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MSOLの評判は?PMO特化の強みと弱み・ベイカレント等との違い

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MSOLの評判は「PMO特化」という一点をどう評価するかでほぼ決まります。実行支援に軸足を置くこの職能は、戦略ファームとは別の専門性であり、年収水準もキャリアの伸び方も別の論理で動きます。本ページでは、公開情報にもとづいて良い評価と留意点の双方を整理し、他ファームとの違いを明確にします。

この記事のポイント

  • ✓評価が分かれる最大の論点は「PMOは専門性か、それとも管理業務か」という点
  • ✓良い評価:上場企業としての開示の透明性、月平均残業22.9時間、資格支援を含む育成体系、未経験からの参入しやすさ
  • ✓留意点:平均年収702万円という水準、常駐スタイル、戦略提言の経験は積みにくい構造
  • ✓ベイカレントとは職能が異なる(提言型か実行支援型か)。年収差はその構造差の反映
  • ✓新卒の定着率は80%以上を維持、平均勤続年数は2.1年(2022年10月期)から2.7年へ回復

評価の分かれ目 — 「PMO特化」をどう捉えるか

MSOLへの評価を理解する起点は、同社が創業以来PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)による実行支援を主戦場としてきたという事実です。この一点への評価が、そのまま同社への評価を分けます。

MSOLの評判は「実行支援という職能を自分のキャリアに位置づけられるか」でほぼ決まります

同社が定義するPMOの姿

同社はPMOを、単なる改善提案にとどまらず当事者意識を持って実行する「実行支援に特化したPMO」と位置づけています。個別プロジェクトのPMOに加え、部門横断のPgMO、全社レベルのEPMO(Enterprise Project Management Office)まで階層的にカバーし、対症療法ではなく予防医療的なアプローチでリスクマネジメントの仕組みづくりから定着までを伴走すると説明しています。

実際のロールも、事務局型のPJAから参謀型のPMC、支援体制を統括するAMまで5階層に細分化されています。「PMO」という言葉が指す範囲が広いことが、評価が割れる一因でもあります。

肯定的に語られる点

  • •業界を問わずプロジェクトマネジメントを適用できるため、経験の汎用性が高い
  • •決まったプロジェクトを完遂させる役割のため、成果が目に見えやすい
  • •PMBOKやPMPなど体系化された知識体系があり、学習の道筋が明確
  • •戦略ファームのような選抜を経ずとも、実務経験からプロフェッショナルを目指せる

懐疑的に語られる点

重要なのは、これらが欠点というより職能の性質だという点です。同社の公開KPIでもPMOコンサルタント1人あたりの平均月額チャージ単価は176万円(2025年12月期通期)と示されており、収益構造がそのまま処遇の構造につながっています。

  • •下位ロールでは会議準備・議事録・進捗表更新など定型業務の比重が高くなりうる
  • •クライアントのプロジェクト体制に組み込まれるため、自社の裁量が及ぶ範囲が限られる
  • •戦略立案や構想策定の経験は積みにくく、いわゆる上流のキャリアとは接続が異なる
  • •工数ベースの請求モデルのため、単価が報酬の上限を規定しやすい

良い評価として挙がる点

公開情報から確認できる、同社の評価されやすい要素を整理します。

上場企業としての透明性

同社は2018年7月に東証マザーズへ上場し、2019年10月に市場第一部、2022年4月にプライム市場へ移行しました(証券コード7033)。平均年間給与、平均年齢、平均勤続年数、女性管理職比率、男性育休取得率、男女間賃金格差といった人事指標が有価証券報告書で開示されています。

コンサルティングファームの多くは非上場で、年収も働き方も推計に頼らざるを得ません。事前に検証可能な数値で判断できることは、転職検討者にとって実務的な価値があります。

働き方が数値で抑制されている

「残業ゼロ」「喫煙率ゼロ」「健康診断の未受診ゼロ」の3ゼロ宣言を掲げ、健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定されています。女性活躍推進では「えるぼし」の最高グレードである3段階目を2023年8月に取得しました。

男性育休取得率が2023年10月期の15.4%から2年で85.2%まで上昇している点は、宣言が制度運用に反映されていることを示す具体例です。

項目公開値
月平均残業時間22.9時間
年間休日124日(2025年実績)
男性育児休業取得率85.2%(2025年12月期)
育児休業復帰率96.8%(2025年12月期)
女性管理職比率21.0%(2025年12月期)

同社キャリア採用サイトおよび2025年12月期有価証券報告書に基づきます。

育成体系と参入しやすさ

キャリア入社者には10日間の研修が用意され、会社理解、各種制度、プロジェクトマネジメントの体系的理解とPMOスキルのワークショップが組まれています。研修講座開催数は年240回(2025年12月期・有価証券報告書)。PMP受験、PDU取得、アジャイル資格、情報処理資格、語学学習の支援制度も整備されています。

募集要件がコンサルティング経験ではなくプロジェクト推進経験であるため、SIerや事業会社からの参入余地が大きいことも、評価されやすい要素です。

事業の成長と社会的意義の広がり

2025年12月期は売上高230億66百万円(前年同期比+14.0%)、営業利益27億42百万円と過去最高を更新しました。取引顧客数は200社を突破し、JPX日経400採用企業を中心とした顧客基盤を持ちます。売上高1,000億円以上の顧客の割合は63%に上昇しました。

近年は防衛領域のPMO支援にも参入しており、民間から官公庁・防衛まで支援対象が広がっています。景気変動に強い事業ポートフォリオの構築という文脈で説明されています。

留意しておきたい点

同社を検討するうえで、事前に理解しておくべき論点も明確です。

年収水準は職能の反映であること

平均年間給与702万円(2025年12月期・提出会社)は、コンサルティング業界内では高い方ではありません。ただしこれは全従業員(管理部門・営業部門を含む)の平均であり、公式募集要項のロール別下限を見ると、PMC(参謀型PMO)は月給80.0万円〜(単純12倍で約960万円〜)と示されています。

「低い」と一括りにするのも、「実は高い」と持ち上げるのも実態からずれます。入口ロールと上位ロールで大きな幅があり、工数ベースの単価構造が全体の水準を規定している、というのが正確な理解です。

常駐スタイルという前提

勤務先は各プロジェクト拠点であり、リモートワークや出張の有無・頻度はプロジェクトによって変動します。単発または長期の出張が発生する可能性も募集要項に明記されています(平日のみ勤務・週末は帰宅、費用は会社負担)。

働く場所を自分で選びたい人にとっては、この点が最大の制約になりえます。逆に言えば、クライアント組織の内側に入って人を動かす経験は、常駐だからこそ得られるものでもあります。

平均勤続年数2.7年という数字

平均勤続年数は2.7年です。ただし提出会社の従業員数は2020年10月期の337名から2025年12月期の1,369名へ4倍以上に増えており、毎年200名規模の新規入社が平均を押し下げる構造にあります。実際、2022年10月期の2.1年を底に2.7年まで回復しています。

同社は決算説明資料で新卒の定着率が80%以上をキープしていると説明する一方、有価証券報告書では「人材の採用・確保及び育成に関するリスク」として人材の社外流出に言及し、中途退職の防止を経営課題に挙げています。課題として認識され、対策が明示されている領域だと読むのが妥当です。

競合環境の変化

有価証券報告書の「事業等のリスク」では、多くのコンサルティング企業がPMOをサービスの一つとして掲げており、PMO専門のコンサルティング会社が現れた場合には価格下落や案件喪失のおそれがあると明記されています。

PMOという領域自体が拡大するなかで、専業であることの優位性がどこまで維持されるかは、同社自身がリスクとして開示している論点です。

他ファームとの違い

検索でよく比較されるファームとの違いを、職能の観点から整理します。年収の高低ではなく、何を売っている組織かで見るのが実態に即しています。

ファーム主戦場平均年収の目安MSOLとの違い
MSOL(マネジメントソリューションズ)PMOによる実行支援(PMO/PgMO/EPMO)約702万円—
ベイカレント業界横断のコンサルティング(ワンプール制)約1,349万円提言型が中心で完全成果主義。MSOLは実行支援が軸で工数ベースの単価構造
アクセンチュア戦略からシステム実装・運用まで一気通貫約866万円システム実装まで自社で担う。MSOLはマネジメント側に特化しシステム構築は行わない
デロイト トーマツ/PwCコンサルティングBIG4系の総合コンサルティング約950万円/約1,000万円監査法人系の総合力と業界別組織。MSOLは職能特化で業界横断
アビーム日系総合(ERP導入等に強み)約750万〜819万円システム導入プロジェクトの上流から実装まで担う。MSOLは管理側の役割に専念

上場企業以外の平均年収は公式開示値ではなく、口コミサイト等の公開集計値です。事業モデル・年齢構成が異なるため単純比較には適しません。

ベイカレントとの違いが最も問われる

両社はいずれも東証プライム上場の日系ファームですが、性格は大きく異なります。ベイカレントは部門の壁を設けないワンプール制のもと、業界横断でコンサルティングを提供し、完全成果主義の評価制度で高い報酬水準を実現しています(平均年収約1,349万円)。

MSOLはプロジェクトマネジメントという職能に特化し、クライアントのプロジェクト運営そのものに入り込みます。ロールと単価が明確に定義され、キャリアバンド制に基づく絶対評価が採られています。年収差は優劣ではなく、この構造差の反映です。

どちらが自分に合うかは、「提言して意思決定を動かしたい」のか「現場に入って完遂まで運びたい」のかという志向で分かれます。

SIer・事業会社から見た位置づけ

同社の中途採用の中心層は、SIerや事業会社でプロジェクト推進を担ってきた人材です。SIerでのPM経験を、特定ベンダーの立場ではなく発注側に立って発揮する場として捉えると、位置づけが理解しやすくなります。

一方で、システムの設計・開発そのものからは離れます。技術的な手触りを持ち続けたい人にとっては、この点が判断材料になります。

PMOからのキャリアパス

「PMOに入ると潰しが効かないのではないか」という懸念は、同社を検討する人が抱きやすい論点です。公開情報から見える道筋を整理します。

社内での階段

同社内のロールはPJA(事務局型)→PJC(管理定着型)→PMA(推進型)→PMC(参謀型)→AM(アカウントマネージャー)と積み上がる構成です。上位に行くほど、管理業務の実行者から、管理の仕組みを設計し経営層と対話する役割へと重心が移ります。

AMは支援体制全体を設計・統括し、クライアントの経営層や他部門と中長期の方針を共有する役割です。単なるプロジェクト管理ではなく、アカウント経営に近い仕事になります。

支援階層の広がり

個別プロジェクトのPMOにとどまらず、部門横断のPgMO、全社レベルのEPMOという階層が用意されている点も、キャリアの伸びしろに関わります。全社DX戦略の統括や、R&D部門におけるプロジェクトマネジメントの自走化支援、大規模な基幹システム刷新と業務変革の一体推進など、経営課題に近い案件が公開事例として紹介されています。

同社は「自律的キャリア」を掲げ、キャリアビジョンから年間目標、プロジェクト目標へとブレイクダウンする目標設定を運用しています。社内公募・認定制度やキャリア研修も整備されており、どの案件に入るかを受け身で待つだけの構造ではありません。

外に持ち出せる資産

同社が支援する顧客はJPX日経400採用企業が中心で、売上高1,000億円以上の顧客が63%を占めます。大企業の意思決定プロセスや組織力学に触れた経験は、事業会社のPMO・DX推進部門や他のコンサルティングファームでも通用する資産になりえます。

ただし、戦略立案そのものの経験を求められるポジションへ移る場合は、別途の準備が必要です。この点は誇張せず理解しておくべきです。

  • •業界を問わないプロジェクトマネジメントの方法論と実践経験
  • •PMPなど国際資格(受験・PDU取得の支援制度あり)
  • •大企業の経営層・部門長と折衝した経験(上位ロール)
  • •複数業界のプロジェクト現場を横断的に見た知見

総括 — どういう人に薦められるか

同社は「コンサルティングファーム」という一語で括ると評価を誤りやすい会社です。実行支援という職能を軸に据えたうえで、上場企業としての開示と働き方の整備を進めてきた組織、と捉えるのが実像に近いと言えます。

薦めやすい人

  • •プロジェクトマネジメントを一生ものの専門性として磨きたい人
  • •SIer・事業会社でのPM経験を、発注側に立って活かしたい人
  • •働く時間の総量を抑えながらプロフェッショナルを目指したい人
  • •開示された数値と制度をもとに冷静に会社を選びたい人

慎重に検討すべき人

評判の良し悪しではなく、自分が積みたい経験と同社の職能が重なるかどうか。ここを外さなければ、公開されている数値と制度で判断できる材料は十分に揃っています。

  • •戦略立案・構想策定を主戦場にしたい人
  • •短期で年収を大きく引き上げることを最優先する人
  • •常駐や出張を避け、働く場所を自分で決めたい人
  • •技術そのものに関与し続けたいエンジニア志向の強い人

よくある質問

Q. MSOLの評判は良いのですか、悪いのですか?
A. 評価は「PMO特化という職能をどう捉えるか」で分かれます。上場企業としての開示の透明性、月平均残業22.9時間という働き方、資格支援を含む育成体系は肯定的に語られます。一方で平均年収702万円という水準、クライアント先常駐というスタイル、戦略提言の経験を積みにくい構造は留意点として挙がります。良し悪しというより、自分のキャリア志向との相性の問題です。
Q. ベイカレントとの違いは何ですか?
A. 職能が異なります。ベイカレントはワンプール制のもと業界横断で提言型のコンサルティングを提供し、完全成果主義で平均年収は約1,349万円です。MSOLはプロジェクトマネジメントに特化し、クライアントのプロジェクト運営に入り込む実行支援が軸で、ロールと単価が明確に定義されたキャリアバンド制です。年収差は優劣ではなく、収益モデルの構造差の反映です。
Q. PMOの経験は他社でも通用しますか?
A. 業界を問わないプロジェクトマネジメントの方法論と実践経験、PMPなどの資格、大企業の経営層・部門長との折衝経験は、事業会社のPMO・DX推進部門や他のコンサルティングファームでも評価されうる資産です。同社の顧客はJPX日経400採用企業が中心で、売上高1,000億円以上の顧客が63%を占めます。ただし戦略立案そのものを求められるポジションへ移る場合は別途の準備が必要です。
Q. 離職率は高いのですか?
A. 平均勤続年数は2.7年ですが、提出会社の従業員数が2020年10月期の337名から2025年12月期の1,369名へ4倍以上に増えており、毎年の大量入社が平均を押し下げる構造にあります。2022年10月期の2.1年を底に2.7年まで回復しました。同社は新卒定着率80%以上を維持していると説明する一方、有価証券報告書では中途退職の防止を経営課題として明示しています。
Q. PMOは「雑務が多い」と言われますが実際はどうですか?
A. 同社のPMOは5階層に分かれています。PJA(事務局型)は会議準備や各種ドキュメント管理など定型的な業務が中心ですが、PJC(管理定着型)は管理プロセスの策定と定着、PMA(推進型)は可視化・分析とリスクマネジメント、PMC(参謀型)は経営層向けレポートと意思決定支援を担います。どのロールで入り、どこまで上がるかによって仕事の性質は大きく変わります。
Q. 会社としての将来性はどう見ればよいですか?
A. 2025年12月期は売上高230億66百万円(前年同期比+14.0%)、営業利益27億42百万円で過去最高を更新し、2026年12月期は売上高260億円を予想しています。国内PMO市場が2030年に1.6兆円へ拡大するという調査を前提に、連結売上高1,000億円を目指す中期経営計画「Beyond1000」を2026年2月に公表しました。一方で有価証券報告書では、PMO専業の競合出現による価格下落リスクも自ら開示しています。

SUPERVISED BY — 監修者

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辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

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