EYストラテジー・アンド・コンサルティングの評判は?拡大局面の実態
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EYSCは2020年発足という新しさと、年間1,000人規模とされる採用ペースが特徴です。BIG4の中では拡大局面にあり、その性格が評判の内容を規定しています。本ページでは4社比較の視点から実態を整理します。
この記事のポイント
- ✓BIG4比較で残業月52時間、有給消化率65%程度と中間的な位置づけ
- ✓リモートはハイブリッド推進とされ、比較的柔軟
- ✓カルチャーは「外資系らしい成果主義」でPwCと同じ分類
- ✓従業員4,310名・中途比率約84%という急拡大が最大の特徴
- ✓Long-term valueを軸としたサステナビリティ・ESG領域への注力
BIG4内での位置づけ
BIG4は年収水準を揃えているため、選択の判断軸は働き方とカルチャーに移ります。公開されている集計値を並べると、EYSCの位置が見えてきます。
| ファーム | 残業時間 | 有給消化率 | リモート | カルチャー |
|---|---|---|---|---|
| PwCコンサルティング | 月48時間 | 70%以上 | 週3〜4日可能 | 外資系らしい成果主義 |
| KPMGコンサルティング | 月50時間 | 60%程度 | 中程度 | 国内企業的なバランス重視 |
| EYストラテジー・アンド・コンサルティング | 月52時間 | 65%程度 | ハイブリッド推進 | 外資系らしい成果主義 |
| デロイト トーマツ | 月65時間 | 50%程度 | プロジェクト次第 | 国内企業的なバランス重視 |
転職支援サービス等が公開している集計値をもとにした整理です。各社の公式開示値ではなく、算出基準も異なるため参考値としてご覧ください。
中間的だがPwC寄り
残業時間(月52時間)と有給消化率(65%程度)はBIG4の中で中間的な水準です。ただしPwC(月48時間・70%以上)に近く、デロイト(月65時間・50%程度)とは明確な差があります。
リモートもハイブリッド推進とされ、プロジェクト次第のデロイトより柔軟です。総じてPwC寄りの働き方と理解できます。
急拡大する組織であること
EYSCの評判を理解する最大の鍵が、組織の拡大スピードです。2020年発足でありながら4,310名(2025年7月1日時点)に達しています。
拡大がもたらすメリット
- •ポジションが継続的に生まれ、昇進機会が多い
- •中途採用比率が約84%と高く、外部からの参入がしやすい
- •新しい領域・サービスの立ち上げに関われる可能性がある
- •同じ立場の中途入社者が多く、馴染みやすい
拡大に伴う留意点
これらは急成長するどの組織にも共通する現象であり、EYSC固有の問題ではありません。安定した仕組みの中で働きたいか、変化の中で機会を掴みたいかという志向の違いが、評価を分けます。
- •組織の仕組みや制度が発展途上の側面がある
- •急拡大により、チームや上司が頻繁に変わる可能性がある
- •2020年発足のため、確立された社内文化はまだ形成途上
- •案件の質や難易度にばらつきが生じやすい
良い評価として挙がる点
サステナビリティ・ESG領域の先進性
EYグループは「Long-term value(長期的価値)」を共通理念に掲げ、短期的な財務成果にとどまらない企業価値の向上を支援対象としています。この理念のもと、サステナビリティやESG関連のテーマに早くから取り組んできました。
この領域は今後も需要拡大が見込まれるため、専門性を築ける環境として評価されています。他のBIG4と比べた明確な差別化要素です。
EY-Parthenonによる戦略・M&A領域
グローバル戦略ブランドEY-Parthenonを擁し、M&A戦略やポートフォリオ再編などディール起点の戦略案件に厚みがあります。BIG4系に在籍しながら戦略案件に関与できる点が魅力です。
働き方の柔軟性
残業月52時間、有給消化率65%程度、ハイブリッド推進というデータは、BIG4の中で中間からやや良好な位置づけです。デロイトと比べれば明確に働きやすい環境と言えます。
留意しておきたい点
- •「外資系らしい成果主義」で、個人の成果が明確に問われる
- •急拡大に伴い組織の仕組みが発展途上の側面がある
- •2020年発足のため、社内文化はまだ形成途上
- •3月・6月・12月といった繁忙期には残業が増える傾向
向く人・向かない人
向いている人
- •サステナビリティ・ESG領域の専門性を築きたい人
- •M&A起点の戦略案件に関わりたい人
- •拡大フェーズの組織で早期にポジションを得たい人
- •外資系らしい成果主義の環境を好む人
- •新しい領域の立ち上げに関わりたい人
向いていない人
- •確立された組織文化と仕組みの中で働きたい人
- •チームでの協働を最重視する人(デロイト・KPMGのほうが適合する可能性)
- •安定した案件構成を求める人
- •頻繁な組織変更を避けたい人
EY Japanの中でのEYSCの位置づけ
評判を読むうえで前提になるのが、EYSCがEY Japanのどの部分を担う法人なのかという点です。BIG4はいずれも複数法人でグループを構成しており、機能の切り分け方が各社で異なります。
監査法人・税理士法人とは別法人
EY Japanは、EY新日本有限責任監査法人(監査・保証業務)、EY税理士法人(税務)、EYSC(コンサルティングおよびストラテジー・アンド・トランザクション)、EY弁護士法人(法務)などで構成されています。EYSCはこのうちコンサルティングとディールを担う事業会社です。
監査法人と別法人であることは、監査独立性の観点から重要な意味を持ちます。監査を受任しているクライアントに対して提供できるサービスには制約が生じるため、案件構成にはこの規制が影響します。これはEYに限らずBIG4に共通する構造です。
| 法人 | 担う機能 |
|---|---|
| EY新日本有限責任監査法人 | 監査・保証業務 |
| EY税理士法人 | 税務サービス |
| EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 | コンサルティング/ストラテジー・アンド・トランザクション |
| EY弁護士法人 | 法務サービス |
| EYフォレンジック・アンド・インテリジェンス合同会社 | 不正調査・インテグリティ関連業務 |
| EY Japan株式会社 | グループの統括・管理業務 |
EY Japan公式サイトに掲載されている構成法人の一部を抜粋したものです(公式開示)。
EYにはFAS単独の法人がない
他のBIG4では、M&Aや事業再生といったディールアドバイザリー機能を独立した法人や部門として持ちます。デロイトのファイナンシャルアドバイザリー部門(旧DTFA)、PwCアドバイザリー、KPMG FASがこれにあたります。
EYは異なります。EYSCは2020年10月1日に、EYトランザクション・アドバイザリー・サービス株式会社(EYTAS)とEYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社(EYACC)が統合して発足した法人です。ディール機能とコンサルティング機能が最初から同一法人の中に置かれています。
この構造は評判の読み方にも影響します。「EYSCの働き方」「EYSCの年収」として語られる内容には、戦略・M&Aを担う人員と、業務・テクノロジー変革を担う人員の双方が含まれています。所属するサービスラインによって実態は相応に異なると考えるのが自然です。
| グループ | ディール/FAS機能の置き方 |
|---|---|
| EY Japan | EYSC内のサービスライン(EY-Parthenon)として保持 |
| デロイト トーマツ | 同一法人内のファイナンシャルアドバイザリー部門(旧DTFA) |
| PwC Japan | PwCアドバイザリー合同会社(別法人) |
| KPMGジャパン | 株式会社KPMG FAS(別法人) |
各グループの公式サイトで公表されている法人構成をもとに編集部が整理したものです。
グローバルEYとの関係
EYSCの評判には、グローバルのEYネットワークとの関係に触れるものが多く見られます。日本法人単独ではなく、グローバル組織の一部として動く場面がどの程度あるかという論点です。
EY-Parthenonはグローバルブランド
EY-Parthenonは日本独自の組織ではなく、EYのグローバル戦略ブランドです。同社の公式発表によれば、EY-Parthenonは150以上の国と地域で25,000人規模の専門家を擁するネットワークとされています。
2025年7月1日には、EY-Parthenonが戦略コンサルティングとトランザクション(M&A支援)を統合・拡張し、戦略立案から実行、事業再生、ポートフォリオ最適化までをエンド・ツー・エンドで提供する体制へ再編されたことが公式に発表されています。日本ではEYSCがこの領域を統括します。
この再編は、EYがディールと戦略を一体で扱う方向に振り切ったことを意味します。他のBIG4がFASを別法人として運営していることと対比すると、EYの特徴が理解しやすくなります。
Long-term valueという共通言語
「Long-term value(長期的価値)」はEYグループ全体で共有される理念であり、日本法人だけの標語ではありません。グローバルで共通の枠組みを使うため、海外オフィスとの連携時に前提のすり合わせが容易という評価につながっています。
一方で、グローバル共通の方法論が前提となる場面では、日本市場固有の事情に合わせた柔軟性が制約されるという見方もあります。どちらの側面を重視するかは、志向によって評価が分かれる部分です。
評価が分かれる点の整理
| 論点 | 肯定的に語られる面 | 厳しく語られる面 |
|---|---|---|
| グローバル連携 | 共通の方法論とネットワークを使える | 本国主導の枠組みに合わせる負荷がある |
| 組織の若さ | ポジションが生まれやすく裁量を得やすい | 制度・仕組みが発展途上 |
| ディールと戦略の一体運営 | M&Aの上流から実行まで一貫して関われる | 案件の性格の幅が広く、専門性が定まりにくい場合がある |
| 成果主義 | 年次によらず評価される | 成果が出ない局面でも明確に可視化される |
公開されている評価の傾向を編集部が両論併記の形で整理したものです。個別の評価は所属サービスライン・チームにより異なります。
本ページの数値の出所
評判に関する情報は出所によって性格が異なります。本ページで扱った数値の区分を明示します。
| 項目 | 内容 | 出所の区分 |
|---|---|---|
| 設立・統合の経緯 | 2020年10月1日、EYTASとEYACCの統合 | 公式開示(EY Japanリリース) |
| 従業員数 | 4,310名(2025年7月1日時点)/4,429名(2026年5月1日現在) | 公式開示(EYSC会社概要) |
| EY-Parthenonの規模 | 150以上の国と地域で25,000人 | 公式開示(EY Japanリリース) |
| 残業時間・有給消化率 | 月52時間/65%程度 | 公開集計値(公式非開示) |
| リモート・カルチャーの評価 | ハイブリッド推進/外資系らしい成果主義 | 公開されている評価傾向の整理 |
| 中途採用比率・年間採用規模 | 約84%/1,000人規模 | 公開されている推計値(公式非開示) |
残業時間・有給消化率・カルチャー評価はいずれも公式開示値ではありません。回答者の属性に偏りがあり得るほか、算出基準も統一されていないため、幅を持って読むことをおすすめします。
よくある質問
- Q. EYSCの残業時間はどのくらいですか?
- A. 転職支援サービス等の集計では月52時間とされ、BIG4の中では中間的な水準です。PwC(月48時間)に近く、デロイト(月65時間)とは明確な差があります。3月・6月・12月といった繁忙期には増える傾向があります。
- Q. 組織が急拡大していると聞きましたが実態はどうですか?
- A. 2020年発足でありながら従業員数は4,310名(2025年7月1日時点)に達し、中途採用比率は約84%、年間採用規模は1,000人規模という推計もあります。ポジションが継続的に生まれる一方、組織の仕組みや文化は発展途上の側面があります。
- Q. 他のBIG4と比べた特徴は何ですか?
- A. 「Long-term value(長期的価値)」を理念に掲げ、サステナビリティ・ESG関連テーマに早期から注力してきた点が最大の差別化要素です。また拡大ペースが速く、ポジションが継続的に生まれている点も他社との違いです。
- Q. 有給休暇は取りやすいですか?
- A. 有給消化率は65%程度とされ、BIG4の中では中間的な水準です。PwC(70%以上)には及びませんが、デロイト(50%程度)より良好な数値です。
- Q. どのようなカルチャーですか?
- A. 「外資系らしい成果主義」と評されることが多く、PwCと同じ分類にあたります。個人の成果が明確に評価される風土で、「国内企業的なバランス重視型」とされるデロイト・KPMGとは対照的です。
- Q. EYSCはEY新日本有限責任監査法人とどういう関係ですか?
- A. 同じEY Japanを構成する別法人です。EY新日本有限責任監査法人が監査・保証業務を、EYSCがコンサルティングおよびストラテジー・アンド・トランザクションを担います。監査を受任しているクライアントへ提供できるサービスには独立性規制上の制約が生じますが、これはBIG4に共通する構造です。
- Q. 評判に関する数値はどこまで信頼できますか?
- A. 残業月52時間・有給消化率65%程度・選考倍率といった数値は公式非開示で、公開されている集計値や推計値です。回答者の属性に偏りがあり得るほか算出基準も統一されていないため、幅を持って読む必要があります。公式に確認できるのは設立経緯、資本金、従業員数(4,310名/2025年7月1日時点、4,429名/2026年5月1日現在)などの会社概要の数値です。
SUPERVISED BY — 監修者
監修者一覧 ›
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS
米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。
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