アルバレス・アンド・マーサル

Alvarez & Marsal

最終更新:

1983年に米国で創業した事業再生・ターンアラウンドの世界的ファーム。リーマン・ブラザーズの清算を主導した実績を持ち、日本には2025年10月、東京・大阪の2拠点・14名体制で正式に進出した。

創業
1983年
日本進出
2025年10月
グローバル人員
1万1,500名超
日本の開設時人員
14名

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アルバレス・アンド・マーサルとは

アルバレス・アンド・マーサル(Alvarez & Marsal、以下A&M)は、1983年にトニー・アルバレス2世とブライアン・マーサルが設立した米国発のプロフェッショナルサービスファームです。創業時3名だった組織は北米・欧州・アジア・中南米・中東へと広がり、公式サイトの日本拠点ページでは40カ国・90拠点超・1万1,500名超と説明されています(沿革ページ「Our History」は39カ国・80拠点超・1万人超と記載しており、公式サイト内でも数字に幅があります)。世界最大級の非上場プロフェッショナルファームのひとつです。

同社の看板は事業再生・ターンアラウンドです。1999年に米国で全国規模の再生ファームへ転換する方針を決め、2001年に欧州でターンアラウンド/リストラクチャリング部門を立ち上げました。2008年にはリーマン・ブラザーズが破綻した際、グローバルな清算・巻き取りを主導する役割に選ばれています。米国史上最大の倒産案件が2012年に債権者への返済を開始するまでを担った実績は、同社が「本当に厳しい局面で呼ばれるファーム」と評される根拠になっています。

日本市場への正式進出は2025年10月16日です。東京・大阪にオフィスを開設し、マネージング・ディレクター6名を含む14名で事業を開始しました。ただし開設時のサービスは財務デューデリジェンス(トランザクション・アドバイザリー)、税務、コーポレート・ファイナンスが中心で、同社が世界で知られる事業再生・業績改善(パフォーマンス・インプルーブメント)機能は、2026年9月時点でも「これから構築していく段階」と公式に説明されています。日本での知名度・実績と、グローバルでのブランドを同一視しない読み方が必要なファームです。

アルバレス・アンド・マーサルの強み・特徴

1監査部門を持たないことによる利益相反からの自由

A&Mは監査業務を行わないため、BIG4系ファームが独立性の観点から引き受けにくい役割――経営執行そのものに踏み込むポジション――を取ることができる。公式に「監査上の独立性に縛られない立場」を進出時の差別化要因として掲げている。

2事業再生・ターンアラウンドでのグローバル実績

1983年の創業以来、業績不振企業の立て直しを本業としてきた。2008年のリーマン・ブラザーズ破綻ではグローバルな清算を主導。米国・欧州・アジア太平洋・インド・中東・中南米それぞれに再生部門の責任者を置く体制を敷いている。

3経営者経験者を含むシニア主導のチーム編成

元経営者(オペレーター)、元規制当局者、業界の専門家を含むネットワークを持ち、助言だけでなく暫定経営者として現場に入るスタイルを取る。日本でも公式に「シニアメンバー主導のクライアント対応体制」を掲げている。

4日本ではゼロからの立ち上げフェーズ

2025年10月開設、14名スタート。5年で500名という採用目標を公表しており、初期メンバーとして組織づくりに関われる余地が大きい。一方で社内の型や過去案件の蓄積は日本にはまだ薄く、自ら作る覚悟が要る環境でもある。

会社概要

正式名称アルバレス・アンド・マーサル(Alvarez & Marsal)
分類事業再生・ターンアラウンド系ファーム
設立1983年(米国)/日本進出 2025年10月
日本拠点東京都千代田区
創業1983年(米国)
創業者トニー・アルバレス2世/ブライアン・マーサル(共同創業者兼共同CEO)
日本法人Alvarez&Marsal Japan合同会社(法人番号 7010403035247)/ほかにA&M Japan税理士法人
日本の拠点所在地東京:丸の内ビルディング28階(東京都千代田区丸の内2-4-1)/大阪:Signature Grand Green Center 7階(大阪市北区大深町5-54 グラングリーン大阪 ゲートタワー サウスビル)。いずれも公式サイトの日本拠点ページに掲載。登記上の所在地は東京のみで、国税庁法人番号公表サイトの最終更新は令和7年12月24日
日本進出2025年10月16日(東京・大阪の2拠点を同時開設)
グローバル規模1万1,500名超/90拠点超/40カ国(公式サイトの日本拠点ページ)。沿革ページ「Our History」は1万人超/80拠点超/39カ国と記載しており、公式サイト内でも記載に幅がある
グローバルの主なサービスライン事業再生・ターンアラウンド/業績改善/トランザクション・アドバイザリー/税務/コーポレート・ファイナンス/バリュエーション/係争・調査。このうち日本で提供中と公式に確認できるのはトランザクション・アドバイザリー/税務/コーポレート・ファイナンスの3つ
上場区分非上場(世界最大級の非上場プロフェッショナルファームと自社説明)
公式サイトwww.alvarezandmarsal.com/

主なサービスライン

  • トランザクション・アドバイザリー
  • 税務
  • コーポレート・ファイナンス
  • 事業再生・ターンアラウンド
  • 業績改善

アルバレス・アンド・マーサルの年収・給与

職位在籍年数目安給与・年収の掲載額
アナリスト(トランザクション・サービス)簿記2級以上・JLPT N2相当以上公式求人に金額の記載なし
マネージャー(トランザクション・サービス)関連実務5〜7年程度公式求人に金額の記載なし
ディレクター(トランザクション・サービス)関連実務8〜10年以上公式求人に金額の記載なし
シニアマネジャー/マネジャー(税務)税務コンサルティング8年以上公式求人に金額の記載なし

A&Mの年収は公式には開示されていません。日本法人(Alvarez&Marsal Japan合同会社)は非上場のため有価証券報告書による平均年間給与の開示がなく、同社の公式採用サイトに掲載されている東京勤務の求人にも給与額・想定年収レンジの記載がありません(2026年9月13日確認・東京勤務15件すべて)。上表は公式求人から確認できる職位と応募要件を整理したもので、金額は編集部でも推定していません。転職検討にあたっては、選考過程またはオファー面談で個別に条件を確認する必要があります。

もっと詳しく:アルバレス・アンド・マーサルの年収›

キャリアパス・職位構成

  1. 1アナリストシニアメンバーの指導のもとで調査・財務分析・資料作成を担い、財務デューデリジェンスの基礎業務を支える
  2. 2アソシエイト/シニアアソシエイト担当タスクのオーナーとして分析と成果物作成を進め、クライアントとのやり取りにも参加する
  3. 3マネージャー/シニアマネジャー案件の実務遂行を主導し、プロジェクトチームの管理・品質レビュー・ジュニアの育成までを担当する
  4. 4ディレクター/シニアディレクター複雑・大型案件を統括し、複数案件の同時管理、提案書作成、クライアントリレーションの構築を担う
  5. 5マネージング・ディレクターサービスラインや業界グループの責任者として、事業開発と組織構築に責任を持つ

働き方・カルチャー

コアバリュー誠実さ/品質/客観性/楽しさ(Fun)/やりがい(Personal Reward)/包摂性・多様性の6つを公式に掲げる
組織フェーズ2025年10月開設の立ち上げ期。5年で500名・年100名の採用を目標として公表している
日本語要件トランザクション・サービス職はJLPT N2相当以上と日本での就業・就学経験を必須要件としている
勤務形態リモート可否・残業時間などの勤務条件は公式に開示されていない
もっと詳しく:アルバレス・アンド・マーサルの働き方›

中途採用・選考プロセス

  1. 1公式採用サイト(careers.alvarezandmarsal.com)から職種別に応募
  2. 2応募以降の選考プロセス(書類選考の有無、面接回数・形式、ケース面接や筆記試験の有無、選考期間)は公式に開示されていない

主な出身業界・職種:日本の創業メンバーはデロイト トーマツ、EY、PwCの出身者が中心。2026年9月時点の東京求人も、財務デューデリジェンス、コーポレート・ファイナンス、税務といったBIG4・証券会社の経験がそのまま活きる職種で構成されている。

公式求人では資格要件が明示されており、トランザクション・サービスのマネージャー以上はCPA(公認会計士/米国公認会計士等)・簿記検定2級以上・TOEIC700点以上、税務のシニアマネジャー/マネジャーは、税理士資格および/または日本公認会計士資格が「あることが望ましい(preferred)」とされています(必須とは明記されていません)。第三者の転職エージェント経由の推薦は、A&Mが依頼した場合を除き受け付けない方針が公式に示されています。

もっと詳しく:アルバレス・アンド・マーサルのキャリア・選考›

アルバレス・アンド・マーサルが向いている人

  • ✓監査法人の独立性制約を離れ、経営執行に踏み込む立場で働きたい会計・財務の専門家
  • ✓日本拠点の立ち上げ期に、制度や案件の型づくりから関わりたい人
  • ✓クロスボーダーのM&A・事業再生をグローバルネットワークと組んで手がけたい人
  • ✓BIG4のFAS・税務で培った専門性を、より少人数の環境で発揮したい人
  • ✓確立された研修体系や豊富な国内実績よりも、裁量と立ち上げの経験を優先できる人
もっと詳しく:アルバレス・アンド・マーサルの評判・実績›

沿革

  • 1983年トニー・アルバレス2世とブライアン・マーサルがA&Mを創業(社員3名)
  • 1999年米国で全国規模のリストラクチャリングファームへ転換する方針を決定
  • 2001年欧州でターンアラウンド/リストラクチャリング部門を立ち上げ
  • 2003年サーベンス・オクスリー法を契機に業績改善・ビジネスアドバイザリー部門を新設
  • 2005年トランザクション・アドバイザリーおよびプライベート・エクイティ・サービス部門を設立
  • 2008年リーマン・ブラザーズの破綻に伴うグローバルな清算業務を主導。金融機関向けアドバイザリー部門を新設
  • 2012年リーマン・ブラザーズが米国史上最大の倒産手続から脱し、債権者への返済を開始
  • 2025年10月16日東京・大阪にオフィスを開設し、MD6名を含む14名でA&M Japanを立ち上げ
  • 2026年9月1日阿曽勇一郎氏がMD兼コーポレート・ファイナンス部門共同責任者に就任
  • 2026年9月8日日本に自動車業界グループを新設、山田マーク裕二郎氏をグループリーダーに任命

アルバレス・アンド・マーサルに関するよくある質問

Q. アルバレス・アンド・マーサルはどんな会社ですか?
A. 1983年に米国で創業したプロフェッショナルサービスファームです。事業再生・ターンアラウンド、業績改善、アドバイザリーを主軸とし、公式サイトの日本拠点ページによれば40カ国・90拠点超に1万1,500名超のプロフェッショナルを擁します(沿革ページ「Our History」は39カ国・80拠点超・1万人超と記載しており、公式サイト内でも数字に幅があります)。2008年のリーマン・ブラザーズ破綻ではグローバルな清算を主導しました。日本には2025年10月16日に正式進出し、東京・大阪の2拠点をMD6名を含む14名体制で開設しています。
Q. アルバレス・アンド・マーサルの日本での年収はいくらですか?
A. 公式には開示されていません。日本法人は非上場で有価証券報告書による平均年間給与の開示がなく、公式採用サイトの東京勤務求人(2026年9月13日時点で15件)にも給与額や想定年収レンジの記載はありません。当サイトでは推定値を掲載せず、選考過程での個別確認を推奨しています。
Q. 日本では事業再生の案件に関われますか?
A. 2026年9月時点では限定的です。同社は公式に「A&M Japanは2025年10月にトランザクション・アドバイザリーと税務の機能で立ち上がり、2026年9月に新設した自動車業界グループが、業績改善・ターンアラウンド機能を広げる第一歩である」と説明しています。日本の求人も財務デューデリジェンス、コーポレート・ファイナンス、税務が中心で、再生専門ポジションはまだ多くありません。
Q. アリックスパートナーズやIGPIとは何が違いますか?
A. 日本での事業年数と機能の広さが大きく異なります。アリックスパートナーズは2005年、経営共創基盤とフロンティア・マネジメントは2007年から日本で事業再生を手がけてきたのに対し、A&Mの日本進出は2025年10月です。グローバルの再生実績では並ぶ規模を持ちますが、日本国内の再生実績の蓄積という点では後発にあたります。
Q. 選考ではどのような要件が求められますか?
A. 公式求人に明記されています。トランザクション・サービスのマネージャー以上はCPA(公認会計士/米国公認会計士等)、簿記検定2級以上、TOEIC700点以上に加え、日本語能力試験N2相当以上と日本での就業・就学経験が要件です。マネージャーは関連実務5〜7年程度、ディレクターは8〜10年以上。税務のシニアマネジャー/マネジャーは税務コンサルティング8年以上が挙げられ、税理士または日本公認会計士資格は「あることが望ましい(preferred)」とされています。
Q. 日本ではどのくらいの規模まで拡大する計画ですか?
A. 同社公式サイトに掲載された記事では、Global TAG 日本代表の野中大作氏が年間100名程度を採用し、5年以内に500名体制を目指すと述べています。あわせて、事業再生およびパフォーマンス・インプルーブメントの専任チームを設けることで、5年以内に日本での年間売上高1億米ドルを目標とするとしています。いずれも目標であり、実績値ではありません。

事業再生系ファームの比較

同じ事業再生系に分類されるファームの規模・年収水準を比較できます。

ファーム設立従業員数年収水準の目安
アルバレス・アンド・マーサル(このページ)1983年——
経営共創基盤2007年単体約220名約1,000万〜1,200万円
アリックスパートナーズ1981年——
フロンティア・マネジメント2007年327名(2025年12月期)約1,171万円
リヴァンプ2005年382名—

※ 年収水準は各社の公開求人情報・口コミサイト等をもとにした目安であり、公式開示値ではありません。

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辰本 明日加

監修者

辰本 明日加Asuka Tatsumoto

STRAND PARTNERS 代表取締役

慶應義塾大学卒業後、アクセンチュア戦略部門、リクルートを経てSTRAND PARTNERSを創業。コンサルファーム・PEファンド・大手事業会社への転職支援を手がける。

高辻 渚

監修者

高辻 渚Nagisa Takatsuji

STRAND PARTNERS

米国ビジネススクール卒業後、PwCニューヨークオフィス、アクセンチュア戦略部門を経て参画。グローバル視点でのコンサル・外資系企業への転職支援を担当。

本記事はストランドパートナーズ株式会社のコンサルティング業界担当コンサルタントが内容を確認しています。

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