値は原則として推定値である
- •口コミ由来の集計値は回答者の職位構成に強く影響されるため、母数が小さいほど振れ幅が大きい
- •KPMG FASは部門ごとに求められる経験が異なり、同じ職位でも提示額に幅が生じうる
- •2025年4月にフォレンジック領域で合弁会社が設立されるなど組織体制が動いており、過去の情報が現状と一致しない場合がある
よくある質問
- Q. KPMG FASの平均年収はいくらですか?
- A. 株式会社KPMG FASは非上場のため、平均年収の公式開示はありません。公式に確認できるのは新卒の基本年俸600万円〜(固定残業50時間相当分を含む、超過分は別途支給)のみです。大手口コミサイトの公開集計値では、BIG4系FASは総合系コンサルティングファームと同等以上の水準とされています。
- Q. KPMGコンサルティングとKPMG FASでは、どちらが年収が高いですか?
- A. 新卒の公開値を並べると、KPMG FASは基本年俸600万円〜、KPMGコンサルティングは標準年収額625万1,147円(学士)です。いずれも1ヵ月あたり50時間相当分の固定残業手当を含む点は共通しており、算定の前提はそろっています。中途以降はいずれも非開示で、同一グループ内に大きな断層があるとは考えにくい構造です。
- Q. 年収1,000万円に到達するのはどの職位ですか?
- A. 公開求人上の職位はジュニアアソシエイト→アソシエイト→シニアアソシエイト→マネージャー→シニアマネージャー→ディレクターの順です。目安としては、シニアアソシエイトからマネージャーに至る過程が1,000万円到達の分岐点になると考えられます。いずれも公式開示値ではなく編集部が整理した目安です。
- Q. 公認会計士の資格は年収に反映されますか?
- A. 新卒採用には公認会計士試験合格者向けの枠が用意されていますが、公式の募集要項に記載された基本年俸は一般枠と同じ600万円〜です。中途採用の求人票では公認会計士が歓迎資格または必須資格として挙げられる部門があり、資格が応募可能なポジションの幅に影響することは確認できますが、年俸への上乗せ額は公表されていません。
- Q. 賞与はどのくらい支給されますか?
- A. 公式の求人票には「業績賞与 年1回支給」と記載されていますが、支給月数や水準は公表されていません。新卒の基本年俸600万円は賞与を含まない金額であるため、実際の年間支給額はこれに業績賞与が加わる構造です。
- Q. 他のBIG4系FASと年収差はありますか?
- A. デロイト トーマツのFA部門、PwCアドバイザリーを含め、BIG4系FASはいずれも中途の年収を公式に開示していません。各社は互いに人材を奪い合う関係にあるため水準が収斂しやすく、年収での比較にはあまり意味がないと考えられます。案件規模や専門領域の厚み、組織規模による働き方の違いで判断するほうが実務的です。
SUPERVISED BY — 監修者
監修者一覧 ›
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS
米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。
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