フィールドマネージメントへの転職 — 求められる人材と少数採用の実態
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フィールドマネージメント(現・株式会社FIELD MANAGEMENT STRATEGY)は、約50名規模とされる少数精鋭の戦略ブティックです。年間で数百名規模を採用する総合系ファームとは、採用の考え方も選考の性格もまったく異なります。一方で、同社は選考フローや募集要項を広く公開しているわけではなく、応募を検討する側から見ると情報が非常に限られます。本ページでは、公開情報から確実に言えることと、確認できていないことを明確に分けたうえで、転職を検討する際の判断材料を整理します。
この記事のポイント
- ✓組織規模は約50名とされ、採用人数は年間で限られます。欠員補充や事業拡大に応じたピンポイント採用が中心になる構造です
- ✓2023年1月以降はFIELD MANAGEMENT STRATEGY(戦略)とFIELD MANAGEMENT EXPAND(コミュニケーションデザイン実行)の2社体制。応募先がどちらの法人かで職務内容が大きく変わります
- ✓経営陣にはマッキンゼー、ゴールドマン・サックス、ボストン コンサルティング グループ出身者が在籍するとされ、プロフェッショナルファーム出身者の比重が高い組織です
- ✓選考フロー・応募要件・採用人数は公式に開示されておらず、公式サイトも本調査時点(2026年8月)ではアクセスを確認できませんでした
- ✓戦略立案だけでなく実行・事業運営まで踏み込む事業構造のため、「提言で終わらない仕事」に耐性があるかが実質的な適性判断の軸になります
前提:採用情報の公開度が非常に低い
転職を検討するうえで最初に押さえるべきなのは、同社の採用情報が一般に広く公開されていないという事実です。大手ファームであれば、公式採用サイトに職種別の募集要項、選考フロー、応募資格、入社後のキャリアパスが整理されています。同社にはそうした網羅的な公開資料が見当たりません。
さらに、本記事の調査時点(2026年8月)において、同社の公式サイト(www.fieldmanagement.co.jp)はアクセスを確認できませんでした。2022年のグループ参画と2023年のブランド統合を経て、情報発信の窓口が変わっている可能性があります。したがって、本ページで「選考は◯回で、こういう質問がされる」といった具体的なフローを断定することはできません。
以下では、公式プレスリリースや親会社の発表から確実に言えること、事業構造から論理的に導けること、そして応募者自身が確認すべきことを分けて記載します。推測を事実として提示することは避けています。
選考回数・応募資格・年間採用人数はいずれも公式非開示です。本ページは公開情報から言えることと、確認すべき論点の整理に徹しています。
どのような組織に入ることになるのか
採用要件を推し量る前に、入社後に属する組織の輪郭を理解しておく必要があります。同社は2009年9月、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の並木裕太氏が株式会社フィールドマネージメントとして設立した戦略コンサルティングファームです。並木氏は慶應義塾大学経済学部を卒業後、2000年にマッキンゼーへ入社し、その後ペンシルベニア大学ウォートン校でMBAを取得しています。
同社は設立以来、大規模化を志向せず、少数精鋭のブティック体制を維持してきました。公開されている企業情報によれば、従業員数は約50名規模とされています。経営陣にはマッキンゼー、ゴールドマン・サックス、ボストン コンサルティング グループの出身者が在籍するとされ、プロフェッショナルファームや投資銀行のバックグラウンドを持つ層が中核を担う構成です。
| 法人 | 主な事業領域 | コンサルタント志望者との関係 |
|---|---|---|
| FIELD MANAGEMENT STRATEGY | 戦略コンサルティング/戦略連動のクリエイティブ/新規事業開発・運営/次世代リーダー育成 | 戦略コンサルタントとしての主な応募先 |
| FIELD MANAGEMENT EXPAND | コミュニケーションデザイン/広告映像制作/デジタル/メディアプランニング/イベント・PR | クリエイティブ・広告領域の職種が中心 |
2022年10月6日発表・2023年1月1日始動のブランド統合に関する公式プレスリリースをもとに整理。
2社体制における立ち位置
2023年1月1日のブランド統合以降、FIELD MANAGEMENTは2社体制で運営されています。FIELD MANAGEMENT STRATEGY(FMS)が戦略コンサルティング、戦略と連動したクリエイティブの制作・運用、新規事業開発・運営、次世代リーダー育成を担当します。FIELD MANAGEMENT EXPAND(FMX)はコミュニケーションデザイン、テレビCM・広告映像制作、デジタルコミュニケーション、メディアプランニング、イベント・PR・コンテンツ制作を担います。
コンサルタントとしての転職を考えている場合、対象となるのは通常FMSです。ただし、この2社は同一ブランドの下で連携しており、案件によっては両社が関わる可能性があります。求人情報に接した際は、募集主体がどちらの法人であるかを必ず確認してください。
経営体制
ブランド統合時点でのFIELD MANAGEMENT STRATEGYの体制は、代表取締役会長に創業者の並木裕太氏、代表取締役社長に中村健太郎氏が就任する形でした。公開されている企業情報では、その後も代表取締役として中村健太郎氏の名前が記載されています。
創業者が単独で率いる体制から、経営陣が分担する体制へ移行している点は、少数精鋭ファームの転職を検討するうえで見落とせない変化です。「創業者の思想に惹かれて応募する」場合でも、日常的にどの経営陣と働くことになるのかは面談で確認しておく価値があります。
求められる人材像 — 事業構造から読み解く
同社は応募資格を公開していません。ただし、公表されている事業内容と組織規模から、どのような人材が機能しやすいかは論理的に整理できます。以下は求人要件の引用ではなく、事業構造からの読み解きである点にご留意ください。
① 一人で経営者と向き合える成熟度
同社の支援スタイルは、案件単位の受発注ではなく、クライアント経営者のパートナーとして中長期で伴走することに特徴があります。約50名という組織規模では、大手ファームのように複数名のチームで役割を細かく分担する余地が限られます。
結果として、比較的早い段階から経営トップと直接議論する場面が想定されます。分析力に加えて、経営者の意思決定の文脈を理解し、対等に議論を成立させる胆力が問われる構造です。逆に、指示された分析タスクを丁寧にこなすことに強みがあるタイプにとっては、環境の適合度をよく見極める必要があります。
② 提言で終わらせない実行志向
同社の事業には「戦略と連動したクリエイティブ制作・運用」「新規事業開発・運営」が明記されています。戦略コンサルティングという言葉から連想される、提言書を納品して終わる仕事とは範囲が異なります。
実行フェーズに入れば、成果は資料の完成度ではなく事業の数字で測られます。泥臭い調整や、思い通りに進まない現場でのやり切りを含めて仕事だと捉えられるかどうかが、適性の分かれ目になります。
③ 領域横断への関心
同社は創業初期からスポーツビジネスの経営支援に取り組んできたことで知られ、2019年にはモータースポーツ領域のField Management Racingを設立するなど、一般的な戦略ファームとは異なる領域にも展開してきました。ブランド統合以降は、広告・コミュニケーション領域との接点も強まっています。
特定インダストリーの専門性を深く積み上げたい人よりも、領域をまたいで経営課題に向き合うことに面白さを感じる人のほうが噛み合いやすい構造だと考えられます。
想定されるバックグラウンドと、その活かし方
経営陣にプロフェッショナルファーム出身者が並ぶ組織であることから、コンサルティングファームや投資銀行のバックグラウンドを持つ人材が中心になっていると考えられます。ただし、同社が事業会社出身者を採用しないという情報はなく、実行・事業運営に踏み込む事業構造を踏まえれば、事業側の経験が評価される場面も想定されます。
| バックグラウンド | 想定される評価ポイント | 面談で示すべきこと |
|---|---|---|
| 戦略系・総合系ファーム出身 | 論点設計と経営層とのコミュニケーションの型ができている | 大手の分業体制に依存せず、単独で成果を出した経験 |
| 投資銀行・PE・VC出身 | 事業価値の見立てと投資的な思考 | 分析にとどまらず、投資後の事業関与に踏み込んだ経験 |
| 事業会社の経営企画・新規事業 | 実行フェーズの当事者経験と現場の推進力 | 構想を数字に変えた具体的なプロセスと結果 |
| 広告・マーケティング領域 | ブランド統合後のコミュニケーション実行との接続 | 戦略の言語と実行の言語を往復できること |
同社の求人要件の引用ではなく、公開されている事業構造と組織像からの整理です。実際の要件は募集ごとに異なります。
「大手ファーム基準の実績」だけでは決まりにくい
大量採用を行うファームでは、学歴・在籍ファーム・職位といった属性が一次的なスクリーニング基準として機能します。一方、年間数名規模の採用では、その時点で組織に足りない機能を埋められるかという観点が前面に出ます。
したがって、経歴の華やかさよりも「入社後すぐ、どの領域で、誰に対して価値を出せるか」を具体的に語れることが重要になります。少数精鋭の組織ほど、抽象的な意欲表明は評価につながりにくいと考えるのが妥当です。
選考プロセス — 公開されていない前提での準備の仕方
繰り返しになりますが、同社の選考回数や面接内容は公開されていません。ここでは、戦略コンサルティングファーム全般に共通する選考の型を一般論として示したうえで、少数精鋭ファーム特有の留意点を補足します。同社固有の情報ではない点にご注意ください。
上記は戦略コンサルティングファーム一般の選考の型であり、同社が実際にこのフローを採用していることを示すものではありません。応募時に企業側へ直接ご確認ください。
11. 書類選考(一般論)
戦略ファームでは職務経歴書における論点の粒度が見られます。担当業務の羅列ではなく、どの経営課題に対して何を判断し、どんな結果が出たかを、他社の人間が読んで再現できる水準で書くことが基本です。
22. ケース面接(一般論)
戦略ファームの選考ではケース面接が用いられるのが一般的です。フレームワークの当てはめよりも、限られた情報のなかで筋の良い仮説を立て、議論を通じて修正できるかが見られます。
33. 経営陣との面談(少数精鋭ファーム特有)
組織が小さいほど、意思決定者が早い段階で面接に登場します。相互に見極める場という性格が強く、こちらから事業や体制について質問することが自然に受け入れられやすい傾向があります。
44. 条件面談
報酬水準が公開されていないため、この場が実質的に唯一の情報源です。固定給と変動給の内訳、評価サイクル、所属法人、想定される担当領域を確認します。
面談で必ず確認したい5つの論点
情報が少ない企業を検討する場合、面談は「評価される場」であると同時に「情報を取りに行く場」です。同社の場合、特に以下の5点は自分から確認する価値があります。
- •応募しているのはFIELD MANAGEMENT STRATEGYとFIELD MANAGEMENT EXPANDのどちらか、職務内容はどこまでか
- •グループ再編以降、案件構成やクライアント層にどのような変化があったか
- •自分が入る場合、最初に想定される案件・役割・チーム構成は具体的にどうなるか
- •評価はどのタイミングで誰が行い、昇格はどのように判断されるか
- •実行・事業運営フェーズにどの程度関与するのか、その際の稼働イメージはどうか
情報が出てこない場合の解釈
これらの質問に対して具体的な回答が得られない場合、それ自体が判断材料になります。組織が小さいことは、体制が固まりきっていないことの裏返しでもあり、それを裁量と捉えるか不確実性と捉えるかは人によって異なります。
重要なのは、「情報がないまま雰囲気で決めない」ことです。特に大手ファームからの転職では、これまで当然に用意されていた研修・評価制度・キャリアパスの明文化が、必ずしも同じ水準では存在しない可能性を織り込んでおく必要があります。
向いている人・慎重に検討すべき人
少数精鋭のブティックファームは、大手と優劣を比較するものではなく、そもそも別の種類の職場です。同社を検討する際は、「大手戦略ファームの縮小版」ではなく、「経営者に伴走し実行まで踏み込む、独自の事業モデルを持つ組織」として評価することをおすすめします。
向いていると考えられる人
- •経営者と直接向き合い、中長期の関係のなかで成果を出すことに価値を感じる人
- •戦略立案だけでなく、実行・事業運営まで自分の責任範囲だと捉えられる人
- •整った制度や研修がなくても、自力で学習と成果創出のサイクルを回せる人
- •スポーツ・エンターテインメントや広告・コミュニケーションなど、大手ファームで扱いにくい領域に関心がある人
慎重に検討したほうがよい人
- •明文化された等級・報酬テーブルと、予測可能なキャリアパスを重視する人
- •体系的な研修プログラムやメンター制度による育成を前提としたい人
- •特定インダストリーの専門性を大手のナレッジ基盤の上で深く積み上げたい人
- •組織や事業体制の変化を、キャリアのリスクとして重く見る人
よくある質問
- Q. フィールドマネージメントの中途採用は行われていますか?
- A. 募集状況は公式に開示されておらず、本調査時点(2026年8月)では公式サイトのアクセスも確認できませんでした。約50名規模の少数精鋭のため、採用は年間を通じて常時大量に行われる性質のものではないと考えられます。最新の募集状況は企業へ直接ご確認ください。
- Q. 選考フローは何回くらいですか?
- A. 公開されていません。戦略コンサルティングファーム一般では書類選考、ケース面接、経営陣との面談という流れが多く見られますが、同社が実際にどのようなフローを採っているかを示す公開情報は確認できていません。
- Q. 未経験からでも応募できますか?
- A. 応募資格が公開されていないため断定できません。ただし経営陣にマッキンゼー、ゴールドマン・サックス、ボストン コンサルティング グループ出身者が在籍するとされる組織であり、約50名規模で育成余力が限られることを踏まえると、即戦力性が重視される可能性が高いと考えられます。
- Q. FIELD MANAGEMENT STRATEGYとEXPANDのどちらに応募すべきですか?
- A. 戦略コンサルタントとしてのキャリアを想定するならFIELD MANAGEMENT STRATEGYが対象となります。EXPANDはコミュニケーションデザイン、広告映像制作、デジタル、メディアプランニング、イベント・PRなどを担う法人です。募集主体がどちらかを必ず確認してください。
- Q. グループ入りで働き方や仕事内容は変わりましたか?
- A. 2022年5月にAOI TYO Holdings(現・KANAMEL)グループへ参画し、2023年1月にブランド統合を経て2社体制になりました。戦略とクリエイティブ実行の一気通貫提供が掲げられており、案件構成に影響している可能性はありますが、変化の具体的な内容は開示されていません。面談で直接確認することをおすすめします。
- Q. 大手ファームからの転職先として妥当ですか?
- A. 目的次第です。経営者への伴走と実行までの関与を求めるなら合理的な選択肢になり得ます。一方で、明文化された制度・研修・キャリアパスや、大規模なナレッジ基盤を重視する場合は、環境の違いを十分に見極める必要があります。
SUPERVISED BY — 監修者
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監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS
米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。
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