エル・ティー・エス(LTS)の年収|有価証券報告書の開示値と職位別モデル

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株式会社エル・ティー・エス(LTS)は東証プライム上場(証券コード6560)のため、年収の代表値を推測ではなく有価証券報告書で確認できます。2025年12月期の平均年間給与は671万1千円、平均年齢34.8歳、平均勤続年数4年11ヶ月。ただしこれは提出会社(LTS単体・456名)の数値であり、連結1,003名の平均ではありません。本ページでは、この開示値と公式採用サイトの職位別モデルを、それぞれ何を指す数字なのかを区別して読み解きます。

この記事のポイント

  • ✓2025年12月期の有価証券報告書における平均年間給与は671万1千円。平均年齢34.8歳、平均勤続年数4年11ヶ月、従業員数456名(提出会社ベース、賞与および基準外賃金を含む)
  • ✓前期(2024年12月期)の583万6千円から87万5千円・約15.0%の増加。同じ定義・同じ開示書類での経年比較ができる
  • ✓この671万1千円は提出会社=LTS単体の値。連結従業員1,003名(子会社を含む)の平均給与は開示されていない
  • ✓公式新卒採用サイトの「役割と報酬の一例」では、コンサルタント職が入社2年目スタッフ約500万円、6年目マネージャー約1,300万円+賞与、10年目シニアマネージャー約1,600万円+賞与と例示されている
  • ✓中途入社時の職位別年収レンジは公式には開示されていない。公式採用ジョブボードの募集ポジションにも給与欄の掲載がない
  • ✓有価証券報告書では男女の賃金の差異も開示され、全労働者65.0%、正規雇用労働者67.4%(2025年12月31日現在)

平均年間給与は671万1千円(2025年12月期・有価証券報告書)

LTSは2017年12月に東京証券取引所マザーズへ上場し、2020年7月に市場第一部、2022年4月の市場区分見直しでプライム市場へ移行しました。上場企業として毎期有価証券報告書を提出しているため、平均年間給与が定義付きで開示されています。

2026年3月23日に提出された第24期(2025年1月1日〜2025年12月31日)の有価証券報告書では、「従業員の状況」に提出会社の従業員数456名(ほか臨時雇用者29名)、平均年齢34.8歳、平均勤続年数4年11ヶ月、平均年間給与6,711千円と記載されています。注記では「平均年間給与には、賞与及び基準外賃金を含んでおります」と明示されており、基本給のみの数字ではありません。

コンサルティング業界では非上場のファームが多く、転職検討時に参照できる年収情報が口コミサイトの集計値に限られることが少なくありません。LTSの場合は、対象範囲・時点・平均年齢がセットで示された数値を、提出書類から直接確認できます。この点は同業他社と比較するうえで大きな利点です。

平均年間給与671万1千円/平均年齢34.8歳/平均勤続年数4年11ヶ月/従業員数456名(2025年12月31日現在・提出会社ベース・賞与および基準外賃金を含む)

「提出会社ベース」の意味を押さえる

671万1千円は提出会社、すなわち株式会社エル・ティー・エス単体の従業員456名を母集団とする平均です。同じ有価証券報告書では、連結会社の従業員数が1,003名(プロフェッショナルサービス事業958名、プラットフォーム事業45名)と記載されていますが、この1,003名の平均給与は開示されていません。

LTSは連結子会社として、エル・ティー・エス リンク、エル・ティー・エス ソフトウェアテクノロジー、ワクト、日比谷コンピュータシステム、日比谷リソースプランニング、ME-Lab Japan、LTS ASIAを擁しています。システム開発やITサービス運用を担う会社も含まれるため、グループ全体の平均はLTS単体とは異なる可能性が高いと考えるのが自然です。入社を検討する際は、どの法人に所属するポジションなのかを応募段階で確認してください。

平均年齢34.8歳との組み合わせで読む

平均年収を他社と比べるときに欠かせないのが平均年齢です。LTSの提出会社ベースの平均年齢は34.8歳、平均勤続年数は4年11ヶ月。有価証券報告書のサステナビリティ記載でも「従業員の多くが20代であり」という組織特性が明記されており、若手比率の高い構成であることがうかがえます。

平均年齢が若いほど平均年収は下がりやすくなります。したがって671万1千円という数値は、同じ年齢帯で他社と比較して初めて意味を持ちます。「平均年収が高い=個人の待遇が良い」とは限らない点に注意が必要です。

前期からの推移:583万6千円から671万1千円へ

有価証券報告書の利点は、同じ定義の数値を年度ごとに追える点にあります。2025年3月31日提出の第23期(2024年12月期)有価証券報告書では、提出会社の従業員数431名、平均年齢34.5歳、平均勤続年数4年7ヶ月、平均年間給与5,836千円と記載されていました。

2025年12月期の6,711千円は、前期比で87万5千円、率にして約15.0%の増加です。同期間に平均年齢は34.5歳から34.8歳へ0.3歳、平均勤続年数は4年7ヶ月から4年11ヶ月へ4ヶ月伸びており、従業員数も431名から456名へ増えています。

決算期平均年間給与平均年齢平均勤続年数従業員数(提出会社)
2024年12月期(第23期)583万6千円34.5歳4年7ヶ月431名
2025年12月期(第24期)671万1千円34.8歳4年11ヶ月456名

いずれも各期の有価証券報告書「従業員の状況(2)提出会社の状況」の開示値。平均年間給与には賞与および基準外賃金を含む。臨時雇用者数(2024年12月期25名、2025年12月期29名)は外数。

増加をそのまま「昇給率」と読まない

平均年間給与の増加は、必ずしも在籍者全員の給与が同率で上がったことを意味しません。昇給のほか、職位構成の変化、賞与原資の増減、新卒・中途の採用構成、退職者の属性など複数の要因が平均値を動かします。

2025年12月期は連結経常利益が12億9,300万円(前期比21.0%増)と伸びた一方、親会社株主に帰属する当期純利益は6億9,600万円(前期比28.5%減)でした。賞与が業績連動で変動する設計であれば、単年度の平均値の動きは業績のブレも反映します。1期の増減ではなく、複数期の傾向として見るのが安全です。

会社全体の業績も合わせて確認する

報酬の原資を支えるのは事業の収益力です。LTSの連結売上高は2021年12月期73億7,500万円、2022年12月期96億3,700万円、2023年12月期122億4,200万円、2024年12月期165億9,200万円、2025年12月期171億100万円と推移しています。2023年10月の株式会社HCSホールディングス(現・日比谷コンピュータシステム)グループの連結子会社化が、2023年から2024年にかけての伸びに大きく寄与しました。

2025年12月期の営業利益は11億8,500万円(前期比7.0%増)。同社は2025年12月期から2027年12月期を「2nd Growth Plan」期間と位置づけ、営業利益年平均成長率20%超を目指すと有価証券報告書に記載しています。収益性の回復を優先する方針が示されている点は、中期的な報酬原資を考えるうえでの材料になります。

公式採用サイトが示す職位別の報酬モデル

LTSの公式新卒採用サイトには「入社後のキャリア・役割報酬例」という項目があり、職種別に役割と年収の一例が掲載されています。有価証券報告書の平均値とは性格が異なる数値ですが、職位が上がったときの到達イメージを知るうえで参考になります。

重要なのは、これが新卒入社を前提としたモデルケースだという点です。全社員の支給実績でも、中途入社時の提示レンジでもありません。「入社◯年目」という表現も標準的なキャリアの一例として示されたものです。

職種タイミング役割年収(公式サイトの例示)
コンサルタント職入社2年目スタッフ約500万円
コンサルタント職入社4年目チームリーダー約700万円+賞与
コンサルタント職入社6年目マネージャー約1,300万円+賞与
コンサルタント職入社10年目事業部長/シニアマネージャー約1,600万円+賞与
エンジニア職入社3年目シニアスタッフ約550万円
エンジニア職入社6年目チームリーダー約750万円+賞与
ビジネスプロデュース職入社2年目ビジネスプロデューサー約400万円
ビジネスプロデュース職入社3年目チームリーダー約550万円+賞与

公式新卒採用サイト「役割と報酬の一例」(2026年9月13日確認)に掲載されたモデルケース。新卒入社を前提とした例示であり、全社員の支給実績や中途入社時の提示額ではありません。「+賞与」と付記された金額は賞与を別建てとする表記です。

マネージャーが報酬の分岐点

コンサルタント職のモデルでは、チームリーダーの約700万円+賞与からマネージャーの約1,300万円+賞与へと、金額が大きく跳ねます。プロジェクト全体の設計・品質・採算とメンバー育成に責任を持つ職位に上がることが、報酬面での明確な分岐点として設計されていることがわかります。

公式採用サイトのコンサルタント職の説明には「入社後3年でマネージャーに早期昇格し活躍する先輩社員もいます」との記載があり、年次によらない昇格の余地があることも示されています。ただしこれは事例の紹介であり、標準的な昇格スピードを保証するものではありません。

職種によって水準と伸び方が異なる

同じモデルでも、エンジニア職は入社3年目シニアスタッフで約550万円、6年目チームリーダーで約750万円+賞与、ビジネスプロデュース職は入社2年目で約400万円、3年目チームリーダーで約550万円+賞与と、職種ごとに提示が異なります。ビジネスプロデュース職は連結子会社であるエル・ティー・エス リンクへの出向という形をとる旨も公式サイトに記載されています。

公式採用サイトの「データで見るLTS」(2025年実績)によれば、職種構成比はコンサルタント職56%、システムアーキテクト職13%、ビジネスマネジメント職12%、ITサービス職11%、ビジネスプロデュース職8%です。人数の過半をコンサルタント職が占める構成である点も、提出会社ベースの平均値を読むときの前提になります。

中途採用の年収レンジは公式非開示

LTSのキャリア採用は公式採用ジョブボード(lt-s.snar.jp)から職種・ポジションを選んで応募する形式ですが、掲載されている各ポジションに給与欄はなく、想定年収のレンジは公表されていません(2026年9月13日確認)。したがって中途入社時の提示額は、公開情報からは把握できません。

オファー段階で確認したいのは、基本給と賞与の内訳、みなし残業や裁量労働手当の有無と時間数、評価による賞与の変動幅、そして初年度と平年度で支給条件が変わるかどうかです。有価証券報告書の平均年間給与には賞与と基準外賃金が含まれているため、提示額を比較する際も同じ範囲でそろえる必要があります。

男女の賃金の差異も開示されている

有価証券報告書では、女性活躍推進法にもとづく指標も開示されています。2025年12月31日現在の提出会社の数値は、管理職に占める女性労働者の割合13.7%、男性労働者の育児休業取得率69.2%、労働者の男女の賃金の差異は全労働者65.0%、うち正規雇用労働者67.4%、うちパート・有期労働者34.8%です。

男女の賃金の差異は、同一職務での賃金格差を直接示す指標ではなく、男女それぞれの平均賃金の比率です。管理職比率や職種構成、勤続年数の違いが数値に反映されます。女性管理職比率が13.7%であることと合わせて読むと、上位職位の男女構成の偏りが賃金差の一因になっている構図が見えてきます。

指標2025年12月31日現在(提出会社)
管理職に占める女性労働者の割合13.7%
男性労働者の育児休業取得率69.2%
男女の賃金の差異(全労働者)65.0%
男女の賃金の差異(正規雇用労働者)67.4%
男女の賃金の差異(パート・有期労働者)34.8%

2025年12月期有価証券報告書「従業員の状況(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」より。女性活躍推進法および育児・介護休業法の規定にもとづき算出された数値。

他社と比較するときの3つの注意点

コンサルティングファームの年収比較は、数値の出所がそろっていないと簡単に誤読につながります。LTSの数字を他社と並べるときは、以下の3点を確認してください。

  • •出所の種類をそろえる:有価証券報告書の平均年間給与、公開求人票の提示レンジ、口コミサイトの集計値は、母集団も定義も異なる別種の数字です。LTSの671万1千円は有価証券報告書の開示値であり、非上場ファームの口コミ集計値と単純に並べることはできません。
  • •範囲をそろえる:LTSの開示値は提出会社単体(456名)です。連結(1,003名)やグループ全体の数値ではありません。他社が連結ベースで開示している場合、そのままの比較は成立しません。
  • •平均年齢をそろえる:LTSの平均年齢は34.8歳です。平均年齢が40歳を超えるファームと比べれば、平均年収に差が出るのは当然です。年齢帯をそろえるか、職位別のモデルで比べるほうが実態に近づきます。

「賞与込みかどうか」で印象は変わる

LTSの平均年間給与には賞与および基準外賃金が含まれます。基準外賃金とは、時間外手当など所定内賃金以外の支給を指します。一方、求人票に記載される「月給」や「基本給」は賞与も残業手当も含まないことが多く、この違いを無視すると数十万円単位のズレが生じます。

公式採用サイトの報酬モデルでも、チームリーダー以上は「約700万円+賞与」のように賞与を別建てで表記しています。表記の粒度が混ざっている点にも注意しながら読み分けてください。

よくある質問

Q. LTSの平均年収はいくらですか?
A. 2025年12月期の有価証券報告書に開示された平均年間給与は671万1千円です。対象は提出会社(株式会社エル・ティー・エス単体)の従業員456名で、平均年齢34.8歳、平均勤続年数4年11ヶ月。給与には賞与および基準外賃金が含まれます。
Q. その671万1千円は連結(グループ全体)の数字ですか?
A. いいえ。提出会社=LTS単体の数値です。同じ有価証券報告書では連結従業員数が1,003名と記載されていますが、連結ベースの平均給与は開示されていません。子会社所属のポジションに応募する場合は、水準が異なる可能性があります。
Q. 前年と比べて年収は上がっていますか?
A. 上がっています。2024年12月期の有価証券報告書では平均年間給与583万6千円(平均年齢34.5歳、従業員431名)でした。2025年12月期の671万1千円は前期比87万5千円・約15.0%の増加です。ただし平均値は職位構成や賞与原資の変動にも左右されるため、個人の昇給率とは一致しません。
Q. マネージャーになるとどのくらいの年収ですか?
A. 公式新卒採用サイトの「役割と報酬の一例」では、コンサルタント職の入社6年目マネージャーが約1,300万円+賞与と例示されています。これは新卒入社を前提としたモデルケースであり、全社員の支給実績ではありません。
Q. 中途入社の場合、提示年収はいくらになりますか?
A. 公式には開示されていません。LTSのキャリア採用は公式採用ジョブボードから職種・ポジションを選んで応募する形式ですが、各ポジションに給与欄の掲載がありません(2026年9月13日確認)。提示額はオファー面談で個別に確認する必要があります。
Q. 年収の内訳で確認すべきポイントは何ですか?
A. 基本給と賞与の内訳、みなし残業や裁量労働手当の有無と時間数、賞与の評価連動の幅、初年度と平年度で支給条件が変わるかどうかの4点です。有価証券報告書の平均年間給与は賞与と基準外賃金を含む金額なので、提示額と比べる際は同じ範囲にそろえてください。

SUPERVISED BY — 監修者

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辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

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