山田コンサルティンググループの評判は?税理士事務所を源流とする事業承継の強みと留意点
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山田コンサルティンググループの評判を理解する起点は、1981年に開設された公認会計士・税理士事務所を源流とするという成り立ちです。会計・税務のバックグラウンドから経営コンサルティングへ広がった同社は、戦略系ファームとも総合系ファームとも異なる位置に立っています。本ページでは、公開情報から確認できる強みと留意点を整理します。
この記事のポイント
- ✓源流は1981年4月に開設された公認会計士・税理士 山田淳一郎事務所。ここから税理士法人山田&パートナーズと同社が生まれた
- ✓税理士法人とは資本関係がなく、出身母体が同一であることから提携先として協力関係にあると公表されている
- ✓事業承継・資本政策コンサルティングおよび相続で年間2,000件を超える支援実績(公式サイト)
- ✓コンサルティング事業(211.8億円)と投資事業(55.5億円)の二本柱。純粋なコンサルティングファームとは収益構造が異なる
- ✓戦略系ファームのような大企業向け全社戦略とは別物のキャリア。会計・税務の専門性が資産になる領域
評判の前提 — 税理士事務所を源流とする成り立ち
同社を「コンサルティングファーム」というひとくくりで見ると、実態を捉え損ねます。出発点が会計・税務の専門家事務所であることが、現在の強みと制約の両方を規定しています。
沿革
1981年の会計士・税理士事務所からスタートし、そこから税理士法人山田&パートナーズと山田コンサルティンググループという2つの流れが生まれました。同社の設立は1989年7月で、当初の商号は株式会社東京ファイナンシャルプランナーズです。現在の商号になったのは2010年12月と、比較的最近のことです。
2018年に主要子会社5社を吸収合併して事業持株会社へ移行した点も重要です。これにより、コンサルタントの多くが上場している提出会社に所属する構造となり、有価証券報告書の開示値が実態を反映しやすくなっています。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 1981年4月 | 公認会計士・税理士 山田淳一郎事務所を開設(グループの源流) |
| 1989年7月 | 株式会社東京ファイナンシャルプランナーズを設立(現・山田コンサルティンググループ) |
| 2000年10月 | 大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場に上場 |
| 2010年11月 | 本社を千代田区丸の内に移転 |
| 2010年12月 | 商号を山田コンサルティンググループ株式会社に変更 |
| 2018年 | 山田ビジネスコンサルティング等の子会社5社を吸収合併し、事業持株会社へ移行 |
| 2019年2月 | 東京証券取引所市場第一部へ市場変更 |
| 2022年4月 | 市場再編に伴い東京証券取引所プライム市場へ移行 |
同社の公開している沿革に基づく整理です。
税理士法人山田&パートナーズとの関係
同社と税理士法人山田&パートナーズは、同じ源流から生まれた別法人です。税理士法人・弁護士法人は特別法上の法人であるため各組織間に資本関係はなく、出身母体が同一であることから提携先として協力関係にあると公表されています。
つまり「税務は完全にグループ内で内製している」という理解は正確ではありません。ただし、同社自体にも税理士40名・公認会計士31名が在籍しており(2026年4月1日現在)、税務・会計の専門性を自社内に相当程度抱えている点は事実です。事業承継のように税務が絡む案件で強みを発揮するという評価は、この人材構成と提携関係の両方に支えられています。
事業構造 — コンサルティングと投資の二本柱
同社の評判を検討するうえで、収益構造が純粋なコンサルティングファームとは異なる点を押さえておく必要があります。
| セグメント | 2026年3月期 売上高 | 前期比 | 内容 |
|---|---|---|---|
| コンサルティング事業 | 211.8億円 | +4.0% | 経営コンサルティング、事業承継、M&Aアドバイザリー、事業再生、不動産、海外、組織人事 |
| 投資事業 | 55.5億円 | +130.2% | 未上場株式投資、不動産投資、ファンド事業 |
| 連結合計 | 267.1億円 | +17.3% | 営業利益37.4億円、当期純利益28.9億円 |
同社の決算開示に基づく数値です。
投資事業をどう評価するか
2026年3月期は投資事業の売上高が前期比130.2%増と大きく伸びました。未上場株式投資や不動産投資に加え、ファンド事業も本格稼働しています。フィービジネスだけに依存しない収益構造は、経営基盤の安定という意味ではプラスに働きます。
一方で、コンサルタントとして入社する立場から見ると、全社業績の変動要因の一部が自分の担当領域の外にあることを意味します。市況によって全社利益が振れる可能性があるという点は、純粋なコンサルティングファームとの違いとして理解しておくべきポイントです。
コンサルティング事業の中身
同社の説明では、売上総利益のうち経営コンサルティング事業とM&Aアドバイザリー事業で大部分を占め、その内訳に事業承継コンサルティング事業も含まれるとされています。事業承継とM&Aが実質的な収益の柱であることが読み取れます。
長期の方針としては、2036年3月期に売上総利益500億円以上・営業利益100億円以上、海外コンサルティング事業が売上総利益の40%以上を占める姿を掲げています。海外比率を大きく引き上げる構想であり、海外案件・海外勤務の機会は今後増えると想定されます。
強みとして評価される点
- •事業承継・資本政策コンサルティングおよび相続で年間2,000件を超える支援実績(公式サイト)
- •公認会計士31名・税理士40名・中小企業診断士37名・司法書士17名・社会保険労務士5名という有資格者層(2026年4月1日現在)
- •東証プライム上場による経営基盤の安定と、有価証券報告書による報酬水準の透明性
- •有報平均年間給与975万円(2026年3月期)と、中堅・中小企業向けファームとしては高い報酬水準
- •国内13拠点・海外11拠点という拠点網(2024年12月1日現在)
「事業承継」という市場そのものの追い風
中堅・中小企業の後継者不在は日本経済の構造的な課題であり、事業承継・承継型M&Aの需要は当面続くと見られています。同社はこの市場で年間2,000件超の支援実績を持ち、経営・財務・税務・法務を横断してシミュレーションを行い、親族承継・MBO・第三者承継(M&A)を比較検討したうえで実行まで伴走するという支援スタイルを掲げています。
選択肢を並べて比較できること自体が、M&A仲介専業やファイナンシャルアドバイザリー専業との違いです。「売却ありき」ではなく承継全体を設計する立場を取れる点が、経営者からの信頼につながる構造になっています。
会計・税務のバックグラウンドが資産になる
戦略系ファームでは、会計士・税理士としての実務経験がそのまま評価されるとは限りません。同社では、株価算定、組織再編、相続税の試算といった論点が案件の中心にあるため、資格と実務が直接的に価値に変換されます。
金融機関出身者にとっても、融資審査や事業性評価で培った財務の読解力が案件遂行に接続しやすい環境です。「コンサルティングスキルをゼロから学び直す」というより、「既存の専門性を経営支援の文脈で拡張する」というキャリアの積み方になります。
留意点として語られること
- •大企業向けの全社戦略・大型変革案件の経験は積みにくい
- •会計・税務の素養がないと立ち上がりに時間がかかる領域が多い
- •投資事業を含む事業構造のため、全社業績は市況の影響を受け得る
- •報酬カーブは中堅以降で加速する型で、若手期は突出して高いわけではない
- •拠点勤務や出張を伴う働き方が前提となる案件が多い
戦略系ファームとは別物のキャリア
同社での経験は、マッキンゼーやBCGといった戦略系ファームの経験とは可搬性の方向が異なります。大企業の全社戦略や新規事業立ち上げといったテーマを志向する場合、期待とのずれが生じやすくなります。
一方で、事業承継・M&A・事業再生という領域での経験は、FAS、M&Aアドバイザリー、PEファンド、事業会社の経営企画・財務といった方向に強く接続します。「コンサルタントとしての汎用性」ではなく「資本と財務の専門家としての深さ」を積むキャリアと理解するのが適切です。
報酬カーブの形
公式採用サイトが公表する新卒入社者の支給実績は、1年目546万円、3年目701万円、5年目780万円、7年目1,087万円、9年目1,435万円です。5年目から7年目にかけて大きく伸びる形であり、若手期に一気に稼ぐタイプの報酬体系ではありません。
短期での年収最大化を最優先するなら、ベイカレント(約1,349万円)や戦略系ファームのほうが分があります。中期的に専門性を積み上げながら報酬を上げていく設計と相性が良いファームです。
類似ファームとの比較
検討時に比較対象となりやすいファームと並べて、位置づけを整理します。
| 観点 | 山田コンサルティンググループ | 船井総研 | IGPI | フロンティア・マネジメント |
|---|---|---|---|---|
| 主戦場 | 中堅・中小企業のオーナー企業 | 中堅・中小企業 | 大企業〜中堅、地域企業 | 中堅〜大企業 |
| 中核テーマ | 事業承継・M&A・事業再生 | 業種別の業績向上(月次支援) | 戦略・再生・投資(ハンズオン) | 経営執行支援・再生・M&A |
| 専門性の源泉 | 会計・税務・法務の有資格者層 | 業種別ノウハウ | 産業再生機構のDNA | 産業調査と経営執行 |
| 上場区分 | 東証プライム(4792) | 東証プライム(持株会社9757) | 非上場 | 東証上場 |
| 平均年収の目安 | 975万円(有報) | 739万円(持株会社の有報) | 約1,000万〜1,200万円 | 約1,171万円(有報) |
各社の公開情報に基づく整理です。上場企業の有報開示値以外は公開集計値をもとにした目安であり、単純比較には適しません。
船井総研との違い
どちらも中堅・中小企業を主戦場としますが、支援の型が根本的に異なります。船井総研は業種別のノウハウをもとに毎月クライアントを訪問する月次支援モデルで、テーマは業績向上が中心です。同社は事業承継・M&A・再生という、資本と財務が絡む非経常のテーマを扱います。
「経営者と長く伴走したい」なら船井総研、「資本と財務の意思決定に関わりたい」なら同社、という分かれ方になります。報酬水準に200万円以上の差があるのも、この案件性質の違いによるものと考えられます。
IGPI・フロンティア・マネジメントとの違い
事業再生という共通項はありますが、IGPIは自ら投資し経営に入り込むハンズオン型、フロンティア・マネジメントは産業調査と経営執行支援を軸とします。同社は再生も手がけますが、収益の中核は事業承継・M&Aであり、会計・税務起点という色がより濃くなります。
また同社は投資事業を別セグメントとして持っており、コンサルタントが投資判断に関与する構造とは異なる点も、IGPIとの違いとして理解しておくとよいでしょう。
向く人・向かない人
向いている人
- •会計・税務・財務のバックグラウンドを経営支援の文脈で活かしたい人
- •事業承継や資本政策という、経営者にとって最も個人的な意思決定に関わりたい人
- •中堅・中小企業のオーナー経営者と直接向き合いたい人
- •上場企業の安定した基盤と、開示された報酬水準のもとで働きたい人
- •在職中に資格を取得し、専門性を積み上げたい人
向いていない人
- •大企業向けの全社戦略・大型変革案件を経験したい人
- •若手のうちから報酬を最大化したい人
- •財務諸表や税務の論点に関わることを避けたい人
- •デジタル・テクノロジー領域を主戦場にしたい人
- •出張や拠点勤務を伴う働き方を避けたい人
よくある質問
- Q. 山田コンサルティンググループの評判は良いですか?悪いですか?
- A. 会計・税務の専門性が直接価値に変わる環境、事業承継・M&Aという需要の厚い市場、東証プライム上場による安定と報酬の透明性が評価される一方、大企業向けの全社戦略案件を経験しにくい点、若手期の報酬が突出して高いわけではない点が留意点として挙げられます。戦略系ファームの物差しではなく、資本と財務の専門ファームとして評価するのが適切です。
- Q. 税理士法人山田&パートナーズとはどういう関係ですか?
- A. 1981年4月に開設された公認会計士・税理士 山田淳一郎事務所を共通の源流とする別法人です。税理士法人・弁護士法人は特別法上の法人であるため各組織間に資本関係はなく、出身母体が同一であることから提携先として協力関係にあると公表されています。同社自体にも税理士40名・公認会計士31名が在籍しており(2026年4月1日現在)、税務・会計の専門性を自社内にも抱えています。
- Q. どのような領域に強みがありますか?
- A. 事業承継とM&Aが実質的な収益の柱です。事業承継・資本政策コンサルティングおよび相続で年間2,000件を超える支援実績があり、親族承継・MBO・第三者承継(M&A)を比較検討したうえで実行まで伴走する支援スタイルを掲げています。加えて事業再生、経営コンサルティング、不動産、海外ビジネス、組織人事といった領域を展開しています。
- Q. 戦略系ファームとどう違いますか?
- A. クライアントが中堅・中小企業のオーナー企業である点、テーマが資本と財務に絡む事業承継・M&A・再生である点、専門性の源泉が会計・税務・法務の有資格者層である点が異なります。同じ「コンサルタント」という職名でも仕事の性質は大きく異なるため、優劣ではなくキャリアの方向性で選ぶべき違いです。
- Q. 業績は安定していますか?
- A. 2026年3月期の連結売上高は267.1億円(前期比17.3%増)、営業利益37.4億円、当期純利益28.9億円です。営業利益は前期比9.4%減となりましたが、これは人員増と賃上げによる人件費増加が主因と説明されています。コンサルティング事業(211.8億円)と投資事業(55.5億円)の二本柱で、投資事業は市況の影響を受け得る点に留意が必要です。
- Q. 山田コンサルティンググループ出身者のキャリアパスはどうなりますか?
- A. 事業承継・M&A・事業再生の実務経験は、FAS、M&Aアドバイザリー、PEファンド、事業会社の経営企画・財務といった方向に接続しやすくなります。会計士・税理士資格を持つ場合は、その専門性と案件経験の組み合わせが強みになります。一方、大企業向けの戦略ファームへの転職では、扱ってきた案件の性質の違いを問われることがあります。
SUPERVISED BY — 監修者
監修者一覧 ›
監修者
辰本 明日加Asuka Tatsumoto
STRAND PARTNERS 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

監修者
高辻 渚Nagisa Takatsuji
STRAND PARTNERS
米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。
本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。
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