アルバレス・アンド・マーサルの年収は?公式開示の有無と求人要件から読む

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アルバレス・アンド・マーサル(Alvarez & Marsal、以下A&M)の日本での年収を調べると、さまざまな金額が出てきます。しかし一次情報にあたると、同社が日本の報酬水準を公式に開示している事実は確認できません。日本法人は非上場で有価証券報告書がなく、公式採用サイトに掲載されている東京勤務の求人15件(2026年9月13日時点)にも、給与額や想定年収レンジの記載が一切ないためです。本記事では金額を推定せず、「何が確認でき、何が確認できないのか」を切り分けたうえで、選考過程で自分から確かめるべき論点を整理します。

この記事のポイント

  • ✓A&Mの日本での年収は公式に開示されていない。日本法人Alvarez&Marsal Japan合同会社は非上場で有価証券報告書による平均年間給与の開示がない
  • ✓公式採用サイトの東京勤務求人15件(2026年9月13日時点)を確認したが、給与額・想定年収レンジを記載した求人は1件もない
  • ✓公式求人から確認できるのは職位と要件のみ。トランザクション・サービスはマネージャーで関連実務5〜7年程度、ディレクターで8〜10年以上、いずれもCPA・簿記2級以上・TOEIC700点以上が要件
  • ✓日本進出は2025年10月16日、開設時の人員は14名(うちMD6名)。母数が小さく、集計値にも金額の信頼性を求めにくい段階にある
  • ✓同じ事業再生系でも、フロンティア・マネジメントは上場企業として有価証券報告書で平均年間給与を開示しており、情報の確度がA&Mとは異なる

結論:A&Mの日本での年収は公式に開示されていない

最初に結論を示します。A&Mは日本における年収水準を公式に開示していません。これは「調べ方が足りない」のではなく、開示の仕組みそのものが存在しないという意味です。当サイトでは、公式に確認できない金額を推定して掲載することはしていません。

年収情報が公に確認できる経路は、大きく三つです。第一に上場企業が有価証券報告書で開示する平均年間給与、第二に企業自身が求人票に記載する給与額、第三に大手口コミサイトの公開集計値です。A&Mの日本法人は、このうち第一と第二が存在せず、第三も後述する理由から金額の根拠として扱いにくい状況にあります。

A&M日本法人の平均年収:公式開示なし。有価証券報告書による開示はなく、公式求人15件(2026年9月13日確認)にも金額の記載がありません。

有価証券報告書による開示がない

国税庁法人番号公表サイトで確認できるとおり、日本の事業主体はAlvarez&Marsal Japan合同会社(法人番号7010403035247、登記上の所在地は東京都千代田区丸の内2丁目4番1号 丸の内ビルディング28階)です。合同会社であり上場もしていないため、有価証券報告書の提出義務がなく、従業員の平均年間給与や平均年齢が公表される仕組みがありません。

グローバルの親会社にあたるAlvarez & Marsal Holdings, LLCも非上場です。同社は公式サイトで自らを「世界最大級の非上場プロフェッショナルサービスファームのひとつ」と説明しており、報酬に関する財務開示は行っていません。

公式求人にも給与額の記載がない

A&Mの採用は公式採用サイト(careers.alvarezandmarsal.com)で公開されています。2026年9月13日時点で東京勤務の求人は15件あり、トランザクション・サービス、コーポレート・ファイナンス、税務、採用担当の4領域に分かれています。

これら15件をすべて確認しましたが、給与額、想定年収レンジ、月給、賞与の水準を記載した求人は1件もありませんでした。記載されているのは業務内容、必要なスキル・資格、必要な職務経験年数です。日本語版・英語版が併記された求人でも、金額に触れている箇所はありません。

つまり「A&Mの公開求人票の提示レンジ」というデータは、少なくとも同社の公式チャネル上には存在しません。求人票由来とされる金額を目にした場合、それがどこで提示されたものなのかを確認する必要があります。

公式求人から確認できること:職位体系と要件

金額は分からなくても、公式求人からは報酬を検討するうえで重要な情報が読み取れます。職位体系と、各職位に求められる経験・資格です。年収は最終的に「どの職位でオファーが出るか」で決まるため、自分がどの層に該当するのかを把握することが実務的な出発点になります。

以下は2026年9月13日時点で東京勤務として公開されている求人から、職位・要件を整理したものです。金額欄はすべて「記載なし」であり、編集部でも推定していません。

職位(部門)求められる経験・資格給与・年収の記載
アナリスト(トランザクション・サービス)会計・ファイナンス系の学士号、簿記検定2級以上、JLPT N2相当以上。英語・Power BI・Tableauは歓迎スキル記載なし
アソシエイト/シニアアソシエイト(TS・税務)財務デューデリジェンスや税務の実務経験。税務職は税理士または日本公認会計士資格が「あることが望ましい(preferred)」とされる記載なし
マネージャー(トランザクション・サービス)関連実務5〜7年程度。CPA(公認会計士/米国公認会計士等)、簿記検定2級以上、TOEIC700点以上記載なし
シニアマネジャー/マネジャー(税務)税務コンサルティング8年以上、ビジネスレベルの日本語。税理士および/または日本公認会計士資格は「あることが望ましい(preferred)」とされる記載なし
ディレクター(トランザクション・サービス)トランザクション・サービス8〜10年以上とリーダーシップ経験。8名以上の大型案件を主導できること記載なし
シニアディレクター(TS・コーポレート・ファイナンス)複数案件の統括、提案活動、クライアントリレーションの構築記載なし

A&M公式採用サイトに掲載された東京勤務の求人(2026年9月13日確認)から編集部が整理。給与・年収の記載はいずれの求人にもありません。要件は求人ごとに異なるため、応募時は該当求人の原文を確認してください。

資格要件が明示されている点は読み取りやすい

A&Mの日本求人の特徴は、必要資格が具体的に書かれていることです。トランザクション・サービスのマネージャー職・ディレクター職では、CPA(公認会計士/米国公認会計士等)、簿記検定2級以上、TOEIC700点以上の三つが「必要資格」として並記されています。アナリスト職でも簿記検定2級以上が必要資格です。

税務部門は別の要件体系です。シニアマネジャー/マネジャー職では、8年以上の税務コンサルティング経験に加え、税理士資格および/または日本公認会計士資格が応募資格欄に挙げられています。ただし英語版の原文は「License of Japan Tax Accountant and/or Japan CPA is preferred」で、必須ではなく「あることが望ましい」という位置づけです。会計士・税理士の有資格者にとっては、自分がどの程度要件に近いかを事前に判定しやすい設計といえます。

職位の刻みが細かい

東京勤務の求人を通してみると、アナリスト、アソシエイト、シニアアソシエイト、マネージャー、シニアマネジャー、ディレクター、シニアディレクター、そしてマネージング・ディレクターという職位が確認できます。8階層に近い刻みです。

職位の刻みが細かいということは、同じ「マネージャー相当」の経験を持つ候補者でも、提示される職位が一段変わる可能性があるということです。金額が非開示である以上、オファー時にどの職位が提示されるかは報酬を左右する最大の変数になります。

なぜ当サイトは推定額を掲載しないのか

検索すると、A&Mの日本での年収について具体的な金額を挙げている情報を見かけることがあります。当サイトがそれに追随しない理由は二つあります。母数の問題と、対象の混同という問題です。

日本での在籍者数が少なすぎる

A&Mが日本に正式進出したのは2025年10月16日で、東京・大阪の2拠点を合わせた開設時の人員は14名(マネージング・ディレクター6名と支援スタッフ8名)でした。同社公式サイトに掲載された記事によれば、2025年12月時点でも20名弱の規模です。

口コミサイトの集計値は、投稿者数と職位構成によって大きく振れます。数十名規模、しかも大半が2025年以降に入社した組織では、統計として安定した平均値を得ることが構造的に困難です。数千名規模のファームの集計値と同じ確度で扱うことはできません。

当サイトでは、根拠の薄い数値を「目安」として掲載することは、読者の意思決定をかえって誤らせると考えています。ここでは金額を示さないという判断自体が、現時点で最も正確な情報提供だと考えます。

グローバルの水準と日本の水準は別物

A&Mは米国・欧州で長い歴史を持つファームであり、グローバルでの報酬水準に関する言及が日本の情報として流通することがあります。しかし報酬は国ごとの労働市場と法人ごとの収益構造で決まります。米国のディレクター職の水準を、そのまま東京オフィスの水準として読むことはできません。

特にA&M Japanは、日本での年間売上高1億米ドルという目標を掲げて立ち上がったばかりの組織です。同社公式サイト掲載の記事でGlobal TAG 日本代表の野中大作氏が述べているこの目標は、裏を返せば現時点の日本事業の規模がその水準に達していないことを意味します。グローバルの実績値をもって日本の報酬を語ることには無理があります。

同じ事業再生系ファームとの「情報の確度」の違い

年収を比較検討する際は、金額そのものよりも先に「その数字がどこから来たか」を揃える必要があります。事業再生・ターンアラウンド領域の主要ファームを、日本での事業開始時期と年収情報の入手経路という軸で並べると、A&Mの位置づけが明確になります。

ファーム日本での事業開始年収情報の入手経路
アルバレス・アンド・マーサル2025年10月(東京・大阪)公式開示なし。有価証券報告書なし、公式求人にも金額の記載なし
アリックスパートナーズ2005年(東京)非上場のため公式開示なし。公開集計値ベースの目安のみ
経営共創基盤(IGPI)2007年設立非上場のため公式開示なし。公開集計値ベースの目安のみ
フロンティア・マネジメント2007年設立東証プライム上場。有価証券報告書で平均年間給与を開示

各社の日本での事業開始時期と、年収情報がどの種類の資料から得られるかを整理したものです。金額の大小を比較する表ではありません。非上場のファームでは、公式開示が存在しないという点をふまえて情報を扱う必要があります。

上場しているかどうかで確度が変わる

フロンティア・マネジメントは東証プライム上場企業であり、有価証券報告書の「従業員の状況」に平均年間給与が記載されます。監査を経た開示書類の数値であるため、確度は最も高い部類です。

一方、A&M、アリックスパートナーズ、経営共創基盤はいずれも非上場で、この経路がありません。同じ「事業再生系ファームの年収」という言葉で並べても、根拠となる資料の性質は大きく異なります。比較表を見るときは、金額の隣に必ず出所を確認してください。

日本での事業年数の差も無視できない

A&Mを除く3社は、いずれも日本で20年近い事業実績を持ちます。アリックスパートナーズの東京進出は2005年、経営共創基盤とフロンティア・マネジメントはともに2007年の設立です。これに対しA&Mの日本進出は2025年10月で、記事公開時点でまだ1年に満たない段階です。

事業年数の差は、案件の積み上がり方、評価制度の運用実績、昇進事例の蓄積に直結します。報酬を考える際も、「制度として何が確立しているか」という観点からは、A&Mは現在進行形で作られている途中と理解しておくのが妥当です。

報酬水準を左右する構造的な要因

金額が非開示であっても、報酬がどのような構造の上に成り立つかは公開情報から推し量れます。A&Mの場合、次の三点が検討材料になります。

  • •監査部門を持たないため、BIG4が独立性の観点から取りにくい経営執行寄りの役割を引き受けられる。報酬の原資となるサービスの性質が、監査法人系ファームとは異なる
  • •シニアメンバー主導のチーム編成を公式に掲げており、ピラミッド型の大量動員モデルではない。少人数・高単価の構造になりやすい
  • •日本は立ち上げ期であり、年間100名程度・5年で500名という採用計画を掲げている。採用競争の中でのポジション獲得が前提となる

採用元から読み取れること

A&M Japanの立ち上げメンバー14名は、公式プレスリリースによればデロイト トーマツ、EY、PwCの出身者が中心です(うちマネージング・ディレクター6名の前職はデロイトが4名、EYが2名)。Global TAG日本代表の野中大作氏はデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社のパートナー、税務部門を統括する須藤一郎氏はEYの元パートナーです。

2026年9月には、野村證券で20年・50件超の案件に関与し、EY Japanのリードアドバイザリー部門ディレクターも務めた阿曽勇一郎氏がマネージング・ディレクター兼コーポレート・ファイナンス部門共同責任者として参画しています。同月には自動車業界グループのリーダーとして、EY-Parthenonで日本のアドバンストマニュファクチャリング&モビリティセクターを8年率いた山田マーク裕二郎氏も加わりました。

BIG4やグローバル投資銀行のパートナー・ディレクター層を継続的に採用できているという事実は、少なくともシニア層について、既存ファームから移る合理性のある条件が提示されていることを示唆します。ただしこれは推察であり、具体的な金額の裏付けにはなりません。

選考・オファーで確認すべき項目

公開情報で金額が分からない以上、条件の把握は選考過程での確認に委ねられます。非開示のファームを検討する際は、次の項目を漏れなく聞くことが実質的な情報収集になります。

金額が非開示のファームでは、「相場を調べてから応募する」という順番が機能しません。選考を進めながら条件を確認し、複数社の提示を並べて判断する進め方が現実的です。

1提示職位を先に確定させる

A&Mの職位はアナリストからマネージング・ディレクターまで細かく刻まれています。金額の交渉に入る前に、どの職位でのオファーなのか、その職位に公式求人上どのような役割が期待されているのかを確認します。

2基本給と賞与の内訳を分ける

年額の総支給だけでは、変動部分の大きさが分かりません。基本給、賞与、その他手当それぞれの金額と、賞与の決定方法(個人評価か全社業績か)を分けて聞きます。

3初年度と平年度の違いを聞く

入社初年度は賞与が按分されたり、保証額が設定されたりすることがあります。初年度の提示額と、2年目以降に想定される水準を区別して確認します。

4昇進の判断時期と基準を確認する

日本拠点は立ち上げ期であり、昇進運用の実績がまだ蓄積されていません。評価サイクル、昇進の判断者、日本側とグローバル側のどちらが決定権を持つのかを確認しておくと、入社後の見通しが立てやすくなります。

5担当する領域を具体化する

同じ職位でも、財務デューデリジェンス中心なのか、事業再生・業績改善に関わるのかで求められる成果が変わります。2026年9月時点で日本の再生機能は構築途上であるため、入社後に何を担当するのかは特に明確にしておく価値があります。

本記事の数値の扱いについて

本記事に記載した職位・要件・人員数・日付は、すべてA&Mの公式サイト、公式プレスリリース、公式採用サイトの求人、および国税庁法人番号公表サイトで確認した内容です。確認日は2026年9月13日です。

年収の金額については、公式に開示されている数値が存在しないため掲載していません。他のファームとの比較表も、金額ではなく情報の入手経路を並べたものです。今後A&Mが日本で開示を行った場合や、公式求人に給与額が記載された場合には、本記事を更新します。

なお求人の掲載内容は随時更新されます。応募を検討する際は、必ず同社の公式採用サイトで最新の求人原文を確認してください。

よくある質問

Q. アルバレス・アンド・マーサルの平均年収はいくらですか?
A. 公式には開示されていません。日本法人のAlvarez&Marsal Japan合同会社は非上場で有価証券報告書による平均年間給与の開示がなく、公式採用サイトの東京勤務求人15件(2026年9月13日時点)にも給与額・想定年収レンジの記載がありません。当サイトでは推定値を掲載していません。
Q. 公式求人には年収レンジが書かれていませんか?
A. 書かれていません。2026年9月13日時点で公開されている東京勤務の求人15件をすべて確認しましたが、給与額や想定年収レンジを記載した求人は1件もありませんでした。記載があるのは業務内容、必要なスキル・資格、必要な職務経験年数です。
Q. どの職位でオファーが出るかはどう判断できますか?
A. 公式求人の経験年数要件が目安になります。トランザクション・サービスではマネージャーが関連実務5〜7年程度、ディレクターが8〜10年以上とされています。税務のシニアマネジャー/マネジャーは税務コンサルティング8年以上です。いずれも該当求人の原文で確認してください。
Q. 口コミサイトの集計値は参考になりますか?
A. 現時点では慎重に扱うべきです。A&M Japanは2025年10月開設で、開設時の人員は14名、2025年12月時点でも20名弱です。母数が小さく在籍期間も短いため、集計値が統計として安定しません。当サイトでは金額の根拠としては使用していません。
Q. 他の事業再生系ファームと年収を比べるにはどうすればよいですか?
A. まず情報の出所を揃えてください。フロンティア・マネジメントは東証プライム上場で有価証券報告書に平均年間給与が記載されますが、A&M、アリックスパートナーズ、経営共創基盤は非上場で公式開示がありません。出所の異なる数字を並べても比較にはなりません。
Q. 選考ではどのタイミングで条件を確認できますか?
A. 公開情報に金額がない以上、選考過程またはオファー面談での確認が必要です。提示職位、基本給と賞与の内訳、初年度と平年度の違い、昇進の判断時期と基準、担当予定領域の5点を分けて確認しておくと、提示内容を正確に評価できます。

SUPERVISED BY — 監修者

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辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

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本ページは各社の公開情報をもとにコンサルペディア運営事務局が独自に編集したものであり、掲載企業による監修・提供を受けたものではありません。年収・残業時間・選考に関する情報は公開求人情報や口コミサイトの集計値をもとにした目安であり、実際の条件を保証するものではありません。内容の訂正が必要な場合はお問い合わせください。