タナベコンサルティングの働き方|年間休日122日と有報の人的資本データ
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コンサルティングファームの働き方は、口コミの印象で語られがちです。タナベコンサルティンググループは上場企業として有価証券報告書に人的資本指標を開示しており、定着率や有給休暇取得率、育児休業取得率といった数値を検証できます。ここでは公式求人票の労働条件と、有価証券報告書の開示データを突き合わせて整理します。
この記事のポイント
- ✓公式求人票の労働条件は、所定労働時間7時間30分(8:45〜17:15)、年間休日122日・完全週休2日制、時間外手当30時間分を固定支給し超過分は別途支給。
- ✓有価証券報告書(2026年3月期)の開示では、定着率89.5%、有給休暇取得率71.8%(年間平均取得日数11.6日)、育児休業等取得率は男女とも100%、復帰率90%。
- ✓ハイブリッドワークとして週2回までのテレワークが公式求人票に明記されている。
- ✓女性管理職比率38.6%、女性採用比率40.0%、グループのDE&I比率は男性50.2%・女性49.8%。
- ✓全社平均の残業時間は公式には開示されていない。固定残業30時間分という求人票の記載が、実態を推し量る唯一の公式手がかりとなる。
公式求人票に書かれた労働条件
まず、募集要項として公開されている労働条件を確認します。同社が自社の採用管理システム上で公開しているキャリア採用のコンサルタント求人には、勤務時間・休日休暇・手当が具体的に記載されています。
所定労働時間は7時間30分で、8:45〜17:15の勤務、休憩60分が11:25〜12:25に固定されています。休憩時間が固定されている点は、クライアント先常駐型のファームとは異なる運用です。年間休日は122日で、完全週休2日制(土日祝、GW、年末年始)とされています。
| 項目 | 公式求人票の記載 |
|---|---|
| 勤務時間 | 8:45〜17:15(所定労働時間7時間30分) |
| 休憩 | 60分(11:25〜12:25で固定) |
| 時間外手当 | 30時間分を固定支給、超過分は別途支給 |
| 年間休日 | 122日(完全週休2日制/土日祝、GW、年末年始) |
| 有給休暇 | 10日〜最大20日を付与、時間単位有休制度あり |
| 特別休暇 | 積立ヘルスケア休暇制度を含む特別休暇あり |
| 勤務形態 | ハイブリッドワーク(週2回までテレワーク可) |
| 勤務地 | 東京本社・大阪本社・中部本部・九州本部・北海道支社・東北支社・新潟支社・北陸支社・中四国支社・沖縄支社のいずれか |
出典:企業公式の採用管理システム上のキャリア採用求人票(2026年9月13日確認)。応募職種や時期により条件が異なる場合があります。
残業時間は公式には開示されていない
全社平均の残業時間について、同社は公式に開示していません。有価証券報告書にも月平均残業時間の記載はありません。したがって「月何時間残業する会社か」を断定できる一次情報は存在しません。
唯一の公式な手がかりは、求人票に記載された「30時間分の時間外手当を固定支給し、超過分は別途支給」という条件です。固定残業時間の設定は、想定される時間外労働の水準を示す目安にはなりますが、実労働時間と一致するとは限りません。面接や選考の場で、配属予定チームの直近の実績を確認するのが確実です。
所定労働時間7時間30分が意味すること
1日の所定労働時間が7時間30分であることは、労働条件を比較するうえで見落とされがちな要素です。所定8時間の会社と比べると、同じ月給でも時間あたりの単価は高くなります。また時間外手当の計算基礎も、所定労働時間を基準に算出されます。
年間休日122日と組み合わせると、年間の所定労働時間はおおよそ1,822時間程度(243日×7.5時間)となります。他社と比較するときは、年収額だけでなく年間所定労働時間も揃えて見ると、条件の違いが把握しやすくなります。
有価証券報告書に開示された人的資本指標
第64期(2026年3月期)の有価証券報告書には「従業員の状況等」の章が置かれ、人材戦略・人材育成方針・社内環境整備方針とともに、達成状況が数値で開示されています。上場企業であるため、これらの数値は監査を経た報告書の一部として公表されています。
社内環境整備方針の項では、2026年3月期の実績として定着率89.5%、育児休業等取得率100%(男女とも)・復帰率90%、有給休暇取得率71.8%、女性管理職比率38.6%が達成されたと記載されています。加えて健康診断・人間ドック受診率100%、ストレスチェック受検率91.3%(高ストレス者率14%)、アブセンティーズム1.6日という健康関連指標も開示されています。
| 指標 | 2026年3月期の実績 | 備考 |
|---|---|---|
| 定着率 | 89.5% | 統合人事データ基盤による離職理由の分析・把握を実施 |
| 有給休暇取得率 | 71.8% | 年間平均有給休暇取得日数11.6日 |
| 育児休業等取得率 | 男女とも100% | 育児休業復帰率90% |
| 女性管理職比率 | 38.6% | 持株会社+事業会社タナベコンサルティング |
| 女性採用比率 | 40.0% | — |
| DE&I比率(グループ全体) | 男性50.2%/女性49.8% | 連結従業員843名ベース |
| 健康診断・人間ドック受診率 | 100% | — |
| ストレスチェック受検率 | 91.3% | 高ストレス者率14% |
| アブセンティーズム | 1.6日 | 健康起因の欠勤日数 |
出典:有価証券報告書 第64期(2026年3月期)「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等(1)人材戦略に関する基本方針等」。注記により、DE&I比率と従業員数はグループ全般、その他は持株会社および株式会社タナベコンサルティングに関する指標とされています。
柔軟な働き方の制度
有価証券報告書の社内環境整備方針では、実装済みの制度が具体的に列挙されています。ワークスタイルチェンジ、短日短時間勤務、子育て休暇、エフ休暇、ビジネスファッションコードの導入により、ライフステージを問わないキャリア継続環境を整備し、あわせて男性育児休業の取得を積極的に推進していると記載されています。
公式求人票でも、ハイブリッドワーク(週2回テレワーク可)、時間単位有休制度、育児短時間勤務(小学4年生まで拡充)、ワークスタイルチェンジ制度が案内されています。育児短時間勤務を小学4年生まで利用できる設定は、法定(3歳まで)を大きく上回る水準です。
またオフィス環境の改善、電子機器のアップデート、業務システムの導入といった働き方改革の投資も、コンサルタントの生産性向上施策として有価証券報告書に記載されています。
テレワークは週2回まで
リモート中心の働き方を想定している場合は注意が必要です。公式求人票の記載はハイブリッドワークであり、テレワークは週2回までとされています。残りの日は拠点への出社が前提となります。
同社は全国主要都市10地域に常駐するプロフェッショナルがチームで支援する体制を掲げており、地域に根ざした活動が事業モデルの前提になっています。この点は、案件単位で常駐先が変わるファームとも、フルリモートを許容するファームとも異なります。
福利厚生として開示されている内容
公式求人票には、退職金制度、持株会、財形貯蓄、健康診断(年2回)、総合福祉団体定期保険、ベネフィットステーション、外部健康相談サービス、社会保険完備が記載されています。健康診断が年2回という設定は、一般的な年1回より手厚い運用です。
グループ会社にコーポレートウェルビーイング全般を手がけるピースマインド株式会社(2025年6月に子会社化)があり、有価証券報告書でも健康経営の推進が方針として掲げられています。
拠点と配属人数
働き方を考えるうえで、どこに何人いるのかは重要な情報です。有価証券報告書の「主要な設備の状況」には、事業所ごとの従業員数が記載されています。
大阪本社166名、東京本社163名、中部本部(名古屋市中村区)19名、九州本部(福岡市博多区)23名、北海道支社他5事業所70名という配置です(持株会社と事業会社タナベコンサルティングの合算441名の内訳)。2017年4月から大阪本社と東京本社の2本社制を採っており、本店所在地は大阪市淀川区です。
地方拠点は1拠点あたりの人数が少なく、少人数で地域の顧客を担当する体制になります。チーム規模や相談できる先輩の数は拠点によって大きく異なるため、初任地の希望を出す際には確認しておきたい点です。
なお有価証券報告書では、東京本社の事務所の一部、および中部本部・九州本部・北海道支社他5事業所の全部を賃借していると記載されています。大阪本社は土地・建物を所有しており、帳簿価額も開示されています。拠点の持ち方から見ても、大阪が本店、東京が事業の中心という2本社制の構造が確認できます。
採用は全国の拠点を対象にした一括募集で、公式求人票では初任地の希望を出せる形式が取られています。ただし将来にわたって勤務地が固定されるかどうかについては公式には開示されていません。転居を伴う異動の有無は、選考の段階で確認しておくべき条件のひとつです。
| 事業所 | 所在地 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 大阪本社 | 大阪市淀川区 | 166人 |
| 東京本社 | 東京都千代田区 | 163人 |
| 中部本部 | 名古屋市中村区 | 19人 |
| 九州本部 | 福岡市博多区 | 23人 |
| 北海道支社他5事業所 | — | 70人 |
出典:有価証券報告書 第64期(2026年3月期)「第3 設備の状況 2 主要な設備の状況」。2026年3月31日現在。提出会社が所有・管理する設備を事業会社へ転貸しており、従業員数は持株会社と株式会社タナベコンサルティングの合算値です。
生産性向上とAI活用の方針
働き方を長期的に左右するのは、制度よりも業務のやり方が変わるかどうかです。有価証券報告書の人材戦略では、中核施策のひとつとして「AI活用を含む生産性向上」が明記されています。単なる労働時間の管理ではなく、業務そのものの効率を上げる方向が方針として掲げられている点は確認しておく価値があります。
コーポレート戦略の項では、DX認定事業者としてAI等への「スマートDX/AX投資」を推進し、AIネイティブ経営によってより一層の生産性向上を実現するとされています。またコンサルタントの生産性向上施策として、ハイブリッドワークの実施、オフィス環境の改善、電子機器のアップデート、業務システムの導入が具体的に挙げられています。
中期経営計画では、顧客企業の主体性を尊重しつつコンサルタントが現場に赴いて伴走型で実務を支援する「Consulting & BPaaS モデル」の推進も掲げられています。実務支援の比重が高まれば、常駐や現場対応の時間が増える可能性もあります。働き方への影響は一方向とは限らないため、配属予定領域でこのモデルがどの程度適用されているかを確認しておくとよいでしょう。
ナレッジ面では、成功事例やノウハウのデータベース整備と、企業内大学TCGアカデミーの専門学部によるコンサル専門スキルコンテンツの拡充が有価証券報告書に記載されています。個人の経験値だけに依存せず、蓄積された方法論を使って進める設計になっており、一人で抱え込む働き方になりにくい仕組みが整備されていることが読み取れます。
組織風土と評価のされ方
有価証券報告書の社内環境整備方針では、社員の心身の健康が企業価値向上の基盤であるとし、相互尊重に基づく組織風土の醸成と率直な対話の促進を掲げています。具体策として、キャリア支援シートの活用・フィードバック面談・チームワークサポートの実施によるエンゲージメントの維持向上と、管理職マネジメント品質の平準化が挙げられています。アサーション研修やアンガーマネジメント研修の実施も記載されています。
評価については、給与・報酬を「役割・等級・専門性・成果・行動」の5要素で構成し、短期的な売上のみならず、顧客成果、チームでの価値創出、人材育成への貢献、コンプライアンスの遵守も総合的に反映すると明記されています。個人の売上だけで処遇が決まる設計ではないことが、開示上は示されています。
なお、同社グループに労働組合は結成されていません。有価証券報告書には「労使関係は円満に推移している」と記載されています。労働条件の変更が労使交渉を通じて行われる仕組みではないため、制度改定の情報は会社側の開示や説明を通じて確認することになります。
人材育成の面では、TCGアカデミーを起点としたオンボーディングプログラムに加えて、各セグメントおよびグループ会社とのクロスアサインによる成果発揮機会とその報奨制度が新設されたと記載されています。所属チームの外で成果を出す経路が制度として用意されている点は、配属先だけでキャリアが固定されにくい設計と読めます。
また、キャリア支援シートの活用とフィードバック面談が施策として挙げられており、上司との1対1の対話が制度に組み込まれています。管理職マネジメント品質の平準化が課題として明示されていることは裏を返せば、上司によって運用にばらつきが生じうることを会社自身が認識している証左でもあります。配属予定チームの上長がどのような運用をしているかは、面接の場で確認しておくとよいでしょう。
選考時に確認しておきたい働き方の論点
公式に開示されている数値は多いものの、個人の働き方を左右する要素のすべてが開示されているわけではありません。特に、全社平均の残業時間、拠点・領域ごとの繁忙差、顧客創造(提案活動)に割く時間の比率は公式には開示されていません。
面接では、配属予定の拠点と領域における直近の残業実績、テレワークの実際の運用頻度、移動・出張の頻度、研究会やセミナーの運営が業務時間にどう組み込まれるかを確認するとよいでしょう。開示データはあくまで会社全体の平均であり、自分が置かれる環境とは異なりうる点を前提に質問を設計してください。
公式データで確認できるのは「年間休日122日・所定7時間30分・固定残業30時間分・定着率89.5%・有給取得率71.8%」までです。残業の実態値は開示されていないため、口コミの数値を事実として扱わず、選考過程で直接確認することをおすすめします。
よくある質問
- Q. タナベコンサルティンググループの年間休日は何日ですか?
- A. 公式求人票では年間休日122日、完全週休2日制(土日祝、GW、年末年始)と記載されています。所定労働時間は1日7時間30分(8:45〜17:15、休憩60分)です。
- Q. 残業は多いですか?
- A. 全社平均の残業時間は公式には開示されていません。公式求人票には時間外手当を30時間分固定支給し、超過分は別途支給すると記載されています。実態は拠点・領域・時期により異なるため、選考過程で配属予定チームの実績を確認することをおすすめします。
- Q. テレワークはできますか?
- A. 公式求人票にハイブリッドワークとして「週2回テレワーク可」と記載されています。フルリモート勤務の制度については公式には開示されていません。
- Q. 有給休暇はどのくらい取得されていますか?
- A. 有価証券報告書(2026年3月期)では有給休暇取得率71.8%、年間平均有給休暇取得日数11.6日と開示されています。制度としては時間単位有休制度も導入されています。
- Q. 育児と両立できる環境ですか?
- A. 有価証券報告書(2026年3月期)では育児休業等取得率が男女とも100%、育児休業復帰率90%と開示されています。公式求人票には育児短時間勤務を小学4年生まで拡充した旨が記載されており、法定の3歳までを上回る設定です。
- Q. 女性の比率はどのくらいですか?
- A. グループ全体のDE&I比率は男性50.2%・女性49.8%(連結従業員843名ベース、2026年3月期)です。女性管理職比率は38.6%、女性採用比率は40.0%と開示されています。
SUPERVISED BY — 監修者
監修者一覧 ›
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS
米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。
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主な参照元
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