フィールドマネージメントの評判は?強みと留意点を公開情報から検証する
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フィールドマネージメント(現・株式会社FIELD MANAGEMENT STRATEGY)は、マッキンゼー出身の並木裕太氏が2009年に設立した少数精鋭の戦略ブティックとして知られています。ただし、この会社の評判を語るうえで難しいのは、情報の絶対量が少ないことと、2022年以降のグループ再編で組織の姿が変わっていることです。設立当初の評判がそのまま現在に当てはまるとは限りません。本ページでは、公開情報から確認できる事実を基礎に、強みと留意点を中立的に整理します。
この記事のポイント
- ✓2009年9月にマッキンゼー出身の並木裕太氏が設立。大規模化を志向せず、約50名規模の少数精鋭ブティックを維持してきた点が最大の特徴です
- ✓経営者に中長期で伴走し、戦略立案だけでなく実行支援・新規事業の共同開発運営まで踏み込む事業モデルが、大手ファームとの明確な差別化要素です
- ✓スポーツビジネスへの早期からの関与や、2019年のField Management Racing設立など、大手ファームが扱いにくい領域での独自ポジションを築いてきました
- ✓2022年5月にAOI TYO Holdings(現・KANAMEL)グループへ参画し、2023年1月にxpdと統合。独立系ブティックから上場企業グループの一員へと立ち位置が変化しています
- ✓非上場かつ小規模のため公開情報が非常に限られ、年収・残業・選考フローといった実務的な情報を事前に確認する手段はほぼありません
何が評価されてきた会社なのか
同社の評判を理解するには、まず創業の文脈を押さえる必要があります。設立は2009年9月、創業者は並木裕太氏です。並木氏は慶應義塾大学経済学部を卒業後、2000年にマッキンゼー・アンド・カンパニーへ入社し、ペンシルベニア大学ウォートン校でMBAを取得しています。マッキンゼーという世界最大級の戦略ファームで経験を積んだうえで、あえて対極とも言える少数精鋭のブティックを立ち上げたという経緯そのものが、同社のポジションを規定してきました。
同社が掲げてきたのは、案件単位の受発注ではなく、クライアント経営者のパートナーとして中長期で伴走するというスタイルです。戦略立案にとどまらず、戦略に連動した実行支援、さらにはクライアントと共同での新規事業の開発・運営にまで踏み込む。この「提言で終わらない」姿勢が、同社が語られる際の中心的な文脈です。
評判を検証する際に注意すべきなのは、こうした自己規定はあくまで会社側の説明であるという点です。実際の案件でどこまで実行に踏み込んでいるか、個々のプロジェクトの成果がどうであったかを、外部から網羅的に検証する手段はありません。本ページでも、公表されている事業の説明とその構造的な含意を扱うにとどめます。
同社は非上場かつ少数精鋭のため、実績・案件・組織運営に関する公開情報が限られます。本ページは断定的な評価ではなく、確認できる事実と構造的な読み解きを提示します。
強みとして評価されているポイント
| 特徴 | 内容 | 他の戦略ファームとの違い |
|---|---|---|
| 組織規模 | 約50名規模の少数精鋭 | 数百〜数千名規模の総合系とは分業構造が異なる |
| 支援スタイル | 経営者への中長期の伴走 | プロジェクト単位の受発注が中心の大手と対照的 |
| 関与範囲 | 戦略立案+実行支援+新規事業の共同運営 | 提言で完結しない設計 |
| 独自領域 | スポーツ・エンターテインメント等 | 大手のインダストリー区分に収まりにくい領域 |
| グループ機能 | FIELD MANAGEMENT EXPAND との連携 | クリエイティブ実行機能を同一ブランド内に持つ |
公式プレスリリースおよび一般に公開されている企業情報をもとに整理(2026年8月時点)。
① 経営者との距離が近い
約50名規模とされる組織で、経営者に直接向き合うスタイルを取るということは、コンサルタント一人あたりが経営トップと接する頻度が構造的に高くなることを意味します。大手ファームでは、若手が経営陣と直接議論する機会は限られ、パートナーやマネージャーを経由するのが通常です。
この距離の近さは、成長機会という観点で大きな価値を持ちます。経営者がどのように意思決定し、何に迷い、何を根拠に踏み切るのかを間近で見る経験は、フレームワークの習熟では代替できません。同社が語られる際に繰り返し挙がる論点です。
② 実行・事業運営まで踏み込む事業モデル
コンサルティング業界では、提言が実行されずに終わる問題が長く指摘されてきました。同社の事業には、戦略と連動したクリエイティブ制作・運用、新規事業開発・運営が明記されており、実行フェーズへの関与を前提とした設計になっています。
この構造は、成果の測られ方を変えます。資料の質ではなく事業の数字で評価される場面が増えるということであり、コンサルタントとしての手触りを重視する人にとっては魅力になります。同時に、実行の難易度と不確実性を引き受けることでもあります。
③ 大手が扱いにくい領域での独自性
同社は創業初期からスポーツビジネスの経営支援に取り組んできたことで知られています。2019年にはモータースポーツ領域のField Management Racingを設立するなど、一般的な戦略ファームのポートフォリオには収まらない展開も行ってきました。
スポーツやエンターテインメントは、事業性とファンとの関係構築が交差する領域であり、標準的な収益最大化のロジックだけでは扱いきれません。この種の領域に取り組んできた蓄積は、大手ファームとは異なる独自の資産と言えます。
④ 戦略とクリエイティブの一体提供
2023年1月のブランド統合により、戦略を担うFIELD MANAGEMENT STRATEGYと、コミュニケーションデザインの実行を担うFIELD MANAGEMENT EXPANDが同一ブランドの下に並びました。公式には、経営戦略とクリエイティブの距離をなくすことが統合の狙いとして説明されています。
戦略コンサルティングファームとクリエイティブ企業が同一ブランドで並ぶ構造は、国内では珍しい形態です。戦略の立案からコミュニケーション施策の実行までを一つの座組みで担える点は、他の戦略ファームにはない特徴です。
留意点として押さえておくべきこと
強みだけを並べても検討材料にはなりません。同社を評価するうえで、公平に見ておくべき留意点を整理します。いずれも欠点というより、少数精鋭・非上場・再編途上という条件から生じる構造的な特性です。
① 情報の非対称性が大きい
年収、残業時間、選考フロー、評価制度、キャリアパス。転職判断に必要な実務情報のほとんどが公開されていません。加えて、本記事の調査時点(2026年8月)では同社の公式サイト(www.fieldmanagement.co.jp)へのアクセスを確認できませんでした。グループ再編を経て情報発信の窓口が変わっている可能性があります。
この状況は、応募者に対して情報収集の負担を強く求めます。逆に言えば、選考プロセスで得られる一次情報の価値が非常に高いということでもあります。
② 「創業者のファーム」から体制が移行している
同社は長らく創業者である並木裕太氏の名前とともに語られてきました。しかし2022年5月のグループ参画に際して並木氏はAOI TYO Holdingsおよびxpdの取締役に就任し、2023年1月のブランド統合時点ではFIELD MANAGEMENT STRATEGYの代表取締役会長、代表取締役社長には中村健太郎氏が就任しています。
並木氏個人の思想や発信に惹かれて同社に関心を持った場合、実際に日々働く環境がその印象と一致するかどうかは、別途確認すべき論点です。組織が創業者中心のフェーズを超えて移行していることは、良し悪しではなく事実として押さえるべきです。
③ 独立系ブティックではなくなっている
「独立系の少数精鋭ブティック」という評判は、2022年5月より前の姿を指しています。現在の同社はKANAMEL(旧AOI TYO Holdings)の完全子会社であり、上場企業グループの一員です。
グループに属することは、財務基盤や案件供給という面では安定要因になり得ます。一方で、意思決定の独立性や案件選択の自由度という観点では、独立系だった時期とは条件が異なります。どちらを重視するかは検討者次第です。
④ 事業規模は大手と大きく異なる
同社は設立時の資本金500万円(2022年時点の公表値)という規模から出発した会社であり、数千億円規模の売上を持つ総合系ファームとは事業の器がまったく違います。公開情報として伝えられている直近期(2025年12月期)の単体業績も、純利益は赤字とされています。
単年度の損益だけで会社の健全性を判断することはできませんし、投資フェーズや再編の影響も考えられます。ただし、大規模組織の安定した収益基盤を前提とした働き方・報酬設計とは異なる環境である、という認識は必要です。
業界内でのポジション
同社を業界地図のどこに置くかは、比較対象の取り方によって変わります。日系の独立系ファームという括りでは、経営共創基盤(IGPI)やドリームインキュベータと並べられることがあります。いずれも戦略立案にとどまらず事業に踏み込む姿勢を掲げている点で共通します。
ただし、規模と情報開示の面では大きな差があります。ドリームインキュベータは東証プライム上場企業として有価証券報告書で平均年間給与(2026年3月期で約1,221万円)を開示しており、外部から水準を確認できます。IGPIについても公開集計値ベースで約1,000〜1,200万円という目安が語られます。これに対し同社は非開示です。
また、戦略とクリエイティブ実行を同一ブランド内に持つという構造は、他の独立系ファームには見られない特徴です。同社を「日系戦略ファームの一つ」として横並びで比較するより、「戦略コンサルティングと広告・コミュニケーション実行が接続した独自形態」として理解するほうが実態に近いと考えられます。
| 観点 | 同社 | 上場している日系独立系ファームの例 |
|---|---|---|
| 上場区分 | 非上場(KANAMEL 完全子会社) | 東証プライム上場(例:ドリームインキュベータ) |
| 年収の確認可否 | 不可(公式非開示) | 有価証券報告書で平均年間給与を確認可能 |
| 組織規模 | 約50名規模 | 単体で100〜200名規模、連結ではさらに大きい |
| 事業範囲 | 戦略+実行+新規事業運営+クリエイティブ連携 | 戦略+事業投資・インキュベーション等 |
比較のための整理であり優劣を示すものではありません。数値は各社の公表資料・公開集計値の性質が異なります。
評判をどう検証するか
情報が少ない企業ほど、出所の不確かな評判が流通しやすくなります。同社について何かを判断する際は、以下の手順で情報の質を見極めることをおすすめします。
11. 情報の時点を確認する
2022年5月のグループ参画と2023年1月のブランド統合を境に、会社の姿は変わっています。それ以前の記述を現在の評判として扱わないよう、情報の日付を必ず確認します。
22. 対象法人を確認する
FIELD MANAGEMENT STRATEGYとFIELD MANAGEMENT EXPANDは事業内容が異なります。どちらについての話なのかが曖昧な情報は、そのまま受け取らないほうが安全です。
33. 数値情報は母数を確認する
約50名規模の会社について語られる平均年収・平均残業時間は、集計の母数がごく小さい可能性があります。母数が示されていない数値は参考値として扱いません。
44. 一次情報にあたる
親会社KANAMELの発表や、同社名義の公式プレスリリースなど、発信元が明確な資料を優先します。二次的なまとめ記事は情報の更新が遅れていることがあります。
55. 選考プロセスで直接確認する
最終的に最も信頼できるのは、面談で得られる説明です。案件構成、体制、評価、稼働について具体的に質問し、回答の具体性そのものを判断材料にします。
総括 — 誰にとって良い会社なのか
同社は、大手ファームと同じ軸で評価すべき会社ではありません。規模、制度の整備度、情報開示、ナレッジ基盤といった項目で比べれば、大手に及ばない部分が出るのは当然です。それは同社が選んでこなかった方向だからです。
評価されるべきなのは、経営者と直接向き合い、戦略から実行までを引き受け、大手が扱いにくい領域に踏み込んできたという独自の立ち位置です。この価値を求めている人にとっては、代替の効きにくい選択肢になり得ます。
一方で、2022年以降の変化を踏まえれば、「独立系ブティック」というイメージだけで判断するのは適切ではありません。上場企業グループの一員として、戦略とクリエイティブ実行が接続した新しい形態へ移行している途上にあります。この移行をどう評価するかが、現在の同社を検討する際の中心的な論点になります。
そして最も実務的な結論は、情報が少ないという事実そのものを織り込むことです。年収も稼働も選考も、事前に確かめられません。だからこそ、選考プロセスで納得できるまで質問し、その回答の具体性で判断することが、この会社に対する最も合理的な向き合い方だと言えます。
本ページは公開情報に基づく整理であり、個別の評価や推奨を行うものではありません。数値・制度・募集状況は変動しますので、必ず企業へ直接ご確認ください。
よくある質問
- Q. フィールドマネージメントの評判は良いのですか?
- A. 一概に評価できるだけの公開情報がありません。経営者との距離の近さ、実行まで踏み込む事業モデル、スポーツなど独自領域での取り組みが特徴として語られる一方、非上場・約50名規模のため年収や労働環境の情報が乏しく、外部から検証できる材料が限られます。
- Q. マッキンゼー出身者が作った会社というのは本当ですか?
- A. はい。2009年9月に、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の並木裕太氏が株式会社フィールドマネージメントとして設立しました。並木氏は慶應義塾大学経済学部を経て2000年にマッキンゼーへ入社し、ペンシルベニア大学ウォートン校でMBAを取得しています。
- Q. いまも並木裕太氏が経営しているのですか?
- A. 2023年1月のブランド統合時点で、FIELD MANAGEMENT STRATEGYの代表取締役会長に並木裕太氏、代表取締役社長に中村健太郎氏が就任しました。並木氏は2022年5月のグループ参画時にAOI TYO Holdings(現・KANAMEL)およびxpdの取締役にも就任しています。創業者単独で率いる体制からは移行しています。
- Q. 独立系のブティックファームですか?
- A. 2022年5月9日にAOI TYO Holdings(現・KANAMEL)グループへ参画して以降は、同社の完全子会社という位置づけです。設立から2022年4月までは独立系でしたが、現在は上場企業グループの一員であり、「独立系ブティック」という表現は現状には当てはまりません。
- Q. スポーツビジネスに強いというのは事実ですか?
- A. 同社は創業初期からスポーツビジネスの経営支援に取り組んできたことで知られ、2019年にはモータースポーツ領域のField Management Racingを設立しています。個別案件の詳細や成果を網羅的に検証できる公開資料はありませんが、この領域への継続的な関与は同社の特徴の一つです。
- Q. 情報が少なくて不安ですが、どう判断すればよいですか?
- A. 情報が少ないこと自体を前提条件として受け止めるのが現実的です。2022年以降の再編で会社の姿が変わっているため、古い情報をそのまま参照するのは避け、親会社や同社名義の公式発表など一次情報にあたること、そして選考プロセスで案件構成・評価・稼働について具体的に質問し、その回答の具体性で判断することをおすすめします。
SUPERVISED BY — 監修者
監修者一覧 ›
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS
米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。
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