戦略系年収

オリバー・ワイマンの年収は?公式開示の有無と判断材料を整理

最終更新:

「オリバー・ワイマン 年収」で検索すると、もっともらしい数字がいくつも並びます。しかし、その大半は出所が明示されていないか、母数の小さい投稿を平均したものです。本ページではまず「公式に開示されているものは何か」を確定させ、そのうえで親会社Marshが米国SECに提出した一次資料から読み取れる事実と、オファーの場で自分が確認すべき項目を整理します。数字を並べることよりも、数字の性質を見分けられるようになることを目的とした記事です。

この記事のポイント

  • ✓日本法人(オリバーワイマングループ株式会社)は非上場で有価証券報告書の提出義務がなく、平均年収・平均年齢・職位別レンジのいずれも公式には開示されていない
  • ✓親会社Marshの2025年12月期Form 10-Kで開示されているのは、オリバー・ワイマンが属するMarsh Management Consulting部門の人員7,200名超と、グループ売上高に占める比率約13%という粒度まで
  • ✓同部門の2025年12月期売上高は36億400万ドル(前年比6%増)。人員で単純に割ると1人当たり売上高は約50万ドルとなり、報酬原資の規模感を測る材料になる
  • ✓2026年第2四半期の同部門売上高は10億400万ドルで前年同期比15%増(為替等を除いた実質ベースで13%増)と、グループのコンサルティング部門内では高い伸び
  • ✓年収情報は「有報開示」「公開集計値」「公開求人票」のどれなのかで信頼度が異なる。オリバー・ワイマン日本拠点についてはいずれの一次情報も存在しない
  • ✓実額の確定はオファー面談。基本給・賞与・サインオン・為替を含む海外グレードの扱いを分けて確認する

まず「何が公式に開示されているか」を確定させる

オリバー・ワイマンの日本拠点は、登記上「オリバーワイマングループ株式会社」という非上場の会社です。日本の制度上、有価証券報告書の提出義務があるのは上場会社などに限られるため、同社には平均年間給与を開示する義務がありません。実際、公式サイトにも年収に関する記載は一切ありません。

では親会社はどうか。オリバー・ワイマンはMarsh(2025年12月まではMarsh McLennan、NYSE: MRSH)の傘下にあり、親会社は米国SECにForm 10-Kを提出しています。ただしそこに載るのは部門単位の売上高や人員であって、日本拠点の給与水準ではありません。つまり日本のオリバー・ワイマンの年収には、一次情報が存在しないというのが出発点です。

オリバー・ワイマン日本法人の平均年収・職位別レンジは、公式には開示されていません。本ページでは推定額を提示せず、判断材料の整理に徹しています。

「非開示」は書けない記事ではなく、正確な記事

年収記事の多くは、非開示であることを書かずに何らかの数字を提示します。しかし、出所を書けない数字は検証もできません。本サイトでは、裏取りできない金額は掲載しない方針を取っています。

特にオリバー・ワイマンの東京オフィスは少数精鋭で、公式にも人数が開示されていません。母数が小さい組織の平均値は、投稿者の職位構成が少し変わるだけで数百万円単位で動きます。「平均◯◯万円」という一点の数字より、レンジの決まり方を理解するほうが実務的です。

3種類の出所を見分ける

出所の種類性質オリバー・ワイマン日本拠点の場合
有報開示有価証券報告書に記載された提出会社単体の平均年間給与。対象年度・平均年齢が併記され、検証可能該当なし(非上場のため提出義務なし)
公開集計値大手口コミサイトなどに投稿された回答の集計。母数・職位構成・投稿時期が揃っておらず、振れ幅が大きい集計値は存在するが、母数が小さく本サイトでは数値を掲載しない
公開求人票募集要項に記載された提示レンジ。実在する条件だが、あくまで募集時点の枠であり在籍者の実績ではない東京の募集は確認できるが、報酬レンジの記載は確認できていない

年収の数値を見かけたら、まずこの3分類のどれに当たるかを確認してください。分類が判別できない数値は、比較の土台に載せないほうが安全です。

親会社の開示から読み取れること

個社の年収は分からなくても、報酬の原資となる事業規模は一次情報で確認できます。Marshが米国SECに提出した2025年12月期のForm 10-Kでは、オリバー・ワイマンはLippincott(ブランド戦略・デザイン)、NERAエコノミックコンサルティング(経済分析)とともに「Marsh Management Consulting」部門を構成し、同部門の人員は7,200名超、グループ売上高に占める比率は約13%と記載されています。

部門売上高の推移

注目したいのは2026年に入ってからの伸びです。2026年第2四半期は15%増、上半期でも12%増と、同じコンサルティングセグメントに属するマーサー(第2四半期は報告ベース7%増・実質ベース5%増)を、報告ベース・実質ベースのいずれで比べても上回るペースで成長しています。参考までに、2025年12月期のマーサーの売上高は61億9,000万ドル、コンサルティングセグメント合計は97億9,400万ドル、グループ連結売上高は269億8,100万ドルです。

期間Marsh Management Consulting 売上高前年同期比
2025年12月期(通期)36億400万ドル6%増(実質ベースでも6%増)
2025年10〜12月期10億2,700万ドル8%増(実質ベースでも8%増)
2026年1〜6月期19億100万ドル12%増(実質ベース10%増)
2026年4〜6月期10億400万ドル15%増(実質ベース13%増)

Marshの決算発表リリース(米国SEC提出)より。Marsh Management Consultingは2025年12月期までOliver Wyman Groupとして開示されていた部門で、オリバー・ワイマンのほかLippincottとNERAを含みます。日本拠点単独の売上高は開示されていません。

1人当たり売上高という目安

2025年12月期の部門売上高36億400万ドルを、同期の部門人員7,200名で単純に割ると、1人当たり売上高はおよそ50万ドルになります。コンサルティングファームでは、人件費は売上高の一定割合という構造になりやすいため、この数字は報酬水準の上限側の制約を大まかに示します。

ただしこれはコンサルタント職だけでなくバックオフィスを含む全人員での平均であり、また地域差も織り込まれていません。あくまで「どの程度の付加価値を1人が生む事業か」を捉えるための目安として扱ってください。日本拠点に当てはめて年収を逆算できる種類の数字ではありません。

職位の構造から水準の決まり方を理解する

外資系ファームの報酬は、職位(レベル)ごとに設定されたレンジの中で、評価と市場水準に応じて位置が決まる職務給が一般的です。したがって「オリバー・ワイマンの年収」という問いは、実務的には「どの職位でオファーを受けるか」という問いに置き換わります。

公式情報で確認できる職位

職位確認できる公式情報
エントリーレベル・コンサルタント/プロジェクト・アナリストアジア太平洋のエントリーレベル採用ページに、東京を含む募集職種として掲載
サマーインターン同ページに東京拠点の募集として掲載
コンサルタント/シニアコンサルタント東京オフィス在籍者の肩書きとして公式の人材紹介ページに掲載
アソシエイト同ページに肩書きとして掲載。中途採用の主要な入口のひとつ
エンゲージメント・マネージャー金融サービス領域で東京拠点の公式募集が確認できる職位
プリンシパル/パートナー同ページに肩書きとして掲載。日本代表もパートナー職位

各職位の在籍年数・昇進要件・報酬レンジは公式には開示されていません。上表は公式サイトおよびグローバル採用サイトで職位名として確認できたものを並べたものです。

「昇進に人為的な障壁を設けない」という方針の読み方

英語版の公式採用ページは、昇進に人為的な障壁を設けない(no artificial barriers to advancement)方針と、手厚い研修カリキュラム、個人に合わせた非直線的なキャリアパスを掲げています。年次で横並びに上がる仕組みではないという意味であり、裏を返せば成果が水準に届かなければ滞留もあり得る構造です。

報酬面では、これは「同じ職位でも金額が一律にならない」ことを意味します。同期入社でも担う職務の大きさと評価によって差がつくため、レンジの下限側で入るのか上限側で入るのかが、入社後数年の累積で大きな違いになります。

オファー面談で確認すべき5項目

公式開示がない以上、実額を確定できる唯一の場がオファー面談です。年額の総額だけを聞いて終わらせると、同じ金額でも中身がまったく異なるオファーを比較することになります。

確認項目のチェックリスト

上記はオリバー・ワイマン固有の制度ではなく、外資系ファームのオファーを読む際の一般的な確認項目です。同社の具体的な制度内容は公式に開示されていないため、必ず選考過程で個別に確認してください。

  • •基本給と賞与の内訳 — 賞与の変動幅が大きいと、提示された年額と実際の入金額が乖離する
  • •初年度と平年度の違い — 入社月によって賞与が按分される場合がある。初年度の数字を平年度と混同しない
  • •サインオンボーナスの有無と返還条件 — 一定期間内の退職で返還義務が生じる設計があり、実質的な拘束条件になる
  • •グレード(職位レベル)の明示 — 外資系は職位でレンジが決まる。金額よりも先にグレードを確認するほうが将来の伸びを読める
  • •時間外手当・裁量労働制の扱い — みなし残業が含まれるか否かで、時間当たりの報酬が変わる

英語での応募が前提であることの意味

公式の日本語採用ページは、応募をグローバル採用サイト(英語)へ誘導する構成になっています。書類も面接プロセスもグローバル共通の枠組みで進むため、職位定義もグローバル基準で当てはめられると考えるのが自然です。

このことは報酬にも影響します。日本国内の同業他社との相対ではなく、グローバルの職位レンジに日本の市場調整を掛ける形で決まる可能性が高いためです。国内ファームの相場観をそのまま持ち込むと、交渉の前提を読み違えることがあります。

他ファームと比べるときの注意点

年収比較の表はどこにでもありますが、開示区分を揃えずに並べた表は比較になっていません。まず「その会社の数字がどこから来ているか」で分類してから比べる必要があります。

開示区分で並べ直す

この表が示すのは、戦略系ファーム同士の年収比較は、そもそも同じ土俵の数字が存在しないという事実です。上場している日系ファームと外資系戦略ファームを同じ表に並べて順位づけする記事を見かけたら、その時点で比較の前提が崩れていると考えてください。

ファーム分類年収の公式開示
オリバー・ワイマン戦略系(Marshグループ)なし(非上場)
マーサージャパン組織・人事系(同じMarshグループ)なし(非上場)
マッキンゼー戦略系なし(非上場)
BCG戦略系なし(非上場)
ベイン・アンド・カンパニー戦略系なし(非上場)
カーニー戦略系なし(非上場)
ローランド・ベルガー戦略系なし(非上場)
アーサー・ディ・リトル戦略系なし(非上場)

外資系戦略ファームの日本法人はいずれも非上場で、有価証券報告書による平均年間給与の開示はありません。したがってこの群を「開示された数字」で比較することは原理的にできません。各社ページの記載も、出所の性質を明示したうえで読んでください。

同じMarshグループでも部門は別

マーサージャパンとオリバー・ワイマンはいずれもMarshグループですが、決算上は別部門です。2025年12月期の売上高はマーサーが61億9,000万ドル、オリバー・ワイマンが属するMarsh Management Consultingが36億400万ドルで、事業の性質も組織・人事コンサルティングと経営コンサルティングで大きく異なります。

グループが同じだから報酬制度も同じ、という推測は成り立ちません。職位体系も報酬レンジも部門ごとに設計されるため、比較検討する場合は社名ではなくポジション単位で並べることをおすすめします。

よくある質問

Q. オリバー・ワイマンの平均年収はいくらですか?
A. 公式には開示されていません。日本法人は非上場で有価証券報告書の提出義務がなく、親会社Marshが米国SECに提出する書類にも日本拠点の給与水準の記載はありません。本サイトでは一次情報で裏取りできない金額は掲載していません。
Q. 口コミサイトに載っている年収は参考になりますか?
A. 参考程度にとどめるのが妥当です。オリバー・ワイマンの東京オフィスは少数精鋭で母数が小さいため、投稿者の職位構成によって集計値が大きく振れます。数値を見る場合は、投稿時期・職位・在籍年数が揃っているかを確認してください。
Q. 報酬水準を推し量る手がかりはありますか?
A. 親会社Marshの開示が手がかりになります。2025年12月期のMarsh Management Consulting部門の売上高は36億400万ドル、部門人員は7,200名超で、1人当たり売上高は約50万ドルです。ただしこれはバックオフィスを含む全人員の平均であり、日本拠点の年収を逆算できる数字ではありません。
Q. 職位ごとに年収は大きく変わりますか?
A. 外資系の職務給では、職位ごとにレンジが設定され、評価と市場水準でレンジ内の位置が決まるのが一般的です。同社も公式採用ページで「昇進に人為的な障壁を設けない」方針を掲げており、年次で横並びに上がる仕組みではありません。金額よりも先にグレードを確認することをおすすめします。
Q. マーサージャパンと年収水準は同じですか?
A. 同じとは限りません。両社はともにMarshグループですが決算上は別部門で、2025年12月期の売上高はマーサーが61億9,000万ドル、オリバー・ワイマンが属するMarsh Management Consultingが36億400万ドルです。事業内容も報酬制度の設計も部門ごとに異なります。
Q. オファー面談では何を聞けばよいですか?
A. 基本給と賞与の内訳、初年度と平年度の違い、サインオンボーナスの有無と返還条件、提示されるグレード(職位レベル)、時間外手当・裁量労働制の扱いの5点です。年額の総額だけでは、中身の異なるオファーを同じ土俵で比較できません。

SUPERVISED BY — 監修者

監修者一覧 ›
辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

オリバー・ワイマンに関するその他の記事

関連する業界ガイド

コンサルティング業界へのキャリアに関するご相談はこちらから

ご相談・お問い合わせ ›

運営会社:ストランドパートナーズ株式会社

主な参照元

本ページは各社の公開情報をもとにコンサルペディア運営事務局が独自に編集したものであり、掲載企業による監修・提供を受けたものではありません。年収・残業時間・選考に関する情報は公開求人情報や口コミサイトの集計値をもとにした目安であり、実際の条件を保証するものではありません。内容の訂正が必要な場合はお問い合わせください。